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(1)

Fig.④ . a-4 TEM micrographs and film photograph of PMMA resin/ commercial modifier-capped Au nanoparticles composite film.

上記2例についてUV可視分光光度計を用い、金ナノ粒子のプラズモン吸収に由来する 吸収ピーク波長を測定した結果を、Fig.④.a-5 に示す。図からわかるように、樹脂と同 一の組成を有する修飾用ポリマーでナノ粒子の表面を修飾した場合には、樹脂フィルム中 で金ナノ粒子は全く凝集することなく完全に分散しており、溶媒中での吸収ピーク波長を そのまま樹脂フィルム中でも維持していることがわかる。

(2)

400 500 600 700 800 Wavelength [nm] abso rb ance [a.u.] polymer film (Au nanoparticles are capped by capping agent) polymer film (polymer-capped Au nanoparticle particle (in organic solvent) 516nm 519nm

(absorbance peak is not clearly observed)

Fig.④.a-5 UV-Visible spectra of PMMA resin / Au nanoparticles composite film.

次に同様の検討をCdSeナノ粒子で実施したサンプルについて、TEMにより粒子の 分散性を観察した結果を、Fig.④.a-6 に示す。写真から明らかなように、低分子化合物 のTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)で表面修飾したものは樹脂中で粒子同士 が凝集してしまう(Run a)のに対し、ポリマーで表面修飾したものはPMMA樹脂全 体に均一にCdSeナノ粒子を分散させた組成物を得ることができる(Run 2)。得ら れた組成物を溶液キャスト法などによりフィルムに加工すると、紫外線照射により可視光 で光る蛍光フィルムを得ることができる。

(3)

(Run a)

(Run b)

Fig.④.a-6 TEM micrographs of PMMA resin / CdSe nanoparticles composite films. (Run a) modified by TOPO(Trioctylphosphine oxide) (Run b) modified by polymer

(4)

Fig.④.a-7 には、CdSeナノ粒子トルエン溶液及びCdSe分散フィルムに、波長 299nm の励起光を照射した際のフォトルミネッセンススペクトルチャートを示す。また、 Table ④.a-1 にはPL測定のピーク波長及び半値幅を示す。 このように、樹脂中で良好にナノ粒子が分散していると、CdSeの発光特性はピーク 波長、半値幅ともにトルエン溶液中で測定した値とほぼ同等の値を示した。これは、PM MA樹脂中に分散しているCdSeナノ粒子の分散粒径が、トルエン溶液中での分散粒径 とほぼ等しいことを示しており、TEM観察の結果と一致している。

450

500

550

600

Wavelength / nm

Photoluminescence spectra / a.u.

Run a)

particle

Run b)

Fig.④.a-7 PL spectra of PMMA resin / CdSe nanoparticles composite films. (Run a) modified by TOPO(Trioctylphosphine oxide) (Run b) modified by polymer Table ④.a-1 PL spectra of nanoparticle and composite films.

Run Capping Species. Maxima (nm) FWHM (nm)

CdSe (in toluene) 519 48

a) Modified by TOPO 532 70 b) Modified by polymer 515 55 *1) excitation spectra is 299nm

(5)

(3.2.3) まとめ 今回のように機械的な分散力を全く与えることなく、金属ナノ粒子を樹脂中で完全に 均一分散された例はほとんど報告されていない。今回見出したナノ粒子分散手法を他の ナノ粒子にも応用することにより、磁気記録材料、発光材料、特定波長吸収材料などを 容易に得ることができるので、応用範囲も非常に広いと考えられる。 分散性の目標である、「樹脂とナノ粒子の複合材料において、ナノ粒子の凝集割合が 全粒子個数の10%以下」については、粒径4nm以下のナノ粒子を用いて最終目標 を100%完全に達成することができた。 (3.3) 耐熱性に関する最終目標に対する成果内容 (3.3.1) 研究の概要 分散性に関する研究成果により、種々のナノ粒子を樹脂中に均一分散させる技術及び ナノ粒子が均一分散した樹脂組成物を連続的に製造する技術を確立することができた。 本成果に基づき、ナノ粒子を樹脂中に均一分散させることで樹脂の耐熱性を向上させる 検討を実施した。しかしながら、既に合成されたナノ粒子を樹脂と混合し、樹脂中に均 一分散させた場合には、樹脂の耐熱性を向上させる効果はあるものの耐熱性の向上には 自ずと限界があることから、当初の目標値である「樹脂単体のガラス転移温度における 弾性率について、樹脂にナノ粒子を分散複合化した材料で、樹脂単体の5倍以上」と いう高耐熱性に関する目標を達成するには至らなかった。さらに、ナノ粒子添加量を 極端に増やすことで、目標値に近づけることは可能であったが、そのような方法では、 樹脂組成物の靭性が低下し脆くなる、熱可塑性樹脂としての成形加工性が低下する、 などの問題が生じる上、透明性を維持したまま耐熱性を改善しうるというナノ粒子使 用時の特徴が損なわれてしまいかねないことも判明した。 そこで、本研究では耐熱性の最終目標を達成するために、これまでにない全く新たな 手法として、既に合成されたナノ粒子を樹脂と混合して複合材料を作成するのではなく、 溶融樹脂中でナノ粒子合成反応を行う手法を開発した。これにより、ナノ粒子と樹脂と の相互作用が高まりナノ粒子がポリマー分子鎖の運動を拘束することで、単にナノ粒子 と樹脂とを混合した場合と比べて樹脂の耐熱性をより向上させることを狙った。 ナノ粒子の樹脂中合成では、溶媒中に溶解させたポリマーの存在下でゾルゲル法など により無機物を合成する方法が研究されており、有機−無機ハイブリッドとして知られ ている。しかしながら、このような方法では無機物の合成に際して多くの有機溶媒が必 要となるなど環境に対する負荷が高まる上、溶媒の回収や蒸留などに多くのコストがか かるという問題点がある。そこで本研究では、有機溶媒に溶解させたポリマー中で無機 物を合成するのではなく、加熱により溶融した熱可塑性ポリマー中で直接ナノ粒子を連 続的に合成するという画期的な手法を検討することとした。本手法は連続的に製造可能 であることから、工業化が非常に容易でかつ製造コストも安価であり、研究成果の実用 化におおいに貢献することが期待できる。 (3.3.2) 研究成果 検討に用いる樹脂には、透明で分散状態を把握しやすい、熱的・化学的安定性が比較

(6)

的優れている、などの特徴を考慮し、ポリスチレン樹脂を用いた。樹脂中で合成するナ ノ粒子はシリカナノ粒子とした。樹脂中でのナノ粒子合成には、連続型二軸溶融混練装 置を用いた。 原料となるポリスチレン樹脂は、連続型二軸溶融混練装置のスクリュー根元部分より 定量式フィーダーにて供給した。シリカナノ粒子の前駆体となるシラン化合物類は、樹 脂にまぶした状態で樹脂と同時にスクリュー根元部分より供給する方法、液体添加装置 にてスクリュー途中から溶融樹脂中に直接圧入する方法、の2通りを検討した。検討に 用いた装置の概略図を Fig. 3.3.4-8 に示す。

Fig.④.a-8 Outline image of a Twin Screw Extruder.

