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侵入検知システムおよびtcpdのログ解析

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Academic year: 2021

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(1)社団法人 情報処理学会 研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 2003−DSM−30  (2) 2003/9/26. 侵入検知システムおよび tcpd のログ解析 長谷川 明生 名古屋大学情報連携基盤センター 概要 名古屋大学の研究教育用ネットワーク(NICE)では、2001 年 4 月より、インターネ ットとの接続点に侵入検知システム(IDS)を導入して監視を行っている。この IDS 以外に、センターのサブネット上で snort による監視や複数のホストでの tcpd を用 いての不正アクセスの監視を行っている。インターネットでの脅威の数は、単調増加 していると信じられていた。しかしながら、今回の結果は、脅威の数が必ずしも単調 増加ではないことを示している。 Analysis of logs of Intrusion Detection systems and tcpd’s Akiumi HASEGAWA Nagoya University Information Technology Center Abstract We have been operating an Intrusion Detection System at the boundary between the Internet and our Campus Network(NICE) since April,2001. Other than this, we are running open source SNORT IDS’s on several subnets. The tcpd software has been installed on some servers for monitoring and preventing illegal accesses from the Internet. It is believed that the numbers of threats coming from the Internet are increasing monotonously. However, this result shows some discrepancies from that common belief. はじめに 名古屋大学キャンパスネットワーク (NICE)では、2001 年 4 月より商用の 侵入検知システム(以後 IDS と呼ぶ。) による不正アクセスの監視を行っている。 当初の 100Mbps 対応の監視システムは、 2001 年の秋の補正予算による NICE ネ ッ ト ワ ー ク の 再 構 築 の 際 に 、 SuperSINET 接続に対応して負荷分散 機構を導入したものに更新された。この 部分の構成概念図を図1に示す。. −7−. B I G I P. OC48c 名古屋大学 ルータ Fujitsu R940. DragonServer. Dragon Sensor Dragon Sensor. SuperSINET ルータ Cisco12410. H U B. FW FW. B I G I P. H U B. H U B. H U B. B I G I P. HUB. HUB. H U B. 近隣大学接続用セグメン ト 集合ルータ接続:43組織 (+孫接続: 7組織) ルータ持ち込み: 5組織. FW FW. 対外接続用 ルータ SR8800. H U B. 133.6.0.0. Dragon Sensor Dragon Sensor. BIGIP. 負荷分散システム. FW. 図1.. 中央GSW Catalyst6513. B I G I P. IDS の構成.

(2) −8−. LB. LB. この IDS の他に、複数のサブネットで、 サーバセグメント 近隣大学接続 オープンソースの IDS である SNORT1 tcpd セグメント tcpd によるサブネットの監視、アクセス制限 FW/IDS のためのソフトウェア tcpd2 を複数のサ R SW FW/IDS ーバーワークステーションに配置して不 SW Super R R 正アクセスの監視を行っている。 FW/IDS SINET SW 商用 IDS の監視記録、SNORT や tcpd FW/IDS による 2 年数ヶ月分の監視記録を、今後 tcpd Snort のセキュリティ対策の参考とするために センターネットワーク 解析した。1 年程度の期間のログ解析で 図2.IDS および tcpd の配置 は、ウィルスやワームによる不正トラフ ィックや、ツールを用いた不正アクセス る。 数は単調増加するように見えていたが、 センターネットワークには,オープン そうでないことが判明した。 ソースの侵入監視用ソフトウェア Snort をインストールしたホストを設置してい IDS および tcpd の配置と役割 る。Snort のログは,swatch により監視 SuperSINET と NICE 間のファイア しており,ホストスキャンの発生は自動 ウォールおよび IDS の構成は図 1 に示し 的に管理者に電子メールで通知される。 た。Snort および各ホストのアクセス制 ファイアウォールとともに設置してい 御用に導入した tcpd の配置を図2に示 る商用 IDS は,各1Gbps 対応のインタ す。近隣大学接続用セグメントには,東 ーフェースを持つが,検出性能を高める 海地区の大学接続用のルータ群および名 ために 1024 番以上のポートは,既知の 古屋大学と近隣大学のセカンダリネーム バックドアやウィルスパターンを除いて サーバを設置している。このセグメント 無視する仕様となっている。センターネ を以後,ファイアウォールの外部という ットワーク上の Snort は,インターネッ 理由で外部ネットワークと呼ぶ。サーバ ト境界上の IDS の補助的役割をはたし セグメントには,本学のネームサーバ, ている。 メールゲートウェイやポータルサーバを IDS 等による監視で不正アクセスとみ 設置している。センターネットワークに なされたホストは,ファイアウォールの は,センターのサービス用スーパーコン フィルタリストに追加される。NICE 内 ピュータやメールサーバの他に,センタ 部からのウィルス感染による外部への攻 ー内の運用管理のためのホスト等を接続 撃等も検出次第フィルタしているが,内 している。これらのサーバやホストの主 部からのものは,問題が解決された時点 なものには,アクセス制限や監視のため でフィルタを解除している。ファイアウ に tcpd を導入している。この tcpd によ ォールの処理限界は,負荷分散装置の処 る制限を侵害するアクセスが発生した場 理性能に依存しており,秒 150 万セッシ 合には,電子メールで管理者に通知され ョン程度である。.

