• 検索結果がありません。

北区情報化基本計画2020

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "北区情報化基本計画2020"

Copied!
43
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

北区情報化基本計画2020 素案

令和元年11月

東京都北区

(2)
(3)

目次

基本的考え方 ... 1

1. 改定の背景 ... 1

2. 策定の目的 ... 1

3. 計画の位置づけ・期間 ... 2

現状と課題 ... 3

1. ICTを取り巻く社会環境(外部要因) ... 3

2. 情報化推進の状況と課題(内部要因) ... 12

3. 情報化の課題と今後の方向性 ... 15

計画の目標 ... 17

1. 情報化の基本的な考え方 ... 17

2. 解決すべき課題 ... 17

3. 目標 ... 18

情報化施策 ... 21

重点プロジェクト ... 28

用語説明 ... 34 ※本文中に「*」がついている用語は、「用語説明」に記載があります。

(4)

1

基本的考え方

1. 改定の背景

北区が情報通信技術の発達や国の電子自治体*推進の動きに対応して情報化を進める ため平成27年に「北区情報化基本計画2015」を策定してから、10年の計画期間の うち5年が経過した。この間、スマートフォンなどモバイル通信やSNS*などの日常の 生活への浸透やクラウドコンピューティング*の発達、IoT*の進展、AI*技術の進歩な ど情報通信技術はそれまで以上に急激に進展している。一方で、ホームページ改ざんや 標的型攻撃など情報セキュリティに対する脅威が増大している。更に東日本大震災時に 発生した電子メールやインターネットの不達や障害、情報システム及びデータの消失、

また、北海道胆振東部地震の際の大規模停電の発生など、大規模災害発生時への対策も 求められている。国では、情報システムのクラウド*化やオープンデータ*、社会保障・税 番号制度*(以下「マイナンバー制度」という。)が推進されているなど、ICT*を取り巻 く環境は大きく変化している。更に政策を立案する際にも、保有する情報を十分に活用 していくことが一層求められてきている。

上記のような、この5年間の情報通信技術の急激な進展や情報セキュリティに対する 脅威の増大、データの政策への活用度合いは、計画策定時の想定を超えるものであった。

このような状況を踏まえ、北区として情報化に係わるさまざまな課題に的確に対応す るため、情報通信技術の急激な進展や国の施策の動向などの環境変化などを多角的・多 面的な視点から分析して、情報化基本計画を改定することとした。

2. 策定の目的

この計画は、北区における情報化推進施策の基本方針を明確にし、具体的な情報化施 策を総合的、体系的に推進するための計画である。区民やさまざまな活動を展開する団 体、企業などを対象とした「地域の情報化」と電子自治体*の実現を目指す「行政の情報 化」を対象とする総合的計画として策定し、区が行う情報化施策はこの計画に沿って行 う。

地域の情報化は、行政だけではなく、区民や企業などさまざまな主体によって担われ るが、個々が一定の方向性を認識することなくそれぞれで実施した場合、過剰な投資な どの無駄が発生する可能性が高い。この計画によって情報化の方向性を示すことで、各 主体が効率的に情報化を進めることに役立てるものである。

具体的な目的は次の4つである。

明確な方針のもとで、計画的、効率的かつ安全に情報化を推進する。

区としての方針を示し、区民の理解を得るとともに行政活動の透明性を確保する。

情報化推進における、区と地域の役割を明確にする。

上位計画の方向性と、情報化に関する活動の整合性を担保する。

(5)

2

3. 計画の位置づけ・期間

この計画は、「北区基本計画」を上位計画とし、情報化を進めるための基本的な方向性 と施策メニュー及び当面の重点的に取り組む事業を明らかにするものである。

また、この計画は、官民データ活用推進基本法第9条第3項による官民データ活用推 進計画としても位置付けられるものである。

計画期間は、「北区情報化基本計画2015」では「北区基本計画」にあわせて10年 間であったが、情報通信技術の急速な進歩を踏まえ、令和2年度から令和6年度までの 5年間とする。

この計画において、検討した事業のうち優先度が高く、北区として早期に取り組む必 要性の高い事業を「重点プロジェクト」として定める。

(6)

3

現状と課題

1. ICT

*

を取り巻く社会環境(外部要因)

(1)ICT*利用の普及状況

平成30年5月に総務省が発表した「平成29年通信利用動向調査」の「情報通信機器 の保有状況の推移」によると、モバイル端末全体の内数であるスマートフォンの保有状況 が初めてパソコンを上回り、スマートフォン*やタブレット*の普及が進んでいる。(図表1)

図表1 情報通信機器の保有状況の推移(出典:総務省 平成29年通信利用動向調査)

(7)

4

また、「年齢階層別インターネットの利用状況の推移」によると、13~59歳の各年 齢層で9割を超える人がインターネットを利用している。(図表2)

図表2 年齢階層別インターネットの利用状況の推移

(出典:総務省 平成29年通信利用動向調査)

「年齢階層別インターネット端末の利用状況」によると、インターネットを利用する際 にスマートフォンを使用する人がパソコンを利用する人を上回り、時間や場所を選ぶこと なくインターネットを利用できる、あるいは利用している状況である。(図表3)。

図表3 年齢階層別インターネット端末の利用状況

(出典:総務省 平成29年通信利用動向調査)

(8)

5

(2)情報セキュリティ対策

サイバーセキュリティ上の脅威が複雑化・巧妙化し、マルウェア*感染や標的型攻撃*等を 初めとする被害は急増している。全国の標的型メール攻撃の件数の推移は、図表4に示す 通りで、増加している。

誰もが情報通信機器を活用できる環境が普及した一方で、一人ひとりが情報セキュリテ ィに対する脅威にさらされている状況である。

図表4 標的型メールの件数(出典:東京都オープンデータから作成)

平成27年に発生した日本年金機構の大規模情報漏えい事件を契機として、国から地方 自治体に対し「抜本的なセキュリティ対策の強化」に取組むよう指示が出された。

この指示を受け、インターネット接続におけるセキュリティ対策の抜本的な強化として、

ネットワークの構成変更等を初めとした様々なセキュリティ強化対策を実施した。(図表5)

上記のセキュリティ対策の強化に伴い、国から示されている「地方公共団体における情 報セキュリティポリシー*に関するガイドライン」が改定されたことにあわせて、最新の情 報セキュリティインシデント*に対応するために、ガイドラインをもとにセキュリティ対策 を強化する必要がある。

