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西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則 利用統計を見る

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(1)

西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則

著者

名雪 健二

著者別名

K. Nayuki

雑誌名

東洋法学

32

2

ページ

249-268

発行年

1989-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003613/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則

名 雪 健 一一

  目 次  一 はじめに 二 訴訟法の不備 三 提訴要件、訴訟代理および職権主義 四 訴訟手続の参加および意見陳述権  O 訴訟関係人  ⇔ 訴訟手続の参加  ㊧ 意見陳述権 五 口頭弁論 詣ハ 却下 七 裁判官の除斥および忌避 八 費用 九 おわりに 東 洋 法 学 二四九

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西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則 二五〇 はじめに  ボン基本法は、その第九三条と第九四条において、連邦憲法裁判所の権限および組織について定めている。もちろ ん、ボン基本法は、基本的なものを定めているのであって、詳細は、連邦憲法裁判所法の規定するところである。憲        ︵ヱ︶ 法上、特別な地位が認められている連邦憲法裁判所は、憲法問題のみを取り扱う裁判所である。  それでは、連邦憲法裁判所は、その憲法裁判、たとえば、抽象的規範審査および具体的規範審査の手続をいかなる 仕方で行うのであろうか。以下、ボン基本法の司法制度の下で、連邦憲法裁判所が、その憲法裁判を行うにあたって の手続上の諸原則について概観することにする。 ︵1︶州においても、一部の州を除いて憲法裁判所が存在する。すなわち、シュレースヴィヒ莚ホルシュタイン州およびベルリ   ンには、固有の憲法裁判所は存在しない。国讐誓津冨。嘗魯P Uδ<震鵠霧¢謎ω鴨膏ぎ。 。蔑祷①寄ぎ留村劇琶傷霧審讐藍一ハ   U①葺ω。乞き會お爵”ψ8.エルンスト・フジーゼンハーン﹁西ドイツ憲法裁判論﹂、廣田健次訳、一九頁ー一二頁。    シュレースヴィヒ誌ホルシュタイン州では、その州規定第三七条において、機関争訟と摘象的規範審査に対して、連邦憲   法裁判所に最初の権限の途を開いている。したがって、連邦憲法裁判所は、機関貸与の方法によって、州法上の指示に基づ   いて決定をなす。このようなことから、連邦憲法裁判所は、州の憲法裁判所として活動することになる。これについては、   国導翰津諄①魯鋤ぎ”N巽N霧一ぎ無αQ訂謎筈αQお欝毒磯N類坤ω畠窪ω毎α霧くo純霧る。弩αQ詔①旨ぼ筈帥詩o神鐸&ζ注①零①ほ霧ω巷αQω−   σQ①膏算ω鼠降魯︸ぎ“⑦㍍&Φω︿oは霧の導αQωαq①誉算毒伽O讐ロ凝霧簿Nり⑦伽﹂”這刈9ψ↓O聾

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二 訴訟法の不備  連邦憲法裁判所法は、連邦憲法裁判所が憲法裁判を行うにあたって、そのための訴訟法ないしは手続法を完備した 法律といえるのであろうか。しかしながら、連邦憲法裁判所法は、決して完全な訴訟法を含んだ法律とはいえない。 むしろ、こうした訴訟法の不備は、意識的になされているといってよい。したがって、訴訟を行うにあたっては、一般 的な裁判所構成規定︵象o効凝o臼蝕器○鼠oぼの<Φ籔器qお。 Dぎ窃o汀昂︶が準用されることになる︵連邦憲法裁判所法第一七 条︶。このような訴訟法の不備について、連邦憲法裁判所の考えによると、﹁連邦憲法裁判所法は、およそ手続を尽し た規則を含んだものではなく、憲法裁判手続の特殊性に適合した絶対に必要であるわずかな規定に限定される。その 他に、その手続の目的に適った形成に対する法的基礎を、他の手続法の類推過程の中でみいだすことが、裁判所に委      ︵1︶ ねられている﹂とする。  連邦憲法裁判所は、決定の言い渡しを形成し、かつ表現し、また、その決定の有効性を確保するにあたり、訴訟法 の不備について、みずからの創造的補充に頼っている。しかしながら、また、連邦憲法裁判所は、このような分野に おいてのみ、決定の執行について定めている連邦憲法裁判所法第三五条に関し、当該憲法裁判所に、﹁その決定の遂 行に必要なすべての権限が与えられている﹂とする裁判所の広範な非拘束性を示唆する言い渡しを時折選択してき た。このような規定に基づいて、連邦憲法裁判所は、実際に﹁執行の統括者﹂となる。そして、﹁その時その時に、 もっとも事実に適合し、もっとも迅速で、もっとも目的に適った、もっとも単純で、もっとも効果的な仕方で命ぜら