(3) 0. 100. 200. 300. 400. pl 2%. 500. ca nl 2% 2%. be 2%. 2001年4月 2001年7月. tw 3% de 4% jp 4%. net 34%. 2001年10月. it 9%. 2002年1月 2002年4月. fr 10%. 2002年7月 2002年10月. その他 15%. 2003年1月. com 13%. 2003年4月 図5.ドメイン別(インターネット境界). 2003年7月 図3.ホストスキャンのインターネット境界での件数. インターネット境界での IDS ログ 図 3 に,インターネット境界に置いた IDS でのホストスキャン検出件数の変化 を月ごとに集計して示す。集計期間は, 2001 年 4 月から 2003 年 7 月である。検 出件数は,総計 6646 件,月に最大約 500 件である。IDS の設置当初から1年程度 の間は,ホストスキャン件数は単調増加 のように見えていたが,2 年を超えたデ ータをプロットしてみると単純に増加し ているとはいえないことがわかる。 ホストスキャンを対象となったポート ごとに分析し図4に示す。FTP の制御ポ ート,HTTP および SSH が主であるが, HTTPS も目立っている。. 図5に,不正アクセスの発信元をドメ イン別に解析して示す。その他は,逆引 きできなかったもの,全体の2%に満た ないドメインを含んでいる。ドメイン net および com 発が多いのは世界の大規 模な ISP が無国籍ドメインを利用してい るからと推定されるが,本学では,fr お よび it ドメインからのスキャンが目立っ ている。 センターネットでの Snort のログ センターネットワークに設置した Snort で Portscan として検出された数 をポート単位の積み上げグラフとして図 6に示す。2001 年 5 月から 2003 年 7 月 0. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 2001年5月 2001年7月 2001年9月. HTTPS 4%. SQL 5%. TELNET kuang2 3% 2%. 2001年11月 2002年1月 2002年3月. その他 6%. FTP ssh telnet http https その他. 2002年5月. FTP 37%. 2002年7月. SSH 6%. 2002年9月 2002年11月 2003年1月 2003年3月 2003年5月. HTTP 37%. 2003年7月. 図6.Snortでのホストスキャン検出数の推移 図4.境界IDSポート別割合. −9−.

(4) までの総検出数は,3784 件である。月ご との検出数の推移には,インターネット 境界での検出数の推移と類似した傾向が 見られる。すなわち,2003 年当初にみら れるホストスキャン件数の減少である。 プロトコル別に見れば, FTP,HTTP および HTTPS が多い。2003 年 1 月に「そ の他」に分類される件数が多いのは, SQL slammer が原因である。SQL のポ ートは現在ルータでフィルタしているの で,1 月以降には IDS では検出対象外と なっている。2 月以降に「その他」に分 類される件数が増加しているが,ポート 別では,17300/tcp および 3389/tcp への スキャンの増加が目立っている。 図7にセンターネットワークで観測さ れたスキャン発信元のドメイン別割合を 示す。図では,全件数の 2%に満たない ドメインからのスキャンは,一括して「そ の他」に分類している。 インターネット境界での解析と比較す ると,逆引きできない「不明」分類が多 いことが目立つが,ここでも net および com を発信元とするスキャンが多い。そ れを除けば,やはり it と fr ドメインから のスキャンの多さが目立っている。. jp. de. 2%. 2%. fr 6% it 7%. 不明 36%. com 9%. その他 net. 15%. 23% 図7 セン ターネットでのドメイ ン 別割合. tcpd ログの解析 これまでに見てきた IDS のログには, IDS がファイアウォールの内側にあると いう点で,ログの内容が生の不正アクセ スの実態を代表しているかどうかについ て検討の余地がある。これは,不正なア クセスやネットワークワームに関連する ホストからの影響がファイアウォールで 取り除かれているからである。 ファイアウォールの影響の有無を判断 する手段の一つとして,複数のホストに 導入している TCP ラッパーtcpd の情報 が利用できそうである。TCP ラッパーは, サーバネットワーク,センターネットワ ークおよびファイアウォールの外部にあ る近隣大学接続用ネットワーク等に設置 されたホストの多くに導入されている。 サーバネットワークには,大学全体の Web やネームサーバ,不正中継防止や電 子メールに添付されたウィルスをチェッ クするためのゲートウェイが接続されて いる。これらの tcpd 導入ホストのうち, サーバネットワークと近隣大学接続用ネ ットワーク上のホストは,ネームサーバ である。センターネットワーク上のホス トは,筆者が日常的に利用しているワー クステーションである。これらのホスト 上では ssh も tcpd 組み込みとしてあり, 不正アクセスや事故防止のために,ログ イン可能な端末を極力限定している。こ の制限を侵害するアクセスがあった場合 には,自動的に,プロトコルと発信元の アドレス情報を持った電子メールが管理 者に送付されるようになっている。この 警告メールは,TCP ラッパー導入以来の ものが保管されており,今回は,その電 子メールを解析した。. −10−.