本装置を用いて、前駆体となるシラン化合物の種類、樹脂とシラン化合物との比率、 シラン化合物の添加方法及び添加場所、反応温度、減圧による副生成物の除去方法、な どを最適化させるため、多くの実験を実施した。また、高温の溶融樹脂(通常は200℃ 以上)中にシラン化合物類を圧入させると、圧入方法によっては一気に原料が気化して しまったり、一瞬で反応が進行して樹脂中に粗大な無機凝集物が生じたり、あるいはシ ラン化合物類が反応せずに液体のまま樹脂中に混ざって溶融混練装置から出てきたり するなど、さまざまなトラブルが生じるため、これらの反応条件の選択には十分注意を 払う必要がある。さらに、ゾルゲル反応によるシリカ合成の際には反応触媒が必要であ るため、触媒種の選定、触媒添加方法の最適化、も重要なファクターであった。 また、無機ナノ粒子と樹脂との相互作用が強すぎる場合には、熱可塑性樹脂と無機物 との反応が進行しすぎるため、樹脂の熱可塑性が喪失されてしまう場合がある。こうな る反応装置内で樹脂が固化して溶融混練装置が動かなくなってしまう危険性があるほ か、得られた樹脂組成物の各種成形加工が困難となるため好ましくない。そこで無機ナ ノ粒子と樹脂との相互作用を最適な条件に保ってやることも重要である。 これらの課題を全て解決した結果、樹脂に対して無機成分をわずか0.1wt%と極 少量用いるだけで、プロジェクトの当初に掲げた数値目標である「樹脂単体のガラス転 移温度における弾性率について、樹脂にナノ粒子を分散複合化した材料で、樹脂単体 の5倍以上」を満足しうる複合材料を、有機溶媒を用いることなくかつ連続的に製造 することに成功した。一方で、シリカナノ粒子を樹脂と混合しただけの場合では、ナ ノ粒子の表面修飾を十分施した場合であっても、樹脂に対して6wt%添加してよう やく、樹脂単体のガラス転移温度における弾性率は樹脂単体の1.9倍程度まで改善 される程度の効果にとどまっていた。 Table ④.a-2 に、樹脂単体、12nmナノ粒子を6wt%添加した場合、溶融樹脂

Resin

(modified Polystyrene)

Silane compounds

(TEOS, etc.)

Hybrid

Feed

Heat

Vacuum (ROH, etc.)

film

Cool

In-situ Sol-Gel Reaction

Resin

(modified Polystyrene)

Silane compounds

(TEOS, etc.)

Hybrid

Feed

Heat

Vacuum (ROH, etc.)

film

Cool

In-situ Sol-Gel Reaction

(7)

中で0.1wt%のナノ粒子を合成した場合、それぞれにおける樹脂のTg、Eの測 定結果を示す。また、Fig.④.a-9 には各樹脂のE 測定結果を、Fig.④.a-10 には各 樹脂のtanδ測定結果グラフを、それぞれ示す。このように、今回見出した手法が樹 脂組成物の耐熱性向上に大きく寄与していることがわかる。

Table ④.a-2 Modified rate of Heat Resistance. wt% of Inorganic part Tg Modulus E at Tg Modified rate of E Base Resin (Modified GPPS) ―― 135.0℃ 19MPa ―― Nanoparticles 12 nm 6wt% 135.8℃ 36MPa 1.9倍 SiO2 Hybrid 0.1wt% 138.4℃ 110MPa 5.8倍

DMA measurement of Silica / Resin Composite Film

10 100 1000 125 130 135 140 145 temp (°C) E' ( M P a) 1 1.5 2 2.5 3 ta nδ resin 12nm 6wt% Hybrid 0.1wt% (tanδ) nanoparticle:36MPa (190% up) resin :19MPa

Tg : 135°C (from tanδ) Hybrid 0.1%:110MPa (580% up)

(8)

DMA measurement of Silica / Resin Composite Film 0.5 1 1.5 2 2.5 3 125 130 135 140 145 temp (°C) tan δ resin 12nm 6wt% Hybrid 0.1wt% nanoparticle Tg:135.8°C resin Tg:135.0°C Hybrid 0.1% Tg:138.4°C

Fig.④.a-10 DMA measurement of Silica /Resin composite Film(tanδ& Tg). 今回の手法を用いて作成した樹脂組成物が、熱可塑性樹脂として十分な成形加工性を 備えているかどうかを確認するため、キャピラリーレオメーターを用いて樹脂組成物の 溶融粘度の剪断速度依存性を測定した。結果をFig.④.a-11 に示す。図に示すとおりシ リカナノ粒子を複合化させた後でも、樹脂組成物の溶融粘度は元の樹脂と同等の値を維 持している。

(9)

Capillary Flow Test Data 10 100 1000 10000 10 100 1000 10000

Shear Rate γ (sec-1)

Viscosity

η (Pa

・s) resin

Hybrid 0.1wt%

Fig.④.a-11 Capillary flow test data of Silica /Resin Hybrid material. また今回の手法を用いた場合、使用するシラン化合物の種類を選択することにより、 ベースとなるポリスチレン樹脂の透明性を全く低下させること無く、透明性を維持し たまま耐熱性を改善しうることも判明した。得られたフィルムは高い透明性を保って いる。 (3.3) まとめ 連続型溶融混練装置を用いて、溶融樹脂中でナノ粒子の合成反応を行うことにより、 樹脂単体のガラス転移温度における弾性率について、樹脂にナノ粒子を分散複合化し た材料で、樹脂単体の5.8倍にまで向上させることに成功した。 以上より、耐熱性の最終目標である、「耐熱性樹脂に関して:樹脂単体のガラス転移 温度における弾性率について、樹脂にナノ粒子を分散複合化した材料で、樹脂単体の 5倍以上を達成するため、ナノ粒子構造、ナノ粒子配列構造及びそれらの制御手法に 関する体系的データ取得、並びに機能特性に関する体系的データの取得及び機能発現 の確認。」について、目標を100%完全に達成することができた。 (4) 成果の意義 連続型溶融混練装置を用いて、溶融樹脂中でナノ粒子の合成反応を行うことにより、 ベースとなる樹脂の透明性を維持したままで、樹脂単体のガラス転移温度における弾性 率について、樹脂にナノ粒子を分散複合化した材料で、樹脂単体の5.8倍にまで向 上させることに成功した。本手法は、いわば溶融樹脂を有機溶媒のように見立てて反

(10)

応を行うことで、無溶媒による連続反応というきわめて経済的に優れた手法により目 標を達成することができた。得られた樹脂組成物は熱可塑性を維持しており、熱可塑 性樹脂として通常用いられる射出成形法などの成形加工法にて、自由に最終製品への 加工が可能であるなど、汎用的な材料として使用可能である。 従って、今回の成果は広く熱可塑性樹脂の高機能化に寄与するものであり、成果の 事業化・実用化の観点からも非常に重要である。

(11)

