• 検索結果がありません。

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座"

Copied!
33
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

このコンテンツは、実地医家の先生方に対して、 甲状腺疾患の基礎知識を詳しく解説しています。

(2)

目次です。

(3)

甲状腺の解剖と位置です。 甲状腺は、気管にまたがるように存在する蝶形の充実性臓器です。 女性では前頸部の中央付近にありますが、 男性では女性より位置が低く、 下方が上縦隔にかけて存在する場合があります。 甲状腺はBerry靭帯で気管に付着し固定されています。 片葉の大きさは縦4~4.5cm、横幅1.5cm、厚さ1cm、 重さはおよそ15~20gです。 左右の側葉とそれをつなぐ峡部からなる臓器です。 甲状腺は主に上・下甲状腺動脈と上・中・下甲状腺静脈で支配されていま す。 甲状腺背側には声帯運動をつかさどる反回神経が走行しています。 通常、右反回神経は甲状腺右葉下極あたりで軟部組織の中を斜めに走行し、 左反回神経は、気管と食道の間を縦に走っています。 3

(4)

横断面の解剖です。

甲状腺は前頸筋群の下、気管の上に馬蹄形に存在します。 頸動脈エコーで頸動脈を短軸断面で描出すると、

そのすぐ横に描出されます。

(5)

正常な甲状腺組織は 一層の立方あるいは扁平な上皮で構成される濾胞の集合 で、内腔にコロイドを有し周囲は毛細血管で被われています。

(6)

甲状腺疾患の来院の契機の主なものです。

(7)

3-1.甲状腺の腫れ 鏡などを見て自分で甲状腺のはれに気づいたり、 ほかの人に甲状腺のはれを指摘され、病院を受診します。 一番多い症状がくびのはれ、すなわち甲状腺腫です。 びまん性甲状腺腫は甲状腺が全体的にはれている状態で、 結節性甲状腺腫は甲状腺の片側がはれる場合と甲状腺全体が はれる場合があります。 7

(8)

3-2.甲状腺機能異常の症状 甲状腺の働きが亢進したり低下すると、 「心臓がドキドキする」 「手指が細かくふるえる」 「暑がりになる」 「体が冷え、寒がりになる」 「肌が乾燥してくる」 などさまざまな症状が現れます。 こうした症状をきっかけに受診する人も少なくありません。 甲状腺中毒症、甲状腺機能低下症の主な症状は次スライド以降にあります。 8

(9)

甲状腺中毒症、甲状腺機能亢進症はスライドに示すような多彩な症状を呈し ます。

甲状腺ホルモン過剰の約80%をバセドウ病、約10%を無痛性甲状腺炎、約 10%を亜急性甲状腺炎が占めています。

(10)

甲状腺機能低下症は、スライドのように多彩な症状を呈します。 このほとんどが橋本病による原発性甲状腺機能低下症です。

(11)

3-3.眼球の突出 バセドウ病では、眼球突出が認められる場合があります。 自己免疫性炎症により眼窩内脂肪組織が腫大し、その結果、 後眼窩組織の容積が増大します。 また、外眼筋組織に炎症がおこり、外眼筋の容積が増大することで 眼球が突出します。 11

(12)

3-4.健康診断などで甲状腺異常を指摘 健康診断や人間ドックで血液中の甲状腺ホルモン濃度の異常を指摘された り、 甲状腺エコーや頸動脈エコーで甲状腺腫が発見され、専門病院を受診する方 も多くなっています。 12

(13)

甲状腺の機能検査では主にFT3、FT4、TSHを測定し、 その他の検査も含め、総合的に判断されます。

(14)

甲状腺ホルモン検査は、

遊離トリヨードサイロニン(FT3)と 遊離サイロキシン(FT4)に分かれます。

(15)

TSH(甲状腺刺激ホルモン)は脳下垂体から分泌される、 甲状腺ホルモンの合成・分泌を促すホルモンです。

(16)

FT3、FT4、TSH以外の甲状腺検査には、 TRAb:抗TSHレセプター抗体 TSAb:甲状腺刺激抗体 TgAb:抗サイログロブリン抗体 TPOAb:抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体 Tg:サイログロブリン があります。 16

(17)

