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石炭燃焼特性実証試験装置の機能と燃焼・排煙処理特性 -微粉炭火力発電技術の高度化におけるその役割-

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Academic year: 2021

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(1)

主要な研究成果

背 景

微粉炭火力においては、燃料種の多様化、コストの低減および環境性の一層の向上が極めて重要な課題であ る。当所は、これらの課題に対し、瀝青炭や亜瀝青炭を使用した際の NOx 発生量を低く抑えながら灰中未燃 分を低減・均質化する燃焼技術や、未利用炭の実機への適合性を事前に評価するシステムなど、微粉炭火力発 電技術の高度化を進めるため、実機の燃焼履歴や排煙処理装置の運転条件を模擬できる石炭燃焼特性実証試験 装置(燃焼量 300kg/h、通称 MARINE 炉、図-1)を設置した。

目 的

微粉炭高度燃焼技術の開発に資するため、当所が新たに設置した MARINE 炉の燃焼特性および排煙処理特 性を明らかにする。

主な成果

(1)MARINE炉の主な特徴と機能  ①MARINE 炉では、バーナ毎に操作条件や混焼率を変えるなど、バーナシステム全体としての低品位炭 (亜瀝青炭など)やバイオマスなどの専焼・混焼技術の開発を行うため、火炉は 3 本のバーナを上中下 段に配置した竪型炉としている。また、二段燃焼率や二段燃焼用空気注入位置の変更を可能とすること により、実機と同様の複数段のバーナにおける燃焼状態を模擬することが可能である。さらに、バーナ 毎に燃焼量、操作条件、燃料種やその混焼率等の調整が可能なバーナ機能を有している。 ②燃焼時に発生する NOx、SOx、石炭灰および微量物質などの様々な物質のプラント内での挙動に関す る検討が行えるように、実機と同様の、SCR 方式* 1脱硝装置、電気集じん器および石灰石膏法脱硫装 置を採用している。さらに、ガス−ガス熱交換器を模擬した温度調節器を設置することにより低温電気 集じん器(130 ∼ 150 ℃)や低低温電気集じん器(90 ∼ 100 ℃)を備えた排煙処理システムの様々な運 転条件を再現できる。 (2)燃焼特性・排煙処理特性 燃焼時の火炉からの NOx および灰中未燃分排出特性に及ぼす二段燃焼率、二段燃焼用空気位置の影響 (図-2)および NOx と灰中未燃分の関係(図-3)を把握し、膨大な試験データを有すると共に実機との相 関が得られている当所既設の石炭燃焼試験炉(通称 BEACH 炉)* 2と同じ特性を示すことを確認した。 さらに、同一 NOx 濃度時の灰中未燃分濃度が実機と同じレベルであることから(図-3)、実機の燃焼特性 を模擬できることに加えて、今まで直接評価することが難しかった未燃分、形状、比表面積などの灰性状 を同時に評価できることを確認した。また、同時に脱硝装置、電気集じん器および脱硫装置の基本性能 (図-4、図-5)を確認し、実機と同様の運転条件の下で NOx、SOx、石炭灰および微量物質などの様々な 物質の挙動も評価できることを明らかにした。

今後の展開

MARINE 炉を灰中未燃分の低減・均質化技術の開発や未利用炭の事前評価システム(石炭総合評価システ ム)の開発、および微量物質挙動の詳細解明などに活用する。 主担当者 エネルギー技術研究所 燃料・燃焼工学領域 上席研究員 白井 裕三 関連報告書 「石炭燃焼特性実証試験装置の機能と燃焼・排煙処理特性−微粉炭火力発電技術の高度化に おけるその役割−」電力中央研究所報告: W03025(2004 年 3 月) 46

石炭燃焼特性実証試験装置の機能と燃焼・排煙処理特性

−微粉炭火力発電技術の高度化におけるその役割−

* 1 :選択接触還元法。アンモニアを用い、触媒の存在下でガス中の窒素酸化物を窒素と水に分解する脱硝法 * 2 :バーナ 1 本を備えた燃焼量 100kg/h(瀝青炭換算)の横型炉

