修 士 論 文
拡張色空間法による二次元カラー コードの色認識に関する研究
平成 2 2 年度修了
三重大学大学院工学研究科 博士前期課程情報工学専攻
清 水 拓 磨
はじめに
近年,携帯電話の普及により,それを用いたインターネットの利用などからどこにいて も情報を手に入れることができる時代となっている.またそれに伴い,
QRコードと呼ば れる
2次元バーコードが,ウェブサイトや広告紙面上など様々な媒体で利用されている.
QR
コードにはテキストデータだけでなく画像や音声といったバイナリデータも埋め込む ことができるが,データ量が限られているため,コード化できるのは
webページの
URLや、アドレス程度である.これは現在普及している
QRコードが白黒
2値画像であるた めで,情報量の少なさ以外にもコードの見た目が悪いといった問題もある.これらの問題 を改善すべく,二次元バーコードカラー化への取り組みが成されており,コード化できる 情報量の増加による様々な用途の利用に期待ができる.単純に比較すると,基本となるブ ロックを白と黒の
2色で表現する場合に比べて,
4色なら
2倍 ,
8色なら
3倍の情報量を もつことになる.さらに色数を増やすことができれば,よりいっそうの情報量増加が期待 できる. しかし,
2次元バーコードのカラー化を実現するためには,正確な色認識が必要 不可欠である.
現在提案されている
2次元カラーコードは, 4~8 色程度しか利用しておらず,情報量 の増加は僅かである.その理由として,二次元カラーコードを紙媒体に印刷すると,印刷 機やインクによる色の違い,あるいは色の経年変化が避けられない.ディスプレイ表示の 場合でも,表示デ、パイスごとに色が変化する.また印刷されたコードを携帯電話のカメラ で撮影する際に,そのカメラの特性や撮影条件によってもさらに色が変化してしまう.そ のため,思いのほか色の自動認識は困難である.
本研究の目的は,印刷やカメラの特性,撮影条件の影響を受けにくく,より多くの色を 識別できる色認識手法を提案する.
提案手法の基本的アイデアは,コード色と一緒に見本色を印刷・撮影し,見本色とコー ドの相違度を色空間上のユークリッド距離によって比較することで色認識を行う.これに より,印刷機,撮影デ、バイス,撮影条件により色が変化しても,見本色とコードは同じよ うに色が変化するため,個々のデ、パイスの特性を意識することなく,色変化にロバストな 色認識が可能である.さらに,見本色の数を削減することで,コード領域の拡大、デザイ
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はじめに
ン性の向上を図る.しかし,見本色の削減により,見本色とコードの比較が行えなくな る.そこで,削減した見本色を再生成し,その見本色とコードを比較することで色認識を 行う見本色生成手法を提案し,実験の結果その手法の有効性が示された.本研究ではさら に,見本色と一つのコード色から見本色を再生成させることなく,直接色の認識を行う拡 張色空間法を提案し,ニューラルネットワーク,
SVM,最近傍法の
3つの分類器でその性 能の比較検討を行う.更に撮影時の照明条件等の影響を少なくするため,色空間の補正を 行う.
8
色の見本付きカラーコード画像を,インクジェットプリンタによって印刷し,携帯電 話のカメラで撮影した画像
150枚を,
3分割交差検定法により実験を行った結果,ニュー ラルネットワークによる手法では
97.45% ,
SVMによる手法では
98.86% 、
k近傍法で は
98.24%の認識率が得られた.また,さらに見本色を削減し
4色の見本色で、実験を行っ た結果,ニューラルネットワークでは
97.34% 、
SVMでは
98.32% 、
k近傍法では
98.34%の結果を得られた.この結果から,
64色のカラーコード画像に対し,コードのデザイン 性,情報量の向上も含め,色変化にロバストな色認識が可能となり,見本色生成手法と比 較しでも高い認識率を示し,この手法の有効性が確認できた.また、見本色を削減し,
4色の場合においても高い認識率を示したことから,
64色の色認識において
4色の見本色 でも色認識が可能であることが確認できた.今後の課題としては,様々のカメラでの有効 性の検討,認識可能色数の増加,コード読み取りからコード復元までを含めたシステムの 開発などが挙げられる.
本論文の構成は以下の通りである.
第
1章では,研究の背景と目的,第
2章では,色認識の問題点,色認識手法に関する 基本的アイデアについて述べる.第
3章では,拡張色空間手法について述べ,ニューラル ネットワーク,
SVM,
k近傍法による手法の比較実験を行い,その結果と考察を述べる.
そして第
4章で,本研究で得られた成果をまとめ 今後の課題を述べる.
II
III
目次
はじめに
第 1章 序 論
本研究の背景
4 l s 1
司 ん 司
3
1 .
11 . 2
1 .
3研 究 目 的 .
現在,実用されているカラーコード
第2 章
2 . 1
色認識手法のアイデア
色認識における問題. .
•.
•. . .
8
8
2 . 2 見本色とのマッチングによる色認識. .
•. .
• •. .
•. .
• • • • • • •.. 9 2 . 3 見本色補間法による色認識. .
•.
• • • •.
• • • • • • •.
• •.
• •. .
.•1 0
第
3 章 拡張色空間法 1 2
3.1
色空間補正.
•. . . .
• • • •.
• •. .
•. .
•. . .
• • •. .
• •.
• •.
.•1 2 3 . 2 認 識 .
• • •.
• • •.
•.
•.
• •.
• • • • •.