    東洋法学      二五一

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     西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則      二五二         ︵2︶ れたものを達成する﹂ために、連邦憲法裁判所には、十分な余地が残されている。しかし、こうしたことは、執行の 範囲に限られる。  連邦憲法裁判所は、それとは別に、﹁他のドイツ手続法の類推過程の中で﹂、訴訟法の不備を補充することに限定し、        ︵3︶ 手続の統括といったものを必ずしも一般的に利用したわけではなかった。たしかに、連邦憲法裁判所は、みずから憲       ︵4︶ 法機関として﹁その手続の統括者﹂であるという主張をしてきたが、それを利用しなかったのである。しかしながら、        ︵5︶ こうした表現は、根本的には無視してもよいといえる。憲法訴訟法が﹁具体化された憲法﹂であるとする考えは、明 らかに正しい。しかし、こうした観察からも、憲法裁判の特殊性を導きだすことはできないといえる。その理由は、       ︵6︶ すべての訴訟法および手続法が憲法を具体化しているからである。        ︵7︶  ところで、連邦憲法裁判所は、﹁憲法裁判手続の特性﹂については適切に表現しているが、その自主性については       ︵8︶ そうではない。こうしたことについて、文献などにおいては、﹁憲法訴訟法の自主性﹂に関する命題が、他の訴訟法 との比較の中で主張されている。ここではこのような問題を論じるつもりはないが、ただ、憲法訴訟法がすべての訴 訟法と同じように、実質的憲法の中で、役に立ち、かつ支えとなる機能を明らかにもつとされる。しかしながら、こ うした考え方には、したがうことができないといえる。なぜならば、憲法訴訟法は、連邦憲法裁判所の決定に対し       ︵9︶ て、その合理性と同時に容認をも獲得することができるまさに、﹁組織的訴訟手続﹂であるからである。連邦憲法裁 判所によって、多かれ少なかれ、任意に選択された手続が、正当性および説得力を創るのではない。それは立法者に よって、事前に可能な限り厳密に定められた手続が創りだすのである。適用すべき規範については制限もなく、不確

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定で、しかも包括的であればあるほど、連邦憲法裁判所は、その決定に拘束力があるということを主張しなければな らない場合に、完足した訴訟法を必要とする。したがって、制限のない憲法規則には、制限のない手続法が一致する       ︵10︶ のではなくて、厳密な手続法が一致するのである。  憲法を解釈し、それを具体化するのは、実際には訴訟の範囲内で行われる。連邦憲法裁判所は、憲法の内容に関す る討論に参加する。しかしながら、憲法訴訟法は、連邦憲法裁判所の拘束力のある決定が最終的にあるという目標に       ︵難︶ 向って、こうした論証を当該憲法裁判所のために組み立てることになる。  ︵1︶ ω<o昆○鈎ど一〇〇 〇“ρo o群  ︵2︶劇く震お国90 。Oo 。勝  ︵3︶田訂旨困Φ一P<鼠帥ωω舅αqの冥・器守①。ゲ掌︾影一〇G 。︵一。・ 。。 。︶︾ω●曾。,  ︵4︶ ゆ<Φは○国一〇 〇”逡甲①9曽o o旧o o①”o o竃。  ︵5︶ 勺2R顛似竃匙ρO議&鷺o窪o奪o飢賃<①鑑霧撃譲ωαqo鉱島諾冨醜落賞ぎ己Rω’︵顛誘σ身。︶”く①隷霧巽お茜○甑o簿ω冨吋落F一S9   ω﹄o o.  ︵6︶ 寓きω津一包訂一窮○弩ンN賃津茜①器島8ヨN毒oo犀留。 。§蕊一讐o器の器ωり︾£一〇〇 〇︵お①G oy¢o o煙  ︵7︶ωく①篤Oごo 。し。︾留一・ ︵8︶評霞頴響囲99。田αq。霧蘇&嘆魯鉱①の<。岳器琶αQ贅。N。孕の受9冒εお︾ψ臨峯.u霧こ9毒音8幕馨鉱霞   <R富ω彰αQ酪③誉簿のぴ巨酒。諮ω・鐸  ︵9︶国。箆①登ρρ○こω。①鐸  ︵m︶ 閤一窪ωωo匡鉱oぴU器⑦蝦巳①のくo欺器旨欝αqωαqoはo窪︾HOo o9ψQ o㎝︷●

