52 (2) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ナカ ノ ヨリ コ中野頼子(昭和
医学博士 甲第188号平成3年3月15臼
学位規則第5条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程終了者)
ラット視床下部beta endorphin(EP)分泌についての検討
(主査)教授 出村 博 (副査)教授 野本 照子,藤田 昌雄論文 内 容 の 要 旨
目的視床下部一下垂体系のうちACTH放出刺激ホルモ
ンであるCRFとACTH関連ペプチドとの関わりに
ついてはよく知られている.一方,視床下部にもACTH関連ペプチドが存在している.中でもEPは弓
状核で産生され,強力な鎮痛作用を有し,内因性モル フィン様物質として知られているが,その動態につい てはいまだ不明な点が多い.今回我々は,視床下部EP の分泌動態について,perifusion法を用いたin vitro の系で検討した. 方法 Wistar系雄ラットを断頭後,直ちにmedial basalhypothalamus(MBH)を取り出し,3~4個ずつ
chamberに入れKRBG・ミッファーを用い,95%02, 5%CO2通気下にperifusionを行った. EPの基礎分 泌を検討した後,細胞膜の脱分極,細胞外Ca÷+, CRFおよびmonoamineのEP分泌に及ぼす影響について
調べた.灌流液中のEP濃度の測定は,灌流用を凍結乾 燥し・ミッファーで再溶解後,EPのRIAで行った. 結果1.EPの基礎分泌:灌流講中のEP濃度は20ng/2
ml/10分/4MBHであり,少なくとも200分間は安定し た分泌が見られた. 2.高カリウムの効果:KCI 40nMによる脱分極で EPの分泌は4倍に上昇した. 3.細胞外Ca++の影響:山流液中のCa++をfreeに した状態では,EP分泌は基礎分泌碗/2に減少した.4.CRFの影響:CRFは濃度依存的にEP分泌を
刺激し,CRF 10nMで基礎分泌の230%にまで有意に 上昇させた. ’5.Monoamineの影響:Norepinephrine(NE), dopamine(DA),γ一aminobutylic acid(GABA)は, EP分泌に影響を及ぼさなかった. 考案1.ラットMBHを用いたperifusion法を確立し
た.この方法では,EP神経細胞および神経末端が生理 的な状態に保たれていると思われ,in vitroでの検討 が可能となった. 2.視床下部よりのEP分泌は,他の神経伝達物質と 同様,Ca依存性であることが証明された.3.視床下部EP分泌は,下垂体EPと同様CRFに
より濃度依存的に増加したが,その感受性は下垂体よ りも悪かった.NE, DA, GABAのEP分泌について は我々の系では明らかではなかった. 結語視床下部CRF一下垂体ACTH関連ペプチド系以
外にも,視床下部内で同様の系が存在する可能性が示 唆された. 一662一53
論 文 審 査 の 要 旨
ACTHや内因性opioid peptideのβ一endorphin(EP)は,共通前駆物質であるpreopiomelanocortin (POMC)から作られる.この主な産生部位は下垂体であるが,視床下部でも産生される.しかし視.床下部EP の分泌動態は不明である.本論文では,ラット視床下部perifusion法を開発し, in vitroでのEP分泌を検討 した結果,EP分泌がCa++依存性でCRFの影響を受けることを明らかにした.こ.れは視床下部内にCRF-EP 系が存在することを示し,.学術的に価値ある論文と認める. 主論文公表誌 ラット視床下部beta-endorphin(EP)分泌について の検討 東京女子医科大学雑誌 第61巻 第3号 255-258頁(平成3年3月25日発行) 副論文公表誌1)Glucocorticoids decrease a binding of
corticotropin・releasing hormo.nε一bihding
protein in human plasma(ヒト血中CRF結 合タンパクの結合能に及ぼす糖質コルチコイ
ドの.抑制作用)
JCIin Endocrinol Metab 71(4):913-917,
1990
2)Eずfects of sex steroids onβ・endorphin release 章om rat hypothalamus in vitro(in vitroに
おけるラット視床下部βエソドルフィン分
泌に及ぼす性ボルモンの影響) Brain Reseach in press
3)Angiotensin II increases the corticotropin. releasing factor messenger ribonucleic. acid level in the rat hypothalamus(ラット視床
下部CRF lnRNAに及ぼすアソギオテンシ
ンIIの刺激効果)
Endocrinology 128 (5):inpress