• • • •. . .
• •.
• •.
• ••1 4
3.3評 価 実 験 .
• • • •.
•. .
•.
•. .
•.
• • • • • •. . .
• • • • • •.
• • •. 15 3. 4 実 験 結 果 と 考 察 . . .
• • • • • • •. .
•.
•. . .
• • • •. . .
•.
• •. ..
17第
4 章
むすび2 1
4 . 1 ま と め .
•.
• • •.
• • • • • • •. .
• • •.
• •.
•. . . .
•. .
•. . .
••2 1 4 . 2 今後の課題. .
• • • • • •. . . . .
• • • • •.
• • •.
•.
• • • • •. .
• ••2 2
付録
A実験データとプログラム 23
A.
l研究用データファイルの説明. .
•. . . . .
•. . .
• • •.
• • • • • •.
••2 3
A. 2 実験データの保存場所
• • •. .
•. .
•. .
• •. .
• • • • • • • • • •. .. 2 4
A.
3プレゼンテーション.
• • •.
•. .
• • •.
• • •. .
• • • • • • • • • • • •.2 4
謝 辞
2 5
三 季 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第 1 章
序論
1 . 1 本研究の背景
近年,情報化社会において新たな技術が次々と目覚ましい発展を遂げている.この結 果,人々のライフスタイルやワークスタイノレの変化に合わせて,誰もがいつでもどこでも 利用できるサービスが求められている.その中で携帯電話が急速に普及し,それ一台で音 楽が聴け,本が読め,テレビが見られ,ゲームができるようにもなり,インターネットの 利用も可能となっている.その中でカメラ付き携帯電話の普及に伴い,カメラで撮影する ことで情報を入手できる,
QRコードと呼ばれる
2次元バーコード(単体で最大
2,
953バ イトまでの情報を持たせることが可能であり,最大
4,
296文字,漢字,全角カナの場合は 最大
1,
817文字の情報を格納でき,
30%のデータが欠損しても大丈夫なエラー訂正機能を 持ち,切り出しシンボルによる傾き補王が可能である)が,多くのウェブサイトや広告紙 面上に掲載され,利用されている.バーコードのように横一方向にしか情報を持たない
1次元コードに対し,
QRコードは縦横二方向に情報を持つため情報量が飛躍的に増加した.
QR コードの応用例としては, Web ページの URL 情報を埋め込んで携帯電話から Web
ページに容易にアクセスできるようにしたり,個人の名前やメールアドレスなどを格納し た
QRコードを名詞に印刷して用いられたり,携帯電話の地図ページにアクセスする地図
QR ,音楽データをコード化した着信メロディー QR がある.しかし,現在普及している
QR コードは,白黒 2 値画像であるため,埋め込める情報量に限界ある.また,見た目の 悪さといった問題点もある.そこでこれらを改善すべく,
2次元バーコードのカラー化へ の取り組みが成されている.
2
次元カラーバーコードは,韓国のカラージップメディア社が開発したコードであり,
赤・青・緑・黒の
4色の認識が可能なコードである.カラーコードは,色の組み合わせで 構成されるため,布や球面,立体物等,平らではない媒体にも搭載でき,コード自体には 必要最低限の情報しか含まないため,低解像度のカメラ付き携帯電話機でも認識でき、大
1
1.
2 研究目的
きなコードを遠方から認識できる等,これまでにない新しい利用方法が期待される.更 に,デザインを加えることができるため,イラスト的なコードを作成することも可能とな る. しかし,現在色を用いたコードによって記憶容量を増加させる試みが,し、くつか提案 されているが,
Microsoft社の
HighCapacity Color Code Barcodeをはじめ,どれも利用 する色数は
4‑‑‑‑‑‑8色となっている.これは,色がディスプレイや印刷機やカメラの特性,
撮影条件の影響により,容易に変化してしまうため、多くの色をし、かなる状況でも同じよ うに色認識することが難しし、からである.しかし,
2次元カラーコードの特徴を最大限に 生かすためには,更なる色数の認識が必要で、ある.
より多くの色の正確な認識が可能となれば,情報量の増加により,テキストだけでな く,画像,音声,動画像などのデータを保持することも可能になり,またデザイン性の向 上による,様々なバリエーションでの
QRコードの作成が可能になると考えられる.色情 報は物体の認識を行うための有用な手掛かりとなるため 色認識技術の実現は他様々な場 面においても今後応用できると考えられる.
1 . 2 研究目的
2
次元カラーバーコードを実装するとき 以下の問題が避けられない.
‑コードを紙媒体に印刷する際の印刷機やインクによる色の変化
・コードがディスプレイ表示の際,表示デ、パイスによる色の変化
・印刷物を撮影する際のカメラの特性や撮影条件による色の変化
本研究の目的は,し、かなる状況下においてもディスプレイ,印刷機やカメラの特性,撮 影条件の影響を受けにくく,より多くの色を識別できる色認識手法を提案し,より多くの 色認識を実現することである.本研究では,実際に携帯電話に搭載されたカメラによって 撮影した画像を用いて色認識精度の評価を行う.
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
2
1.3 現在,実用されているカラーコード
1 . 3 現在,実用されているカラーコード
カラーコードは韓国で開発された次世代型コードであり,携帯電話やPDAを使ってカ ラーコードを読み取ることで,音楽や画像,各種データをダウ
ンロードすることが可能と
なる.従来の
QRコードとは異なり,至近距離,単一なデザインである必要がなく,あら やる媒体から情報を読み取ることを可能としたものであり,現在も各種様々なカラーコードが提案されている
.
