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自律的な働き方で「生きる力」の実現

③元気

×

LIFE

村田 弘美

㈱リクルートワークス研究所

 主任研究員  

可能性にあふれた 社会の実現 ⑨ 「新たな 経営手段」 による競争力強化 ⑥ 自律的な働き方で 「生きる力」の実現 ③ 元気 災害・過疎化・環境 課題への挑戦 ⑦ 事業継続性 の確保 ④ 育児・介護ニーズ を 充足した豊かな生活 ① 安心 ICT活用と事業創造に よる地域活性化 ⑧ ネットワーク知に よる新価値の創出 ⑤ 多様な交流を通じた 知性と感性の充実 ② 知恵 SOCIETY WORK LIFE 可能性にあふれた 社会の実現 ⑨ 「新たな 経営手段」 による競争力強化 ⑥ 自律的な働き方で 「生きる力」の実現 ③ 元気 災害・過疎化・環境 課題への挑戦 ⑦ 事業継続性 の確保 ④ 育児・介護ニーズ を 充足した豊かな生活 ① 安心 ICT活用と事業創造に よる地域活性化 ⑧ ネットワーク知に よる新価値の創出 ⑤ 多様な交流を通じた 知性と感性の充実 ② 知恵 SOCIETY WORK LIFE

(2)

・ 21世紀に相応しい自律な働き方の実現は高付加価値

の創造へとつながる。

・ 個々のプレゼンスを高めることで、社会全体で個人知の

共有が可能となる。組織と個人という単一的な関係性を

超えて、時間や場所を問わず、世界の人材がICTでフラッ

トにつながり、豊富な社会経験や最先端の知識を持つ個

人と最適なタスクフォースが組むことができる。

自律的な働き方で「生きる力」の実現

③元気×LIFE

③元気×LIFE

・ 個人の働きかたは変化したが、社会制度や慣行は正社

員中心の固定的・一律的な20世紀のままである。

・ 個人視点での社会制度の見直しや意識の改革、新たな

コミュニティの形成が必要である。組織を超えて、社会全

体で個人知をサポート、共有できる仕組みが必要。

現状の課題

テレワーク2.0を実現すると

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【Future Work】 世界における働き方の展望:

就業人口の2割がテレワーカーの国

テレワーカー比率 オランダ 26.4% アメリカ 24.6% フィンランド 21.8% デンマーク 21.5% 在宅勤務比率 オランダ 20.6% デンマーク 17.8% アメリカ 17.3% フィンランド 15.7% ・近年、世界の雇用政策のトレンドは、フレキシビリティ (Flexibility) とセキュリティ(Security)、つまり労働 市場の柔軟性と雇用の確保の両立とを目標とした施策である。特にオランダや北欧など、あらゆるタイプの 労働者が参加できる社会システムである。前者の雇用のフレキシビリティでは、イギリスのフレキシブルワー キング法をはじめとして、20世紀の固定的な働き方からフレキシブルな働き方への転換が図られている。 ・日本は2010年にテレワーカー比率2割を目標としているが、欧米では、オランダ26.4%、アメリカ24.6%、 フィンランド21.8%、デンマーク21.5%と既にテレワーカーの比率が2割を超えている国がある(図表1)。   また、在宅勤務の比率では、オランダでは2割を超えており(図表2)、テレワーク先進国では週2日はテレワー ク(eWork)を実施するなど、ICTを活用した雇用と成長が実現している。 図表1 テレワーカー比率が2割を超える国 図表2 在宅勤務比率の高い国 テレワーク先進国の例(テレワーカー比率) 出所:テレワーク白書2007 出所:テレワーク白書2007 自律的な働き方で「生きる力」の実現 ③元気×LIFE ③元気×LIFE