1474

3508 3641

5846 6040

249 320 405

181

700 1723

3828 4046

6027

6740

0 1000 2000 3000 4000件 5000 6000 7000 8000

H26 H27 H28 H29 H30

ばらまき型 ばらまき型以外 合計

(9)

6

図表5 「三層の構えによる自治体情報システム例」

(出典:総務省 地方自治体における情報セキュリティポリシーに関すガイドライン)

(3)データの利活用に向けた動向

国は、平成28年12月に官民データ活用のための環境を総合的かつ効率的に整備する ため「官民データ活用推進基本法」を公布・施行し、平成29年5月に「世界最先端IT 国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」を打ち出した。これは、全ての国民がIT 利活用やデータ利活用を意識せず、その便益を享受し、真に豊かさを実感できる社会であ る「官民データ利活用社会」のモデルを世界に先駆けて構築するためのものである。

また、これに合わせ、データの活用を促進するために、「地方公共団体オープンデータ推 進ガイドライン」を平成29年12月に改訂し、データの利活用をより一層推進するため の取り組みを進めるよう環境を整備している。

更に、自治体に対して、官民データ活用計画の策定の検討をより確かなものにするため に、総務省から平成30年4月に「地方公共団体が保有するパーソナルデータの効果的な 活用のための仕組みの在り方に関する検討会報告書」が提示された。

国・自治体・民間等事業者が保有するデータをビックデータ*として扱えるよう、民間ニ ーズや立法措置の検討状況を踏まえ、対応を進める必要がある。

(4)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会

国は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後の持続的成長も見据えて

「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会」において、アクションプ ランの策定及びその実行に向けた検討を行っている。このアクションプランでは、無料公 衆無線LAN*環境の整備、多言語音声翻訳システムの高度化、日本の魅力を海外に発信す る放送コンテンツの海外展開、4K・8Kやデジタルサイネージ*の推進、第5世代移動通

(10)

7

信システムの実現、オープンデータ*等の利活用、サイバーセキュリティ対策等が挙げられ ている。(図表6)

今後予想される外国人観光客の増加などを踏まえ、サイバーセキュリティの確保、Io T*、クラウド*等を初めとする都市サービスの高度化、社会におけるキャッシュレス*化の 普及展開等を進める必要がある

図表6 (出典:総務省 平成29年情報通信白書)

(5)大規模な災害の発生

東日本大震災、関東・東北豪雨、熊本地震等の大災害によって、被災地の市町村では庁 舎の倒壊や浸水などにより情報システムが甚大な被害を受け、管理する住民データが消失 し、被災者の安否確認や情報システムの復旧に困難をきたした。

情報システムは業務遂行にあたり必要不可欠な存在であり、情報システム復旧の遅れは 住民の生活回復や復興を遅らせる要因となる。

区では大災害によって明らかになった災害対策上の課題を教訓とし、国及び東京都の法 令・制度や動向等を踏まえ、東京都北区地域防災計画を平成30年3月に改定した。

発生が予想される首都直下型地震を含めた大地震においては、通信インフラ*の遮断や停 電、情報システム停止やデータ消失等が懸念される。

このように近年多発する自然災害の脅威等を踏まえ、行政情報を保全し、災害・事故等 発生時の業務継続を確保する観点からデータセンター*の活用、また、被災者支援と迅速な 復興の観点から無料公衆無線LAN*の配備等の技術を積極的に導入していく必要がある。

(11)

8

(6)人口動態の変遷

日本は、少子高齢化が急速に進展した結果、1997年には65歳以上の高齢人口が1 4歳未満の若年人口の割合を上回り、2017年には3,515万人、全人口に占める割 合は27.7%と増加している。また、総人口は2008年をピークに減少に転じており、

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、2050年には日本の総人口は 1 億 人を下回るとされている。さらに、15歳から64歳の生産年齢人口は2017年の7,

596万人(総人口に占める割合は60%)が2040年には5,787万人(53%)と 減少することが推計されている。(図表7)

図表7 (出典:総務省 平成29年版情報通信白書)

平成30年7月に、総務省は「自治体戦略2040構想研究会」の報告内容を公表し、

この中で、人口縮減期に入り、生産年齢の急減に伴い経営資源が制約されることを前提と して、破壊的技術を使いこなす「スマート自治体」へ転換を図るべく、大胆な事務処理の 見直しを求めている。(図表8)

破壊的技術の代表である「AI*、ロボティクス*」等の技術活用を含めた対応の検討が必 要である。

(12)

9

図表8 (出典:総務省 自治体戦略2040構想研究会第一次・第二次報告の概要)

(7)電子自治体*の動向

国では官民データ活用推進基本法により、データ流通環境の整備や行政手続のオンライン* 利用の原則化など、官民データの活用に資する各種施策の推進を政府の取組として義務付け た。

また、平成 30 年1月に「デジタル・ガバメント実行計画」(eガバメント閣僚会議決定)

を策定し、本格的に国民・事業者の利便性向上に重点を置き、行政の在り方そのものをデジタ ル前提で見直すデジタル・ガバメントの実現を目指すこととしている。(図表9)

本計画をもとに、国は地方自治体におけるデジタル・ガバメントの推進をするため、地方 自治体に対し「サービス設計12箇条」に基づくサービスデザイン思考を紹介するほか、地 方公共団体の壁を越えたサービスやプラットフォームの標準化*、共通化も含め、ICT*化・

業務改革(BPR*)の取組を支援することとしている。

(13)

10

図表9(出典:デジタル・ガバメント実行計画)

デジタル・ガバメント実行計画の概要 計画期間

(平成 30 年 1 月 16 日から令和 5 年 3 月 31 日まで)

1) 地方公共団体における官民データ活用推進計画の策定 2) 地方公共団体の行政手続のオンライン利用促進 3) 地方公共団体におけるクラウド利用の推進 4) 地方公共団体におけるオープンデータの推進

5) 地方公共団体におけるAI・RPA等による業務効率化の推進 6) 地方公共団体における適正な情報セキュリティの確保

7) 地方公共団体における地域情報プラットフォーム*準拠製品の導入及び 中間標準レイアウト*の利用の推進

8) 地域における AI、RPA 等の革新的ビッグデータ*処理技術の活用推進

(14)