b.難燃材料(モデルベース樹脂:エポキシ樹脂) (1)目標 難燃性について、ハロゲンフリーでUL94V-0 相当を達成するため、ナノ粒子構造、ナノ粒子 配列構造及びそれらの制御手法に関する体系的データ取得、並びに機能特性に関する体系的デ ータの取得及び機能発現の確認。 (2)目標の達成度 ナノサイズの粒子径を有する水酸化マグネシウム粒子を合成し、さらにエポキシ樹脂中に均 質に分散することにより、従来のμmサイズ粒子を用いた場合と比較して30wt%以上配合量を 低減して最終目標値であるハロゲンフリーでUL94V-0 相当を達成することができたことより、 達成度は100%であるといえる。 (3)研究成果内容 最終目標であるハロエポキシで難燃性UL94V-0 相当を達成するため、H15 年度まではモデルナ ノ粒子としてナノシリカ粒子を用いた熱硬化性エポキシ樹脂を検討してきた。そのなかで、難 燃化機能特性発現現象に結びつく現象を実験的に確認し、その制御手法に関して体系的データ を取得し、無機材料のナノ粒子化によるエポキシ樹脂の難燃化において、難燃性を向上させる 為には燃焼時に生成する炭化物(チャー)形成の制御が重要であることが明らかとなった。し かし、モデルナノ粒子として使用していたシリカ粒子は熱的に安定であり、さらに樹脂との反 応性に乏しくチャー生成にかんして顕著な効果を発現する可能性が低く、最終目標であるハロ ゲンフリーでUL94V-0 相当達成に対しては困難であると判断した。以上のことを鑑み、H16 年 以降はシリカ成分に比較して炭化促進効果、さらに脱水反応による冷却効果、酸素濃度希釈効 果が期待できる水酸化マグネシウム粒子を用いたエポキシ樹脂の難燃化、およびその機能特性 発現現象に関する基礎的検討を行った。 ナノサイズの水酸化マグネシウム粒子の入手は困難であり、さらにナノサイズの水酸化マグネ シウム粒子を樹脂中に均一に分散することは非常に難しい。そこで研究におけるプロセス手法 として、工業的にも量産対応可能である湿式ビーズミルによる粉砕処理方法を用いてナノサイ ズの水酸化マグネシウム粒子を合成すること、さらにエポキシ樹脂中にナノ水酸化マグネシウ ム粒子を分散した複合材料の難燃化制御手法に関する体系的データ取得、並びにハロゲンフリ ーにてUL94V-0 相当の難燃性機能発現を達成することを目標とした。 モデル粒子として、従来水酸化マグネシウム粒子としてMg(OH)2‐A(SEM 観察粒子径=約 600nm)、小粒子径水酸化マグネシウム粒子として Mg(OH)2‐B(SEM 観察粒子径=約 100nm) を用いた。更に、Mg(OH)2-B をMEK溶媒中にて湿式ビーズミル粉砕を行ない、超微細な Mg(OH)2‐C を得た。エポキシ樹脂にはビスフェノール F 型エポキシ樹脂(エポキシ当量=159)、 硬化剤にはメチルヒドロ無水フタル酸(Mw=168)、硬化促進剤として 2−エチル-4−メチルイ ミダゾールを用いた。まず、当量比が1/1 となるよう配合したエポキシ樹脂/硬化剤混合物に硬 化促進剤を 2phr 添加し、上記で示した水酸化マグネシウムを種々の濃度で加え、均一に混合 後、溶媒を除去し、所定の形状に成形した。100℃,2hr で予備硬化し、更に 150℃,3hr 熱処理 して完全硬化させた。得られた複合材料は所定の形状に切断後、下記で述べる分析評価用の試 料とした。 水酸化マグネシウム粒子形状及び分散状態の観察は、複合材料断面をSEM、もしくは薄片 状サンプルのTEM 観察により行なった。複合材料の難燃性評価は、アメリカのUL94基準 に沿った燃焼試験を行なった。また示差熱熱重量同時測定(TG/DTA)による重量変化曲線から、

(12)

炭化成分の評価を行った。さらに評価後のサンプル表面状態を光学顕微鏡、SEMを用いて炭 化成分の形成状態および燃焼状態の観察を行い、難燃化挙動を検討した。 得られたエポキシコンポジット中における水酸化マグネシウム粒子分散状態の TEM 写真を Fig.1 に示す。湿式粉砕した Mg(OH)2‐C は一次粒子径が50nm 以下と微粒子化していたが、 凝集性が強く、エポキシ樹脂内では凝集している事が明らかとなった。粒子径をより微粒子化 し、分散性を向上するためには、ナノ水酸化マグネシウム表面処理が必要であると考えられる。 そこで、更に最適な表面処理方法を検討し、より微細かつ分散性に優れたナノ水酸化マグネシ ウムを合成結果した(Mg(OH)2‐D)。

a) 30wt% Mg(OH)2‐A (SEM) b) 5wt% Mg(OH)2‐B (TEM)

100nm

c) 5wt% Mg(OH)2‐C (TEM) d) 5wt% Mg(OH)2‐D (TEM) Fig.1 SEM and TEM photographs of Mg(OH) 2/epoxy composites

水酸化マグネシウムの配合量を変えて燃焼試験を行った結果、Mg(OH)2‐A を用いたコンポ ジットでは、難燃性を得るためには70wt%以上の水酸化マグネシウムを必要としたのに対し、 微粒子Mg(OH)2‐B を用いたコンポジットでは 60wt%の配合量で難燃性を達成した。さらに 微粒子であるMg(OH)2‐C を用いたコンポジットでは 50wt%、最も微粒子である Mg(OH)2‐ D を用いたコンポジットでは 40wt%まで配合量を低減して難燃性を達成することが出来た。以

100nm

1000nm

(13)

上のように、使用する水酸化マグネシウム粒子径が小さくなるに従い、コンポジットの難燃性 が向上することが判明した。熱時重量変化の分析結果より生成する炭化量については明らかな 差異が確認できなかったが、その形成状態に差異が認められた。エポキシ樹脂のみでは、燃焼 試験後のサンプル表面に樹脂の熱分解により発生した可燃性気体と思われる発泡痕や割れ等が 多数観察された。水酸化マグネシウムを配合し難燃化したコンポジットでは、難燃性の炭化成 分が急激に増加するとともに、割れや孔などが少ない緻密な炭化層が認められた。この強固な 炭化層が可燃性ガスの拡散を抑制したと考えている。これらの難燃作用は、水酸化マグネシウ ム粒子のナノ粒子化によりさらに顕著となった。 (4)成果の意義 最終目標である難燃性発現に対し、ナノサイズ化した水酸化マグネシウム粒子を用いる事によ り、従来粒子径粒子使用時に比較し、30%以上低減可能であることが明らかとなった。さら に、難燃化メカニズムに関する体系的なデータの取得を行うことができた。これらの技術は、 ナノ粒子複合化技術の設計により、従来にはない新たな難燃材料の設計が可能となり、ハロゲ ンフリーで環境にやさしい難燃材料創出の可能性を見出した点は意義があるといえる。また、 難燃化を達成するために深耕したナノ粒子と樹脂との複合化技術は、ナノ複合化技術にかんす る共通基盤技術であり、高強度ナノ複合化材料、光機能ナノ複合化材料、等々、他の機能を有 する新たなナノ複合化材料を創出する際に水平展開可能な技術基盤であり、非常に有意義なプ ロジェクト成果であるといえる。

(14)

c.高強度材料 (1)目標 シングルナノ粒子充填ポリエステルで延伸フィルムのヤング率10GPa/6GPa あるいは現 行比40%アップを達成することである。 (2)目標の達成度 1)ナノ粒子の複合化による延伸フィルムのヤング率の大幅向上手法について、種々のアプロー チを試みた結果、ヤング率を簡便・安価かつ工業的に向上させる最適な手法を見出し、ヤング 率が10GPa/6GPa を超える延伸フィルムを創出した。 2)ポリエステル重合反応場での insitu ナノ粒子複合材料の合成に成功し、該複合材料による二 軸延伸フィルムは破断伸度が向上することを見出した。 (3)研究成果内容 (3.1)ナノ粒子複合化によるフィルムの高強度化 ナノ粒子のサイズのみならず、形状にも注目した検討を行った。 検討には、平均粒子径5nm および 45nm の球状粒子(Fig.④.c-1(a))、鎖状形状のナ ノ粒子(Fig.④.c-1(b))、鱗片形状のナノ粒子(Fig.④.c-1(c))、繊維状(あるいは針状) 形状のナノ粒子(Fig.④.c-1(d))を用いた。アスペクト比で言えば、鱗片状および繊維状 粒子が高く、特に繊維状粒子は平均短径5nm、平均長径 600nm と最も大きい。 これらそれぞれの粒子を、同一量(重量比ベース)複合化した二軸延伸フィルムを作成 し、それぞれのヤング率を評価した。結果をtable ④.c-1 に示す。 table ④.c-1 に示す通り、球状および鎖状粒子では、ヤング率向上に殆ど効果がないこ とが判る。 一方、層状粒子は、従来からコンポジットの機械強度向上に効果があることが知られて おり、これはtable ④.c-1 に示す結果にも現れている。 われわれは、これを高アスペクト比を持つ粒子を複合化した効果と判断し、このコンセ プトに基づき、さらに高アスペクト比を持つ粒子として、針状ナノ粒子を複合化したとこ ろ、従来知られていた層状粒子と比較しても飛躍的にヤング率が向上する事を見出した。 なお、上記の表中の値はフィルムの長手方向の値であるが、幅方向の値は、繊維状ナノ 粒子の複合化により8GPa まで向上した。 Fig.④.c-2 に、繊維状ナノ粒子の複合化量(wt% vs. フィルム)と、フィルム長手方向 のヤング率の関係を示した。複合化量が少ない領域では、ヤング率の向上効果が小さいが、 複合化量が増加するに伴ってヤング率の向上効果が大きくなることが判る。