    東洋法学      

二五三

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︵U︶  西ドイソ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸陳則 区.ωo乞鉱oン辞ρ○こω。c o9 二五四 三 提訴要件、訴訟代理および職権主義  連邦憲法裁判所法第二三条は、提訴要件について定めている。すなわち、その第一項では、訴訟手続を開始しょう とする場合、まず書面をもって、連邦憲法裁判所に提訴しなければならず、それには理由を付し、必要な証拠物件を 示さなければならないと規定する。  第二項においては、裁判長は、所定の期間内に意見を述べるべき旨を付して、被提訴権者およびその他の訴訟関係 人に訴状を送達すると規定する。  そして、第三項は、裁判長は、書面の必要な員数の写しを所定の期間内に、裁判所およびその他の訴訟関係人に提 出させることを、すべての訴訟関係入に命ずることができると規定している。  連邦憲法裁判所法第二三条は、このように提訴に際しての要件を定めているが、ただここで問題となるのは提訴を 取り下げた場合であっても、訴訟手続が終了するのかどうか、あるいは連邦憲法裁判所が﹁手続の統括者﹂であるこ       ︵1︶ とから、公の利害に関係すると判断した場合に、その手続を継続することができるのかどうかである。しかしなが       ︵2︶ ら、こうした手続の仕方は、場合によっては抽象的規範審査︵象①号弩躊富29導。嘗o纂o瀬︶にとって代わることに なろう。        ︵3︶  訴訟手続における弁護士強制は、連邦憲法裁判所において行われないのが原則である。ただ、口頭弁論が行われる

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場合には、訴訟関係人は、弁護士、あるいはドイツの大学の法律教師によって代理させなければならない︵連邦憲法 裁判所法第二二条︶。  連邦憲法裁判所は、連邦憲法裁判所法第二六条に基づいて、事実認定に必要な証拠調べを行う。すなわち、連邦憲        ︵4︶ 法裁判所の訴訟手続は、職権主義によって支配されている。したがって、﹁連邦憲法裁判所は、みずから単独で、証        ︵5︶ 拠調べの過程においてなにをえようとするのかを決定する﹂。たとえば、連邦憲法裁判所は、規範審査を行うにあた り、法律の基礎になっている事実を職務上調査し、折に触れて立法者の予測について詳細にわたる審査をなす。しか しながら、連邦憲法裁判所は、憲法裁判の補充性の原則の考えから、その時その時の訴訟事実の選別を、他の裁判所        ︵6︶ を通じて自由になしうることをとくに重要視している。 ︵1︶ ︵2︶ ︵3︶

((

54

))

 抽象的規範審査については、閤一餌霧ω9蛋。FO器O  劇く①は○⑦ど鳶樫 ご舅餌oω奉紘器撃お。 aα⇒o鉱魯ρ ψ零界霞霞言蓉留ぎ・望o答ω霞巴奮 ]ZO毒①巳ε旨盈一ρぎ二W弩留ω︿鼠婁毯αQ。。αQ①旨露毒傷9量凝Φω①旦匿■督お8︾ω。⑩8界国導簿津凶。器嘗替ダ9①<Φ吋− 富ω霊お茜畳3鍍冨比ハ魯貯α霞ω毒留鶏o要乞陣犀U窪聾ε弩ρψお舞エルンスト・フリ⋮ゼンハーン ﹁西ドイツ憲法裁判 論﹂、廣田健次訳、六二頁以下。清水望﹁西ドイツの政治機構﹂、四五七頁以下。  この弁護士強制がとられていないことが、憲法訴願の場合には不利に作用するとの指摘がある。これについては、蝉津峯 。。o嘗跨p斜ρρ︶ωレ臼・廣田訳、前掲書、一二九頁。  国津誼s訂ぎ︾鉾勲○こω藁曾.廣田訳、前掲書、二二〇頁。  ≦一旨○Φ蒔9禦β蒔Φ園ω8留導o箒⇒ぎ語篤器ω暮鵯αqR岡9象9窪憎8器9おo oどω。§参照。

