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特別支援教育巡回相談員の相談活動に対する認識ト実践経験の長さに注目して一
人間教育専攻
臨床心理土養成コース
重 清 里 佳
1.問題と目的
糊司支援教育巡回相談(以下,巡回相談)は,
f児童生徒一人一人のニーズを托張し,児童生
徒が必要とする支援の内容と方法を明らかにす
るために,担任,特別支援教育コーテ守イネータ
ペ保護者など児童生誌の支援を実施する者の
相談を受け,助言するj活動である。(文部科学
省,
2
∞
4LA
県は,期
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支援学校及び小中学校
の教員が巡回相談員として委嘱される。退く回相
談員は活動日には要請に応じて地域の保育現場
や教育現場に訪問し支援を行い,その他の日は
所属校での聴鱗に専念する。巡回相談の要請件
数は年々増加の{項向を辿り,その対応に巡回相
談員は苦慮している。 A1阜の巡回相談に関する
地域の菌や学校への調査帯問より,巡回相談が
現場の問題解決能力を高めることにつながらず,
依存性を高めていることが示唆される。このこ
とは,相談件数が多い現状と一致する。地域の
園や学校が現場の力で解決するようになるため
に巡回相談員はどのようなことを意識するこ
とが必要なのだろうか。活動内容の裁量は巡回
相談員に任され,個人の力量にかかっている現
状において,まずは巡回相談員が相談話動をど
う捉えているのか明らかにする必要がある。
また, A県の巡回相談員は1年ごとに委l属さ
れる。そのため, 1年で舌青島する人もいれば,
所属校から異動が決まった後も引き受ける人が
いる。この違いは何なの
7
P
'o埠集英支援はこれま
指導教員 久 米 禎 子
での教員の専内全だけでは対応の難しさがある
とされる。そのため,巡回相談員は相談活動を
始めてから,自己の存在幅値を揺るがす傷つき
を体験するのでないかと考えられる。委嘱され
るとはいえ,浅い期間で辞退する人と比較的長
く続ける入がいる現状において,後者は相談話
動への自発的な要因が働いているのでなし功、と
考える。そこで本研究では,実践経験の浅い巡
回相談員と比騨包長し、巡回相談員の相談話動に
対する認識を比較し,遠明相談員が何を得てい
るのヵ、何を必要としているのかについて明ら
かにする。これにより,当事者である巡回相談
員にとって相談活動への取り組みの見通しとな
り,さらには巡回相談員の養成を考えるうえで
の示唆を得ることができると考える。なお,本
研究では,比較的長い実様建設の長さとして,
所属校の異動もあり得る 5年を区切りとする。
2. 方法
調査対象者はA県の巡回相談員35名のうち,
回答を得られた 33名(男性:5名,女性:28
名,平均年齢44.3歳岱V=8.41),平均実践経
験年数4年(SD
ニ
2.29))で、あった(回収率94%)。
相談活動に対する認識として,迂耳龍協調する
意識(評定尺度法5項目,自由言謎式5項目),
②求められる知識や技能(評定尺度法6項目,
自由記述式2項目),③活動に係わる研修(評定
尺度法5項目,自由記述式2項目),愈他機関
との連携・協働(多肢選択式2項目,自由記述
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式2項目,⑤戸惑いや国りごと(評定尺度法5
項目,自由ま路式3項自)の内容で構成し,個
別自記入式の質
F
J
鳴調査を作成した。評定尺度
や多腕聾択により得た回答について度数分布を
求め全体傾向を明らかにした後,実践経験
5
年
未満と
5
年以上の
2
群に分け,経験年数による
相談活動に対する認識の差について検討した。
自由記述で得た回答も同様に
2
群に分け,回
法(JI信多.1967)を援用して質的違いの検討
を行った。また,実践経験の長さのもう一つの
側面である週当たりの活動日数と相談活動に対
する認識との関連を検証した。
3.結果と考察
評定尺度や多肢選択で得た回答について,実
践経験年数で比較した結果,全ての項目におい
て有意な差は見られなかった。このことから,
経験を重ねることで国りごとがなくなるという
ことはなく,経験を重ねても不安を抱え,地域
支援に必要な力を身につけたいと自主研修に参
加していることが示された。
自由記述で得た回答から,巡回相談員が必要
としていることについて考察する。巡回相談員
が相談活動を始めてから経験する戸惑いとして,
[仕事内容に対する戸惑い][相談繍長の肩代わ
り] [子どもに対する見方の違い] [相手に伝え
る言葉の難しさ]治非主数あげられた。浦郷・後
上位。
0
7
)
は,支援を求められて訪問したのだ
からと,巡回相談員がつい自分ひとりで抱え込
んでしまうことも起こると指摘している。これ
ら一つ一つの戸惑いにどのように対応するかに
より,現場の主体的課題解決を促進させるか,
依存性を高める方労尚ミれてくると考えられる。
しかし,巡回相談員自身が役に立てるかという
不安や混乱を体験しており,その対応を支持す
るメンター的相生が必要であると考えられる。
また,巡回目談員が得ていることとして.[.投
に立つという感覚] [人とのつながり] [自己成
長の意劃等,自己のポジティブな内面変化が
相談先との関係の中で見られ,このことが他者
との関わりを維持,発展させると考えられる。
巡跡目談員は相談活動に大きな負担を感じつつ
も,活動の効果([役に立つという感覚] [子ど
もヰ喉護者,教員の f因り感jの軽減)や,自
分自身への成果([入とのつながり] [.視野の拡
大][相談先からの学的[自己成長の意劃)を
得ることで,巡回相談員を続ける霞磯に結びつ
いているのでなし鴻吃考えられる。
実践経験の長生ーによる認識の違いは見られな
かったが,各群に見られた特徴について明/示す
る。実践経験の設いときには,
r
国難な事例にぶ
つかったらどうしようJ
r
うまくできないかもし
れなしリことに意識の焦点がおかれヰ寸い状態
で、あった。比較的長い巡回相談員からは.
r
さま
ざまな立場の入国酎事絵が増え,客観的に物
事をみることができるようになったJf何とかで
きると,患っていたことが本当は難しいと分かる
ようになったj等,自分を客雛告に見て評価す
る視点が複数見られた。これは,自分の考えを
伝え,相手の考えをきき,共有したりすり合わ
せたりする作業の積み重ねが一つの要因として
考えられる。
4.今後の課題
本布院では相談活動の行為そのものへの振り
返りについて問うことはできたが意味づけを含
めての振り返りを問うことはできていなしL今
後,巡回相談員が何を経験し,そこから何を学
び,どう行動したのか,その内的な成長につい
て明らかにしていくことにより,巡回相談員の
設脅jの意義が示され,地域議床の担い手を確保・
養成することにつながるのでなし、かと考える。