(2)

C.エネルギーと環境の調和

47 主な特徴 機能 ・上中下の3段バーナ(CI-αバーナ100kg/h×3本)を有する竪型炉 ・バーナ毎に2種類の燃料を任意の比率で混焼可(各バーナに微粉ビン2基設置) ・バーナ間隔変更可能(±100mm)、バーナチルト機構注) 有(±10deg) ・粉砕粒径調整可能(50%径10∼数10μm)

・火炉内温度・ガス濃度(O2, CO, CO2, NOx, SO2)分布測定可能

・ファウリング性・火炉内熱流束の測定可能 ・SCR法による脱硝 ・電気集じん器の荷電方法・操作温度(90∼200℃)の変更可 ・石灰−石膏式脱硫 ・各排煙処理装置から灰のサンプリング可能 ・HCl、HFと形態別水銀の連続分析可能 ・液体燃料用バーナ(3本) 注)バーナチルト機構とは、バーナの火炉壁に対する設置角度を変更するものである 実機の燃焼履歴を模擬可能 石炭、バイオマスおよび廃棄物等が供 給でき、複数段バーナの位置、燃料供 給比率、粉砕粒径、混焼条件などを変 更することによるバーナシステム全体 の技術開発が可能 実機同様の排煙処理装置を設け、様々 な温度履歴の下で燃焼生成物質の詳細 な挙動評価が可能 エマルジョン燃料の評価が可能 0 1 0 30 0 5 10 15 20 25 30 炭種 MARINE炉 無次元NOx濃度 NOx/NOx(非二段) [-] 無次元灰中未燃分濃度 Uc/Uc(非二段) [-] z:バーナ2から注入位置までの高さ方向距離(MARINE炉)[m] L:バーナから注入位置までの水平方向距離(BEACH炉)[m] D:バーナ直径[m] MARINE炉の、二段燃焼用空気の注入位置に対するNOxと 灰中未燃分の排出特性は、既設のBEACH炉と同一である。 10 20 0.8 0.6 0.4 0.2 1.2 z/D, L/D[-] NOx(MARINE炉) NOx(BEACH炉) Uc(MARINE炉) Uc(BEACH炉) 二段燃焼率 30% バーナ CI-αバーナ BEACH炉 ブレアゾール ニューランズ 従来型バーナ 0 5 10 15 0 200 灰中未燃分濃度 Uc[%] NOx濃度(O26%)[ppm] 1000 800 600 400 実機における排出範囲 ニューランズ炭 MARINE炉 BEACH炉 大型試験炉(1.5t/h、単一バーナ) MARINE炉のNOx・灰中未燃分の排出特性は既設の試 験炉と同様であり、かつ灰中未燃分濃度は実機と同 じレベルである。 95 96 97 98 99 90 連続荷電 間欠荷電 100 操作温度[℃] 130 集じん効率[%] 操作温度が90℃の 場合には、連続荷 電時に集じん効率 が高くなり、逆に 石炭灰の電気抵抗 が 高 い 1 3 0 ℃ の 場 合には、間欠荷電 時に集じん効率が 高くなる。 60 70 80 90 100 4 5 6 脱硫率[%] 3.5 4.5 5.5 6.5 吸収塔循環液pH[-] MARINE炉の脱硫装置は、実機と同じpHの操作範囲に おいて、実機同様の90%以上の脱硫率を示し、ガス量 G[m3/h]に対する循環液量L[R/h]の比率L/Gが高 くなると性能は向上する。 L/G=27 L/G=22 実機の代表例 電気集じん器 図-1 石炭燃焼特性実証試験装置の構成と主な特徴および機能 図-5 吸収塔循環液pHと脱硫率の関係 図-4 荷電条件が電気集じん器の性能に与える影響 図-2 二段燃焼用空気の注入位置がNOxと 灰中未燃分濃度に与える影響 図-3 火炉のNOx・灰中未燃分濃度の排出特性

参照

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