  東洋法学      二五五

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︵6︶  西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則 国●ω⇔乞鋒oダ斡●餌。ρ︸ψo o①. 二五六 四 訴訟手続の参加および意見陳述権  O 訴訟関係入  連邦憲法裁判所の訴訟手続における関係人は、抽象的規範審査にあっては提訴権者であり、憲法訴願︵<o臨霧霊諾ω・     ︵1︶ ぴΦω魯名R留︶の場合には訴願入である。ところが、抽象的規範審査および憲法訴願の両手続においては、それぞれの 被提訴権者が存在しない。機関争訟の場合には、提訴権者および被提訴権者が関係人である。具体的規範審査︵鎌①        ︵2︶ ざ巳奮帯2R跨①爵8#o瀬︶の場合には、提訴をなす裁判所も、最初の手続を提起した当事者も訴訟関係人とはなら ない。 ︵王︶ ︵2︶  憲法訴願については、凶一雲ωω魯窯。FU器ω募階のお域器器茜詔魯魯“ψO刈蹄清水望﹁西ドイツの政治機構﹂、四九九 頁以下。  具体的規範審査については、界ω3蛋。F僧僧ρ︾ω褐二協.国露ω齢男誉器浮鋳P鴬①<oは卑ω器おω鴨誉獣ω訂爵鉱け汐山R ω彗傷Φωお陰藻瞠Uo葺。。9富&”ω。竃舞因毘︸餌αQ窃け浮雰鶏導き99①貯8ξ①820目濤o鼻8霞o一一Φ偏注ωo霧菖αqoOΦ旨算ω・ ︿簿一茜窪・貯”ω暮留撃R剛器霊お詔①誉簿蝿&9毯凝霧o貫劇鮮び一零①・ψo 。器蹄エルンスト・フリ⋮ゼンハ璽ン﹁西ド イツ憲法裁判論﹂、廣田健次訳、六五頁以下。清水望、前掲書、四五一頁以下。拙稿﹁西ドイツ連邦憲法裁判所の権限として の具体的規範審査﹂、東洋法学第一三巻第一・二号合併号、二四九頁以下。

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 口 訴訟手続の参加  まず、具体的規範審査︵ボン基本法第一〇〇条第一項︶にあっては、連邦議会、連邦参議院、連邦政府、場合によっ ては州議会および州政府が、形式的に訴訟手続に参加することができる︵連邦憲法裁判所法第八二条第二項︶。  次に、抽象的規範審査︵ボン基本法第九三条第一項第二号︶においては、右のようなことは、問題とならない。ここで は、憲法機関がいうまでもなく、提訴権者である。  そして、憲法訴願︵ボン基本法第九三条第一項第四a号︶にあっては、憲法機関の作為もしくは不作為に対して、憲法 訴願がなされている場合、当該憲法機関が、訴訟手続に参加することができる︵連邦憲法裁判所法第九四条第一項︶。こ のようなことからみて、被訴願人を識別しないこうした訴訟手続の種類においても、結局は、形式的にではあるが提       ︵1︶ 訴権者と対立することになる。 ︵1︶ 困磐のooo窪鉱。﹃U霧ω§窪。ω︿Φ鑑器塁おωσqΦ旨簿“ψc 。8  ◎ 意見陳述権  まず、具体的規範審査︵ボン基本法第一〇〇条第一項︶においては、最初の訴訟手続の関係人が、意見を陳述すること ができる︵連邦憲法裁判所法第八二条第三項︶。同じように、不利益を受けたすべての憲法機関が、形式的に訴訟手続に 参加をしなくても、意見を陳述することができる。連邦憲法裁判所は、連邦および州の最高裁判所に意見を求めるこ     東洋 法学       二五七

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    西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則       二五八 とができる︵連邦憲法裁判所法第八二条第四項︶。連邦憲法裁判所規則第噺二一条第三項の規定によると、連邦憲法裁判所 は、こうしたことをみずから別の訴訟手続でも行っている。  次に、抽象的規範審査︵ボン基本法第九三条第一項第二号︶においては、右に述べた憲法機関が意見陳述権︵鼠ωカ8窪        ︵1︶ 麟弩諺Ωごoの摸ゆαQ︶を有する︵連邦憲法裁判所法第七七条︶。  そして、憲法訴願︵ボン基本法第九三条第一項第四&号︶においては、立法者、政府および裁判所などの基本権を侵害 している国家機関が、意見陳述の機会を有する︵連邦憲法裁判所法第九四条第一項・第二項・第四項︶。なお、判決に対する 憲法訴願においては、連邦憲法裁判所は、その決定によって利益をえた者にも意見陳述の機会を与えている︵連邦憲       ︵2︶ 法裁判所法第九囲条第三項︶。もちろん、不利益を受けた憲法機関が訴訟手続に参加することができるのは、すでに述 べたとうりである。  ところで、連邦憲法裁判所規則第二二条第四項は、訴訟手続への参加にとって非常に重要である。この規定による と、連邦憲法裁判所は、みずからある分野において、特別の知識を処理しうる人物を求め、決定にとって重要な問題 について、専門家としての意見陳述を嘱託することができるとしている。連邦憲法裁判所は、その他にまた、報告を         ︵3︶ 求めることができる。そして、連邦憲法裁判所法第二六条第一項第一段に基づいて、鑑定人および諸々の団体を聴聞 することができる。さらに、州の情報をも集収する。連邦憲法裁判所は、当該政治的論争分野における、いわゆる大 物、あるいは当該領域における専門家の意見陳述をみずからの裁量に基づいて、訴訟手続の中に導入することができ        ︵4︶      ︵5︶ る。たとえば、一九七六年の共同決定法については、連邦大臣が、公務員恩給の課税については、労働組合が、原子