11

(出典:デジタル・ガバメント実行計画)

(8)マイナンバー制度への対応

マイナンバー制度は、社会保障や税制度の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性 の高い公平・公正な社会を実現するための社会基盤として導入された。

平成25年5月のマイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番 号の利用等に関する法律)の制定により、国民ひとりひとりへのマイナンバーの付番、通 知カードの送付、マイナンバーカードの交付が順次実施された。

平成29年11月からは行政機関の間で情報をやりとりする情報連携の本格運用を開 始し、一部の行政手続きにおいて、証明書の添付が不要になった。さらに、政府のオンラ インサービスである「マイナポータル」の開始に伴い、行政機関の間で行われた自分の情 報のやり取りを自らチェックすることや、ワンストップサービスによる、行政機関への オンライン申請等のサービスが提供された。

マイナンバー制度では、国民の利便性の一層の向上が期待されるとともに、行政にお いては業務間の連携が取られることで、転記・照合の確認作業などの軽減や、重複作業の 削減を進めることが可能となる。

なお、サイバー攻撃が急速に複雑・巧妙化している中で、マイナンバー制度及び地方公 共団体の業務に重大な影響を与えるリスクも想定されることから、総務省では、地方自 治体の情報セキュリティ対策の抜本的強化を図るため、①マイナンバー利用事務系では、

端末からの情報持ち出し不可設定等を図り、住民情報流出を徹底して防止すること②マ イナンバーによる情報連携に活用されるLGWAN*環境のセキュリティ確保に資するた め、LGWAN*接続系とインターネット接続系を分割すること③都道府県と市区町村が 協力して、自治体セキュリティクラウドを構築し、高度な情報セキュリティ対策を講じ ること、との三層からなる対策(以下「セキュリティ強靭化対策」という。)を推進して いる。

(15)

12

2. 情報化推進の状況と課題(内部要因)

(1)情報化の変遷

庁内の情報化では、昭和59年に基幹業務へ自区電算機(メインフレーム方式ホスト系 システム*)の電算システムを導入し、順次対象業務を拡大してきた。

情報系ネットワーク(庁内LAN*)は、平成15年度から構築を開始し、平成20年度 に完了している。

基幹業務システムは、クライアントサーバ方式*の技術が進展してきたことを踏まえ、

個々の業務に最適なシステム選択が可能となるオープン系システム*へ 平成19年度から 平成21年度にかけて移行し、安定的な運用に注力してきた。

平成30年度から令和2年度にかけて、基幹業務システムのうち住民記録、住民税、国 民健康保険、共通収滞納システムについて、事務運用の効率化、安定的な保守運用及び費 用抑制が実現可能なパッケージシステムへの更改に取り組んでいる。

今後は、自治体クラウド*導入について、さらなる事務の効率化、安定運用等を見据え、

継続して検討を実施していく。

内部情報系システムを含めた情報系ネットワークは平成27年度に仮想化*技術を活用 して物理的なサーバ機器の削減を図った。あわせて、庁内の有線LAN*を無線化し、イン フラ費用などの削減を図った。

平成28年度にはインターネット上の脅威から情報資産を守るため、セキュリティ強靭 化対策の一環としてインターネット環境と情報系ネットワークを分離した。

令和元年度には端末をデスクトップ型パソコンから、持ち運びが可能なノート型パソコ ン及びタブレット*へ移行した。

今後はICT-BCP*の観点から首都直下型地震を含めた災害に対して強い情報シス テムを構築するためにデータセンター等の活用や、働き方改革としてAI*やRPA*やテレ ワーク*等を活用した新しい情報システムを検討していくことが求められている。

区民や地域に向けては、SNS*の普及を踏まえてFacebook*やYouTube* を活用した区政情報の発信を強化してきた。

近年発生した災害でSNS*を活用した情報共有が行われたことに加え、東京2020オ リンピック・パラリンピック競技大会による外国人観光客の増加を想定して、区内施設に 無料公衆無線 LAN*が整備された。

また、ICT*を活用した教育の充実を図るため、電子黒板やタブレット*の配備、デジタ ル教科書の導入等の教育現場におけるICT*環境整備を推進してきた。

(2)前計画の評価と課題

前計画では、8つの目標に35の情報化施策を提示し、このうち13施策を重点プ ロジェクトとして情報化を推進してきた。重点プロジェクトの実施結果の概要につい ては図表10に示す。

(16)

13

重点プロジェクトのうち11施策については一定の進捗を見たが、オープンデータ* の推進(区民サービスにおける情報化推進施策)、情報化推進体制の見直し、災害に強 い情報システムの整備(行政における情報化推進施策)の3施策については当初の計画 どおりには進捗していない。この3施策も含め、区民サービスにおける情報化の推進及 び行政における情報化の推進は重要な課題であり、取り組みを進めていく。

また、前計画における目標のうち地域における情報化の推進については、今後も、新 しい技術や民間サービスが出現し発展していくことを踏まえ、取組みを行っていく。

1 ICTを活用した行政サービスの高度化 マイナンバーカードを活用した窓口サービスの向上 ○

マイナンバーの独自業務への利用拡大 ○

2 区民と区のコミュニケーションの深化

SNS等の活用による情報発信の強化 ○

オープンデータの推進 ×

3 災害時等における情報サービスの提供

災害時の多様な手段による情報伝達 ○

4 地域コミュニティ活性化へのICT活用 地域のきずなづくり推進プロジェクトの推進 ○ 5 情報化の円滑な推進に向けた体制及び制度の確立

情報化推進体制の見直し ×

6 先進技術を活用した高度で効率的な情報システムの整備

基幹系システム次期更改の推進 ○

内部情報系システム及び特定システムの統合基盤整備と管理統合 ○

学校ICT環境の整備 ○

7 情報資産を守るセキュリティ対策の強化

災害に強い情報システムの整備 ×

8 庁内における情報、情報機器等の有効活用

職員のICT活用力向上 ○

地図情報の有効活用 ○

※2019年時点進捗状況○・・・計画通り、×…計画通り進まず 図表10 前情報化基本計画の達成状況

(17)

14

(3)情報化投資の状況

ICT*経費は、図表11に示す通り平成27年度に大きく伸びているが、これは、リー ス期間が終了したサーバ機器の更改を実施したためイニシャルコストが増大したこと、及 び日本年金機構の情報漏えいを受けて総務省が示したセキュリティ対策等により新たに高 度なセキュリティ対策を実施したことによるものである。

