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524 CLEIA 法によるサイトメガロウイルス抗体測定試薬の基礎的検討 川原宏惠 1) 今井重良 1) 髭野泰博 1) 日野雅之 2) 大阪市立大学医学部附属病院 1) 大阪市立大学大学院医学研究科血液腫瘍制御学 2) はじめに サイトメガロウイルス( 以下 CMV) は 成人の 60~90% に

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Academic year: 2021

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(1)

【はじめに】 抗Sm 抗体は全身性エリテマトーデス(SLE)に対する疾 患特異抗体である。対応するSm 抗原は、複数のポリペプ チドにより複合体を形成しているが、なかでもSmD は、そ の対応抗体が高い疾患特異性を示すことから、国内外の臨 床診断薬の固相化抗原として採用されている。しかし、現 在の技術では構造上の理由からSmB/B'が残存し、RNP-A、 RNP-C との交差反応を起こすため偽陽性になることが報告 されている。そこで今回、SmD 合成ペプチド抗原を固相化 した抗Sm 抗体検査キット「エリア SmDp」が開発され、 その基礎的検討を行ったので報告する。 【方法】 当院検査部に抗Sm 抗体検査の依頼があった 335 検体を対 象に、全自動蛍光酵素免疫測定装置ファディア250 を用い て、新規試薬「エリアSmDp」の同時再現性、日差再現性、 希釈直線性および検出感度を測定した。また従来試薬「エ リアSm」との陽性・偽陽性・陰性の判定について比較した。 判定不一致検体についてはウェスタンブロット法による追 加試験を実施した。 【結果】 1)再現性:異なる濃度の 3 検体及び陽性コントロールを用 い、同時再現性はn=10 で測定し、CV は 3.65~6.69 %であ った。日差再現性は、n=2 で 5 日間連続測定し、CV は 3.52~9.12 %であった。 2)希釈直線性:濃度の異なる 2 検体について 10 段階希釈 系列を作成し測定したところ、良好な直線性を示した。 3)検出感度:低濃度検体を用い、2SD 法で検討を行ったと ころ、0.1 U/mL で良好であった。 4)従来試薬との比較:335 検体を用いて従来試薬と比較し たところ、陽性一致率が88.0 %、陰性一致率が 96.1 %、判 定一致率は94.6 %となった。 【まとめ】新規試薬の基礎性能は良好で、高い特異性を示 し、従来試薬よりもSLE に対する感度の向上がみられた。 従来試薬との乖離検体についてはウェスタンブロット法に よる追加試験を実施し解析中である。 “連絡先-03-3815-5411(内腺 35026)”

新規試薬「エリア

SmDp」の基礎的検討

◎西森 まどか1)、永友 利津子1)、下坂 浩則1)、大久保 滋夫1)、矢冨 裕1) 東京大学医学部附属病院1)

523

(2)

【はじめに】サイトメガロウイルス(以下CMV)は、成人 の60~90%に感染既往があるとされているが、通常健常人 がCMV に感染しても、ほとんどが不顕性感染である。し かし、妊婦が妊娠初期にCMV に初感染した場合、胎児に 重篤な母子感染症を引き起こす恐れがある。また臓器移植 後、AIDS 患者、先天性免疫不全症候群などの免疫抑制条件 化でCMV に初感染および再活性化すると症状が重篤とな ることが多く、抗体の有無を検査しておくことが重要であ る。今回我々はCMV-IgG 抗体および CMV-IgM 抗体を化学 発光酵素免疫測定法(以下CLEIA 法)にて基礎的検討およ び現行法である酵素免疫蛍光測定法(以下ELFA 法) (Sysmex 社 VIDAS)と比較検討する機会を得たので報告 する。 【方法】1)同時再現性(n=10)は CMV-IgG、CMV-IgM について 2 濃度の専用コントロールを用いた。2)日 差再現性はCMV-IgG、CMV-IgM について 2 濃度の専用コ ントロールを用い6 日間測定を行った。3)陽性陰性一致 率の比較は、ELFA 法において CMV-IgG では陽性 50 検体、 陰性10 検体、判定保留 1 検体を用いた。CMV-IgM では陰 性54 検体を用いて比較検討を行った。 【結果】1)同時再現性のCV は、CMV-IgG は 2.7~ 3.0%、CMV-IgM は 3.1~3.8%であった。2)日差再現性の CV は、CMV-IgG は 2.8~5.7%、CMV-IgM は 4.4~6.2%で あった。3)ELFA 法との陽性陰性一致率の比較は、CMV-IgG では陽性陰性ともに 100%一致し、判定保留 1 検体は陽 性となった。CMV-IgM では陰性 54 検体中、49 検体陰性、 3 検体陽性、2 検体判定保留となった。 【まとめ】今回の検討により、同時再現性はCMV-IgG、 CMV-IgM ともに良好な結果が得られた。日差再現性におい ても概ね良好な結果であった。  しかし、現行法との比較では、CMV-IgG での乖離率 1.6%、CMV-IgM での乖離率 9.3%であり、現在乖離検体に ついては、病態や投薬などの患者背景および測定系の影響 因子について症例数を増やして検討予定である。 連絡先:06-6645-2211(直通)