(15)

(a) spherical nanoparticles (50nm) (b) chain-nanoparticles

(c) layered nanoparticles (d) fiber nanoparticles

Fig. ④.c-1 TEM image of hybridized nanoparticles

100nm

100nm

100nm

50nm

50nm

50nm

50nm

50nm

50nm

50nm

(16)

Table ④.c-1 hibridized particles and young’s modulus

Fig. ④.c-2 Young’s modulus and amount of hybridized nanoparticles

(3.2)ナノ粒子複合化樹脂の insitu 同時合成およびフィルムの力学特性向上

また、ナノ粒子による機械強度向上のためには、ナノ粒子の均一分散およびポリマーマ トリックスとの親和性も重要な要素と考えた。そこで、ナノ粒子とポリマーマトリックス

8.9GPa with layered nanoparticles

(high aspect ratio)

7.5GPa with spherical nanoparticles

(diameter 45nm)

6.5GPa with chain nanoparticles

12.1GPa with fiber nanoparticles

(high aspect ratio)

7.2GPa with spherical nanoparticles

(diameter 5nm)

7GPa blank

(without nanoparticles)

Young’s modulus (GPa) name of particles

8.9GPa with layered nanoparticles

(high aspect ratio)

7.5GPa with spherical nanoparticles

(diameter 45nm)

6.5GPa with chain nanoparticles

12.1GPa with fiber nanoparticles

(high aspect ratio)

7.2GPa with spherical nanoparticles

(diameter 5nm)

7GPa blank

(without nanoparticles)

Young’s modulus (GPa) name of particles 0 2 4 6 8 10 12 14 0 5 10 15 20 25

fiber nanoparticles [wt%]

Yo

ung’s

modulus [G

Pa]

(17)

の親和性を向上させる究極の手段として、ポリエステル反応場おいてナノ粒子を同時合成 することにより、ナノ粒子複合ポリエステルを得る検討を行った(Fig. ④.c-3 参照)。

Fig. ④.c-3 Scheme of insitu synthesis of polyester nanocomposite

粒子のプリカーサーとしては、種々検討した結果、オキシ塩化ジルコニウムのエチレン グリコール溶液を前処理したものを用いた。得られたポリエステルのTEM 写真を Fig.④. c-4(a)∼(e)に示す。

Fig. ④.c-4 TEM images of insitu synthesized polyester nanocomposites

(4)成果の意義 得られたコンポジット中の粒子径は、いずれも10nm オーダーの一次粒子が、部分的に鎖状 に凝集しているように観察され、これらは濃度を変えても形態に変化はなく、粗大な凝集体を 形成することなく、非常に均一に分散している。

origomer of PET

precursor of nanoparticles

polymerization of PET

&

synthesis of nanoparticles

PET/nanoparticles

hybrid

(a)

(b)

(c)

(d)

(e)

Zr = 0.05mol/L Zr/PET = 0.074wt% Zr = 0.1mol/L Zr/PET = 0. 44wt% Zr = 0.05mol/L Zr/PET = 0. 44wt% Zr = 0.1mol/L Zr/PET = 0. 74wt%

(18)

また、粒子前駆体の処理条件を変更することにより、一次粒子系を10nm オーダーから 50nm オーダーまで調整できることを見出した。

このナノ粒子複合ポリエステルを用いて、二軸延伸フィルムを作成し、引っ張り試験機 により機械的特性を測定した。結果をFig.④.c-5 に示す。

Fig. ④.c-5 S-S curve of biaxial oriented film of insitu synthesized nanocomposite Fig.④.c-5 に見られるように、該フィルムはヤング率の向上は達成できないものの、破 断伸度が向上することが判った。 (4)成果の意義 1)無定形の樹脂に対して層状ナノ粒子を複合化することによる弾性率の向上効果は従来からも 知られていたが、延伸フィルムにおいて、アスペクト比が高い繊維状ナノ粒子を、高濃度に複 合化し、面方向に高密度に配列させる本手法は、ヤング率を飛躍的に向上させることができる 技術として有望である。延伸ポリエステルフィルムの機械物性の極限追求を担う要素技術のひ とつとして、工業的に非常に広範な用途への展開が期待できる。 2)また、ポリエステル反応場においてナノ粒子を同時合成することにより、破断伸度の向上し たナノ粒子複合材料を創出したが、この材料は、例えば延伸フィルム生産工程において①延伸 倍率の増加による生産性向上、②延伸倍率の増加による機械特性向上、③破れの低減による生 産性向上の基礎技術として応用が期待される。 0.30 0.25 0.20 0.15 0.10 0.05 0.00

Stress (GPa)

1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0

Strain

PET blanc Zr=0.074wt% Young's Modulus(GPa) 4.3 4.5 Stress at bleak (GPa) 0.28 0.27 Strain at bleak (%) 74 85

(19)

2.4 ナノ粒子の合成と機能化技術の体系化 (1) 目標 ナノ粒子の合成、構造制御、素子化、特性評価解析、機能評価に至る過程を分析し、研究項 目①、②及び③でのデータ取得の基軸となる、各工程を代表するに必要十分な特性を、材料を 横断して、工程の観点から収集、抽出し、構造的かつ体系的に整理する。そのために、各材料 に対して行われる研究開発の成果を、「プロセス」、「構造」、「機能」の 3 つの観点から整理す る。また、モデリング、シミュレーション、計測・評価の技術、特性データについても検討し、 データと理論の連携の踏まえた枠組み中の位置づけを示す。さらに、知識の構造化プロジェク トへの協力も行う。 (2)目標の達成度 ナノ粒子に関する機能・特性を分析し、取得した特性データを体系的に理解する枠組みを構 築した。また、従来の計測・評価技術では得られなかったナノ粒子に関る特性を取得でき、こ れにより特性を支配する因子の詳細な検討が可能となった。また、モデリング、シミュレーシ ョン、計測・評価技術に対しても、枠組み中の位置づけを示すことができた。したがって、目 標は十分達成できたと考えている。 (3)研究成果概要 シングルナノ粒子の高速合成技術および表面修飾・薄膜化技術の開発、ならびにシングルナ ノ粒子を用いた機能素子の作成・評価でのデータ取得の基軸となる、各工程を代表するに必要 十分な特性の抽出を行うために、本プロジェクトで行われているナノ粒子合成、表面修飾の研 究成果を対象として、各工程の解析と、プロセス条件と構造との相関(プロセス−構造相関) について検討した。 同じ材料合成プロセスでのプロセス条件の違いの影響を検討した例として、Fig. ④. 1 と Fig. ④. 2 に、液相還元合成法のプロセス条件と合成された金粒子の性状の関係を示す。プロセスの 違いで生じた粒子の構造の違いは、図に示したように物質に依存しない解釈によって説明でき る。また、Fig. ④. 1 のようにプロセス条件をフローチャート形式で表すことで、様々な粒子合 成プロセスの特性抽出と整理、データベースへの格納が可能となる。

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① ④ ② ③ 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸 水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 0.1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.9ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸 水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 0.1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.9ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 5ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.99ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 5ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.99ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム 水 タンニン酸 水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 0.1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.9ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 35000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム 水 タンニン酸 水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 0.1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.9ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 35000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 10wt% 1wt% 10ml 4ml 1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15ml 水 70ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 10wt% 1wt% 10ml 4ml 1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15ml 水 70ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G ① ④ ② ③ 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸 水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 0.1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.9ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸 水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 0.1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.9ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 5ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.99ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 5ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.99ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム 水 タンニン酸 水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 0.1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.9ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 35000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム 水 タンニン酸 水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 1wt% 1wt% 1ml 4ml 0.1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15.9ml 水 79ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 35000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 10wt% 1wt% 10ml 4ml 1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15ml 水 70ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G 塩化金酸 水 クエン酸ナトリウム水 タンニン酸水 塩化金酸水溶液 クエン酸ナトリウム水溶液 タンニン酸水溶液 1wt% 10wt% 1wt% 10ml 4ml 1ml 還 元 反 応 遠 心 分 離 60℃ 60℃ 80ml 水15ml 水 70ml 20ml 金ナノ粒子 100℃ 10分 20000G

Fig. ④. 1 Process conditions for synthesizing Au nanoparticles by a liquid-phase reduction method.