情報システムのインフラについては、近年クラウドや仮想化基盤*などの効率的に情報シ ステムを構築運用する技術や仕組み、サービスを導入する自治体も増えており、本区におい ても、総合的なシステム最適化に向けてこれらを活用した情報化投資の効率化を検討しな がら推進する必要がある。

図表11 電子計算事務費の推移

2294 2521

3049

2747 2669

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度

[百万円]

(18)

15

3. 情報化の課題と今後の方向性

区では、ホームページ、SNS*などによる区民への情報提供、電子申請による申請・

申込・届出の実施、サーバ機器の機器更改に伴う仮想化*等、さまざまな取組を行って きており、必要な情報システムの導入はおおむね完了している。

しかし、情報システムの利活用による効果という面では、具体的な区民のメリット 享受、経費削減、セキュリティ対策など改善すべき課題は多く残っている。また、地域 の情報化という視点では、すでに安価で高度なさまざまな民間サービスが広がってき ており、これらを活用することで、効率的かつ効果的に情報化を推進することが可能で ある。

前計画では、情報通信技術を活用し、地域と行政の基盤を高度化、効率化し、真に 利便性の高い電子自治体を構築するため情報化を進めてきた。この計画においても、基 本的な考え方を踏襲しつつ、新たな外部要因や内部要因を踏まえて、これまで整備して きたインフラ*などを積極的に見直し、今まで以上に効率的で真に利便性の高い電子自 治体*を構築することが求められている。

外部要因や内部要因を踏まえ、現状の課題認識(図表12)から、今後の方向性を 次の6つとした。

①区民の利便性向上のため、区民サービスにおいて、技術革新に対応した情報化を 推進する。

②情報システムの大規模災害対策を強固にする。

③複雑化・巧妙化するサイバー攻撃をはじめとした情報セキュリティへの脅威に対 する対策を強化する。

④社会情勢の変化に対応するため、新しい技術を活用したより効率的かつ効果的な 情報システムの利活用を図る。

⑤地域における情報化の活動を促進する。

⑥地域課題の解決に資する資源として区が保有する情報の活用を推進する。

(19)

16

図表 12 本区における情報化の課題 情報化基本計画2015

情報通信技術を活用し、地域と行政の基盤を高度化, 効率化し、真に利便性の高い電子自治体を構築する

北区情報化基本計画2020における方向性

①区民の利便性の向上のため、区民サービスにおいて、技術革新に対応した情報化を推進する

②情報システムの大規模災害対策を強固にする

③複雑化・巧妙化するサイバー攻撃をはじめとした情報セキュリティへの脅威に対する対策を 強化する

④社会情勢の変化に対応するため、新しい技術を活用したより効率的かつ効果的な情報システ ムの利活用を図る

⑤地域における情報化の活動を促進する

⑥地域課題の解決に資する資源として区が保有する情報の活用を推進する 外部要因

急速に進む著しい技術革新 スマートフォンの浸透

複雑化・巧妙化する情報セキュリティ への脅威

ビッグデータの活用

東京2020オリンピック・パラリンピッ ク競技大会

大規模災害への対応

人口の減少・生産年齢人口の減少 マイナンバー制度への対応 デジタルガバメントの推進

内部要因

区民サービスにおける情報化の推進 災害に強い情報システムの構築 働き方改革

AI,RPA等を活用した新しい技術の採用 情報化経費の削減

(20)

17

計画の目標

1. 情報化の基本的な考え方

情報化推進とは、必要な人に必要な情報を届ける仕組み(システム、ルール、体制な ど)を構築するとともに、その利活用を促進し、課題を解決することである。

区は、電算システムを活用し、業務を円滑かつ確実に実施することで情報化を推進し てきた。

情報化においては、日進月歩で技術革新が進んでいることを踏まえ、これまでと同じ 考え方や業務の流れを前提に検討するのではなく、まず業務の流れを詳細に分析し課 題を把握したうえで、抜本的に業務の効率化を図り、区民の利便性の向上を実現する視 点が不可欠である。

2. 解決すべき課題

情報化の検討においては、①区民サービスにおける情報化、②地域における情報化、

③行政内部における情報化の3つの切り口が考えられる。これら3つの場面において、

解決すべき課題を次のように整理する。

① 区民サービスにおける情報化では、オンライン*手続きがまだ一部に限られている など十分なメリットが提供できていない。スマートフォンの浸透など情報端末の普 及により区民の日常生活の中にもオンライン*手続が浸透しており、行政手続きにお いても一層のオンライン*化が求められている。さらに、急速に進む著しい技術革新 などに対応するICT*を活用した一層便利で使いやすい区民サービスの提供を検討 する必要がある。

情報提供の面でも、SNS*などの新しいツールを活用した効果的な手法を取り入 れ、必要な人に必要な情報を届ける仕組みを更に整備する必要がある。

② 地域における情報化では、区内及び区施設における情報通信基盤はおおむね整備 されてきたが、情報端末の浸透などICT*を取り巻く状況が変化する中で、ICT

*の活用など、一層の展開が求められている。また、様々な地域課題の解決に資する ため、区民、事業者等が、必要に応じて区が保有する情報を自由に利用できる形で公 開するオープンデータ*を推進することが重要である。

③ 行政における情報化では、クラウド*や仮想化*技術などを活用した効率的で安全性 の高い情報システム構築が可能となったことを踏まえ、このような新しい技術を活 用したシステムを導入して経費縮減や高機能化、防災性の強化等を検討する必要が ある。そして、今後の人口動向、働き方改革など社会状況が変化しても自治体として 本来担うべき機能を発揮し、行政サービスの利用者である区民の目線に立って地域 の課題を解決できる仕組みを構築するためにも、最先端のICT*技術の活用などに 取り組み、スマート自治体として構築していく必要がある。また、情報を共有して活 用を促進することで、業務の効率化を進めるとともに、新しい政策立案につなげてい

(21)

18

くことが求められている。

これらの課題解決に取り組むことで、技術革新に対応したICT*技術を活用し、

利用しやすい区民サービスを効率的に提供する、真に利便性の高いスマート自治体 を構築することを目指す。

3. 目標

前述の課題を解決するために8つの目標を設定する。(図表13)