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       八⑨ 力発電所の認可手続については、ドイツにおける新教の教会の環境受託者が、大学教育収容力の算定については、大    ︵7︶ 学総長が、被用者の解約告知期間に関する法律︵○。ω欝窪R象①串翼聲霊目&Φ渓謹象σQ離おく8︾おΦ。 Q邑箒β︶に       ︵8︶ ついては、連邦ドイツ使用者団体連合会、労働組合および連邦労働施設が、そして、離婚者の保護監督権について        ︵9︶ は、児童神経学者、ドイソ児童保護連盟およびドイツ裁判官連盟が、連邦憲法裁判所において、意見の陳述を行って いる。なお、連邦議会は、連邦法律の有効性がかりに問題となっている場合であっても、意見を陳述することはめっ        ︵10︶ たにない。こうしたことに対しては、批判がなされている。一方、連邦参議院にあっては、意見の陳述はほとんどま        ︵葺︶ ったくといっていいほどない。  こうした連邦憲法裁判所における訴訟手続は、当該憲法裁判所で意見を陳述する権利を有する者の範囲が、他の裁 判所の訴訟手続以上に、より広範で柔軟に保たれていることによって特徴づけられている。このようなことは、憲法 の解釈、変遷および継続的形成が政治過程の一部でもあり、このことにすべての者が関心をもち、関与するという憲法        ︵12︶ の特性に対する表現といえる。憲法の利害関係者および解釈者の範囲は、他の法典編纂の範囲以上に多元的である。 しかしながら、ここで問題となるのは、連邦憲法裁判所の自主性が一般に情報を調達するのと同じように、鑑定人、 諸々の団体および人物からの聴聞において、当該憲法裁判所を部分的にではなく、かなりの程度に政治過程に引き込 むことになるかどうかである。連邦憲法裁判所の政治的機能が質をえ、個別的決定が容認されることになるのは、右 にいうような訴訟手続を通じて行われるからこそいえるのである。連邦憲法裁判所は、こうしたことによって、その        ︵招︶ 唯一の権威、すなわち、法律を適用する裁判所の権威をいかに維持し、いかに強めることができるかが問題となる。

    東洋法学      

二五九

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    西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則       二六〇  憲法訴訟は、口頭弁論において、憲法の維持、あるいは継続的形成の目的を伴った政治的力との公的論争となる。 一般の訴訟法を超越した規則、すなわち、連邦憲法裁判所規則が定めている、いわゆる大がかりな行事が連邦憲法裁 判所法第二六条にいう聴聞の形態に含まれているのかどうかは、実際には問題とならない。しかしながら、このよう        ︵M︶ なことが、厳格な証拠調べを逸脱するような場合には問題となろう。 ︵1︶

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 ω<ΦほO国①合⑩OO  ωく①は○図①ρ嵩P ゼンハーン﹁西ドイツ憲法裁判論﹂、廣田健次訳、二九頁。  団簿簿牢富ω窪ξぎ︸望o<o筏霧象おωσQo江魯錺富戦ぎ溶ぎ島Rω償&霧話要ぴ一詩Uo5のo露き斜 oD  ω<①ほの図αρも 〇一〇 〇。  劇くΦ焦○図㎝斜卜oq o。  ⑦ く㊦ほO国㎝Q o”駆野  国<Φ はO図㎝♪一G o9  ω<の馬Q国①鱒まも o・  ω<oほOめ臼りも o譲◎  国彗馨膨①&80窪p響①oぎω名卿島蒔①のΦω①貫9おお”ψ鱒ρ  麹︸器のωo鑓鉱oγご器ヒ d一58。 。<R雷の撃護ωαQ①醗凶魯ぴψも oo o9  勺卑R漆ぎR一9<①焦器霊類αq巴ωαゑ象象9震津○器9一零G o”ψ嶺α簿  閑’ωo匿包oダ鉾鉾○こψo ooo●  〆ωo巳象o﹃僧。辞○こψo 。P ¢ερエルソスト。フリ璽