平均8nm 金粒子 平均8nm 金粒子 遠心加速度が大きすぎたため 凝集した。 10nm 10nm 平均5nm 金粒子 核になる物質が増えたため 粒径が小さくなった。 10nm 反応濃度を高くすると 粒度分布が大きくなった ① ② ③ 10nm 平均8nm 金粒子 平均8nm 金粒子 遠心加速度が大きすぎたため 凝集した。 10nm 10nm 平均5nm 金粒子 核になる物質が増えたため 粒径が小さくなった。 10nm 反応濃度を高くすると 粒度分布が大きくなった ① ② ③ 10nm

Fig. ④. 2 Electron micrographs of Au nanoparticles synthesized by a liquid-phase reduction method; The process conditions for each micrograph are described in Fig. ④. 1. 以上の観察を含めた、異なる合成過程にわたる検討から、粒径の揃った、かつ分散性の良い 粒子を合成する条件について整理を試みた。Fig. ④. 3 に、粒子の合成メカニズムのうち、特に 粒径、粒径分布と分散性を支配するメカニズムと、粒径が揃った非凝集粒子を合成するために 要求されるプロセスを示す。合成段階の初期の原料の混合、反応プロセスは早く終了させ、か

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つこれらのプロセスを、後の成長プロセスとできるだけ時間的に分離することが求められる。 これにより、反応と成長の同時進行による、合成装置内に異なった履歴の粒子が存在すること を防止できる。また、表面修飾による粒子同士の凝集合一を防止する(分散性を向上する)こ との他に、粒径を揃えるためには、成長プロセスを凝縮成長支配とすることが適当である。さ らに、合成装置内の滞留時間に分布があると、各プロセスが装置内の場所により異なったタイ ミングで生じ、粒径は揃わなくなる。したがって、滞留時間分布をできるだけ小さくするよう な工夫が、装置設計に求められる。 合成開始からの時間 0 s 100∼104s 凝集成長 凝縮成長 混合、反応 できるだけ 早く終了 生成期と 成長期を 分離 凝集は抑制、 凝縮で成長 合成開始からの時間 0 s 100∼104s 凝集成長 凝縮成長 混合、反応 できるだけ 早く終了 生成期と 成長期を 分離 凝集は抑制、 凝縮で成長

Fig. ④. 3 Possible conditions for synthesizing nanoparticles of good monodispersity and dispersibility.

次に、各工程を表現する特性を、「プロセス」、「構造」、「機能」の 3 つの領域の観点から整 理した。各種のナノ粒子に関連する材料開発は、「プロセス」により「構造」を作り、目的とす る「機能」を発現させることといえる。体系化のために、具体的研究開発より得られる、ある いは得られるべき研究成果(特性データ、計測手法、シミュレーション)は、これら3 つの領 域と、「プロセス」と「構造」をつなぐ「プロセス−構造相関」、そして「構造」と「機能」を つなぐ「構造−機能相関」をあわせた5 つの領域のいずれかに分類して格納される。 以上の概念および以下で述べる特性リストの案をまとめて、Fig. ④. 4 に示した。「プロセス」 領域に格納されるべき特性として、ナノ粒子の合成に関わるプロセスと、コーティング・配列 に関わるプロセスに大別して特性をリストアップした。合成では、出発原料や、合成温度など が挙げられ、一方コーティングでは、塗布液中の粒子濃度や、粒径などが挙げられる。また、 プロセス条件や、合成およびコーティングの場を計測する手法、および評価する手法も、特性 としてここに格納することが適切と考えた。「構造」では、合成とコーティングの両方でできる だけ共通的な特性を抽出することに努めた。なお分子レベルを加えた構造の俯瞰図をFig. ④. 5 に示す。Fig. ④. 4 では分子レベルを除き、粒子そのものと、粒子群で構成されている構造体の 両方の特性に対応させるために、「構造」領域を、「一次構造(Fig. ④. 5 の Nanoscale)」と「高 次構造(Fig. ④. 5 の Mesoscale および Macroscale)」の 2 つに分類した。粒子そのものの場合 には、例えば凝集粒子では、「一次構造」の粒径は凝集体を構成する一次粒子のサイズを指し、 「高次構造」の粒径は凝集体としてのサイズを表す。塗布後に形成される構造体の場合には、 「一次構造」に格納される特性は、構成粒子ひとつひとつの特性に対応し、「高次構造」として は、粒子の積層数や配列密度などが挙げられる。また、「プロセス」領域と同様に、「構造」領 域にも、構造、形態を計測・評価する手法を、特性データとして格納した。 「機能」領域は、前二者とはやや異なり、基本機能と要求機能といった階層構造を考えた。こ れは、機能は基本的に電気的・光学的・磁気的・力学的機能に分類され、製作するデバイスが 要求する機能は、これら基本機能のうちの1 つないし複数の機能の組み合わせによって実現さ れると考えられるからである。さらに要求機能はこれ以外の特性データとは異なり、デバイス 固有の性格を有するため、ここに格納される特性もやはりデバイス固有のものとなると考えら

(22)

れる。また、「機能」領域は、機能の計測・評価手法も含んでいる。 「プロセス−構造相関」の領域ならびに「構造−機能相関」の領域を、Fig. ④. 4 では Modeling & Simulation と名づけているが、これは、相関を検討するための理論、モデル、シミュレーシ ョン手法および解析、シミュレーション結果が格納されるべき場所と考えているからである。 プロセス 合成 粒子の原料 添加物・組成 反応経路 合成温度、加熱・冷却パターン 混合の仕方 反応エネルギー源 反応場 コーティング 粒子濃度 平均粒径・粒径分布 粒子表面修飾 分散・凝集状態 基板表面処理 界面張力 表面粗さ 溶媒組成 添加物 乾燥速度 乾燥温度 せん断速度 プロセス条件、合成・コーティング 「場」の計測評価手法 Modeling & Simulation プロセス− 構造相関 検討のた めの理論、 モデル、シ ミュレー ション 構 造 一次構造 組成 平均粒径 粒径分布CV値 形態 個数濃度 表面・内部構造 高次構造 平均凝集径 凝集体構造 積層数 配列度 粒子密度 欠陥 構造、形態の計測評価 手法 Modeling & Simulation 構造−機能 相関検討の ための理論、 モデル、シ ミュレーショ ン 機 能 基本機能 電気的特性 光学的特性 磁気的特性 力学的特性 要求機能 デバイスとしての特性 機能の計測評価手法 過飽和度 混合時定数 反応時定数……... 粒子間相互作用 粒子ー基板間相互作用 非平衡度 ……... ナノ特性 バルク特性 プロセス 合成 粒子の原料 添加物・組成 反応経路 合成温度、加熱・冷却パターン 混合の仕方 反応エネルギー源 反応場 コーティング 粒子濃度 平均粒径・粒径分布 粒子表面修飾 分散・凝集状態 基板表面処理 界面張力 表面粗さ 溶媒組成 添加物 乾燥速度 乾燥温度 せん断速度 プロセス条件、合成・コーティング 「場」の計測評価手法 Modeling & Simulation プロセス− 構造相関 検討のた めの理論、 モデル、シ ミュレー ション 構 造 一次構造 組成 平均粒径 粒径分布CV値 形態 個数濃度 表面・内部構造 高次構造 平均凝集径 凝集体構造 積層数 配列度 粒子密度 欠陥 構造、形態の計測評価 手法 Modeling & Simulation 構造−機能 相関検討の ための理論、 モデル、シ ミュレーショ ン 機 能 基本機能 電気的特性 光学的特性 磁気的特性 力学的特性 要求機能 デバイスとしての特性 機能の計測評価手法 過飽和度 混合時定数 反応時定数……... 粒子間相互作用 粒子ー基板間相互作用 非平衡度 ……... ナノ特性 バルク特性

Fig. ④. 4 Structure of database for systematization of related technologies.