図表 13 次期情報化基本計画における 8 つの目標

「技術革新に対応したICT技術を活用し、利用しやすい区民サービスを効率的に 提供する、真に利便性の高いスマート自治体を構築する」

区民サービスにおける情報化の課題

・区民のメリットを拡大する 行政手続きのあり方検討

・新しいツールを活用した効果的な情報提供

地域における情報化の課題

・区民の情報活用の促進

・地域の情報を容易に活用できる仕組みの検討

行政における情報化の課題

・システムの経費削減、高機能化、

防災性の強化

・最先端の技術の活用

【目標1】

ICTを活用した行政サービスの高度化 【目標2】

区民と区のコミュニケーションの 深化

【目標3】

災害時等における情報サービスの提供

【目標4】

地域コミュニティ活性化へのICT活用

【目標5】

情報化の円滑な推進に向けた体制及び制度の確立

【目標6】

先進技術を活用した高度で効率的な 情報システムの整備

【目標7】

情報資産を守る対策の強化

【目標8】

庁内における情報、情報機器等の有効活用

基本構想・基本計画・経営改革プラン

整 合

(22)

19

目標1:ICT

*

を活用した行政サービスの高度化

・ICT*を活用し、区民が「いつでも」「どこでも」必要な行政サービスを受けることが できる態勢の構築を進める。

目標2:区民と区のコミュニケーションの深化

・区民の区政参画、区民と区の協働を一層進めるため、ICT*を活用して、区民と区の 双方向の情報交換、情報共有を推進する。区政情報については、区民が容易に入手して 活用できるように多様な手段を整備し充実させる。

目標3:災害時等における情報サービスの提供

・災害などの非常時でも、区民へ区から迅速に的確で適切な情報やサービスの提供が可 能となるように、ICT*を活用して多様な情報伝達やサービス提供の手段を整備する。

目標4:情報化の円滑な推進に向けた体制及び制度の確立

・ICTの活用による情報化を全庁で総合的、一体的かつ効率的に進め、全体最適化を 実現するため、最高情報統括官(CIO*)のもとにICTガバナンス*を強化する。

・区が保有するデータを活用し、証拠に基づく政策立案を推進する体制を整備する。

目標5:情報資産を守る対策の強化

・大規模災害時でも区の業務の基盤となっているICT*機能を維持し、障害が発生して も短時間で復旧できるよう、クラウド化*などにより災害に強い情報システム基盤の整 備を検討し導入する。

・近年増大している情報セキュリティに対する脅威への対策として、情報セキュリティ マネジメント*の取組み、対応を適宜見直して更に推進し、一層強固なものとする。

目標6:先進技術を活用した高度で効率的な情報システムの整備

・さまざまな新技術を踏まえて区の情報システムのあり方を検討し、より高度で効率的 で安全な情報システムの構築を進める。

なお、構築の検討にあたっては、現在の事務処理をそのままシステムに置き換えるの ではなく、まず、業務の事務処理の流れを可視化したうえで、徹底的な見直しを行い、

より効率的なシステムとするように業務改革の視点を重視する。

(23)

20

目標7:地域コミュニティ活性化へのICT

*

活用

・区民のだれもがICT*を使って必要な情報を入手し適切に活用できるように、情報セ キュリティやルールなども含めてICTリテラシー*の習得を支援する。

・区民が地域の情報を共有し、住民同士の交流、住民合意の形成、行政への意見表明、

災害時の地域の連絡手段などに活用できる、地域情報サイトの整備拡充を支援する。

・行政のさまざまなデータを積極的に公開、提供することで、地域に密着した便利で役 立つアプリケーションソフト*開発のほか、ICT*を活用した産業振興など、地域の活 性化につながる活動を支援する。

目標8:庁内における情報、情報機器等の有効活用

・職員のICTリテラシー*を一層向上させ、十分に活用されていない庁内の情報やシス テム、情報機器などの有効活用を進め、行政の高度化を実現するとともに効率化を図る。

(24)

21

情報化施策

情報化の基本的考え方、目標などを踏まえて、情報化を推進するための施策を体系化 し、以下にまとめた。

施策名 重点施策

Ⅰ ICTを活用した行政サービスの高度化 3

 (1)オンライン手続きの拡大

 (2)マイナンバーカードを活用した行政サービスの向上 ○

 (3)ICTを活用した情報提供の推進

 (4)マイナポータルによるワンストップサービスの活用 ○

 (5)電子納付の拡充 ○

 (6)マイナンバーの独自業務への利用拡大

 (7)申請書作成支援システム(手続ナビゲーション)の検討

Ⅱ 区民と区のコミュニケーションの深化  (1)SNS等の活用による情報発信の強化

Ⅲ 災害時等における情報サービスの提供 2

 (1)災害時の多様な手段による情報伝達 ○

 (2)災害時の被災者支援などのためのICT整備運用 ○

Ⅳ 情報化の円滑な推進に向けた体制及び制度の確立  (1)ICTの活用を推進する体制の整備

 (2)区が保有するデータを活用する体制の整備

Ⅴ 情報資産を守る対策の強化 2

 (1)CSIRTの即時対応やBYODの在り方の検討

 (2)災害に強い情報システムの整備 ○

 (3)情報セキュリティマネジメントの推進 ○

 (4)セルフ・セキュリティマネジメントの強化とセキュリティ監査強化

Ⅵ 先進技術を活用した高度で効率的な情報システムの整備 2

 (1)基幹系情報システム更改の推進

 (2)内部情報系システム及び特定システムの適正化  (3)庁内ネットワーク整備

 (4)学校ICT環境の整備 ○

 (5)働き方の変革に合わせたBPR(業務改革)の推進を目的とするシステム化の検討 ○

Ⅶ 地域コミュニティ活性化へのICT活用 1

 (1)ICTパートナーシップ(産学官連携)

 (2)ICTを活用したユニバーサル社会の構築

 (3)IoTに関する地域における学習環境づくりの推進

 (4)オープンデータの推進 ○

 (5)観光客等向けICT整備

 (6)児童・生徒に対するICT教育充実

Ⅷ 庁内における情報、情報機器等の有効活用

 (1)新しい情報機器や技術を活用した業務の高度化  (2)職員のICT活用力向上

 (3)地図情報の有効活用

 (4)シティスタット基盤の導入検討

総計 10

(25)

