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電縫管シーム検出装置の開発

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Academic year: 2021

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U.D.C,占20.179.1る2:る21.791.7る2.019:る21.774.21

電縫管シーム検出装置の開発

DevelopmentoftheWeld

Detectorfor

Electric

ResistanceWelding

Pipes

電縫管の製造工程では,シーム部(溶接部)の信頼性試験として,水圧試験や超音 波探傷試験が行なわれているが,これらの試験を行なうに当たって,シーム部を所 定位置(上側)になるように鋼管をセットする必要がある。この作業は従来,電縫管 をターニングローラに積載し,検査員がシーム部を目視により検出して,ターニン グローラの回転,停止を行なっている。しかし,この作業は熟練を要し,工程上の ネックとなっている。このニーズに対応して,電j磁超音波を利用した電縫管シーム 検出装置を開発した。本装置は電磁超音波(横波)の底面エコーがシーム部で著しく 減衰する現象を利用したもので,従来,検出困難とされていたシーーム部焼なまし処 理1斉みの鋼管でも検出可能である。 l】

言 電縫管などの溶接鋼管は,溶接技術の進歩により継目(シー ム)の信頼性が向上し,かつシームレス鋼管に比べて低価格で あることから,広く用いられるようになってきた。この電縫 管の製造プロセスは図1に示したようになっているが,同図 中,矢印で示したシーム部焼なまし工程,水圧試験工程及び シーム部超音波検奄工程では,シーム部が所定位置になるよ うに鋼管をセットする必要がある。すなわち,シーム部焼な まし工程では,焼なまし用の誘導加熱コイルがシーム上にく るようにセットすること,また,水圧試験では,シーム欠陥 部からの水漏れを監視するためシーム部を上向きにすること, 超音波試験では,超音波探触子をシーム部の所定位置にセッ トするためシーム部を検出することが,それぞれ必要である。 従来は,検束員が目視によリンーム部を検出し,位置合わせ を行なっていたが,この作業は熟練を要し工程上のネックと 道管方向 =式〉

弘l

○一カ

C〉 く) C〉 C〉 成 形 コンタクトチップ 溶接 ピード 除去

/

シーム部 挽なまし走行切断

(子㌫ミゴ諸賢針)

匠∋

矯 正

∋¢

切断 面取

転⇔

水圧試験

匠鷲

起音波検査

◇匪≡∋

製 品 図l 電縫管の製造プロセス 電縫管の製造プロセスでのシーム検出 必要箇所を示す。

中野哲男*

新井美也**

藤本

実***

門脇孝志***

佐藤=亡也****

Tef5む0 〃αたα乃O y()5んiyαdr¢よ 〟f乃0γ加 FlけgmOJo Tαんα含んi∬αdoぴα丘∫ JcムJyα 5(】書a なっている。 このニーズに対応して電縫管シーム検出装置の開発に着手 し,各種検出方式を検討した結果,横波モートの超音波が材 料の応力状態に敏感なことから,これを容易に発生できる電 磁超音波法が有効であることが分かった1)。本方式は電磁超 音波(横波)の底面エコーがシーム部で著しく減衰する現象を 利用したもので,従来検出困難とさ九ていたシーム部焼なま し処理済みの鋼管でも検出可能である。 凶

検出原理

2.1 各種検出方式の検討 開発に当たり,各種検出方式を実験検討した。その結果を 表1に示すっ 同表で超音波法は,圧電素子形の探触子を用い て鋼管に超音波(縦波)を入射させ,底面からのエコーが母材 表l 名・種検出方式の検討結果 各種検出方式を実験,検討Lた結果, 電磁超音波(横;皮)方式が有効であることが判明した。 方 起 書;皮 渦 流 磁 歪 電磁超音波 原 王里 底面エコーの 検出コイルイン 二次コイル 底面エコーの 変イヒにより検 ピーダンス変化 電圧差を検 変化により検 出 により検出 ∨ ′ヽヽノ 検出コイル 出 出 表示装置 ノ 縦波 検出器 接触媒質 二次コイル ∼ 差動アンプ 表示装置 横三皮 検出器 検 出 要 素 組 織