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次に、Fig. ④. 4 に示した枠組みの検証を深めるために、ナノ粒子合成時の「プロセス」条件 (加熱温度、原料濃度等)がナノ粒子の生成、成長を通じて粒子の「構造」(粒径、粒径分布、 形態、濃度等)に及ぼす影響を詳細に検討することにより、ナノ粒子合成プロセスにおける重 要な因子に対する考察を行った。ここでは検討した例として、気相合成法である熱CVD 法を用 いてTTIP と TiCl4の2 つの原料から TiO2ナノ粒子を合成し、本プロジェクトで開発、検討した

DMA、PSM((1)② a の「ナノ粒子の合成に対するプロセス工学的アプローチおよびナノ粒子 計測技術の開発の重要性」の項の Fig. ②. a-4)、CNC を組み合わせた計測システムを用いて、 プロセス条件とナノ粒子の性状との相関を抽出した結果を示す。

・反応温度(化学反応速度)の影響

「(1)シングルナノ粒子の高速合成技術の研究開発」の項の Fig. ①. a-2 及び Fig. ②. a-10 に、異なる反応温度において生成したTiO2ナノ粒子のTEM 写真と粒度分布測定結果を示した。 粒度分布については、DMA と PSM を用いて浮遊状態で測定した結果である。反応温度の増加 によって粒子径、粒子形態が変化するが、その特徴から粒子生成プロセスを3 つの段階に分け ることができた。第1 段階は「核生成支配領域」で、粒子径 2 nm 程度のピークを持つ核生成 モードの粒子しか観察されない領域である。第2 段階は、核生成モードの粒子と、それらが凝 集・合一した成長モードである数十nm の粒子の両方が観察される「核生成/表面反応/凝集 支配領域」、続く第 3 段階は、成長モードの粒子しか観察されない「凝集/焼結支配領域」で ある。以下で詳しく考察するが、これらの各領域における粒子生成プロセスの模式図をFig. ④. 6 (a)に示す。

(i) nucleation control regime

thermal decomposition

precursor

vapor TiO2clusters

(ii) nucleation/surface reaction/coagulation control regime

thermal decomposition

(iii) coagulation/sintering control regime

thermal decomposition coagulation between clusters surface reaction of unreacted precursor on the clusters TiO2 clusters and unreacted precursor vapor TiO2 clusters and unreacted precursor vapor nucleation generation of larger primary particle in unagglomerated state TiO2 clusters coagulation between clusters generation of agglomerated particles coagulation between primary particles nucleation nucleation sintering at higher temperature (a)

(24)

まず「核生成支配領域」では、反応率が5 %程度と低いが、わずかながらに生成物のクラス ターが生成し未反応原料の凝縮核となり、核生成モードの粒子が生成される。反応温度が増加 すると化学反応が速まり、過飽和度が増加し、核生成速度が速まる。その結果より小さな粒子 が多数生成されるため、核生成モードの粒子径は反応温度の上昇とともに減少傾向にある。 粒子濃度がある領域に達すると、核生成モードの粒子間の凝集・合一により成長モードの粒子 が生成されるようになり、「核生成/表面反応/凝集支配領域」となる。この領域では、核生成 モードの粒子径は増大に転ずる。反応温度が低いとき及び粒子濃度が高いときの粒子生成プロ セスの初期段階においては、表面反応が重要な過程となることが報告されている。また我々の 検討においてもこの温度域において表面反応が起こっていることが確認された。これらのこと から、核生成モードの粒子生成過程において表面反応が影響して、より大きな核が形成された ことが考えられる。一方成長モードの粒子径はしばらく一定であり、この間の温度変化による 効果は、主に粒子濃度の増加に現れた。 化学反応速度がさらに速まり、反応率が高まると、核生成モードの粒子はそのすべてが成長 モードとなって消滅した。そして反応完了温度付近で成長モードのピーク径が劇的に増大した。 反応完了温度が540 oC である TTIP の熱分解反応の場合を例にとると、Fig. ②. a-10 よりピー

ク径が550 oC から 600 oC にかけて大きく増大したことがわかるが、Fig. ①. a-2 によるとこの 温度域から粒子の凝集が始まっており、その一次粒子径はむしろ凝集が起きてからの方が小さ い。そこでFig. ④. 7 に DMA 径と TEM 径を反応温度によってプロットしたものを示す。さら にXRD スペクトルから Scherrer 式により算出した結晶子径も併せてプロットした。DMA 径(電 気移動度相当径)とTEM 径(一次粒子径)の不一致は、粒子形状が凝集により非球形であるこ

(i) at lower reaction rate

precursor vapor coagulation/ surface reaction less activated species production rate

inside plasma space

activated species

nucleation

generation of agglomerated particles (remaining its size smaller)

(ii) at middle (appropriate) reaction rate

relatively many activated species production rate nucleation/ surface reaction surface reaction generation of monodisperse and non-agglomerated particles

(iii) at higher reaction rate

many activated species are produced instantaneously nucleation many incompletely charged particles coagulation generation of agglomerated particles “larger” particles (completely charged) “smaller” particles (incompletely charged) excitation/ dissociation/ ionization (b)

Fig. ④. 6 Considerable nanoparticle generation processes in (a) thermal CVD processes and (b) plasma enhanced CVD process.

(25)

とに起因している。凝集が起きてからも温度を上げていくと一次粒子径が減少していったが、 これは初期の核生成モードの粒子径変化と同じく、反応温度の増加による核生成速度の増加に 起因するものと考えられる。さらに温度を上げていくと、DMA によるピーク径はわずかに減少 し、一次粒子径は増大した。これは焼結による効果であると考えられる。 Reactor temperature [oC] 400 600 800 1000 1200 Ge o m e tr ic m e an di am et e r o f p ri m ar y pa rt ic le s [n m ], P eak d iam e ter [nm ], Cry s tal li ne s iz e [ n m ] 1 10 100

Peak diameter by DMA Primary particle diameter by TEM Crystalline size by XRD

Fig. ④. 7 Change in geometric mean diameters obtained from TEM images, crystalline sizes calculated from XRD results, and peak diameters for the growth mode

obtained from DMA/PSM/CNC system (source gas: TTIP).