(5) サーバーネット. 0. 20. 40. 60. 80. 100. 120. 140. 160 センターネット. 2001年5月 2001年7月 2001年9月. 外部ネット. サーバネット 外部ネット. 2001年11月 2002年1月 2002年3月. be com de fr it jp net その他 不明. 2002年5月 2002年7月. 図9. ネットワーク別ドメイン割合. 2002年9月 2002年11月 2003年1月. を解析し,トップドメインの割合を調べ た。図9は,その解析結果をネットワー クごとに,ドーナツグラフ化したもので ある。. 2003年3月 2003年5月 2003年7月. 図8.ネットワーク別不正アクセス件数. 図8には,煩雑さを避けるために,サ ーバネットワークと近隣大学接続用ネッ トワーク(図では,外部ネット)での検 出数のみを表示している。なお,サーバ ネットワーク上のホストでは,観測期間 中,特定の 1 日に syn-fin アタックが 500 件を超えた日があったが,そのような異 常なアクセスは無視し,前後の日の検出 数の平均値を特異日の検出数として採用 した。ここには示していないが,センタ ーネットワーク上での検出数変化もほぼ 図 7 と同様の傾向を示している。 絶対的な,不正アクセス件数では,3 ネットワーク中,サーバネットワークで の検出数が多い傾向がある。その点を除 けば,類似した傾向が見られており,フ ァイアウォールでのフィルタリングは, 異常なアクセスの検出数やその変化の観 測には,大きな影響を与えていないと考 えてよいようである。 つぎに,ネットワーク別での不正アク セス発信元のドメイン名や IP アドレス. −11−. 図から,サーバネットワークで,逆引 き設定されていないホストからの不正ア クセスの割合が高いのが目立っている。 サーバネットでの jp ドメインからのア クセスは,大半が学内からの telnet であ る。このホストは,インターネットに向 けては,逆引きネームサーバのプライマ リとして機能しているだけでなく,学内 向けの正引きのプライマリサーバとして, 学内のメール配送のために重要な働きを している。このため,トラブルが発生す ると,学内の管理者が telnet を実行しが ちだからである。この 2 点を除けば,フ ァイアウォールの内外には関係がない。 ドメイン名的には,ほとんど匿名とみな してもよい net ドメインおよび com ドメ インからのアクセスを除外すれば,不正 アクセスの発信元は,特定のトップドメ インに集中する。国別トップドメインで いうと fr および it である。この結果は, インターネット境界の IDS のログやセ ンターネット上の Snort のログとも一致 した傾向である。.

(6) 考察 Snort 等の IDS のログの簡単な解析と 不正アクセス数日々変化を調べる程度の 処理で,不正アクセス件数は単調に増加 しているように錯覚していた。たとえば, Snort での検出数の日変化をグラフ化す ると図 10 のようになる。 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 01/5/1 01/7/1 01/9/1 01/11/1 02/1/1 02/3/1 02/5/1 02/7/1 02/9/1 02/11/1 03/1/1 03/3/1. 図10.Snort検出数(日計). 図 10 と図 8 を比較すると,月単位の 集計を実行することにより,図8で示し たように変化の傾向が明白に見えてくる ようになる。 本論文に示した集計法以外に,時間帯 別や曜日別集計も試みたが,土曜や日曜 に集中するとか,深夜の時間帯に集中す るといった傾向はみられなかった。 図 11 に,インターネット境界での IDS 0. 200. 400. 600. 800. 日曜 月曜 火曜. 1000. 1200. でのホストスキャン検出数を曜日ごとに 集計して示した。日曜,月曜および水曜 に発生件数が多いようにも見えるが,明 白な差があるとはいえない。 おわりに 2001 年4月 1 日から 2003 年 7 月 31 日の間の IDS および tcpd のログを解析 した。その結果,ホストスキャンに代表 される不正アクセスの件数が必ずしも単 調に増加しているわけではないことを示 した。また,不正アクセス発信者のドメ イン別割合やプロトコル別の割合も示し た。さらに,曜日,時間帯別の解析も試 み,曜日別アクセス件数については,予 備的な結果を示した。 ドメイン別の割合評価が,名古屋大学 に特有のものかどうかといったこと等, 不正アクセスの傾向を把握するには,よ り長期のデータの収集と解析,曜日や時 間帯別の詳細な解析が必要とされる。 参考文献 1. Roesch,M. and C. Green: Snort Users Manual, http://www.snort.org/docs/writing_ rules/ 2. Venema,W.Z.: TCP WRAPPER, network monitoring, access control and booby traps, UNIX Security Symposium III Proceedings (Baltimore),Sept.,1992. 水曜 木曜 金曜 土曜. 図11. 曜日別ホストスキャン数. −12−.

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