甲状腺の疾患には、大きく分けて甲状腺機能異常と甲状腺腫の2つがありま す。 疾患によってその両方に変化が現れたり、あるいはどちらか一方だけが認め られます。 甲状腺機能異常は、甲状腺ホルモンをつくる働きが異常を起こし、 甲状腺ホルモンが過剰になったり不足したりするものです。 甲状腺腫には、甲状腺全体がそのままの形で大きくなったびまん性甲状腺腫 と、甲状腺の一部にしこりができる結節性甲状腺腫があります。 17

(18)

No.9と同じスライドです。 甲状腺中毒症、甲状腺機能亢進症はスライドに示すような多彩な症状を呈し ます。 甲状腺ホルモン過剰の約80%をバセドウ病、約10%を無痛性甲状腺炎、約 10%を亜急性甲状腺炎が占めています。 18

(19)

No.10と同じスライドです。

甲状腺機能低下症は、スライドのように多彩な症状を呈します。 このほとんどが橋本病による原発性甲状腺機能低下症です。

(20)

びまん性甲状腺腫は甲状腺が全体的にはれている状態で、 単純性びまん性甲状腺腫 バセドウ病 亜急性甲状腺炎 橋本病(慢性甲状腺炎) などがあります。 20

(21)

単純性びまん性甲状腺腫とは、甲状腺が全体的にはれているだけの疾患で す。 甲状腺ホルモンにも異常がなく、とくに治療の必要はありません。 しかし、将来甲状腺機能に異常が生じる可能性があるため、 定期的に経過を観察する必要があります。 21

(22)

バセドウ病は、甲状腺機能亢進症を起こす代表的な疾患です。 男女比は男性1人に対して女性4人ほどです。 発病年齢は、20歳代、30歳代が全体の過半数を占めています。 バセドウ病は自己免疫疾患のひとつで、 甲状腺を異常に刺激する抗体(抗TSHレセプター抗体:TRAb または甲状腺刺 激抗体:TSAb)が自身の体のどこかで作られています。 この抗体が甲状腺を刺激することから、甲状腺ホルモンが増加します。 22

(23)

バセドウ病の代表的な3つの症状は、 1、びまん性甲状腺腫 2、眼球突出 3、頻脈 で、いづれも甲状腺ホルモンの過剰によって起こる症状です。 現在は、3つの症状が全てそろうことはまれで、より早期に発見できるように なっています。 バセドウ病では眼球突出や眼瞼腫脹、眼瞼後退が起こることがあります。 バセドウ病による目の異常を「バセドウ眼症」といいます。 23

(24)

No.11と同じスライドです。 眼球突出 バセドウ病では、眼球突出が認められる場合があります。 自己免疫性炎症により眼窩内脂肪組織が腫大し、その結果、 後眼窩組織の容積が増大します。 また、外眼筋組織に炎症がおこり、外眼筋の容積が増大することで 眼球が突出します。 24

(25)

No.9と同じスライドです。 甲状腺中毒症、甲状腺機能亢進症はスライドに示すような多彩な症状を呈し ます。 甲状腺ホルモン過剰の約80%をバセドウ病、約10%を無痛性甲状腺炎、約 10%を亜急性甲状腺炎が占めています。 25

(26)

バセドウ病の検査は血液検査が 中心です。 血液中の甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、抗TSHレセプター抗体、また は甲状腺刺激抗体を測定します。 甲状腺ホルモンの量が過剰で抗TSHレセプター抗体または甲状腺刺激抗体が検 出されれば、バセドウ病と診断されます。 血液検査だけで診断がつかない患者は、アイソトープ(放射性ヨウ素または テクネシウム)検査を実施し、甲状腺への摂取率が高値であればバセドウ病 と診断されます。 治療法には、 抗甲状腺薬治療 131I内用療法(アイソトープ治療) 手術療法 があります。 それぞれの治療法に利点、欠点があり、その人の病状、年齢、社会的状況な どによって最適の治療を選ぶことが重要になります。 26

(27)

橋本病は甲状腺の病気のなかでもとくに女性に多く、 男女比は約1対20~30で、 年齢ではとくに30、40歳代が多く、幼児や学童は大変まれです。 橋本病の人の約30%に甲状腺機能低下があり、残りの70%は甲状腺機能が正 常です。 甲状腺特異的自己免疫疾患で、抗サイログロブリン抗体(TgAb)や、抗甲状 腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)が陽性を呈します。 中には、抗体陰性の橋本病も存在するので注意が必要です。 甲状腺機能低下を呈している橋本病では、甲状腺ホルモン剤の投与をしま す。 27