白
0門・ 門
I. ‑ J ・ ‑‑ " m m "a. 1 ・
C
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有 一 菅 直 l
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一 目。 み 3 伶 r I
e e 卜 守 h
~園 時]
園口
図1.1:現在各種提案されているカラーコード
3
1.3
現在,実用されているカラーコード
1 . 3 . 1 H i g h C a p a c i t y C o l o r B a r C o d e ( M i c r o s o f t )
High Capacity Color BarCode(HCCB)
は
Microsoftの研究部門が,映画やビデオゲーム,
テレビ番組などの商業映像作品を識別するために開発したもので,国際標準視聴覚資料番
号(ISAN‑IA)によってライセンス供与された.
コンテンツ製作会社は,
HCCBでコンテンツを追跡してロイヤルティー徴収や偽造防止,市場分析に役立てられている.消費者は同技術によりレーティングやベアレンタルコ
ントロール,プロモーションなどの追加情報を得られる.
? 忌 ヤ : 現
匹、岨 ロ 且 軍
図
1.2:High Capacity Color BarCode(Microsoft)三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
4
1.3 現在,実用されているカラ
ーコー
ド1 . 3 . 2 カメレオンコード ( S H I FT )
カメレオンコードは シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック・レッド・プ、ルー・グリー ン・オレンジの8色で構成された認識環境により変化する 2次元カラーバーコードであ り,データ量と認識環境・情報量・認識ハード等様々な条件に応じ,最適なカメレオン コードをセレクトし,最良の認識環境構築することを可能とする. ["カメレオン」の名の 通り,コードを使用する状況に応じて最適な形に姿を変え,悪環境下では4色,良環境で は8色まで対応が可能であり,情報量に関しては,枚数を増やすことにより無限大の情報 量が確保可能となる.
1
行
x4.刻印ーコ.
関 e 万 5 干 J C 9 ー コ
1 1 1 1 1
i ! I I
2
行
x5色
・ 大 J C 9 ーコ.
問 1 5 2 5 橿 J C 9 ー コ
4
行
x5色 量規~c.gーコ融 問
2抱 壊
ICgー コ
図
1.3:カメレオ
ンコード(SHIFf
)Z
行
x8色
.AJC9‑ コ .
飽2S 1 ' l J C9 ー コ
3
行
x8色
・ 大 } c .gーコ.
飽 472 構 J C . g ー コ
5
1.3
現在,実用されているカラーコード
1 . 3 . 3 カラーコード ( C o l o r z i p )
カラーコードは,
CCD/CMOSカメラを搭載した機器やインターネットへの接続環境が あれば,カラーコード化された画像を認識できる技術であり,このカラーコードを読み込 めば,その場で音楽や動画,その他のデータをサーバーからダウンロード可能となる.
ゆ 唾 E 開 沼目
:h │
図1.
4:カラーコード
(Colorzip)三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
6
1.3
現在,実用されているカラーコード
1 . 3 . 4 C o l o r C o n s t r u c t C o d e ( c o l o u r c o d e t e c h n o l o g i e s )
Color Construct Code(
略 称 :
Color C CodeまたはCCC)はカラーコードテクノロジーズ株式会社が開発したコードであり,
2008年に発表されている.レッド・グリーン・ブ ノレー・シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック・ホワイトの
8色の色が割り当てられ,そ れらを読み込むことで情報として読みとることができる.ポジショニングマークにより,
コードの天地左右を瞬時に判断できるため,
360度どの角度からでも読みとりが可能であ る.また誤り訂正も付加しであるため,キズや汚れなどにより解析不能なコードを修正・
修復が可能であり,ユーザーは利用用途や,読みとり対象デバイスなどの環境に応じて,
決定することできる.
図
1.5:Color Construct Code(colour code technologies)7
第 2 章
色認識手法のアイデア
本章では,色認識における現状の問題点,色認識における基本アイデア,従来手法につ いて述べる.
2 . 1 色認識における問題
2
次元カラーバーコードを実装するにあたり,コードを紙媒体(フラットメディア)に印 刷する作業が必要となる.この際,印刷機やインクによる色の変化,色の経年変化は避け ることができない.ディスプレイ表示の際も,表示デバイスによって色が変わってしま う.また,コード読み取る際に使用する携帯電話のカメラの特性,撮影条件によっても色 の変化は避けられない.
図
2.1は,計算機上で作成した理想的な
64色カラーコード画像と
RGB空間中での各 色の座標,また基本色が形成する色空間である.これに対し,図
2.2は,印刷されたカ ラーコードを携帯電話もカメラで撮影した画像と
RGB空間上での各色の座標,基本色が 形成する色空間である.基本色が形成する色空間とは,
RGBの
3次元空間中で
K(ブラッ ク ) ,
W(ホワイト),
R(レッド),
G(グリーン),
B(ブノレー),
C(シアン),
M(マゼンダ),
Y(イ エロー)の
8色の座標を頂点とする六面体を言う.
印刷機を通し,携帯電話のカメラで撮影するだけで,両者の色空間が大きく変化するこ とが図を見て分かる.これは印刷機の補正値やインクのムラ,撮影時の照明や,カメラの 向きなどの違いにより簡単に色が変化してしまうのが原因である.
この為,いかなる状況下においても正確に色を認識することは容易ではない.