焼結による効果は、焼結特性時間が滞留時間より短いときに現れる。焼結特性時間は一次粒 子径や反応温度の関数である。一次粒子径の最小値とほぼ等しい5 nm の粒子では、反応温度 約800 oC において焼結特性時間と滞留時間が等しくなる。よって 800 oC 以上では、焼結の効 果によって一次粒子径は大きくなり、凝集粒子は緻密化して DMA 径の減少につながる。また この考察は、800 oC 以上において XRD による結晶子径と一次粒子径がほぼ等しくなることか らも裏付けられる。以上の考察から、凝集粒子が観察された温度以上の本領域は「凝集/焼結 支配領域」であると結論付けられる。 ・粒子間力の影響 ここで、粒子間に働く力が粒子生成プロセスに及ぼす影響を明らかにするために、(1)① a の「シングルナノ粒子の合成基礎技術の開発」で述べたプラズマCVD 法における粒子生成過程 に対する考察を行った。プラズマ中に存在する微粒子は負に帯電する性質を持ち、さらにこの 帯電は電子衝突断面積に支配されるため、粒子径が小さく、電子衝突断面積が狭い領域におい ては十分に帯電せず、中性や正帯電粒子が存在する。よって、生成した粒子径がこの領域にあ れば凝集が起こるが、完全帯電できるまで成長した粒子間には電気的斥力が働き、非凝集粒子 が得られる。しかしながら、粒子が生成し、成長する過程は、Fig. ④. 6 (b)に示したように、 これまで述べてきた熱CVD 法における粒子生成プロセス(Fig. ④. 6 (a))と同様に考えること ができ、上述の考察が粒子間力の存在するプロセスについて拡張できることが確認された。 ・原料濃度の影響 原料濃度を増加させると、DMA による粒度分布はより高温域での分布形状に類似するように

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変化した。例えば500 oC において TTIP 濃度を基準濃度である 7.68×10-7 mol/ℓ から 5 倍に増加 させると、基準濃度で600 oC のときの分布に近くなった。また標準偏差に注目すると、原料濃 度の増加とともに狭くなる傾向にあった。表面反応と凝縮の類似性を認めると、粒子の成長速 度は粒径に反比例する。よって大きく成長した粒子の成長が抑えられることによって粒度分布 が狭くなったと考えられる。 しかしながら、分布の類似している両者のTEM 写真を見ると、Fig. ④. 8 に示したように、 温度が高い方の粒子は凝集しており、また結晶がみられることがわかる。これより、粒子の形 状や結晶性を主に支配する主な因子は反応温度であることが確認された。 50 nm 50 nm 50 nm 50 nm50 nm50 nm 50 nm50 nm50 nm TTIP = 7.68 ×10-7mol/l 500 oC TTIP = 3.84 ×10-6mol/l 500 oC TTIP = 7.68 ×10-7mol/l 600 oC Fig. ④. 8 Differences between precursor concentration

and reactor temperature in particle morphology.

さらに、これまでの実験的解析で得られた結果を用い、定量的なシミュレーションを行った。 その結果、核の生成から成長、形態変化の過程をシミュレートすることができた。シミュレー ションの結果については、(1) ② a の「ナノ粒子の合成に対するプロセス工学的アプローチ およびナノ粒子計測技術の開発の重要性」にて詳細に述べている。 次に、ナノ粒子の配列、薄膜化プロセスにおいて、実験、数値シミュレーションを行いプロ セス条件と配列構造との相関を解析し、ナノ粒子配列に関る特性の評価を試みた。 Fig. ④. 9 は粒径 106 nm のシリカ球粒子を含む水とイソプロピルアルコールの混合溶液を PET(Polyethylene Terephthalate)基板上に塗布して乾燥した後の AFM(Atomic Force Microscopy)画像である。溶液の pH を調整することによって粒子のゼータ電位を制御し、ま た基板の表面処理によって粒子−基板間引力の大きさを増加させる。ゼータ電位を小さくする と(Fig. ④. 9 (b))、粒子間斥力が小さくなって粒子同士が固着しやすくなり、粒子の移動性が 減って配列性は悪化した。一方、粒子−基板間引力を大きくすると(Fig. ④. 9 (c))、やはり粒 子の移動性が減って配列性が悪化した。Fig. ④. 10 に、粒径 506 nm のポリスチレン球粒子を 含む水溶液をガラス基板上に塗布して乾燥した後のSEM(Scanning Electron Microscopy)画像 を示すが、溶媒に粒径5 nm のシリカ粒子を混合すると(Fig. ④. 10 (b))、ポリスチレン粒子 同士が接触しなくなり、粒子の移動性が増して配列性が向上することがわかった。

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(a) No surface treatment,

ζ=-30mV

(b) No surface treatment,

ζ=10mV

(c) With surface treatment,

ζ=-30mV

Fig. ④. 9 Effects of a zeta potential and a particle-substrate interaction on structures of ordered nanoparticles (φ=0.85)

(a) Without small particle (b) With small particles

Fig. ④. 10 An Effect of an interfusion of small particles on structures of ordered nanoparticles ((a) φ=0.90, (b) φ=0.77)

また、配列シミュレーション技術を用いて、プロセス条件の違いがナノ粒子の配列に与える 影響を検討した。Fig. ④. 11 に、乾燥速度を変えた場合の粒子系構造を示す。Fig. ④. 11 (a) に対して、溶媒乾燥速度を5 倍にすると(Fig. ④. 11 (b))、平衡系構造形成(斥力による結晶 化と引力結晶内の粒子再配列)に必要な時間が不足するため、空隙の発生数が増加するととも に個々の空隙の成長は抑えられ、また粒子の配列性が低下することがわかる。次に、粒子系構 造を決定する主要な力である、横毛管引力、静電斥力、ブラウン揺動力の効果を評価するため、 液膜厚さとゼータ電位を変えてシミュレーションを行った(Fig. ④. 12)。粒径 20 nm のポリ スチレン球粒子の水溶液において、横毛管引力が支配的になる場合(Fig. ④. 12 (a))、粒子系 は引力による結晶構造を

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形成し、ブラウン揺動力が支配的になる場合(Fig. ④. 12 (b))、粒子系は迷路状の非等方的 凝集体を形成し、また静電斥力が支配的になる場合(Fig. ④. 12 (c))、粒子系は斥力による結 晶構造(コロイド結晶)を形成することがわかった。 以上のように、ナノ粒子の配列、薄膜化プロセスにおいても、粒子間相互作用、粒子−基板間 相互作用、界面張力といった、「プロセス」を特性付けるものとして抽出された因子により、「構 造」が決定されることが裏付けられ、それらの相関を表現するモデリング、シミュレーショ ンも可能とすることができた。 (a) v=0.01m/s (b) v=0.05m/s

Fig. ④. 11 An Effect of an evaporation speed of a solvent on structures of ordered nanoparticles (φ=0.7)

(a) h=1.0, ζ=0mV (b) h=1.5, ζ=0mV

(c) h=1.5, ζ=-100mV

Fig. ④. 12 Effects of a capillary force and a zeta potential on structures of ordered nanoparticles (φ=0.5)

さらに、Fig. ④. 4 に示した枠組みにおいて格納されるべき計測評価手法等を Table ④. 1 に 示す。ナノ粒子の分離・分級技術として、気相中ナノ粒子に対しては、DMA を用いた分級手法 を検討し、サブナノメートルオーダーの粒子分級が可能となった。また、液相中ナノ粒子に対

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しては、Siize Exclusion Chromatography(SEC)を用いた分離技術により、20nm 以下の液中分 離が可能となった。また薄膜化技術としては、シリカのシングルナノ粒子を混入させることで、 配列の規則性を向上させることがわかった。次に、ナノ粒子の計測・評価技術として、気中ナ ノ粒子に対しては、エアロゾルと蒸気の混合を行うことで凝縮成長を促進させることが可能な 混合型CNC を開発し、シングルナノオーダーの高精度粒子計測を可能とした。また、粒子拡大 器(PSM)を改良することで、1.6 nm までのサイズの粒子のリアルタイム計測を実現すること ができた。液中粒子の計測技術としては、超音波減衰分光法を開発し、10 nm 以上の粒子の高 濃度分析が可能となった。また、小角X 線散乱を用いた核生成の in situ 計測が可能となった。 また、シングルナノ粒子に適用可能な動的光散乱粒度分布測定装置、静電噴霧法による粒径分 布計測手法を開発した。ナノ粒子の分散性評価法としては、凍結レプリカ法および3 次元 TEM 法を用いた粒子の3 次元凝集形態、3 次元内部構造、表面及びマトリクス中分散状態評価の手 法を開発した。上記の技術は本プロジェクトで得られた代表的な成果である。 (4)成果の意義 ナノ粒子の合成、構造制御、素子化、特性評価等のそれぞれにおいて、各手法で得られた一 連の特性から共通的かつ基盤的な知見、技術を体系的に理解することができた。これにより、 既存の知見の内挿(既に対象としている材料に対して、求める構造を実現できるプロセスの指 針を得ること)や、外挿(未着手の材料に対して適切なプロセスの予測を行うこと)が可能と なり、このことは、ナノ材料プロセスの高度化に非常に役立つと考えられる。