抵抗率

透磁率

手套触又は非接触

接触(賃悪罵)

非 才妾触 非 接 触 非 接 触 検討結果

×

×

×

* 日本鋼管株式会社京浜製鉄所管理部 ** 日本鋼管株式会社京浜製鉄所システム部 *** 日立製作所国分⊥場 **** 日立製作所日立研究所 49

(2)

446 日立評論 VO+.66 No.6=984-6)

=====ミ〉

1A 20

相対抵抗 (%) 20 40 60 80 100 溶接部焼なまし 未処理材 シーム部 199 非シーム部 (母材) 1100 図2 母材とシーム部の抵抗率 電桂管の母材とシーム部では,抵抗 率の有意差はない。 部とシーム部で変化するかどうかをみる方式である。実験の 結果,母材とシームではほとんど有意差が見られず,不通で あることが分かった。 次に渦i充方式であるが,これはシーム部での透磁率,抵抗 率変化をとらえて,シーム検出するものである。実際に鋼管 から供試品を切り出し,抵抗率,透磁率を測定したところ, 図2に示したように,抵抗率の変化はないと言ってもよいこ とが分かった。また,図3によれば,シーム部と非ン】ム部 (母材)の比透磁率に差が見られる。渦流方式はこの透磁率, 抵抗率の変化を検出コイルのインピーダンス変化としてとら えるものであるが,実験したところ,焼なまし処理1済みの鋼 管ではS/N比が悪く,検出不可能であった。 磁歪方式は,鋼管に一次コイルによリー滋束を与えて鋼管中 を通過してく る磁束を二次コイルでとらえ,鋼管の透磁率変 600 0 0 4 0 0 2 柵増憾+} 非シーム部

記号 区 分 供 試 晶 ● 母 材 溶接部焼なまし 未処理材 ○ シーム部 ▲ 母 材 同上 処理材 △ シーム部 0.4 0.8 1.2 1.6 磁束密度(T) 図3 母材とシーム部の透磁率 電繹管の母材とシーム部では,透磁 率に有意差が認められる。 50 化を電J土変化として検出するものである。本方式も実験の結 果S/N比が悪く検出不可能であった。 電磁超音波方式は,電磁力により超斉波(横波)を発生させ 低 ̄向からのエコー変化を検山するものである。本プ了士(による とシーム部で著しい底面エコー減衰現象かみノーJれ,検J†l可能 であることが判明した。 2.2 電磁超音波法の原理 電イ滋超音波ぎ去は,磁界と渦電さ克との相互作用により電磁的 に超召二i伎を送′受信するもので,被検柑に対し,本官妄的に非接 触で,横波・縦波いずれのモードでも超音波を送′乏仁言できる。 したがって,従来の超音波法に比べ,接触媒質を必要としな いという大きな特長をもっている。そのメカニズムを図4を 用いて説明する。 被検材(導電性材料)に磁界が与えられた状態で,送′妾仁コ イルを高岡子皮でパルス的に励磁すると被検村表面に渦電流が i充れ,フレミングの左手の法則に基づく力(ローレン、ソカ)が 働き,機才城的変位(超音i妓)が発生する。二の超音波は被検村 表面から垂直に伝搬し,欠陥あるいは被検村の底面で放射し て再び表耐へ戻ってくる。超音波が表面へ戻ってく ると静磁 界中で被検材が機械的変位をすることになり,フレミングの 右手の法則に基づく起電力が生じ誘導電流が発生する。誘導 電流が発生すると,その誘導電i充の周波数に応じた磁界が発 生し,この磁界を送′受信コイルで電圧†言号として′受信する。 ここで,磁界か渦電流の生じる面に対して垂直なときには, 発生する超音波は構i妓モードとなり,ヰと行なときには縦i妓モ ードとなる。 2.3 シーム検出原理 電磁超音波法を用いて電縫管に横波を発生させ,その底面 エコーを観測すると,シ【ム部で著しくエコ【が減衰すると いう現象がみられる。稚々実験検討の結果,電縫管シーーム部 にはメタルフロ⊥という組織の流れがあり,二れにより横波 モ【ドの超音波は散乱されることが分かった1)。二の減衰グ) 様子を図5に示す。