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・米フォーチュントップ100社のうち、82社がテレワークを許可しており、少なくとも就業時間の2割を自宅の オフィスなどで行っている(図表3)。全て在宅勤務というよりも、個人の裁量で、必要に応じてフレキシブル に働く場所を変えるなど複合型のテレワークが多い。 図表3 テレワーカー比率の高い企業(米国の例) ベスト企業 ランキング (2007) 定期的な テレコミューター の割合(%) シスコシステム 11位 90 ベイン 45位 76 アストラゼネカ 71位 75 ブライトホライズン 92位 60 ジェネテック 2位 57 ポースアレンハミルトン 63位 54 キャピタルワン 84位 35 SCジョンソン 7位 34 アメリカフェデリティ 47位 26 クアルコム 14位 20 テレワーク先進国の例(米国企業のテレワーク導入) 自律的な働き方で「生きる力」の実現 ③元気 LIFE ③元気 LIFE

米フォーチュントップ100社のうち、

82社がテレワークを許可

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5 顧客の事務所 24.6 車の中 24.0 カフェまたはレストラン 20.2 ホテル 17.8 駐車場など野外 11.5 飛行機、電車、地下鉄内 10.6 空港、鉄道駅構内、地下鉄駅構内 9.1 (単位:百万人) ・テレワーク・トレンドラインズ2006の調査報告(※注1)によると、アメリカでは、雇用主がテレワークを許可 する従業員を増やす傾向にあり、 従業員側も制度を利用する頻度が増えている。 ・自宅を仕事の拠点とするが、ワイヤレス機器を使用し自宅以外の場所でテレワークする人も増加するなど、 働く場所も複合化しているという。

※注1(WorldatWork2006Telework TrendlinesTM commissioned from The DieringerResearch Group) 図表4  先月、働いていた場所は? テレワーク先進国の例(米:働く場の広がり) 自律的な働き方で「生きる力」の実現 ③元気×LIFE ③元気×LIFE

米企業はテレワークを推進する傾向

働く場所も複合化

(6)

<英国政府によるテレワーク支援> 1.フレキシブル・ワーキング法の導入 (2002年雇用法 2003年4月施行)  6歳未満の子供または18歳未満の障害のある子供の親に対する柔軟な働き方を申請する権利の付与、  最長2週間の有給の父親休暇といった施策が設けられた。企業は従業員の要求を受ける義務はないが、  検討して回答する義務が生じ、拒否する場合は文書でその理由を説明する必要がある。英国におけるフ  レキシブル・ワークは働く時間にフォーカスした制度、働く場所にフォーカスした制度、休暇(ブレイク)に  フォーカスした制度の3つを指す。 2.在宅勤務者のための優遇税制 (2008年4月6日)   従業員の在宅勤務により、自宅で発生した電気代等の経費を雇用主が補てん  する際に、3ドル/週の税額控除が認められる。また国民保険拠出の対象外と  なる。 テレワーク先進国の例(欧州のテレワーク推進策) ・欧州では、2002年6月にテレワークに関する枠組み合意書が労使間で取り交わされ、この中で個人の働 き方に関しても雇用条件などの均等や、プライバシー保護、パフォーマンスの確保、安全衛生や訓練、リス クヘッジなどの規定がされている。また、各国により法制度は異なるが、フレキシブルワークの推進策がとら れている。例えば、イギリスでは未就学児あるいは障害児を持つ従業員が雇用者に対しフレキシブルワーク を要求する権利を新たに法律として制定した。これは労使間の交渉により職場でのフレキシブルワークを増 加させることを目的としたものである。また、在宅勤務者のための優遇税制なども設けている。 自律的な働き方で「生きる力」の実現

テレワーク関連制度の整備に積極的な欧州

(7)

7

諸外国の例にあるように、

日本においても自律的な働き方で「生きる力」の実現のためには、

1.テレワーカーの取扱いについてのガイドラインの作成

 

 

雇用契約締結の際に、オフィス勤務の労働者との差別や不平等な取扱いをしない 

      

  こととする。

2.テレワーカーの統計的把握(人数・労働時間・報酬・休暇)や働き方の実態の分析。

 

      

  

実態に基づいた検証と最低限のワークルール、個人を支援するための対策づくりが

  急務である。

3.テレコミュート・コンサルタントの導入 

       

        

  