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五 口頭弁論  口頭弁論は、連邦憲法裁判所法第二五条第一項の規定によると原則である。しかしながら、実際には稀な例外であ る。すべての訴訟関係人は、口頭弁論を放棄することができる。  憲法訴願にあっては、連邦憲法裁判所は、関係憲法機関が口頭弁論を王張しない限り、みずからそれを中止するこ       ︵1︶ とができる︵連邦憲法裁判所法第九四条第五項第二段︶。したがって、訴願人は、口頭弁論を強制することができない。 口頭弁論が行われたときには、その決定は、判決として行われ、そうでない場合には、決定が下される︵連邦憲法裁判 所法第二五条第二項︶。これらは、文書で作成され、理由を付し、かつそれに参与した裁判官によって副署されなけれ ばならない。口頭弁論が行われた場合には、決定は、三カ月を経過してはならない期間内に言い渡される。しかし、 この期間は、連邦憲法裁判所の決議によって延期させることができ、その場合には、三カ月の期間を超えてはならな い。結局、重要なことは、判決が完全な要式で文書によって起草され、参与したすべての裁判官により副署される以        ︵2︶ 前に言い渡されてはならないことである。 ︵1︶ ︵2︶  憲法訴願や抽象的規範審査においては、たびたび口頭弁論が放棄されることから、裁判所の実際面では口頭弁論が著しく 後退している。評霧幹津諒窪訂ぎ︾臣。<費諄の舅脇αq鼠魯誘訂降Φ濤汐氏震O ご昏留。。冨讐び葬浮馨ω。三き斜ψ一8◎エルン スト・フリーゼンハ:ン﹁西ドイツ憲法裁判論﹂、廣田健次訳、二一三頁。  蝉津諒窪冨ぎ︸斜辞○こωレOも o栖廣田訳、前掲書、二一三頁i一三三頁。

  東洋法学      二六一

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西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則 山 ノ\ 六 却  下  すべての訴訟手続において、不適格な、あるいは明らかに理由のない提訴は、連邦憲法裁判所の全員一致の決定に よって却下することができる︵連邦憲法裁判所法第二四条︶。このような﹁却下﹂︵㌣一冒ぎ?︾び名Φ一象茜︶は、連邦憲法 裁判所が事前に疑義を指摘した場合には理由を必要としない。理由のない決定は、連邦憲法裁判所判例集にリプリン トされない。  連邦憲法裁判所は、提訴に理由がない場合に、それ自体をまず確認しなければならないが、具体的事件において疑 義があり、しかも決定することが恐らく難しい訴訟手続の適格性をそのままにしておくためにも、当該憲法裁判所法       ︵1︶ 第二四条に基づく決定を行う。連邦憲法裁判所法第二四条に基づくこのような処理は、当該規定による決定が極めて        ︵2︶ 重要な問題の中で、非常に詳細な理由をもってなされることになる。  連邦憲法裁判所は、訴状をその他の訴訟関係人に送達することなく、また、第三者の意見の陳述を求めることなく 決定するために、連邦憲法裁判所法第二四条を用いる。その場合に、連邦憲法裁判所は、訴状に基づいてのみ決定す       ︵3︶ る。こうしたことは、リプリントされた連邦憲法裁判所判例集に記述されることはない。  連邦憲法裁判所法第二四条に基づく決定は、確定力および拘束力を伴った価値ある決定である。したがって、規範 審査の場合、連邦憲法裁判所法第二四条が述べているように、提訴ないしは裁判官提訴は、必ずしも簡単に却下され るわけではない。そして、連邦憲法裁判所法第二四条による決定においても、審査された規範のボン基本法との一致

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       ︵4︶ が言い渡されることになる。 この決定は、連邦憲法裁判所法第一三条第二項による拘束力を有することとなる。

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わたる理由が述ぺられている。ω<R窃国臼”o  たとえば、﹁留号8どの決定において、市町村の基本権資格につき、連邦憲法裁判所判例集第六一巻の中で、一八頁にも  ωく○馬○国9慧旧窃卜o︾鱒臼い㎝P駆①い①O︾鱒蒔①い①伊認9 。鱒簿  たとえば、切くoほの国①ρ謡9爵︾謡参照。  ただ、ペターマンによると、ボン基本法第一〇〇条第一項に基づく具体的規範審査手続においては、連邦憲法裁判所法第 二四条の適用をまったく否定する。すなわち、連邦憲法裁判所法第二四条は訴訟の提起を前提としているが、裁判官提訴の場 合には、それが問題になっていないとする。区鶏一︾茜霧鈴望簿醇ヨ帥簿︸90ぎ巳躍・82霞導9ぎ葺き豪蓉傷8霧鉱αQΦO? 誌畠宏くo巳Ω 。αqΦ9ω●o o8’ 七 裁判官の除斥およぴ忌避  連邦憲法裁判所裁判官の除斥および忌避の可能性は、他の裁判所における場合と同じように、連邦憲法裁判所にも    ︵1︶ 存在する。裁判官は、当該事件の血縁関係、あるいは関係者であるときは職務執行から除斥される。しかし、裁判官 が政党に所属するという理由で、訴訟手続の結果に利害があり、また、裁判官が以前に、たとえば、国会議員として 当該立法手続に関与し、あるいは訴訟手続の中で重要となりうる法問題について、学問的に意見を述べるという事実       ︵2︶ は、裁判官の除斥の理由とならない︵連邦憲法裁判所法第一八条第二項・第三項︶。なぜならば、多くの裁判官が、政治 の領域、あるいは学問の領域から任用されるので、もし右に述べたことを理由にして裁判宮を除斥することになれ