22

Ⅰ ICT*を活用した行政サービスの高度化(目標1)

(1)オンライン*手続きの拡大

都と都内区市町村で共同運営している電子申請、電子調達の利便性を更に向上させ るとともに区の対象手続きを拡大させていく。

その他、施設予約や図書検索などオンライン*で活用できる区の行政手続の利便性の 向上や対象拡大を図っていく。

(2)マイナンバーカード*を活用した行政サービスの向上(重点プロジェクト)

マイナンバーカード*を活用し、行政サービスの利便性の向上を図る。

また、マイナンバー制度のメリットを生かした業務見直しを行い、窓口サービスの 向上のため便利で効率的な窓口手続きのあり方を検討する。

■窓口サービスのあり方の検討・実施 (関係課)

(3)ICT*を活用した情報提供の推進

計画資料や各種審議会資料などの資料について、電子データに整備し積極的に提供 していく。

また、歴史的・文化的資料については、デジタルアーカイブ*による保存を行い、貴 重な情報を劣化や災害などから守り、資料が使いやすい環境整備を実現していく。

(4)マイナポータルによるワンストップサービス*の活用(重点プロジェクト)

マイナンバー制度でインターネット上に設置されるマイナポータルの機能の一つで ある、一人ひとりにあわせて受給可能なサービスなどの情報をお知らせする仕組みを 活用し、区民の利便性を高める。

また、行政手続きのワンストップサービス*も活用していく。

■子育てワンストップサービス*実施(子ども未来課)

■介護ワンストップサービス*検討(介護保険課)

■導入可能な申請手続きの検討・準備・実施(関係課)

(5)電子納付の拡充(重点プロジェクト)

電子マネー*やQRコードを活用した納付、携帯電話・スマートフォンを利用した納 付、クレジットカードによる納付等の新しい納付方法について、費用対効果を考慮し つつ多様な納付方法の実現を検討していく。

■新たな納付方法の検討・導入(収納推進課)

(6)マイナンバーの独自業務への利用拡大

申請や届出の添付書類を不要にするなど区民の負担の軽減を目的とし、継続してマ イナンバーの独自業務への利用拡大を検討する。

(26)

23

(7)申請書作成支援システム(手続ナビゲーション)の検討

区民や職員が簡易な質問に回答していくことで、必要な手続きや申請書が表示され る申請手続きを支援するシステム(手続ナビゲーション)の窓口導入を検討する。

なお、本取組においては、必要な情報を自動的に転記することで記載誤りを防ぐた めにも、マイナンバーカード*から基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)の電子 的な取り込みを行うなど、マイナンバーカード*の活用の取組との連携を検討する。

Ⅱ 区民と区のコミュニケーションの深化(目標2)

(1)SNS*等の活用による情報発信の強化

区内外に対して、シティプロモーション*も意識して、北区の個性と魅力を発掘・創造 し、戦略的・効果的に情報を発信していく。その手段として、ホームページなどに加え て、スマートフォン、タブレット*などのデバイス*やデジタルサイネージ*など多様な手段 を活用し、さまざまな人へ情報提供を展開していく。また、地域ケーブルテレビによる情 報発信も更に充実させていく。

Ⅲ 災害時等における情報サービスの提供(目標3)

(1)災害時の多様な手段による情報伝達(重点プロジェクト)

災害時などにも、区から区民へ迅速に的確で適切な情報が提供できるよう、防災無線 やホームページ、防災気象情報メール配信サービスのほか、SNS*など多様な手段を整 備していく。

区民からの災害情報提供を含め、情報共有が可能な仕組みを検討する。

避難所及び町会・自治会などの関係者、帰宅困難者などを対象に、いつ・誰に・どのよ うな情報を伝えるべきか、多様な手段による情報発信の検討を進めていく。

災害情報発信に関する訓練を区民や関係機関などと協力して実施していく。

■地域BWA*活用検討(防災課)

■技術革新に対応した災害時情報発信の検討(防災課)

■訓練の実施(防災課)

(2)災害時の被災者支援などのためのICT*整備運用(重点プロジェクト)

災害時に被害状況を把握し、被災者の迅速な生活再建のために必要な手続きであるり 災証明書発行などのシステムが、適切に運用ができるよう職員の研修や訓練に取り組む。

また、災害発生時の備蓄物資の効率的な管理供給のためのICT*利用を検討する

■適切なシステムの運用訓練(戸籍住民課)

■備蓄物資の管理供給のためのICT*利用の検討(防災課)

(27)

24

Ⅳ 情報化の円滑な推進に向けた体制及び制度の確立(目標4)

(1)ICTの活用を推進する体制の整備

日本が人口縮減期を迎え、今後、労働力の厳しい供給制約が予想される中で、区では、

一層効率的で区民にとり利便性の高い事務処理体制を構築しなければならない。そこで、

AI、RPA等の技術をはじめとしたICTの活用を推進する組織を設け、その組織を 中心にして全庁をあげて業務の自動化・省力化に取り組む。

(2)区が保有するデータを活用する体制の整備

証拠に基づく政策立案の重要性が高まる中、区が保有する様々な情報の活用を推進し ていく体制を整備する。

Ⅴ 情報資産を守る対策の強化(目標5)

(1)CSIRT*の即時対応やBYOD*の在り方検討

業務時間外に発生するシステム障害や災害等では迅速な対応が求められる。担当職員 や責任者が自宅等の庁舎外からも即時対応できるよう個人所有のスマートフォンからの 接続等による対応や、災害における庁外からの対応等を踏まえ、BYOD*等による一時 対応の必要性を含めて検討する。

(2)災害に強い情報システムの整備(重点プロジェクト)

首都直下型地震などの大規模災害も考慮し、職員同士の情報系ネットワークや各所管 課独自の事業に関する特定システム*について、クラウド*化やデータセンター*の活用な ど災害に強い情報システムインフラ*の検討整備を推進するとともに、災害時の行動指針 であるICT-BCP*についても新しいシステムの管理運営方法に見合うよう見直しを 行う。

■データセンター*の利用検討(区民情報課)

(3)情報セキュリティマネジメント*の推進(重点プロジェクト)

新たなセキュリティリスクに対する対策の検討や、情報セキュリティポリシー*の見直 し、研修の充実化を図り、職員の対応力を向上させる。

なお、委託事業者については、情報セキュリティの遵守状況を把握するとともに、対策 を徹底させる、具体的で効率的な管理手法を検討する。

■情報セキュリティポリシー*の見直し検討・改正(区民情報課)