CLEIA 法によるサイトメガロウイルス抗体測定試薬の基礎的検討

◎川原 宏惠1)、今井 重良1)、髭野 泰博1)、日野 雅之2) 大阪市立大学医学部附属病院1)、大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学2)

524

(3)

【はじめに】尿中Bence Jones Protein(BJP)の検出は、BJP の 熱凝固反応性を利用したPutnam 法 1)が活用されてきたが、 その感度と特異性は良くないとされている。今回Putnam 法 の感度と特異性について検証した。 【材料および検討方法】1、検出感度:BJP が確認されて いる患者尿で、尿中アルブミン(ALB)定量値が 10mg/dL 以 下、尿中IgG 値が 3mg/dL 以下、IFE および尿蛋白分画で BJP 単一バンドが確認された 4 検体を使用した。患者尿を 生理食塩水で10 段階希釈、尿蛋白値(U-TP)を測定し、 Putnam 法を実施、目視とともに濁度を測定(660nm)後、 検出感度を求めた。また、Putnam 法陽性検体 40 検体につ いてU-TP を測定した。2、特異性:Putnam 法陽性で IEP や IFE で BJP が確認されており、ALB が検出されない 5 検体を使用し、Putnam 法の温度と反応バッファの pH を 変えて反応性をみた。さらにPhast System(GE)により等 電点電気泳動を実施した。3、Putnam 法の反応温度と pH の 違いによる反応性:ヒトALB 液とグロブリン液を調整(0-1000mg/dL)し反応性を観察した。 【結果】1、検出感度:U-TP 値として 10-15mg/dL あれば目 視で白濁が観察された。2、特異性:反応温度は、BJP 蛋白 量にもよるが、39℃あたりから白濁が観察され、pH が酸性 であるほど低温度から検出された。等電点は、個々の検体 でさまざまであり、pI4.0 付近から pI7.3 まで認められた。 しかし、反応バッファを変えて反応性をみると個々の等電 点には関係なく、Putnam 法原法である pH4.9±0.1 で最も強 い白濁が観察された。3、ヒト ALB 液では、800mg/dL 以上 になると原法の56℃でも陽性となり 58℃では 400mg/dL で 陽性となった。グロブリン液では1000mg/dL でも 60℃まで みたが反応を認めなかった。 【まとめ】Putnam 法の感度は、15mg/dL 前後であった。等 電点と関係なく原法のpH4.9±0.1 で最も強く反応した。さ らに我々が提案しているU-ALB/U-TP 比と合わせて活用す れば、尿中BJP のスクリーニング法として有用であると考 える。

【文献】1)Putnam FW.et al:Arch Biochem Biophys,83:115-130,1959     連絡先 072-366-0221(内線 2182))

尿中

BJP のスクリーニング法(Putnam 法)の感度と特異性の検証

◎井本 真由美1)、前田 和成1)、森嶋 祥之1)、中江 健市1) 近畿大学医学部附属病院1)

(4)