l空軍

送受信コイル

匿≡≡国

バルサ

送信コイル 渦電流 → F ∠_ 直流電磁石 静磁界 超音波 β 超音波 F → → → F=ん×月 被検材 V斤 受信コイル 渦電流 表示器  ̄ ̄ ̄ 「

/

撃竺竺_+ゝ

受信電圧を帖とすると

v斤∝掌ム

ただし β:磁束密度 G:送受信コイルと被検榔二よる形状係数 Z:音響インピーダンス Z=β・-・ β:比重 r:音速 図4 電磁超音波送受信原王里 被検材が導電材の場合,電磁力により 轟音;皮の発生,検出を行なうことができる。

(3)

電縫管シーム検出装置の開発 449 探触子

⊂∋

電樟管

∈ゴ

メタルフロー (組織の乱れ) 母材部 シーム部 区】5 シーム検出原理 横波の超音波を電縫管に入射させると,母材部 では底面からの多重エコーが見られるが,シーム部ではメタルフローにより書 ;皮が散乱減衰する。 同

装置の構成

上記のような検出原至里に基づき開発した電縫管シーム検出 装置のブロック図を区16に示す。探触子は,磁界シミュレー ションにより超音波発生効率が最大となるように設計された 電磁石と送受信コイルから成っている。 また,信号処理部は探触子問の電磁石を励磁するための定 電流電源,送受信コイルを励石鼓するパルサ,送受信コイルか らの微弱信号を増幅,信号処理する同調増幅,検子皮,ピーク ホールド,サンプルホールド,フィルタ,検出演算回路など, 最新の高周波アナログ技術を駆使し,微弱信号を高S/N比で 取り出している。 本装置を用し、て検出実験した一例を図7に示す。同図は 外径139.8mln,肉厚4.5mmの鋼管を試験用ターニングローラに 積載し,鋼管を間遠400mm/sで回転させたときの検出波形であ る。シーム部でエコーがi成衰するため,出力電圧がシーム部 で低下しておりS/N比=12dBで検出してし、る。 ロ

装置の特長と仕様

今回開発した電縫管シーム検出装置は,下記のような特長 をもっている。

(1)従来困難であったシーム部焼なまし処理済み鋼管(PA材)

でもシーム部の検出が可能である。

直流コイル 送受信コイル

/と登+

定電流電源 バ 幅 増 調 【同 タイ ミング コントロール部 波 全天 (>)出師只召 360q 鋼管 夕H量 139.8mm 肉厚 4.5mm 鋼管周速 40cm/s シーム部 シーム部(S/N比12dB) 図7 シーム検出三度形例 鋼管を試験用ターニングローラに積載L回転 させたときの検出波形例で,シーム部でエコーが三成衰するため出力電圧が低下 Lている。

(2)水などの接触媒質が不要で,保守が容易である。

(3)高速回転の鋼管でも適用可能である。

また,表2に開発品の仕様を示す。2MHzの超音波を用い て検出精度±5mmを得ている。 ■】 適 用 例 上記のような電縫管シーム検出装置の適用例として,日本 鋼管株式会社京浜製鉄所に設置された例を紹介する。本シス 表2 開発品の仕様 2MHzの横波電磁超音波により,検出精度±5mm を得ている。 品 名 項 目 様 探 触 子 形 SR-160A 超苦)度周三度数 2MHz 三皮動 モ ー ド 横波 重 約20kg 信号処‡里装置 形 式 HISEAM-90 検 出 出 力 無電庄a接点 精 度 =ヒ 5mm 対 象 壬鋼 管 口R 名. 電縫管 温 度 常温 回 Max.0.8m/s

