180 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(66) ウエ ハラ マ ユ ミ上原真由美(昭和3
医学博士 乙第1144号平成3年1月18日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
ポリープ様声帯の電子顕微鏡的観察 (主査)教授 石井 哲夫 (副査)教授 小林 愼雄,平山 峻論 文 内 容 の 要 旨
目的 耳鼻咽喉科領域において二二を来す良性疾患にポ リープ様声帯がある.ポリープ様声帯の成因や病態に ついては,声帯ポリープの進展したもの,声帯の浮腫 変化によるものなど未だ定説はないが,微細構造の検 討によりその成因の解明の緒になると考え,本研究を 行った. 対象 1987年10月から1988年10月目間に第二病院耳鼻咽喉 科にて,ポリープ様声帯と診断され,ラリンゴマイク ロサージャリーを受けた症例のうち16例を対象とし た. 方法 1)ヘマトキシリンーエオシン染色による光学顕微 鏡的観察. 2)二重染色,PAM染色およびタンニン酸染色によ る電子顕微鏡的観察. 結果 ポリープ様声帯における病理学的変化の主体は粘膜 固有層であった.光学顕微鏡的観察では,ポリープ様 声帯の組織型を浮腫型,線維型および前二型のどちら にも分類できない,いわゆる混合型に分類できた. 一方,電子顕微鏡的観察では,前記混合型に変性コ ラーゲンであるspiraling collagen丘brilsを認め, よってこれを変性コラーゲン型と命名した.そしてポ リープ様声帯の組織型を浮腫型,線維型および変性コ ラーゲン型に分類した. 考察 上記の観察結果に基づき,ポリープ様声帯の成因を 以下のように考察した. 今回の症例にもその傾向が見られたが,40歳以上に なると,正常声帯でも振動時の負荷に対する耐性が脆 弱化する傾向にある.そこに様々な誘因で負荷がかか ると,粘膜固有層の毛細血管に変化を来して,透過性 の二進が起こる.そして,血管から血清成分が粘膜固 有層の間質に流入し,間質の結合織が崩壊して浮腫を 来す(浮腫型).その後,間質の浮腫が修復されて線維 化が起こる(線維型). 一方,上述の血清成分の流入時に,酵素活性に必要 な間質内環境不全や,コラーゲン線維の酵素に対する 反応低下等により,結合織が崩壊に至らないことがあ る.その場合にコラーゲン線維は変性するに止まり, spiraling collagen飾rilsカミ出現する(変性コラーゲン 型). 結論 ポリープ様声帯における従来の混合型に,電子顕微 鏡下でspiraling collagen丘brilsを観察した.よって これを新たに変性コラーゲン型と命名し,ポリープ様 声帯を浮腫型,線維型および変性コラーゲン型の3型 に分類できると結論した. 一790一181