ミ 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
8
2.2
見本色とのマ ッ チングによる色認識
‑ 園 田 ・ ・ ・
. . . . . . . . 1
凶ue••• • ••••
250• • • • ••• •
200園 • 田 国・ • •••••• ・ ・ ・ ・
115050 00••• • ••••
も•••••••• •••• •• ,
ed 100 今;;;;‑司、 ‑"'" green図
2.1:理想的な
64色カラーコード
~ue
250
200 150 100
50
図
2.2:実際に撮影 し た
64色カラーコー ド
2 . 2 見本色とのマッチングによる色認識
前節でも述べたように,印刷機やカメラ,撮影時の影響による色の変化は色認識を行う にはどうしても避けられない.このため,同じ色が毎回異なって認識されてしまうという 問題も考えられる.
そこで,基本的なアイデアは,コードと一緒に印刷した見本色との比較によって,コー ド色認識をパターン認識の問題に帰結することで、あった.
2次元カラーコードでは,色を 絶対的に認識するのではなく,相対的に区別することができれば情報量を増やせるためで ある.また,色が変化しても見本色とコードは同じように変化するため,デバイス固有の 色変化を意識しなくてもよくなる.図
2.3のようにコード上に見本色となるパレットを用
9
2.3
見本色補間法による色認識
意し,コードと一緒に印刷を行う.各コードと見本色を
RGB空間のユークリッド距離で 比較することによって色認識を行う手法である
[1].この手法で,高い認識率が得られ手 法の有効性が示された.しかし,見本色として多くの色をバーコード中に配置すること は,同一面積のバーコード中の情報量の減少,また見た目の悪さという問題が出てしま
う.そこで,見本色削減する手法が提案される.
図
2.3:64色コードの見本色と評価色
2 . 3 見本色補間法による色認識 2 . 3 . 1 見本色削減
カラーコード上に見本色を配置することで,それとのマッチングにより,色の変化に強 い色認識を行うことができる. しかし,毎回コード上に全ての見本色を並べることは,デ ザイン性,情報の欠落へ繋がる.よってカラーコード上の見本色の数を必要最低限まで減 らし,コード領域を拡大することで,デザイン性,情報量の向上を図る.本研究では,見 本色削減の際, K(ブラック), W(ホワイト), R(レッド), G(グリーン), B(ブルー), C( シ アン),
M(マゼンタ),
Y(イエロー)の
8色を基本色として残す.この
8色は
RGB空間上 の頂点となる色である.図
3.1は,見本色削減の様子を表している.
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10
2.3
見本色補間法による色認識
11•• 『 •• " . . . . . . . •• . . ." ••
• •• • •• ••
•• •• ••••
••• •••••
•• • •••••
•• •••• ••
•• •••••
•••• ・ ・ 圃 ・ •••• ・
FIt‑L
‑・E・・・・・・・・・・・・・・・・E ・・
‑ •••••••• ・・ ・
E・ 面 画
••••••••
•• ••••••
•••• •• ••
•••• •••
•••• •• ••
•• •• ••
図
2.4:見本色削減
2 . 3 . 2 見本色補間
カラー コー ド上の見本色の削減を行うことで,参照用の色見本の数が減るため,正確な 色認識は困難となる.ここで,この削減した見本色をもう一度補間することができれば,
見本色とのマッチングが可能となり,色認識を行うことができる.よって,削減した色を 補間し,再生成し直す必要がある.
そこで山本は,線形補間による見本色生成手法,ニューラルネットワークによる見本色 生成手法の
2つの見本色生成手法を提案した
[2].それを図に示す.ところが,線形補聞 により生成した中間色は本来の中間色とは色調が異なるため,十分な認識率が得られな かった.対して,ニューラノレネットワークを用いた見本色生成手法は高い認識率を得ら れ,その有効性が示されている.本研究ではこれをさらに進め,拡張色空間手法により色 認識を提案する.詳しい詳細は次の章で説明する.
c 今
l・ ・ ・ ・ ・ ・
│8
色の見本色 圃〉
••••••
••••••••
••••••••
••••••••
••••••••
•••• ••••
•• ••••• •
•• •• ••••
2閣官掴
・‑圃・・・・・・・・・圃
8
色の見本色付きカラーコード
h 〉 ミ
8色より補間された見本色
G 圏全
ユークリッド距躍等 入力薗偉から取り出した
64色コード
図
2.5:見本色補間
第 3 章
拡張色空間法
本章では,前章で述べた従来手法からさらに進め,削減した見本色から再生成すること なく色認識を行う拡張色空間法を提案する.拡張色空間とは,見本色とコード
1色から 抽出した特徴ベクトノレのことを本研究では呼んでいる.拡張色空間を学習と評価に用い,
分類器により色を識別し直接認識を行う手法が拡張色空間法である.分類器には,ニュー ラルネットワーク, S V M ( S u p p o r t V e c t o r M a c h i n e ) , k 近傍法の 3 つを用い,それぞれの 性能を実験により比較検討を行う.また,さらなる見本色の削減ということで,
8色と
4色の
2パターンで実験を行い,その結果の比較を行う.拡張色空間は見本色
8色ならば,
(8+1) x 3=27
次元の特徴空間,見本色
4色ならば
(4+1)x 3=15次元の特徴空間になる.
以降では,拡張色空間法のそれぞれの処理の説明をし,評価実験,実験結果から考察につ いて述べる.