専門家による技術的支援や働き方のアドバイスなど、第三者によるサポートを行う

  場合にかかる費用の一部について一定期間(5年間)税額控除を行う。

など

個人を支援する施策が必要である

テレワーク推進施策(個人向け) 自律的な働き方で「生きる力」の実現

日本でも、求められる施策整備の強化

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・また、欧米には個人を支援するさまざまな人のつながりや機能、ビジネス・サービスが存在する。 フリーランサーを支援する協会や団体に加えて、専門職に特化した支援もあり、多彩なサービスを受けるこ とも可能である。 ・図表5は、ビジネス・サービスの一例を簡略図にしたものであるが、政策の立案や法改正のためのロビィ活 動、損害保険や医療保険などの社会保険の団体加入、自己啓発のための教育プログラムの導入、法律相 談、税金や経理上の相談、コンピュータや資材の共同購入やクレジットカードの信用保証などサポート内容 は多岐にわたる。会員から年会費を徴収して包括的に運営するもの、ネット会員向けのもの、簡易で無料 のものなどもある。  専門職向けのものは、企業との契約書の交わし方や所得申告の方法、業界やその職種に限った範囲の ニュースやトレンドなどのニュース配信、会員向けの仕事の紹介、専門的な教育訓練などがあり、個人をサ ポートする下地が整っているといえる。  また、企業に属さずに仕事をする、もしくは複数の仕事を持つ人のために、オンラインによる顧客企業へ の請求書の発送や売掛管理といったファクタリングや納税の代行、法律アドバイス、事務サポートなどのバッ クオフィスサービスも充実している。業界や職種単位で必要なサービスは異なるため、テレワーカー個々への 支援を検討する必要があるだろう。 図表5 働く個人を支援するさまざまなサービス 政策の立案、 ロビィ活動 プロジェクト単位の 仕事のマッチング サイト 包括サービス 法律・税制・保険 物品購入、 信用保証等 プロジェクトを 請け負うための オークションサイト パーソナル サービス フリーランサー向け の仕事情報 メールマガジン バックオフィス サービス ファクタリング、 事務代行等 バーチャルな プロジェクトチームで 仕事を請け負う ジョブサイト 教育訓練 テレワーク先進国の例(欧米:コミュニティによる支援策) 自律的な働き方で「生きる力」の実現

注目されるコミュニティによる支援策1

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9 図表6 Pricing&Ethical Guideline   <グラフィック・アーティスト・ギルド(米国)> ・グラフィック・アーティスト個人の経済的な権利保護や、業界全体の基準を高 めることを目的に設立された。                 ・法律や著作権問題、報酬の未払いなど、個人に係る問題の 解決を行う。 ・毎年、「Pricing&Ethical Guideline」を発行し、個人の作品の「報酬額」を公 表している。個人と企業の個別の契約内容についての情報を公表することで、 作品の「質」と「報酬」との相場形成に寄与している。また業界の市場の状況 や、慣例なども掲載している。               テレワーク先進国の例(米:コミュニティによる支援策) ・ホワイトカラーの仕事は可視化しにくいが、ICTの進化により仕事の場は形を変え、仕事場イコールPCのデ スクトップ上となってきた。職業の違いはあるが、PCに向かって仕事をする人がほとんどで、一見しただけで は何の職業に就いているか分からないかも知れない。しかし、ICTを通じて仕事をすることにより、履歴によ る行動を把握したり、成果物を共有する、つまり可視化が可能となった。 ・米グラフィック・アーティスト・ギルドは、仕事の価値基準を明確にするために、成果に価格をつけてスタン ダード化をしている。労働時間というモノサシだけでなく、あくまでもその成果に対し納得のいく価格を公開 することで、ニューヨークにおけるアーティストの成果の相場形成をはかることに成功した。これによりアーティ ストのモチベーションが向上した。 自律的な働き方で「生きる力」の実現

注目されるコミュニティによる支援策2

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 2008年に米国でユーザーが多く利用したウェブサイトは、①サーチ・ポータル、②ソーシャルネットワーク、