(4)セルフ・セキュリティマネジメントの強化とセキュリティ監査強化

現状セキュリティ監査は監査法人による助言型監査であるが、自らセキュリティ意識 を高め情報セキュリティに対する知識の醸成を図るために、一定程度の期間を設けて内 部監査方式を段階的に施行することを目指す。

(28)

25

Ⅵ 先進技術を活用した高度で効率的な情報システムの整備(目標6)

(1)基幹系情報システム更改の推進

基幹系情報システムは、仮想化*技術を用いて、効率的かつ安全なシステムに再構築を する。

仮想化*による運用管理の効率化を進め、パッケージシステムは、ノンカスタマイズ導 入を目指す。また、クラウド*化については、メリット・デメリットを十分に検討し、自 治体クラウド*やシステムベンダーによるクラウドサービス(SaaS*など)の利用の検 討を優先して考える。

あわせて、現在各課が管理する特定システム*で、基幹系情報システムとの連携関係が 強いものについては、効率的な運用への見直しを検討していく。

(2)内部情報系システム*及び特定システム*の適性化

内部情報系システム*は、災害時における稼働及び小規模な各課の業務システム(特定 システム*)との統合を図ることを目的とし、サーバ機器の管理方式についてオンプレミ ス方式*からクラウドサービス(IaaS*など)への移行を検討する。

また、新たな脅威に対応するためSIEM*などの新技術の活用など高度で安全なシス テムを構築する。

なお、特定システム*は積極的にLGWAN-ASP*やSaaS*への移行を進めるとと もに、他自治体と共同運営が可能なものは積極的に導入していく。

(3)庁内ネットワーク整備

内部情報系システム*を管轄する「情報系ネットワーク」は業務用パソコンをデスクト ップ型パソコンからノート型パソコンへ移行したことを踏まえ、インフラ*整備のコスト 削減やペーパーレス会議*、フリーアドレス*などを目指し、積極的に有線LAN*から無線 LAN*への移行を進める。

マイナンバーを取り扱う基幹系システム*を管轄する「基幹系ネットワーク」は情報漏 えい対策、侵入防止などセキュリティに留意しながら新技術を活用した物理的・論理的 な仮想化*を行う方針を検討する。

(4)学校ICT*環境の整備(重点プロジェクト)

教育効果を高めるため導入してきた機器・設備の更新など、各小中学校へのハードウ ェアや学習用ソフトウェアなどの配備を継続して進める。

■電子黒板機能付プロジェクター整備(学校支援課)

■デジタル教科書導入(学校支援課)

(29)

26

(5)働き方の変革に合わせたBPR*(業務改革)の推進を目的とするシステム化の検討 (重点プロジェクト)

地方公共団体が提供する行政サービス等について、利用者目線によるBPR*(業務改 革)を実施する。行政サービスの利便性の向上や行政運営の効率化を図るため、総合的 なデジタル化及びBPM*を推進し、AI*・RPA*の導入を検討する。

また、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス*)の実現など、時間や場所に制 約されない多様な勤務形態の実現に向け、テレワーク*などを推進する。

■介護保険事業者指導監督の効率化に資するAI*技術の活用(介護保険課)

■AI・RPAの導入による業務改革の検討(経営改革・公共施設再配置推進担当課、

区民情報課、各課)

Ⅶ 地域コミュニティ活性化へのICT*活用(目標7)

(1)ICT*パートナーシップ(産学官連携)

区内の民間企業、地域BWA*事業者及び大学並びにNPO等との連携を進め、ICT

*の利活用に関するスキルを高めるため、ICT*に関する情報共有やセミナー等、区との 双方向のつながりをつくり、継続的に活動することでICT*に関する課題解決に資する よう連携を強化する。

(2)ICT*を活用したユニバーサル社会*の構築

外国人や障害者を含め、多様性社会(ユニバーサル社会*)の推進に向けて、今後も道 路、公園をはじめ公共施設等における情報のバリアフリー化を一層推進するため、地図 データやバリアフリーに関する情報のオープンデータ*化等の環境整備を推進する。

(3)IoT*に関する地域における学習環境づくりの推進

企業や地域人材(学生、シニア等)、学校(パソコン教室)等のリソースを活用した学 習機会の提供を推進し、地域におけるIoTイノベーション*の創出を図る。

(4)オープンデータ*の推進(重点プロジェクト)

事業者等の利益や区民の安全が害されることがないようにしつつ、公益事業分野での 利活用をすすめるため、オープンデータ*推進に関する方針を策定し、北区が保有するデ ータのオープンデータ*化を推進する。

■2次利用可能な形式のオープンデータ*推進(広報課、区民情報課、各課)

(5)観光客等向けICT*整備

観光客等向けの対応として、区が保有するデータを観光客等向けのサービスを提供す る事業者が活用できるようオープンデータ*の提供を推進する。

(30)

27

(6)児童・生徒に対するICT教育*充実

インターネットなどからの情報の取得方法や活用方法について、利用時の注意事項や

情報モラル*も含めて学習する機会を充実させていくとともに、プログラミング教育等の ICT教育*の充実を推進する。

Ⅷ 庁内における情報、情報機器等の有効活用(目標8)

(1)新しい情報機器や技術を活用した業務の高度化

新しい情報システムや技術の活用や整備については、特にセキュリティを考慮して安 全性や機密性に考慮しながら、業務効率性や費用対効果を高める。

(2)職員のICT*活用力向上

区では、ICT*にかかわる職員について、外部研修や内部研修等を通じ、情報化人材 の育成や、セキュリティに関する知識の醸成を行ってきた。特に、近年はマイナンバー 制度の施行や、国による技術的な助言であるセキュリティ強靭化対策等の動向を踏まえ た対応を行ってきた。今後も、急速なICT*技術の進展や情報セキュリティへの脅威に 対応すべく、多様な取組みを通じて目標の見える化を行い、知識や技術の醸成に努める。

(3)地図情報の有効活用

行政事務の効率化、新たなサービスの創出等に向けて活用される、基盤地図情報など の情報インフラの速やかな更新に資するため、すでに関係課において利活用しているG IS*について、保有データやその活用方法の拡大などの検討を進め、さらなる利活用を 推進する。

