− 165 − 子どもの表情認知と
Q
O
L
やソーシヤルネットワークとの関連についての検討 糊 jI支援教育専攻 荒 井 直 美 1.問題と目的 私達の生活は,他者とのコミュニケーション なしには成立しないものである。人のコミュニ ケーション行動には,言語的な要素と非言語的 な要素が含まれる。非言語情報は,受信者にと っては,相手の現在の感情・情動や注意の状態, 自分や話題に対する相手の態度などを知る重要 な手掛かりとなる(吉田, 2001)。顔は感情の情 報伝達において,言葉に比べて一層重要な情報 源である(
P
.E
凶ar蝋V
.
F
r
i
e
s
e
n
,1
9
7
5
工 臓R
編1
9
8
7
)
。この表情を読み取る力(謝育認知能 力)は,他者との円滑なコミュニケーションを はかる上で非常に重要な能力である。また,よ りよい対人関係を作るには,コミュニケーショ ンに如、て他者の感情を理解すると同時に,子 ども自身の心身の健康状態ヰ満足度,ソーシャ ノレネットワークといった周囲との関係ぞ漣携も 重要な設事l
を占める。近年の人間関係の希薄化 に と も な い , ま す ま す 子 ど も の 生 活 の 質 (伽a
l
i
t
yo
f
L
i
f
e
;
叩L)に着目した支援が必要 になってきている。したがって,対人関係を作 るためのコミュニケーションに重要な要素の一 つである表情認知能力とQ
O
L
やソーシャルネッ トワークとの間に関連があるのではなし、かと考 える。そして,これらに関係性があることを知 ることで指導の手立てにつながると考えられる。 そこで本研究では,子どもの表情認知能力,Q
O
L
,ソーシャルネットワークの実態を把握し, 指導教員 津 田 芳 見 これら3つの間に関連があるのカ牧討する。そ して,表情認知の視長から子どもへのよりよい 支援を考える糧とすることを目的とする。 2. 方法 (1)調査対象者 A小学校5年生74名(男子43 名,女子31名,糊Ij支援学級の児童を除く)。 (2)調査日 X年1月。 (3)調査内容表情認知能力, ωL,ソーシヤル ネットワークを測るために「子ども版表情認知 検査J,r
小学生版 ωL尺度J,r
p
ぽr(絵画愛情の 関係テスト)Jを行った。 (4)手続き A小学校長に調査実施の承諾を得 て,学年担任に詳細を説明。学年通信にて保護 者へ通知。学級ごとに教室で一斉調査を行った。 (5)分析方法 1)調査結果について実態を明らかにし九 2)表情認知能力と飢との関係,表情認知能力 とソーシヤノレネットワークとの関係, ωLとソ ーシヤノレネットワークとの関係、を明らかにした。 3. 結果と考察 (1)3つの検査における実態 「子ども版剥育認知検査jにおいては対象 者の正答敬が全国平均よりも低く,男子より女 子の方が正答数が高いとし、うことから,女子の 方が表情認知能力が高いと考えられる。「よろこ びJ九、かりJr
おどろきJr
かなしみJの 4つの 表 情 の う ち か な し みjの認知が最も難しく, 理解しにくし、表情であることが明らかになった。− 166 − 「よろこびJの表情を「かなしみJの表情に間 違ったり fかなしみjと九、かりjの表情が判 別しにくかったりすることから,相手の樹育を 誤って読み取る可能性があることが示唆され, コミュニケーション上の課題になると考える。 「小学生版 ωL尺度Jにおいて, ωL縦号点と 6つの下位領域得点のうち,全国の平均値より 低かったのは「身体的健康jのみであり,概ね OOLが高い集団であるといえる。 rpぽr(絵画愛 情の関係テスト)Jでは,