156 氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(54) チョウ セイ ワ(昭和2
医学博士 乙第1132号平成2年11月16日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
膵癌関連SPan・1抗原測定の臨床的意義
(主査)教授 小幡 裕 (副査)教授 羽生富士夫,新田 澄郎論文 内 容 の 要 旨
目的 近年膵癌の腫瘍マーカーとしてCA19-9がもっとも 良く利用されているが,偽陽性例も多く特異性の面で は必ずしも満足されるものではない.また,小膵癌に おける陽性率は低く,膵癌の早期診断における有用性 はなお十分とは言えない. 本研究では新しく開発された膵癌関連SPan-1抗原 の膵癌診断における有用性についてCA19-9と比較検 討した.さらに,SPan・1抗原と膵酵素Elastase-1の同 時測定による膵癌スクリーニングの有用性についても 検討した. 対象および方法 対象は健常人200例および膵癌100例,良性膵疾患96 例を含む計635例の各種消化器疾患である.これらの症 例について,同一血清を用いSPan-1抗原, CA19-9, DU・PAN2およびElastase4を測定し比較検討した. 結果(1)膵癌における血清SPan-1抗原の陽性率は
78.0%と他の疾患より高く,また血清値では著しい高 値を示す例が多く認められた. (2)良性疾患におけるSPan-1抗原の偽陽性率は良 性膵疾患18.8%,良性胆道疾患10.6%などで,膵胆道 疾患での偽陽性率はCA19-9およびDU-PAN2に比べ 低かった. (3)膵癌診断におけ’るSPan-1抗原の特異性は80% で,CA19-9より高値であった.(4)小膵癌(Tl;腫瘍径2cm以下)において
Elastase-1の陽性率は62.5%, SPan-1抗原やCA19-9, DU-PAN2より高かった. (5)膵癌についてSPan-1抗原にElastase-1を組み 合わせて測定すると陽性率が90%に上昇した. 考察 今回検討したSPan-1抗原の膵癌における陽性率は CA19-9とほぼ同様であったが,特異性はCA19-9より 高く,膵癌の診断に有用と思われた.Elastase-1の陽性 率は膵癌全体で64.4%とSPan-1抗原, CA19-9やDU・ PAN2の陽性率には及ばないものの,小膵癌に限って みるとSPan4抗原, CA19-9およびDU-PAN2より高 率であった.SPan-1抗原にElastase-1を加えて同時測 定した時の陽性率は90%に達した.従って,SPan-1抗 原にElastase-1を組み合わせて同時測定することは膵 癌のスクリーニングに有用と考えられる. 結語 血清SPan-1抗原の測定は膵癌の診断に有用と思わ れる.SPan-1抗原にElastase-1を組み合わせて同時測 定することは膵癌のスクリーニングに有用と考えられ た. 一766一157
論 文 審 査 の 要 旨
膵癌の診断は腫瘍マーカーと画像所見との組み合ぜによって行われている. 本論文は新たに開発された膵癌関連のSPan4抗原は他のマーカーに比し特異性に優れていること,また SPan-1とElastase-1との同時測定は膵癌のスクリーニングに極めて有用であることを明らかにしたものであ る.学術的,臨床診断学的に意義深い論文と認める. 主論文公表誌 4)腫瘍マーカーCA19・9:軽度異常値の考え方 膵癌関連SPan-1抗原測定の臨床的意義 臨成人病 18(7):1060-1061,1988膵臓第5巻第3号 5)Plaunotol stimulates endogenous secretin
404-412頁(1990年9月25日発行) release and exocrine pancreatic secretion 副論文公表誌 in rats(ラットにおけるプラウノトールの内