③ブログ、④VIDEOなどに分類される(図表7) 。テクノロジーの進化により、個人をとりまく環境も変化し

ている。日本には独自のサイトもあるが、欧米に少し遅れて同じような流れをたどっている。

SEARCH/PORTAL SOCIAL NETWORKS BLOG/CONNECT VIDEO

Yahoo! Google msn 図表7 米国の代表的なウェブサイト myspace facebook Orkut Wikipedia Blogger YouTube  近年、人と人とのつながりを重視した多彩なSNSが増加している。地域、学校、仕事を軸にしたグループ は多数存在する。登録数は、マイスペースとフェイスブックをあわせると3億人以上である。代表的なSNSの 1日あたりの新規登録は55万人を超える(図表8)。日本では匿名がほとんどだが、他国では実名登録が中 心なのが特徴といえる。また、複数のSNS利用者が、現在何をしているかをウォッチし孤独感を解消するネッ トワークサイト(Twitter)などもあり、新しいテクノロジーの活用によって、ワークスタイルを日々進化させるこ とも可能となるだろう。グーグルの社員が自社の20%ルール(労働時間の2割は自由時間に充てられる)を 活用して立ち上げたというOrKutも人気のあるサイトである。 図表8 世界の代表的なソーシャルネットワーク

myspace Facebook Linkedin

登録者数 2億人以上 1億人以上 2,500万人以上 月間ユニークビジター数(世界) 1億1,700万人 1億3,200万人 1、000万人 新規登録者数/1日あたり 27万人 25万人 3.5万人 テレワーク先進国の例(米:SNSの概要) 自律的な働き方で「生きる力」の実現

米国では多彩なSNSが登場

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11 欧米を中心とした他国では、個人がIDをオープン化することで、ビジネス上の連携や幅広いパートナーとの 結びつきを強めている。ビジネス向けSNSのLinkedinの例をみると、「信頼性」をベースに「仕事に役立つ人 脈づくり」を拡大している。個人の能力の限界を企業を超えたSNSのネットワークにより、世界の知を味方に してスピーディに補うことを可能としている。               日本には名刺交換の文化がある。長い歳月で築いたビジネスの信頼の基盤で、問題解決していく方法を ネット上に置き換えることは難しくはないはずである。 また、SNS以外にも、企業内個人だけでなく、個人が参加できる学会や職種ベースの協会の設置など、企業 を超えた職業人としての個人を高めるしかけや実験を考えていくべきである。 図表9 Linkedinのウェブサイト <Linkedin> zLinkedinは150カ国3,100万人が登録し活動するSNSである。 z信頼関係にある人々が招待しあうことで、世界規模でのビジネスのネットワークを拡げ、2006年から08 年11月までに300%の高成長を遂げた。登録ユーザーの9割が大卒、年収は750万-1000万円クラスが 32%を占める。高レベルのプロが中心で上級管理職も登録している。              zユーザーの半数は米国人だが、180種以上の産業やあらゆる職業を持つ人が参加、ビジネス知識や人脈 を共有している。ここで適切な回答を得ることや、新規のプロジェクトや商品開発への協力や参加など、個 人間の人材パイプラインをつくれるのが魅力だという。  テレワーク先進国の例(米:ビジネス版SNS) 自律的な働き方で「生きる力」の実現

ビジネス版SNSも注目

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個々のワークスタイルが発展を遂げ、プレゼンスを高めることで、社会全体で個人知の共有が可能となる。 組織と個人という単一的な関係性を超えて、時間や場所を問わず、世界の人材がICTでフラットにつながり、 豊富な社会経験や最先端の知識を持つ個人と最適なタスクフォースを組むことができる。21世紀に相応し い自律的な働き方の実現は高付加価値の創造へとつながる。 個人向けSNSの活用 職業別団体の組織化 正社員中心の制度設計から テレワークを考慮した ワークルールの作成 個人向けのテレコミュート・ コンサルタントの導入と 一部費用の税額控除 差別や不平等な扱いの排除 テレワーカーの統計的把握と 働き方の実態の把握 実態に合った ワークルールや政策支援を 自律的な働き方で「生きる力」の実現 ③元気×LIFE ③元気×LIFE

21世紀に相応しい自律的な働き方は

       高付加価値の創造に

参照

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