液相

気相

・超音波減衰分光法 ・小角X線散乱 ・動的光散乱粒度分 布測定装置 ・静電噴霧法による 粒径分布計測手法 ・混合型CNC ・改良型PSM

計測・評価技術

・凍結レプリカ法 ・3次元TEM法

分散性評価手法

シリカシングルナノ粒子の混入手法

薄膜化技術

SEC DMA

分離・分級技術

液相

気相

・超音波減衰分光法 ・小角X線散乱 ・動的光散乱粒度分 布測定装置 ・静電噴霧法による 粒径分布計測手法 ・混合型CNC ・改良型PSM

計測・評価技術

・凍結レプリカ法 ・3次元TEM法

分散性評価手法

シリカシングルナノ粒子の混入手法

薄膜化技術

SEC DMA

分離・分級技術

Table ④ . 1 Representative measurement/evaluation methods of nanoparticles selected for systematization of related technologies

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Ⅳ.実用化、事業化の見通し

1.シングルナノ粒子の高速合成技術の研究開発 ①シングルナノ粒子の各種合成法に関する検討 b.電子情報素子向けナノ粒子の合成 b1.磁性体ナノ粒子の気相合成 (1)成果の実用化可能性 磁気記録媒体は年率 30 から 100%の記録密度の増大が予想されている。Fig.①b1-7、Fig.① b1-8 に示すとおり、2010 年以降 2010 年から 2012 年に1Tb/in2 の磁性媒体記録密度が実用化 されると期待されている。

Fig.①b1-7 Areal density progress in magnetic recording since its invention (IBM data).

Fig. ① b1-8 Areal density progress in magnetic

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

面密度150Gb/in2

垂直記録方式

面密度300Gb/in2 面密度600Gb/in2 面密度1.2Tb/in2

パターン媒体 記録再生方式 分離トラック媒体

面密度2.4Tb/in2 面密度150Gb/in2 面密度300Gb/in2 面密度600Gb/in2 面密度1.2Tb/in2 面密度2.4Tb/in2

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このように高密度化が進行する過程で磁性ナノ粒子を利用した高密度記録媒体の登場が期待 されている。また、磁性ナノ粒子は磁気記録媒体としてはメモリーなどの用途も検討されてい る。したがって、磁性ナノ粒子は今後 10 年以内に実用化される可能性が高い。 (2) 事業化までのシナリオ 上記のとおり、磁性ナノ粒子は将来その記録密度を生かして実用化される可能性が高いが、 そのためにはいくつかの課題を解決する必要がある。課題としては A 粒子面内密度の制御性の高精度化、 B ナノ粒子配列技術の確立 C スループットの向上 などが上げられる。 Aは磁性媒体として用いる場合、面内の粒子密度を均一かつ一定値に制御しなければならな いことに対応している。現状ではナノ粒子の面内密度は 10 個/10nm 角程度である。これ以上に 上げると粒子同士の凝集が顕著になる。したがって、凝集を抑えてさらに面内密度を上げるこ とが課題である。 Bは媒体として用いる場合、粒子同士の位置が精密に制御されてパターン媒体として形成さ れている必要がある。パターン媒体は 2010 年ごろ実用化が予測されている。現状ではナノ粒子 の相互の位置を精密制御することは困難である。したがって、なんらかの方法、例えば基板表 面のパターニング、などによってあらかじめ位置を制御する手段を講じておく必要がある。 Cは媒体自体の使用法に関わるが、大量生産による汎用デバイスを志向する場合、生産性の 問題は不可避である。現状は分単位のプロセスが可能であるが、これをさらに高速で大量生産 できるプロセスに改良していくことが必要である。 これらの課題を解決していくことにより、磁性媒体の事業化が行なわれると考えられる。 (3) 波及効果 気相法の大きな特徴として高純度化が液相法に比べて容易である、これまでの薄膜形成プロ セスと整合しやすいなどが上げられる。気相法によりナノ粒子を合成する技術は、半導体量子 ドットを用いた電子デバイス、CNT 成長用触媒、などデバイス開発が行なわれているドライプ ロセスへ適用することが可能と考えられる。 これまで、ナノ粒子は電子デバイスへの適用が数多く検討されている。例えば、量子ドット レーザーや、単電子デバイス、フローティングゲートメモリーなどが検討されている。これら のデバイス作製のポイントはナノ粒子のサイズと基板上の粒子個数密度を制御することである。 高純度で結晶性が高く、基板との密着性がよいことが必要であるためドライプロセスを用いる ことがほとんどで、現状は MBE(Molecular Beam Epitaxy)により極薄膜の成長を利用して作 製されている。しかしながら、ナノ粒子のサイズ、密度の制御性が充分とはいえない。ここで 開発した方法は磁気記録素子だけでなくナノ粒子を用いたデバイス作製のプロセス技術として 利用され、ナノ粒子デバイスの実用化に貢献すると考えられる。

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b2.磁性体ナノ粒子の液相合成 (1)成果の実用化可能性 粒子径の揃ったFePtナノ粒子の大量合成と低温でアニーリング可能な自己組織化 膜形成が可能となった。 また、垂直磁化膜の形成に向けたFePtナノ粒子コーティン グ法開発に向けたモデル粒子としての「粒子径の揃ったシングルナノ領域FePtナノ粒 子スラリー」の製品化が可能となった。 また、本プロジェクトで開発した二液混合連続合成装置はFePtナノ粒子のみならず 各種の貴金属ナノ粒子の大量合成が可能となり、連続合成装置の製品も可能である。 【製品イメージ】研究開発成果の産業界における具体的利用のイメージ、あるいは実 用化を想定して出来る製品、プロセス、サービス等の内容のイメージについて 1)1Tbit/in2超高密度メモリー用FePtナノ粒子スラリー ① 粒子径 3~4nm ② 粒度分布 10%以内 ③ スラリー濃度 10wt%以上 ④ 値段 数万円/g固形分 2)液相法ナノ粒子連続合成装置(超音波+マイクロ波照射) ① ナノ粒子合成速度 100g以上/時間 ② 反応仕様 温度300℃、圧力10kgf/cm2 ③ 装置価格 5,000万円以上 3)1Tbit/cm2超高密度メモリー用ナノ粒子磁性膜素子 FePt粒子径 < 5nm 磁気異方性 >6×106J/m-3 垂直磁化膜形成 磁気媒体分野のマーケットは数兆円/年あり、従来のHD製品がナノ粒子磁性薄膜に置 換わると軽量、高密度、省エネのため、モバイル分野等多くの分野へ適用可能である。 ナノ粒子スラリー 基板 下地層 垂直磁化配向FePt ナノ粒子膜 FePt ナノ粒子

Fig.  ④.c-1 TEM image of hybridized nanoparticles
Fig.  ④.c-2 Young’s modulus and amount of hybridized nanoparticles
Fig.  ④.c-3 Scheme of insitu synthesis of polyester nanocomposite
Fig.  ④.c-5 S-S curve of biaxial oriented film of insitu synthesized  nanocomposite  Fig.④.c-5 に見られるように、該フィルムはヤング率の向上は達成できないものの、破 断伸度が向上することが判った。 (4)成果の意義 1)無定形の樹脂に対して層状ナノ粒子を複合化することによる弾性率の向上効果は従来からも 知られていたが、延伸フィルムにおいて、アスペクト比が高い繊維状ナノ粒子を、高濃度に複 合化し、面方向に高密度に配列
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参照

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