    東洋法学      二六三

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    西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則       二六四       ︵3︶ ぱ、つねに連邦憲法裁判所の決定にあたっての定足数を伴った問題を生じさせることとなる。  連邦憲法裁判所裁判官は、彼の非党派性に対する不信任を正当と認めるのに適した理由がある場合に、不公平な裁       ︵4︶ 判を行う恐れがあるため、申立てによって忌避されることになる︵連邦憲法裁判所法第一九条︶。連邦憲法裁判所は、ボ ン基本法第一〇〇条第一項の裁判官提訴に基づく規範審査の手続に対して、連邦憲法裁判所法第一九条を適用しな い。その理由は、裁判官の忌避の可能性に対する必要がない客観的手続は対人関係がないので、ここでは問題となら        ︵5︶ ないからである。しかも、この手続においてはまた、裁判官の忌避の申立てをなす者は存在しない。  なお、連邦憲法裁判所においては、これまで裁判官の相互の代理が認められていなかった。したがって、このよう なことが、裁判官の席を狭める理由となったし、また、政治的に極めて重大な事件での裁判官の忌避が、部会におけ る裁判官の配置の中で、﹁政治的均衡﹂を妨げることになった。憲法裁判の手続においては、他の裁判所とは異なり、 新たな裁判官が忌避された裁判官に代わるということがなかった。こうしたことは、連邦憲法裁判所法第一五条第二 項第一段に定める権限ある部会の決定する能力がなくなる。そこで、この点を考慮して、連邦憲法裁判所法第一九条 第四項が定められた。すなわち、連邦憲法裁判所が、裁判官の忌避を理由があると宣言した場合、抽選によって、他 の部会の裁判官を代理入として決めることができる。しかし、部会の裁判長を代理人として決めることはできない。 詳細については、連邦憲法裁判所規則の定めるところである︵連邦憲法裁判所法第一九条第四項第三段︶。そして、忌避さ れた裁判官の除斥については、重大な理由があった場合にのみ問題となる。こうしたことは、これまでに、わずかな        ︵6︶ 事件においてのみ問題となった。結局のところ、連邦憲法裁判所という地位を有する裁判所の裁判官からは、内部的

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独立性、訴訟関係人からは、        ︵7︶ このような独立性に対する信頼が期待されている。 ︵1︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶ ︵5︶ ︵6︶ ︵7︶  この問題について詳しくは、津睾N穴欝9密︸浮器齢償茜伽R葱o窪震訂巳^︾一霧誇8&魚o蒙&8声岳8窪一島戴茜彦傷空oび− 聾餌浮算gσq︸冒邑蓉留ω︿①紘婁目αq。 Qαg鼠。獣春似9暮ααQ①ω①箪臣﹂”お↓9ψ一餐塗・  たとえば、庸㎏⇔警男は霧O⇒び蝉びPOδ<Oほ器象βαQo 。αQ負ざゲ誘び勢円闘Φ答嘗傷角ω¢P傷の逡①︾βげ一祷UO暮零げ錨β斜ψ一〇ゼエルンス ト・フリ⋮ゼンハーン﹁西ドイツ憲法裁判論﹂、廣田健次訳、二二〇頁。  国雷霧ω9一鉱o﹃U器ω¢&oω奉鑑霧霊お諮o臨島び¢禽。  切<①ほO鍔8︾㎝甲駆g o”憲S  渓.ωo鉱鉱oダ鋤.鎖。○こψ合麟  ω<o露○国卜oρ一Ψω9一●  国。ωo匡蝕oダ鉾僧ρ︾ω●戯ド 八 費  用  連邦憲法裁判所におけるすぺての手続は、無料である︵連邦憲法裁判所法第三四条第一項︶。ただ、連邦憲法裁判所は、        ︵1︶ 見込みのない憲法訴願に対して、提訴権者に濫用手数料を課すことができる︵連邦憲法裁判所法第三四条第四項︶。しか しながら、連邦憲法裁判所がこのような手段を、強力に使用しようとするならば、当該憲法裁判所は、恣意について        ︵2︶ 起こりうる印象に対抗するために、決定の基準を明らかにしなければならない。連邦憲法裁判所は、要した費用の補        ︵3︶ 償を命ずることができる︵連邦憲法裁判所法第三四a条︶。

    東洋法学      二六五

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西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則