3 . 1 色空間補正
前章でも述べたように,携帯電話のカメラでカラーコードの撮影を行う場合,撮影環境 の照明条件,撮影に使用するカメラの解像度,カラーコードの印刷時の色の変化などの影 響を受けて本来とは異なる色が観測される.そこで,前処理として色空間のスケール補正 を行い,撮影画像聞の色調の変動が少なくなるように明度とコントラストを調整する.色 空間のスケール補正で、は,読み込んだ見本色の持つ
R,
G,
Bの各最小値,最大値が
0,
255となるようにして,見本色とコード色の色空間のスケールを近づける.本研究では,
見本色
8色を用いて補正を行う.式
3.1に
RGBの補正式を記し,図
3.1にカラーコード の補正前と補正後の色空間を示す.
三 前 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
1 2
3.1
色空間補正
R'=
G'=
B'
二2 5 5 (R‑R
m川×一一一一
Rmax ‑Rmin
(G ‑
Gmin) X2 5 5
max ‑umin
2 5 5
( B ‑ Bm
川×一一一一
Bmax ‑Bmin
(3.1)
ここで,
R,
G,
Bは観測画像各画素の赤,緑,青の成分を示す.また
Rmax,Rminは すべての見本色中で最大,最小の赤色成分を示す.
Gmαx' Gmin,
Bmax,
Bminも同様で
ある.
blua
250 200 150 100
05~
100,ed 150
200
フ町、一一寸「ー‑‑‑‑w
U 9'田nblue
250 200 150
100
o k
100 r回
図
3.1:補正前と補正後の色空間
13
3.2
認 識
143 . 2 認識
拡張色空間法における認識には,パターン認識に用いられる分類器を用いて行う.予め 分類器に,二次元カラーコードの見本色とコードの特徴を学習させておく.これにより,
分類器の認識できる色空間を拡張させる.学習済みの分類器にコード
1色と見本色を入 力することで,分類器に直接認識を行わせることが可能となる.本研究では,分類器に ニューラルネットワーク,
SVM,
k近傍法をそれぞれ用いて色認識を行う手法を比較・検 討する.図
3.2に拡張色空間法による色認識の流れを示し,それぞれの分類器について以 降で述べる.
-~ 学習部 }一一一一一一一一一一一一1!一一--1 認識部 }一一一、
'前処理 !
ー ・入力画像
見本色S 色の
RGBli直を用いる
! 日 ) 口
基本色
8色
x3(R G B)+評価色
1色
x3 (R G B) ! : . ..~合計
27入力 .‑
....... !!" ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
E九
マ t o r i く
NN)I 吟 1 1 1 ‑ 1
t
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ー・・司圃・・・ー ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ J F
L・・・・‑‑‑‑‑ー‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑ーー 図
3.2:拡 張色空間法 による色認識
3 . 2 . 1 ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークは,人間の脳の神経回路の仕組を模したモデ 、 ルで,コンビュー タに学習能力を持たせることにより,様々な問題を解決するためのアプローチ手法であ る.本研究では見本色
8色の場合は,入力層
27出力層
64の三層 ニューラルネットワ ー
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
3.3
評価実験
ク,見本色
4色の場合は,入力層
15出力層
64の三層ニューラルネットワークを考える.
入力層には,前処理された画像から抽出した拡張色空間である,
27次元,
15次元の特徴 ベクトルを与える.出力層は
1から
64の色をそれぞれ割り当て,学習時には,教師信号 として,正しい色に
1,それ以外に
‑1を与える.学習アルゴリズムには,パックプロパ ゲーション法を用いる.
3 . 2 . 2 S V M ( S u p p o r t V e c t o r M a c h i n e )
SVM
は線形識別関数器の
1つであり,
2つのカテゴリの学習サンプル聞のマージンが 最大になる超平面を求める学習器である.本来は線形識別器であるが,カーネル関数と 組み合わせることによって,学習の容易さを失うこと無く,非線形に容易に拡張できる.
本研究では,ニューラノレネットワークと同じく見本色
8色ならば
27次元,見本色
4色な らば
15次元の特徴量とする.
SVMは
2クラス分類器であるため,
64色を認識するため には
64x
63/2=2016個の
SVMを学習し,評価時には,投票により多数決で認識色を決 める.
3 . 2 . 3 k 近傍法
特徴空間における最も近い訓練例に基づいた統計分類の手法であり,パターン認識で使 われる
1つで、ある.クラスのラベルが付加された訓練事例が与えられたクラス分類では,
分類したい事例から近傍が近い順に
k個の事例を見つける.これら,
k個の事例のうち,
最も多数を占めるクラスに分類する.近傍を選ぶにあたっては,見本色
8色の場合
27次 元,見本色
4色の場合
15次元の特徴ベクトルルをユークリッド距離により求めている.
本研究では,
64色の認識を行うため,
64のクラスに分け分類を行う.分類した時に多数 の票が同数の場合は,その中で最近傍のクラスに分類する.
k=1の時,最近傍法という.
