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ユーザビリティ定量化による現場適用に向けたSW評価手法の提案

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 74 回全国大会. 3F-1. ユーザビリティ定量化チェックリストによる開発現場に向けた評 価手法の提案 森口 昌和†. 野田 尚志†. NEC ソフト株式会社 日本電気株式会社. 池上 輝哉‡. 福住 伸一‡. VALWAY テクノロジーセンター†. サービスプラットフォーム研究所‡. 1.はじめに 筆者らは、製品のユーザビリティ向上を効率 化するため、専門家でなくても一定品質のユー ザインタフェース設計、実装、および評価がで きる手法を研究開発している。その 1 つに、ユ ーザビリティの定量化によるチェックリスト評 価法があるが、開発現場からは評価時間に対す る負担の軽減が求められていた。そこで本稿で は、現場に即して短い時間で適用できる定量化 チェックリストを用いた評価手法を紹介する。 2.ユーザビリティ定量化 ユーザビリティ定量化チェックリスト 定量化チェックリスト 池上らは、チェックリストの課題である評価 者の違いによる結果のぶれを最小化するため、 評価項目を詳細に手順化した定量化チェックリ ストを開発した[1]。また、このチェックリスト では、Nielsen の提唱する 5 つのユーザビリティ 特性[2]における「効率性」「学習しやすさ」 「エラーの少なさ」「記憶しやすさ」の 4 つの 観点を基準として、それぞれ評価項目ごとにウ エイトが決定されており、ユーザへの効果を分 かりやすく示すことができる。これにより、専 門家でなくとも、製品のユーザビリティを客観 的に測ることができるようになり、開発現場の 誰もが評価できるようになった。 3.開発現場 開発現場における 現場における課題 における課題 しかし、開発現場からヒアリングした結果、 現状の定量化チェックリストでは 1 つのフロー で 2 時間半程度かかり、開発現場への負担が大 きいことがわかった。また、開発現場からは、 時間をかけて問題をすべて検出するよりも、30 分程度の短い時間である程度の問題を検出した いという要求が強かった。 そこで、現場が許容できる 30 分に注目し、定 量化チェックリストを用いながらも 30 分で評価 できる最適な手法を検討する。 4.30 分での評価手法 評価手法 定量化チェックリストには、製品によっては 評価する必要のない、または評価しなくても影 響が少ない評価項目も含まれており、製品のユ. 4-15. ーザビリティ特性に合わせて項目を選定できれ ば、30 分でも効果的に評価できると考えられる。 例えば、掲示板機能の場合、「グラフの凡例を 表示しているか」「警告音や操作音を使用して いる場合、消音や音量調節が可能か」という項 目は評価しなくてもそれほど問題はない。 そこで、定量化チェックリストが基準として いる 4 つの観点と、その評価項目ごとに決定さ れているウエイトに注目し、製品の特性に合っ た評価項目をウエイトに応じて選定することを 考える。これには、製品の特性に応じて 3 つの 手法が考えられる。 【観点特化手法】 観点特化手法】 特定の観点に特化し、ウエイトが大きな項目か ら選定する手法である。例えば、効率性に特化 する場合、効率性のウエイトが大きな項目から 順に選定する。これは、製品で特定の観点に問 題が多いと考えられる場合に効果的である。 【観点平均手法】 観点平均手法】 4 つの観点のウエイトの平均を算出し、その平均 値が大きな項目から選定していく手法である。 これは、製品に標準的なユーザビリティ問題が 多いと考えられる場合に効果的である。特に、 元々2 時間半程度の評価時間を 30 分にしている ことから最低 20%程度のパフォーマンスが期待 される。 【ハイブリッド手法 ハイブリッド手法】 手法】 一定の閾値を超えている項目は観点平均手法で 選定し、閾値以下の項目は観点特化手法で選定 する手法である。例えば、効率性に特化する場 合、まず 4 つの観点のウエイトの平均が閾値を 超えている項目を選定し、次に効率性のウエイ トが大きな項目を選定することになる。これは、 製品の特性がある程度はわかっていて、標準的 なユーザビリティ問題も潜んでいる場合に効果 的である。なお、この手法では、閾値が 1 に近 いと観点特化手法と同じ結果に、逆に閾値が 0 に近いと観点平均手法と同じ結果になる。 5.