二六六

︵1︶

((

32

)) たとえば、切<O馬○罰黛︾トっO駆・  魏一きωωo乞鉱oダU霧ω¢&oωぐo晶霧霊勝αq茜oはoダ”ψ餐。 った。 を課していたが、連邦憲法裁判所法第三四条が改正されて、最高五、○○○ドイツ・  なお、憲法訴願における濫用手数料については、これまで二〇ドイツ・マルク以上  たとえば、ω<O議○国9︸餐●

一、○OOドイツ・マルク以下の金額 マルクまで課すことができることにな 九 おわりに  以上、西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続におけるいくつかの原則についてみてきた。ボン基本法は、連邦の最高 の裁判所として連邦憲法裁判所を設置し、それに憲法裁判を独占的に帰属せしめている。そして、連邦憲法裁判所の 権限および組織については、連邦憲法裁判所法が詳細にわたって規定している。ところが、この連邦憲法裁判所法 は、憲法裁判を行うにあたっての手続を完備した法律とは決していえない。こうした訴訟法の不備は、むしろ意識的 になされており、これについて、連邦憲法裁判所は完備された手続法を必要ないとし、その不備をみずからが裁判の 中で補充していくとしている。それに加えて、連邦憲法裁判所は、他のドイツ手続法の類推過程の中で、訴訟法の不 備を補充していくとの立場をとっている。したがって、憲法裁判を行うための手続法の不備を補充していくのは、立 法者ではなくて、連邦憲法裁判所の自主性に委ねられているといってよい。このようなことは、憲法裁判手続の特殊

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性からでてくるものと考えられるが、手続の正当性は立法者によって厳密に定められているからいえるのであり、決 して、連邦憲法裁判所の任意に選択した手続によってではない。とはいえ、連邦憲法裁判所に、憲法裁判手続の自主 性を認めている。この点について、連邦憲法裁判所は、明確に述べているわけではない。こうした問題については、 今後の課題として別に稿を改めて研究してみたいと考えている。  ところで、わが国では、憲法第八一条の違憲審査権の性格をめぐって学説が対立している。通説によると、裁判所 は、刑事・民事・行政の事件などの具体的事件に基づく訴訟が提起された場合にのみ、その裁判の前提として、その        ︵1︶ 事件に適用すべき法令等の合憲性について判断できるにとどまるとする。したがって、憲法第八一条は、司法裁判所 型の違憲審査権のみを認めたものとして理解される。判例もまた、いわゆる警察予備隊違憲訴訟︵最大判昭和二七.一 〇・八民集六巻九号七八三頁︶において、やはり具体的事件に付随してのみ違憲審査権を行使することができるとする立       ︵2︶ 場を採っている。ただ、学説の中には、憲法第八一条は、最高裁判所が憲法裁判所の性格をあわせもつことを否定す るものではないので、法律によって特別な憲法裁判の手続を定めた場合に、最高裁判所は一般的抽象的な違憲審査を        ︵3︶ 行うことができるとする立場がある。こうした考えを採るならば、憲法裁判の手続を定めた法律を制定する必要性 が、生ずるのはいうまでもない。わが国の最高裁判所の在り方と、西ドイッの連邦憲法裁判所の在り方ではその性格 を異にするが、当該憲法裁判所が憲法裁判を行うにあたっての手続上の諸原則をみておくのも、あながち無意味とは いえないであろう。

東洋法学

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︵1︶ ︵2︶ ︵3︶   西ドイツ連邦憲法裁判所の訴訟手続における諸原則       二六八  清宮四郎﹁憲法工﹂︹新版︺、三七一頁。小林直樹︹新版︺﹁憲法講義下し、三四九頁!三五〇頁。佐藤功﹁日本国憲法概説﹂ ︿全訂新版﹀、三六七頁。橋本公亘﹁日本国憲法﹂、六一九頁。法学協会編﹁註解日本国憲法下巻し、一二二七頁。  なお、最高裁判所は具体的な事件の有無にかかわらず、一般的袖象的に法令等の合憲性についても審査することができると する立場を採るものとしては、佐々木惣一﹁改訂日本国憲法論﹂、三五七頁ー三五八頁。廣田健次﹁新版犠本国憲法概論﹂、 二〇四頁。同、﹁違憲審査権の法理﹂、法学紀要第二七巻所収、一、三八頁などがある。  最高裁判所のこの判決の受けとめ方として、手続法規が整備されたならば、抽象的に違憲審査を行うことができるという 含みを残していると解する立場がある。これについては、芦部信喜・小嶋和司・田口精一編﹁憲法の基礎知識﹂、一八四頁。 なお、芦部信喜﹁司法のあり方と人権﹂、一七三頁。  芦部・小嶋・田口編、前掲書、一八二頁i一八三頁。

参照

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