3 . 3 評価実験
提案手法による色認識の精度と安定性を評価するため,評価実験を行う.評価実験は,
64
色の色認識実験において,
64色コードが,正確に分類された色数で評価する.実験に 用いたデータは,
RGBそれぞれ
4階調
(2bit)組み合わせて生成した
64色
(4x
4x
4)カラーコードをインジェクトプリンタで印刷したものを,撮影条件を変えながら特定の 携帯電話のカメラで
1日
50枚ずつ, 日を置いて
3日間撮影した計
150枚の画像を用い る.図
3.1が撮影前,撮影後の写真の例である.本実験で用いたインジェクトプリンタは
PM3300‑C(EPSON製)であり,印刷用紙は
EPSON製のスーパーファイン専用紙を用い る.撮影に用いた携帯電話のカメラは,
auW54T(TOSHIBA製)に搭載されている最大有
15
3.3
評価実験
16効画素数
324万画素
CMOSカメラを用いた
│ 1 . . . . . 1 圃 ‑ u &*el 目
│ 1
. . . . . . 1 l ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 . . . . . . 1 圃 ・ ・ ・ ・
│ 1 . . . . . . 1 l ・ t ‑ ・ I 1 1
│ 1 . . . . . . 1 l ・ t ・ i I 1 1 1 . . . . . . 1 圃 ・ ・ ・ ・
1 1 . . . . . 1 . l ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 . . . . . 1 1 . ・ ・ ・ ・ ・
・
・
・ ・ 】 「
i f lI I I I
コ ー ド 色
( b ) 撮影データ ( a ) 原データ
図
3.3:認識実験用色画像
実験では
3‑分割交差検定法により,平均認識率を求める.以上を踏まえ,ニューラル ネットワーク,
SVM,
k近傍法のそれぞれに対して認識実験を行い,比較検討を行う.そ れぞれに対して以下のパラメーターを変化させて実験を行う.
‑ニューラルネットワーク
一最大学習回数:
1000,
5000,
10000回
一中間層のニューロン数:
10,
20,
30,
40,
50,
60,
70,
80,
90,
100個
• SV
恥 f
一線形カーネル
(Linear),多項式
(Polynomial),非線形
(RBF)・
k近傍法
‑k
i f 直:1 ,
2,
3,
4,
5,
6,
7,
8,
9,
10また,見本色についてもさらに減色を行った状態で色認識が実現できれば,さらなる コード領域の拡大に繋がり,さらなるカラーコードの発展に繋がると考えられることか ら,見本色
8色 ,
4色の
2パターンで実験を行った.どちらにおいても分類器は上で記し たパラメータを用いて実験を行った.
‑見本色 8 色 ( R , G , B , C , M ,
y, K , W)
・見本色
4色
(R,
G,
B,
W)三 竜 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
3
. 4 実験結果と考察
3 . 4 実験結果と考察
評価実験を行った結果,見本色
8色の場合では,ニューラノレネットワークによる手法で は学習回数が 1 0 0 0 0 回で中間層のニューロン数が 1 0 0 個のとき最も高い 9 7 . 7 9 9 , る SVM
による手法では RBF カーネルを用いたときに最も高い 9 8 . 8 3 % , k 近傍法では k = 1 の最近 傍のときに最も高い 9 8 . 4 6 %が得られた.また,見本色 4 色の場合の結果は,ニューラル ネットワークによる手法は学習回数が 1 0 0 0 0 回で中間層のニューロン数が 4 0 個のとき最 も高い 9 7 . 3 2 % , SVM による手法では RBF カーネルを用いたとき最も高い 9 8 . 8 3 % , k 近 傍法は 9 8 . 5 9 9 もとなった.こちらにおいても, SVM が最も高い認識率となった.表 3 . , 1 表
3.2は見本色
8色,見本色
4色のそれぞれの分類器の最高認識率を示した結果で、ある.
また,ニューラルネットワークによる実験結果を表 3 . 3 ,表 3 .4,図 3 .4に示し, SVM の 結果を表 3 . 5 , 3 . 6 に示し, k 近傍方の結果を図 3 . 5 に示す.
この結果から, SVM を用いたときが最も認識率が高く,拡張色空間法として用いた分 類器の中で特に有効性を示す結果となった.また,従来手法である,見本色補間法では ニューラルネットワークによる見本色補間法が最高で 9 8 . 1 3 % という認識結果だ、ったこと から,今回の提案手法である,拡張色空間法の有効性を示すことができた結果となった.
また,見本色
4色の場合においてもそれぞれの分類器で高い認識率を得られた.ニューラ ルネットワークの結果では,見本色が
4色の場合において,学習回数が少なく,かっ中間 層のニューロン数が少ないと認識率が悪くなってしまう.これは,特徴量が
8色に比べて 少ないことが原因として考えられる.しかし,学習回数を多くすることによって,その問 題を補うことが可能であると実験結果から推測できる.さらに学習回数を増やしていくこ とで,より高い認識率を得られる可能性がある. SVM の結果では,線形,多項式,非線 形とどのカーネルを用いても,高い認識率が得られた.見本色も
8色の場合でも,
4色の 場合においても大きな差が見られなかった.
k近傍法の結果では,見本色が
8色 ,
4色ど ちらの場合も k = 1 の最近傍法がもっとも高い認識率となった. k の値を増やしていくこと で認識率が悪くなっていったが,これは選択が広がったことで,違うクラスを選んでしま う可能性を増やしてしまうからだと考えられる.また,
kが偶数のときに認識率が高くな るが,これは多数決で選択するときに一番近い近傍のクラスを選ぶため,結果的に k = 1 の 最近傍に依存するからだと考えられる.
これらの実験結果から,
64色のカラーコード色認識において,拡張色空間法が有効であ ること,見本色を
4色まで減色しても色認識を行うことができると示す結果となった.