 ̄「

クド ール 一 ピホ

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ルド プル ク レ イ 7 検 出 演 算 部 力 山川 言号処王里部 モニタ 出力 検出 信号 図6 シーム検出装置ブロック図 信号処理部ではS/N比を向上させるた め,ピークホールド.フィルタなどの アナログ回路技術を駆使Lている。 51

(4)

450 日立評論 VO+.66 No.6(1984-6)

ノ窟グロ■ラ

操作デスク 探触子保持装置 制御盤 探触子保持装置横側盤 ?00 銅管 探触子 ターニング ローラ 探触子保持装置 信号処理盤 図8 電縫管シーム検出装置システム構成 シーム検出装置は.採 触子,探触子保持装置横側盤,信号処理盤,探触子保持装置制御盤,操作デス クから構成され.別途準備のタ 動位置合せ作業を行なう。 ングローラ制御盤と組み合わせて鋼管の自 テムは図8に示すように構成されている。探触子保持装置制 御盤は別途準備のターニングローラ制御盤と信号の送受をす ることによリターニングローラの回転・停止を行ない,鋼管 のシーム郡上向け作業を自動的に行なう。 図9に探触子保持装置の外観を示す。鋼管径が変わった場 合の探触子位置セットは,操作デスクから自動的に行なえる。 本システムはマーキング装置と組み合わせてシーム部にマ ーキングを施し,マーキング識別により鋼管の管理と水圧試 験でのシーム部上向けの両方を行なうようにしたものである。 図川を用いてこれを説明する。まず,鋼管をCW(時計方向) か三 保持装置

∈ヨ

探触子 ターニングローラ シーム 図9 探触子保持装置の外観 探触子保持装置は,鋼管径に応じて探触 子の位置をセットするためのもので,操作デスクから自動セット可能である。 52 時間 シーム上向け ----■■■■

\読空音検出器

小い心CW

ターニングローラ W C CCW 軸増収回 軸増収回 シーム部に マーキング マーキング

シーム ・W C l J I J +__J CCW マーキング部 上向け マーキング センサ

b。。W

CW 時間 注:略語説明 CW(時計方向),CCW(反時計方向) 図川 シーム位置上向け制御方法 シーム検出装置を用いてシームを 検出し,シーム部にマーキングを施す。次に,マーキングセンサを用いてマー キングを検出することにより,シームが上向きになるようにする。 に回転させ,シーム検出器でシーム部を検出する。このとき, シーム検出信号が出てから鋼管が停止するまでに遅れがある ため,シーム部は真上を過ぎて停止する。このずれを小さく

するため,次に÷の周速でCCW(反時計方向)に回転し,シー

ム検出信号で停止させている。シーム部にマーキングを施し た後,搬送ラインで水圧試験場へ送り,ここではシーム検出 時と反対方向に鋼管を回転させて,マーキング検出を行なう ことによりシーム部の位置決め精度を高めている。 本システムは昭和58年6月に稼動を開始し,順調に運転さ れている3)。 l司

言 電磁超音波を利用した電縫管シーム検出装置を開発した。 これにより,従来,目視により行なわれていた水圧試験前で のシーーム上向け作業の自動化が可能となった。 また,本開発品の検出精度は±5mmであるが,今後改良を 図り,超音波検査ライ ンあるいはシーム部焼なましラインへ も適用できるように精度の向上を図っていく考えである。 なお,本論文では電磁超音波法の一応用例として電縫管シ ーム検出装置について述べたが,電磁超育子皮法は他にJ享さ計 測あるいは探傷と用途が広く2),これらについて現在,製品 化が進められている。 参考文献 1)藤本,外:電イ滋超音波法によるi容接部検出装置の開発, (社)日本非破壊検査協会第2分不斗会資料,No.2920(昭57-5) 2)伊東,外:電一遍超音波法による計測センサとその応用,計装, p.26∼31(1984-3) 3)中野,外:電縫管シーム検出装置,日本鉄鋼協会,第107回鉄 鋼連合講i寅会予稿(昭59-4)

参照

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