(28)

この疾患は、女性では男性の12倍ほどかかりやすく、30歳代、40歳代の女性 に圧倒的に多い疾患です。 症状は、甲状腺の炎症部位に一致して痛みが出現します。 発熱も認められます。 また痛みはしばしば反対側へ移動することもあります(クリーピング現 象)。 甲状腺の機能亢進を伴うとバセドウ病と同じように、動悸や息切れ、発汗、 倦怠感などの症状が現れます。 亜急性甲状腺炎は、炎症によって甲状腺の組織が破壊されることで、 甲状腺に蓄えられていた甲状腺ホルモンが急激に血液中に流れ出して 甲状腺機能が亢進します。 血液検査では、赤血球沈降速度(赤沈)の亢進、炎症によってCRPの値が上昇 します。 このほか、急性期は放射性ヨウ素(またはテクネシウム)の甲状腺摂取率 低下を認め、甲状腺の機能が亢進していてもバセドウ病との鑑別が可能で す。 治療は、副腎皮質ホルモン剤が非常によく奏効します。 なお、バセドウ病で使用する抗甲状腺薬は無効です。 28

(29)

甲状腺の腫瘍は、いずれも20歳代から50歳代の女性に多く、 結節があるだけで、ほかには何も自覚症状がないことがほとんどです。 良性疾患は大きく分けて、 「腺腫」 「腺腫様甲状腺腫」 があります。 悪性疾患には、 乳頭癌 濾胞癌 髄様癌 低分化癌 未分化癌 悪性リンパ腫 があります。 29

(30)

結節性甲状腺腫の代表的な良性疾患には、腺腫と腺腫様甲状腺腫がありま す。 腺腫は、通常甲状腺に結節が一つできます。 典型的な腺腫様甲状腺腫では、左右の甲状腺に大小さまざまな大きさの結節 ができます。腺腫に比べると大きなものが多く、腫瘍が縦隔内に進展するこ ともあります。(縦隔内甲状腺腫) 腺腫様甲状腺腫の中に甲状腺癌が存在していることもあり、注意が必要で す。 30

(31)

悪性疾患には、 乳頭癌 濾胞癌 髄様癌 低分化癌 未分化癌 悪性リンパ腫 があります。 甲状腺癌は、90%以上が乳頭癌で、濾胞癌が5~6%、髄様癌が1~2%、未分化 癌が1~2%程度です。 乳頭癌と濾胞癌は、細胞が成熟していて発育が遅いことから分化がんとも呼 ばれます。髄様癌はC細胞由来の特殊な癌です。 検査で中心となるのは超音波検査(エコー)と細胞診(エコーガイド下穿刺 吸引細胞診)です。 31

(32)

日本超音波医学会が公示している、甲状腺結節(腫瘤)における超音波診断 基準です。

結節腺疾患のチェックポイントとして活用してください。 掲載のサイトからPDFファイルがダウンロード可能です。

(33)

このコンテンツは、伊藤病院 診療技術部部長の北川 亘 先生の監修の元 に作成しております。

参照

関連したドキュメント

わからない その他 がん検診を受けても見落としがあると思っているから がん検診そのものを知らないから

最も偏相関が高い要因は年齢である。生活の 中で健康を大切とする意識は、 3 0 歳代までは強 くないが、 40 歳代になると強まり始め、

自閉症の人達は、「~かもしれ ない 」という予測を立てて行動 することが難しく、これから起 こる事も予測出来ず 不安で混乱

まず、本校のコンピュータの設置状況からお話します。本校は生徒がクラスにつき20人ほど ですが、クラス全員が

自分ではおかしいと思って も、「自分の体は汚れてい るのではないか」「ひどい ことを周りの人にしたので

これも、行政にしかできないようなことではあるかと思うのですが、公共インフラに

年齢別にみると、18~29 歳では「子育て家庭への経済的な支援」が 32.7%で最も高い割合となった。ま た、 「子どもたち向けの外遊びや自然にふれあえる場の提供」は