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炎症性骨吸収に関する研究 (I) 内毒素 (LPS) による骨吸収と抗炎症剤の効果について

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Academic year: 2021

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Title

炎症性骨吸収に関する研究 (I) 内毒素 (LPS) による骨吸収と

抗炎症剤の効果について( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

兵東, 巌

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第882号

Issue Date

1993-11-17

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15392

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

まど他 氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 兵

巌(岐阜県)

士(医学)

乙第 882

平成 5

年11月17

日 学位規則第4条第2項該当

炎症性骨吸収に関する研究(Ⅰ)

内毒素(LPS)による骨吸収と抗炎症剤の効果について

(主査)教授

(副査)教授 鶴 見 介 登 教授 松 永 隆 信 論 文

容 の 要

骨吸収は,元来,骨組織をリモデリング(再造形,改造,改築)するための生理的現象として終生みられる現 象であるが,炎症,代謝性疾患腫瘍の際にも骨吸収の起こることが少なくない。そのなかで炎症は.細菌感染 など生体組織になんらかの器質的変化をもたらす侵掛こ対して,生体の行う防衛反応であるが,その結果病的骨 吸収を起こすこともよく知られている。炎症性骨吸収は,細菌内毒素(LPS等)によって誘発されるが,その機 序は明らかではない。炎症をきたした場合,アラキドン酸にシクロオキシゲナーゼが作用し強い骨吸収作用を起 すとされるプロスタグランジンに対する多くの報告をみるが,リポキシゲナーゼも同時に作用するため,骨吸収 に対して何らかの影響を与えているものと思われる。 本研究は,炎症による骨吸収のケミカルメディエーターの一つであるLPSに対して,シクロオキシゲナーゼに 阻害的に作用するとされるインドメタシン(IND)と,シクロオキシゲナーゼとリポキシゲナーゼの両者に阻害 的に作用するとされるマレイン酸プログルメタシン(PGM)の投与後の骨吸収状態の変化を,軟Ⅹ線フイルム の画像解析と走査型電子顕微鏡像によって観察し,評価したものである。 実験材料と方法 雄家兎を3つのグループに分けた。全ての家兎の左右下顎骨隅角部に径5mmの骨を打ち抜き,左側にはLPS (且coJよ0111:B.2mg/短)をっめたゼラチンカプセルを,右側にはゼラチンカプセルだけを留置した。A群 にはIND(50mg/kg/day),B群にはPGM(150mg/kg/day),C群はコントロールとして,LPS留置翌日から

7日間経口投与し,屠叙した。

屠殺後左右下顎骨を摘出し,軟組織除去乱軟Ⅹ線撮影を全ての試料に対して行い,得られたフイルムをCCD カメラにてMCID(Micro-COmputerimagingdevice)システムに取り込み,同時に撮影されたアルミニウムス テップを基にアルミニウム当量の数値として表示し,この数値を基に回帰直線を描き,その回帰係数によって骨 吸収状態を評価した。さらに軟Ⅹ線撮影後,走査型電子顕微鏡像にて各試料のハウシップ高の数を記録し評価し た。 結 果 1)各群ともLPS留置側は非留置側と比較して禰漫性の腫脹を認めた。 2)C群に対するA群の回帰係数は有意差を認め(P<0.001),C群に対するB群の回帰係数も有意差を認め(P <0.002),さらにA群に対するB群の回帰係数も有意差を認めた(P<0.034)。 3)C群に対するA群のハウシップ高数は有意差を認め(P<0.000),C群に対するB群のハウシップ有数も有意 差を認めたが(P<0.005),A群に対するB群のハウシップ高数に有意差は認めなかった。 99

(3)

考 案 いままでのLPSを使用した炎症性骨吸収の実験は,小動物にLPSの生食溶解液を投与するものであったが,家 兎に対し眈形成のあるゼラチンカプセルを使用することにより手技的にも容易で,広い視野で炎症所見およびそ

れに伴う骨吸収を観察することができ,LPSによる骨吸収モデルとして有用であると思われた0また家兎下顎骨

隅角部の骨は坂上で,軟Ⅹ線フイルムでMCIDシステムを用いて得られた,回帰直線による回帰係数での骨吸収 状態の評価に誤差は生じにくく,今回の実験の評価法として適確であると思われた0しかし,走査型電子顕微鏡 像による評価は骨吸収の状態を把握するには有用であるが,ハウシップ高数による骨吸収の評価法としては,基 準化が困難であり,今後さらに検討を重ねる必要があると思われた0 炎症をきたした場合,アラキドン酸にシクロオキシゲナーゼとリポキシゲナーゼが作用し,シクロオキシゲナー ゼによってプロスタグランジンが産生され,リポキシゲナーゼによってロイコトリエソが産生されると言われて いる。この両者に産生抑制作用のあるPGMを投与した結果,ハウシップ高数の総和による評価法では有意差を 認めなかったが,画像解析による評価法ではINDとPGMに有意差を認めたことにより,LPSによる炎症性骨吸収 に関してはロイコトリエンも破骨細胞活性因子(OAF)の一つと考えられた。今後は各種のケミカルメディエー ターと骨吸収過程との関係を検索することが必要と考えている。

論文辛査の結果の要旨

申請者兵東 巌は,炎症性骨吸収の発生過程を検索する目的で,家兎の下顎骨を用い,LPSによる炎症性骨吸 収モデルを作成し,ロイコトリエンがOAFの一つと考えられる所見を得,これの合成阻害剤であるINDとPGM 投与による効果を検討し,PGMが有意に骨吸収抑制作用のあることを明らかにした。この結果は,炎症性骨吸 収を抑制する上で有意義であり,口腔外科学および整形外科学の発展に寄与する所大であると認める○ [主論文公表誌] 炎症性骨吸収に関する研究(Ⅰ) 内毒素(LPS)による骨吸収と抗炎症剤の効果について 平成5年9月発行 岐阜大医紀 41(5):793∼803 100

参照

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