【はじめに】梅毒血清反応には,STS 法と TP 抗原法が用 いられており,手術前,内視鏡検査前や,人間ドック,妊 婦検診,輸血前後などの感染症スクリーニング検査として 実施されているため,簡便かつ迅速に多数検体処理が可能 な自動分析装置による測定が主流となっている。  今回,高感度,高特異性で迅速測定が可能な抗梅毒トレ ポネーマ・パリーダム抗体(抗 TP 抗体)測定試薬「Elecsys Syphilis」(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)が 開発され,性能評価を行ったのでその成績を報告する. 【方法および対象】測定機器は全自動電気化学発光免疫 測定装置Cobas e411(ロシュ・ダイアグノスティックス株 式会社)で,測定原理は電気化学発光免疫測定法(ECLIA 法) を原理とした1 ステップサンドイッチ法である.  対象は,本院検査部に提出された入院・外来患者血清 (1103 検体)を用いた.対照試薬は,アーキテクト TP Ab, セロディア TP-PA,エスプライン TP,ラピディアオート TP で,確認法として FTA-ABS テスト-SG-KIT を用いた.  なお,本検討については東京大学大学院医学系研究科医 学部倫理委員会の承認を得て行った. 【結果】1)再現性:同時再現性(n = 21)は,CV(%)=0.9 ~ 8.5,日差再現性(n = 10)は,CV(%)=4.1 ~ 9.2 で あった.2)干渉物質の影響:干渉チェックおよび患者血清 (IgG,IgA,IgM,乳び,RF)の影響は一般に臨床で経験す る濃度域まで認められなかった.3)他法との判定一致率: vs. アーキテクト TP Ab 99.4 %,vs. セロディア TP-PA 99.4 %,vs. エスプライン TP 100.0 %,vs. ラピディア オート TP 99.6 %.4)乖離検体:対照試薬と乖離した検体 は14 例で,FTA-ABS が実施できた 11 例はいずれも陰性 あるいは判定保留であった.また,本試薬単独で陽性また は陰性となる例は みられなかった. 【まとめ】今回,抗TP 抗体測定試薬である Elecsys Syphi lis について基礎的検討を行ったところ,良好な結果が得 られた.本試薬は全自動で測定され,約20 分で結果報告が 可能であり,日常検査に有用であると思われた.        (増戸梨恵 03-3815-5411)

TP 抗体測定試薬「Elecsys Syphilis」の基礎的検討

◎増戸 梨恵1)、永友 利津子1)、渡邉 奈緒美1)、大久保 滋夫1)、池田 均1)、矢冨 裕1) 東京大学医学部附属病院1)

526

(5)

 結核感染診断検査T-スポットは、標準化のために結核抗 原刺激時に末梢血単核球(PBMC)を 1 ウェルあたり 25 万個 ×4 ウェルとしている。そのため、PBMC 規定値(100 万個) 未満では検査不可となる。今回、検査不可の低減を目的と して、PBMC 調整時の少量化を検討した。 【材料および検査手順】 PBMC 浮遊液調整:ヘパリン血 5 mL から PBMC を分離・ 洗浄後700μL の液体培地に浮遊させ、PBMC 数を自動血 球分析装置(XE-2100)で計測する。 PBMC 調整法:現行法は、PBMC 浮遊液 700μL のうち 200μL を試料とし、マニュアルモードで計測する。PBMC 値が2.0×103/μL 以上で、2.0×103/μL×残 500μL=100 万個となり検査可能。検討法は、PBMC 浮遊液 700μL の うち50μL をセルパック 200μL で 5 倍希釈し、その溶液 を試料とし、キャピラリモード(希釈法)で計測する。PBMC 値が1.5×103/μL×残 650μL≒100 万個となり検査可能。 両方法において、PBMC 規定値未満では残ヘパリン血の再 処理を行う。再処理をしても規定値に満たない場合は検査 不可となる。 【方法および結果】 1.希釈再現性:セルパック5 倍希釈溶液の 3 種を各 10 回測定したところ、全てCV9%以内であった。 2.希釈直線性:セルパックで5 倍希釈した低濃度域の試 料にて直線性をみたところ、1.4×103/μL 以上で理論値± 5%以内であった。 3.PBMC 値の相関:患者試料 40 検体を、現行法(x)と希 釈法(y)で相関をみたところ、y=1.06x+0.5、r=0.9937 であ った。 4.検査不可低減率:1 ヶ月間に検査を実施した 2830 検 体を対象に、現行法から希釈法に変更した場合の検査不可 数は14 から 9 検体(36%減)となり、再処理数は 48 から 10 検体(79%減)となった。 【結語】T-スポットにおいて、希釈による PBMC の調整は、 現行法と遜色ない性能であり、PBMC 規定値未満による検 査不可および再処理の低減効果が期待できる。 連絡先:0774-46-1010

T-スポットにおける PBMC 調整法工夫による検査不可の低減

◎四方 瑛理1)、藤本 一満1) ファルコバイオシステムズ 総合研究所1)

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参照

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