196 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(85) エン ドウ マ リ コ遠藤真理子(昭和
博士(医学) 乙第1249号 平成4年2,月21日学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
SHRの腎機能に及ぼすangiotensin converting enzyme inhibitorおよび
calcium cbannel blockerの影響 (主査)教授 杉野 信博 (副査)教授 細田 瑳一,今井 康晴論 文 内 容 の 要 旨
目的 血圧上昇は腎循環動態に影響を及ぼし,腎機能障害 および腎硬化症の進展に関わる重要な因子である.降 圧薬は,降圧作用のみでなく臓器保護の面からも考慮 されなけれぽならない.本研究では高血圧自然発症 ラット(SHR)を用い,中等度腎機能障害を作製し, 異なった食塩負荷条件下でアンギオテソシン変換酵素 阻害剤(ACEI)であるエナラプリル(Enp)と,カル シウム拮抗剤(CaB)であるニトレジピソ(Nit)を投 与し,腎血行動態の効果を比較検討した. 方法 対象は雄性SHRで,それぞれ0.9%,0.09%食塩液 投与の高食塩群(n=38)と低食塩群(n=31)の2群 に分類し,さらに対照群,Enp投与群, Nit投与群の計 6群とした.各薬剤は対照群の腎動脈の平均血圧の 20~30%の降圧が得られることを目標として投与量を 決めた.6週後に直接動脈血圧,イヌリンクリアラン ス(Cin),パラアミノ馬尿酸クリアランス(CPAH),濾 過率(FF)および電磁流量計による腎血流量(RBF) を測定した.また,腎動脈起始部直上の腹部大動脈の 圧迫狭窄により腎動脈圧を下げ,RBFおよびその自動 調節能(AR)の変化を測定した.検定は分散分析法に て行い,p値0。05以下を有意差とした. 結果 Cin, CPAH及びFFは食塩摂取量による影響を受け ず,RBFのみ高食塩群で上昇した. Cl。はNit投与群で 高値を示し(p<0.01),Enp投与群では有意差がな かった.CPAHはNit投与群では高値を示したが(p< 0.05),Enp投与群はさらに高値を示した(p〈0.01).FFはEnp投与群のみ低値を示しNit投与群では変化
しなかった.RBFは対照群間において,高食塩群が低 食塩群よりも高値を示した.高食塩群間ではEnp投与 群のみ高値であった.低食塩野間ではEnp, Nit投与 群,共に高値であった. ARは,対照群間では高食塩群に比較して低食塩群 では,より高い血圧からARは低下した.一方低食塩 寸間ではEnp投与群のみ対照群に比較して,より低い 血圧までARが保たれたが,他の4群間に有意差はな かった. 考察及び結論 低食塩負荷では,RBFは低下し, ARが抑制された. Enp投与ではRBFが上昇し, FFは低下して,より低 い血圧域までARが維持された.これに対しNit投与 では,RBF, GFRが上昇したが, ARの変化はなかっ た. 中等度腎機能障害を合併する高血圧において, ACEIとCaBの作用機序は異なるが,腎循環の観点か ら腎機能保持への良好な影響が期待される. 一800197