実験 上記 3 つの手法の効果を確認するため、実製 品を 30 分評価し、ユーザビリティ問題の検出率. Copyright 2012 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 74 回全国大会. を比較した。なお、検出率とは、問題となる項 目すべてのウエイト合計に対し、実際に問題が 確認できた項目のウエイトの割合を示す。実製 品には、代表的な NEC 製品におけるメーラーを 採用した。評価者は、ユーザビリティ初級者 2 名とユーザビリティ専門家 2 名である。 【実験結果】 実験結果】 表 1 に、観点特化手法と観点平均手法で 30 分 評価をした場合の検出率を示す。これは例えば、 観点特化手法で、効率性に特化すると、効率性 に関する問題が 58%検出できたことを示してい る。一方、観点平均手法は、観点に寄らずに平 均が大きな項目から選定していくため、すべて 同じ 32%という検出率になっている。 表1. 観点特化手法及び観点平均手法による検出率 観点特化手法 観点平均手法 検出率(%) 検出率(%) 効率性 58 32 学習しやすさ 65 記憶しやすさ 31 エラーの少なさ 23. 一方、図 1 は、観点を効率性に特化し、ハイ ブリッド手法で 30 分評価をした場合の、閾値の 変化による検出率の推移を示している。横軸に 閾値を、縦軸に検出率をとっている。 60% 50%. 検出率. 40% 30% 20% 10% 0% 0.010. 0.015. 0.020. 0.025. 0.030. 閾値(ウエイト) 効率性に関連するユーザビリティ問題 標準的なユーザビリティ問題. 図1. ハイブリッド手法による検出率の推移. 【考察】 考察】 表1では、観点特化手法の学習しやすさで 70%近い検出率があることや、観点平均手法で は安定して 30%程度の検出率があるといった、 仮説どおりの効果が確認できた。 また、ハイブリッド手法に関し、図 1 より、 閾値が小さくなるにつれて、効率性に関する問. 4-16. 題の検出率は低くなるが、標準的なユーザビリ ティ問題の検出率は増加しており、トレードオ フな関係になっていることが確認できる。例え ば、閾値を 0.020 に設定した場合、効率性に関 する問題の検出率は 44%であり、観点特化手法 の 58%よりは低い。一方、そのときの標準的な ユーザビリティ問題の検出率は 19%であり、観 点特化手法の 15%より高い。これは仮説どおり、 特化した観点に関連するユーザビリティの問題 と標準的なユーザビリティの問題をともに検出 できていることを示す。 なお、図 1 のグラフの推移が一定していない 理由は、1 項目ごとの評価時間が一定ではなく、 観点によって項目自体が変わるためである。例 えば、「入力不備などの問題が複数同時に発生 した場合、全ての問題に対して個別のダイアロ グを表示していないか」といった項目は評価に 時間がかかる。よりハイブリッド手法の効果を 高めるため、1 項目の評価時間も考慮した手法を 検討する必要がある。 6.まとめ 開発現場において、定量化チェックリストで 30 分でも効果的に評価できるようにするため、 定量化チェックリストが基準としている 4 つの 観点と、その評価項目ごとに決定されているウ エイトに注目し、製品の特性に応じた 3 つの評 価手法を挙げた。実製品の 30 分評価における問 題検出率を分析した結果、各手法の特性を確認 できた。まず、観点特化手法では、特定の観点 で 70%に近い検出率が得られた。次に、観点平 均手法では、安定して 30%程度の検出率が得ら れた。そして、ハイブリッド手法では、特定の 観点と標準的なユーザビリティの問題をともに 検出できていることが確認できた。 今後は、今回挙げた 3 つの評価手法を多くの 製品に適用し、検証していく。また、チェック リスト評価の支援ツールの開発にも取り組む。 参考文献 [1] 池上輝哉, 岡田英彦,「ユーザビリティ定量 化に向けて」, NEC 技報, Vol.61, No.2, (2008) [2] Nielsen, J., 「 Usability Engineering 」 , Academic Press, (1993) Quantitative User Experience Evaluation Methods for a developer †Masakazu Moriguchi, †Hisashi Noda ‡Teruya Ikegami, ‡Shinichi Fukuzumi. Copyright 2012 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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