17
3
. 4 実験結果と考察
18表3.1:見本色8色の実験結果
分 類 器
ニューラル SVM k
近傍
分類成功色数/全色数 9388/9600 9488/9600 9452/9600平均認識率(%) 97.79 98.83 98
. 4
6表3.2:見本色4色の実験結呆
分 類 器
ニューラル SVM k
近傍
分類成功色数/全色数 9389/9600 9488/9600 9465/9600平均認識率(%) 97.32 98.83 98.59
表3.3:ニューラルネットワークの実験結果(見本色8色) 学習回数
1000回 5000回 10000回 平均成功色数/全色数 9360/9600 9373/9600 9388/9600
平均認識率(%) 97.50 97.64 97.79
i
最適ニューロン数) (70) (70) (100)三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
19
実験結果と考察
3.4
表
3.4:ニューラルネットワークの実験結果(見本色
4色)
学習回数
1000回 5000回 10000
田 平均成功色数/全色数
8940/9600 9278/9600 9389/9600平均認識率(%) 93.12 96.65 97.32 (最適ニューロン数)
( 7
0) (80) (40)一
ー・ -.~~ i""日百 戸•
100
い ゐ •
ロ 日 日
B
1
・
6ロ
日85
80 (J CB EC O 一吉 田 OO E
75
70 白
8 sample
∞
lor studY1000一一←‑
8 sample
∞
lor study,
OOO8 sample color studY1000日 報 4 sample
∞
lor study,
OOO D4 sample color studysOOO ‑• 4s干mp恰color,stUdY1000?
50 60 70 80 90
number 01 middle neurons 65 日
55 (
50 10 60
100 40
図3.4:ニューラルネットワークの実験結果(グラフ)
30 20
表
3ふ SVMよる色認識の実験結果(見本色8色)SVM
のカーネル
Linear Polynomial
RBF
分類成功色数/全色数
9439/9600 9438/9600 9488/9600平均認識率(%)
98.32 98.31 98.833.4
実験結果と考察
20木色
4色) 表
3后
:SVMによる色認識の実験結果(見
SVM
のカ ーネノレ
RBF
mial Polyno Linear
9488/9600 9412/9
9405/9600
分類成功色数/全色数
60098.83 98.0
4
97.97
平均認識率(%)
4 sample color ‑ー←‑
8 sample color 100
99.5
99
98.5
〆 / へ ¥ 〆
J久 ¥
(4CS EC O 一吉 田 ou E
98 ,~
97.5
97
96.5
96
1 8 9 10
究 科
7
工 学 研
5 6
k value
図
3.5:k近傍法(グラフ)
三 重 大 学 大 学 院
3 4 2
第 4 章
むすび
4 . 1 まとめ
本研究では,携帯電話のカメラで撮影した画像中の色認識を行うため,従来手法見本色 とコード色のマッチング手法,そして見本色生成法から,さらに進めて拡張色空間法を提 案し,実際の携帯電話のカメラで撮影した画像を用いて,色認識の評価を行った.提案手 法により,従来手法よりもさらに
64色カラーコードに対して,デザイン性,情報量向上 も含め,色変化にロバストな色認識が可能となった.
第
3章に,見本色とコード色から直接認識を行う拡張色空間手法を提案した.提案手法 は,従来手法により削減された見本色を再生成することなく,分類器でコード色と共に学 習させることで,直接認識を行う手法である.この手法における分類器には,ニューラル ネットワーク,
SVM,
k近傍 f 去の
3つを取り上げ,それぞれ比較を行った.また,従来 手法で削減し,
8色となった見本色をさらに削減し,
4色の見本色で、の色認識実験を行っ た.色認識を行う際に,撮影時の照明条件等の影響を少なくするため色空間のスケール補 正を行った.実験の結果,最も高い認識率となったのは,
SVMを用いたときの
98.83%で あり,従来手法よりも高い認識率が得られた.これにより,提案手法によって,コード領 域の拡大,デザイン性の向上が期待できると考えられる.また,見本色を
4色にした場合 でも,最高で
SVMを用いたときの
98.83%となり,見本色
8色のときと同じ認識率を得 られた.この結果からも,
64色の色認識において見本色を
4色に削減しても高い認識率 が得られることから,さらなるコード領域拡大にも期待が持てる.
2 1
4.2
今後の課題
4 . 2 今後の課題
今後の課題として以下が挙げられる.
‑認識可能色数の増加
本研究は,
64色カラーコードの色認識を対象としたが,さらに多くの数の色認識 を実現することができれば,デザイン性の向上や情報量の増加を図ることができる と考えられる.
・様々なカメラでの有効性の検証
携帯電話のカメラで撮影される画像は,メーカーや個体によって性質が異なる.本 研究では
1台のカメラでしか実験をしていないため,異なるカメラでも本研究の有 効性を検証する必要がある.
・分類器の複合による色認識の向上
本研究では
3つの分類器を用いて,それぞれが高い認識率を得た.そこでその分類 器を複合させることにより,お互いの欠点を補うことができるのではないかと考え
られる.分類器の複合によってさらなる認識率の向上に期待できる.
・様々な色空間での実験
本研究では, RGB 色空間での実験のみを行ったが,他にも CMY や H S I など様々 な色空間が存在し,それらを用いることでより色認識が向上する可能性を秘めてい ることから,実験を行し、それらの色認識を検証する.
・見本色の配置
本研究では,見本色の位置がコードの上に配置されているが,特徴に偏りが出てし まう可能性があり,色認識などに影響がでてしまう可能性を持っている.そのこと から,コードの四隅への配置など,様々な配置によるコードの提案により,よりよ い見本色の配置を検討する.