(4)シティスタット*基盤の導入検討

区が持っている業務データ等を積極的に活用し、データの利活用を通じて施策の評価 や検証、企画立案やPRにつなげる「シティスタット*基盤」の構築に向けた検討を目指 す。

(31)

28

重点プロジェクト

この計画では、取り組みの必要性が高いと考える施策を「重点プロジェクト」として定め た。具体的には、次のとおりである。

目標Ⅰ:ICT*を活用した行政サ ービスの高度化

・マイナンバーカード*を活用した窓口サービスの向 上

・マイナポータルによるワンストップサービスの活用

・電子納付の拡充 目標Ⅲ:災害時等における情報サ

ービスの提供

・災害時の多様な手段による情報発信

・災害時の被災者支援などのためのICT*整備運用 目標Ⅴ:情報資産を守る対策の強

・災害に強い情報システムの整備

・情報セキュリティマネジメントの推進 目標Ⅵ:先進技術を活用した高度

で効率的な情報システムの整備

・学校ICT*環境の整備

・働き方の変革に合わせたBPR*の推進を目的とす るシステム化の検討

目標Ⅶ:地域コミュニティ活性化

へのICT*活用 ・オープンデータ*の推進

(32)

29

(目標Ⅰ)ICT*を活用した行政サービスの高度化

●施策名 マイナンバーカード*を活用した行政サービスの向上

・概 要 マイナンバーカード*のさらなる活用方法を検討し、手続きの簡素化や業務 の効率化を進め、区民の利便性向上に向けて、便利で効率的な窓口サービスの あり方について検討を行う。

・スケジュール

R2 R3 R4 R5 R6 窓 口サー ビスのあ り

方検討・実施

・主な担当部署 関係課

●施策名 マイナポータルによるワンストップサービス*の活用

・概 要 マイナンバーカード*の機能の一つである政府が運営するオンラインサービ スのマイナポータルを、行政手続きのワンストップサービス*に活用する。令 和元年6月から、子育てワンストップサービス*(ぴったりサービス)を活用 し児童手当の電子申請による受付を開始した。

今後、導入に際しての課題について、他自治体の取り組み等を参考に検討の上、

導入可能な申請手続から順次準備を進めていく。

・スケジュール

R2 R3 R4 R5 R6 子育てワンストップサ

ービス*実施

介護ワンストップサー ビス*検討

導入可能な申請手続き の検討・準備・実施

・主な担当部署 子ども未来課、介護保険課、関係課

(33)

30

●施策名 電子納付の拡充

・概 要 特別区民税等の納付方法には、区や金融機関の窓口、コンビニエンスストア などで支払う方法、金融機関での口座振替による方法などがあるが、身近で容 易な収納方法の提供を推進し電子納付を拡充するため、新たな納付方法につ いて費用対効果を考量しながら、実現を検討する。

・スケジュール

・主な担当部署 収納推進課

(目標Ⅲ)災害時等における情報サービスの提供

●施策名 災害時の多様な手段による情報伝達

・概 要 災害時において、区から区民へ迅速に的確で適切な情報を伝えるために、ホ ームページだけでなく、さまざまな手段を活用した情報発信を実現する。地域 BWA*の活用も検討し、通信環境の整備に取り組む。

ホームページ、防災気象情報メール配信サービス、SNS*など区民に直接 情報発信する手法だけでなく、避難所及び町会・自治会などの関係者、帰宅困 難者なども対象に、いつ・誰に・どのような情報を伝えるべきか、技術革新に 対応した多様な手段の検討を進めていく。

また、現在実施している防災訓練において、災害情報発信に関する訓練も、

区民や関係機関などと協力して実施する。

・スケジュール

・主な担当部署 防災課

R2 R3 R4 R5 R6 新たな納付方法の検

討・導入

R2 R3 R4 R5 R6 地域BWA*活用検

技術革新に対応した 災害時情報発信の検 討

訓練の実施

(34)

31

●施策名 災害時の被災者支援などのためのICT*整備運用

・概 要 災害時に被害状況を把握し、被災者の迅速な生活支援を図るために、り災証 明書を発行できる被災者生活再建支援システムを導入し、災害発生時におけ る被災者支援業務の標準化及び電子化を図っている。り災証明書の発行が適 切に実施できるよう、平常時から発行手順の習熟のための訓練などを行う。ま た、備蓄物資の管理供給のためのICT*利用を検討する。

・スケジュール

・主な担当部署 戸籍住民課、防災課

(目標Ⅴ)情報資産を守る対策の強化

●施策名 災害に強い情報システムの整備

・概 要 地震、ゲリラ豪雨等の災害や突然の停電からデータを保護し、機器故障時 でも早急な復旧を実現できるようシステムサーバをデータセンター*へ移設 することを検討する。

・スケジュール

・主な担当部署 区民情報課

●施策名 情報セキュリティマネジメント*の推進

・概 要 区が保有する情報及び情報を取り扱う環境の機密性、完全性及び可用性を 確保維持する統一的かつ基本的な方針である「北区情報セキュリティポリシ ー*」について、ICT*技術の急速な進展や業務運営状況の変化に合わせて見 直しを行う。

・スケジュール

・主な担当部署 区民情報課

R2 R3 R4 R5 R6 適切なシステムの運

用訓練

備蓄物資の管理供給 のためのICT*利 用の検討

R2 R3 R4 R5 R6 データセンター*

利用検討

R2 R3 R4 R5 R6 情報セキュリティポ

リシー*の見直し 検 討・改定

参照

関連したドキュメント

国民の「知る自由」を保障し、

テキストマイニング は,大量の構 造化されていないテキスト情報を様々な観点から

「基本計画 2020(案) 」では、健康づくり施策の達 成を図る指標を 65

また、同法第 13 条第 2 項の規定に基づく、本計画は、 「北区一般廃棄物処理基本計画 2020」や「北区食育推進計画」、

基本目標4 基本計画推 進 のための区政 運営.

Google マップ上で誰もがその情報を閲覧することが可能となる。Google マイマップは、Google マップの情報を基に作成されるため、Google

・本計画は都市計画に関する基本的な方 針を定めるもので、各事業の具体的な

脅威検出 悪意のある操作や不正な動作を継続的にモニタリングす る脅威検出サービスを導入しています。アカウント侵害の