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石炭火力における耐硫化腐食コーティングの開発―実用レベルに向けた低コストかつ高耐食性複合膜の開発―

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 石炭火力における耐硫化腐食コーティングの開発 −実用レベルに向けた低コストかつ高耐食性複合膜の開発− 背 景 近年、多くの石炭火力ボイラでは、ボイラ側壁中央部のバーナゾーンから二段燃焼空気投入孔にかけての還 元雰囲気が強い部位の水冷壁管において硫化腐食による著しい減肉が認められており、定期検査時の肉盛り補 修、パネル交換または保護皮膜溶射等の対策のため、補修コストの大幅な増加要因となっている。この課題に 対処するため当所は、低コストかつ施工が容易な耐硫化腐食皮膜の開発を 2004 年より開始した。2006 年には 酸化チタンの硫化水素に対する低い反応性に着目し、酸化チタンと炭素皮膜の複合膜を考案し* 1、水冷壁管 の腐食量を半減できるめどを立てたが、現場適用条件である腐食量 10 %以下を実現するまでには至っていな かった。. 目 的 既開発コーティング技術をベースに、より高い耐硫化腐食性能を有した皮膜構造を開発すると共にコーティ ング工程の簡素化を図る。. 主な成果 1.腐食量を 10 %以下に抑えられる複合膜の開発に成功 耐硫化腐食性能を向上させるためには基材(水冷壁管)と炉内雰囲気ガスとの環境遮断機能を上げる必要 があり、その効果が見込めるSiO2 層の挿入を検討し、SiO2/TiO2/C/TiO2 複合膜を開発した。開発した複合膜 は、還元雰囲気での石炭灰浸漬試験(3000 時間)より、未施工と比較し腐食量を 10 %以下に抑えられるこ とがわかった(図 1、図 2)。またこの際、コーティングによる基材の組織変化(浸炭等)は見られなかった。 2.低コスト化に向けたコーティング工程の簡素化 本コーティングは、これまで図 3(a)に示すように各コーティング後に酸化または脱脂を行う工程であっ たが、図 3(b)のようにコーティング後同時に酸化・脱脂処理を行う工程でも前工程と同等の耐硫化腐食性 能を有することを確認した。この結果からボイラ起動時の熱による酸化・脱脂が可能であることが示唆され、 コーティング工程が簡素化できる。さらにコーティング材料コストも表 1 に示すように低コストであること から、50Ni50Cr溶射等の保護皮膜に比べ大幅な補修コストの低減が見込める。 以上、2 年毎の定期点検時に施工することでボイラの健全性が維持でき、肉盛り補修、パネル交換などの 大掛かりな補修を必要としないことからボイラライフを考えた上で低コスト化が期待できる。. 今後の展開 総合的な適用性評価を目的とした実機による施工・耐久性評価試験を通じ、早期の実用化を図る。 主担当者 関連報告書. エネルギー技術研究所 エネルギー変換工学領域 主任研究員 河瀬 誠 「石炭火力ボイラ管における耐硫化腐食コーティングの開発─改良複合膜の開発─」電力中 央研究所報告: M07016(2008 年 6 月). * 1 :「石炭火力における耐硫化腐食コーティングの開発」電力中央研究所報告: W05018(2006年 4 月). 110.

(2) 6.化石燃料発電/火力発電高効率化. 未施工 (腐食量32.0mg/cm2). シリカ、酸化チタンおよび炭素複合膜施工 (腐食量1.9mg/cm2). 図1 シリカ、酸化チタンおよび炭素複合膜施工基材と未施工基材の硫化腐食の違い. 腐食量比. 1.0. 6. 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 未施工. 2006年開発膜. 改良複合膜. SiO2層なし. SiO2層あり. 図2 開発した膜の性能比較. 表1 コーティング材料コスト. (a)通常工程. (b)簡素工程. 図3 コーティング工程. 111. 簡素工程 で施工.

(3)

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