・コード読み取りからコード復元を含めたシステムの開発
本研究では,画像中での正確な色認識を行うことを目的に研究を進めた.コード読 み取りからコード復元までを含めたシステムを開発することで,実利用を考慮した 上での提案手法の評価が可能となる.
三T京大学大学│完 工 学 研 究 科
22
付録 A
実験データとプログラム
本研究で使用したプログラムを以下のディレクトリに置く.
• /netJxserveO/users/shimizuIMASTERlMasterStudy/
A . 1 研究用データファイルの説明
CORNER/
入力画像の外枠自動抽出を行う
• corn
町(実行ファイノレ)
• main.cpp(
メイン関数)
• vLth.cpp(
二値化関数,座標抽出関数)
・
head.h(ヘッダファイル)
• alLcorner(
座標抽出シェルスクリプト)
・ プログラム実行方法
.lcorner
[入力画像][出力ファイノレ(四隅の
xy座標)]
KNN̲study/ k
近傍法による色認識を行う.
NN̲study/
ニューラノレネットワークによる色認識を行う.
SVM̲study/ SVM
による色認識を行う.
それぞれのディレクトリ内には,
KAKUNIN/,
TEST/,
TRIN/,
picture/のデ、イレ クトリが存在する.プログラムの実行方法,コンパイル方法,ファイルの説明は各 ディレクトリ内の
READMEに記す.
2 3
A.
2 実験データの保存場所
A.2 実験データの保存場所
本研究で用いたデータは以下のマシンのローカルディスクに保存する.
また,以下のディレクトリに置く.
• I P アドレス : 1 3 3 . 6 7 . 3 3 . 3 3NAUSIKA
・ディレクトリ:/h
ome/picture/A.3 プレゼンテーション
修論発表で使用したプレゼンテーションを掲載する.
二 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
24
謝辞
本論文の執筆を終えるあたり,関係諸氏の多大なる御協力を頂きましたことに対し,深 謝の意を表します.
本研究に関し,研究を進める過程で多くの提案と助言を下さった木村文隆教授,若林哲 史准教授,大山航助教に深く感謝します.お忙しい中,熱心にディスカッションに参加し ていただいた三宅康二先生に深く感謝します.本当にありがとうございました.
また,日頃からお世話になった田中みゆき事務官,研究討論に参加していただいた ヒューマンインタフェース研究室諸氏にお礼申し上げます.
さらに,素晴らしい雰囲気の研究室でお互いに過ごし,学生生活,研究生活をとても有 意義で楽しいおもいでを作らせてもらった諸先輩,同期の皆さんに感謝します.
最後になりましたが,この大学生活を支えてくれた両親に今一度の感謝を表して,本論 文の結びといたします.
25
参考文献
[ 1 ] 山本稔貴,大山航,若林哲史,木村文隆"色を用いたコード読み取りのための画像 中の色認識に関する研究"平成
19年度電気関係学会東海支部連合大会
(9月
27・28日 ) ( 0
・104)[ 2 ] 山本稔貴,大山航,若林哲史,木村文隆"色コード読み取りのための画像中の色認識 に関する研究一見本色削減とニューラルネットワークによる補間 " 平 成
20年度電 気関係学会東海支部連合大会
(9月
18‑19日
)(0‑373)三 東 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
2 6
幽旧体
v ‑ h h
m ⁝
部 昨 俳 叶 出 時
h m ↑‑削除臨喪揺れ判僻草
花 M
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俳 H 盤併 K 軒 K 酬川
民
民 同同
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t 小 E
帯 主 E
R 言
唱]
時 9
吋 T
百二円 鍔! m . . . .
1 1 、
母 長H~ J I~
R 医%
揺 I I
口 研究背景
カメラ付き携帯電話と 2 次元バーコードの普及 2 次元バーコードのカラー化による
情報量増加とデザイン'性向上への取り組み
ロ ロ
い剛池円︑村辿円︑背蔀
》正確な色認識が必要不可欠
H
博 恵 浦 君
F
ColorZlpJapan 社のカラーコード M i c r o s o f t ネ 土 の H i g hC a p a c i t y C o l o r Barcode
る¥
まiC
2
' u man l n t e r f i α ceLabo
γαt o r y , G .
γゆ
JClt e S c h o o l 01 E n g i n . e e r i n & 踊 eU n i v e r s i t y
MM
岡 汁 叫 仲 辿 ハ
AW
需 H
特 出 羽 湖 制
h十
口 カラーコードの問題点
ロ 印刷機や印刷用紙,インクによる色の変化 ロ 表示デ、バイスよる色の変化
ロ カメラの特性や撮影条件による色の変化
計算機上での64色カラーコードとRGB色空間上の分布
研究の目的
ロ印刷,カメラの特性、撮影条件などによる色の変化に
強いより多くの色の認識を目指す.
口 見本色とのマッチングによる色認識
ロ 色変化の影響を受けにくい,色認識の実現
》 見本色削減と補聞によ
い 川 間
U
庁
︑ 味
U
汁
浪 部
〉
見本色削減
H
味 豊 浦 主
‑ ・ ・ ・ ・
ι U.l1・ ・ ・ ・
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•• •••• ••
・ 圃
・・ ・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・園 田・ ・
・・ •• •• 圃 ・・ ・ 圃 •• ••
••• •••
デザイン性の向上 コード領域の増加
。 。
l
1 │ │ 1 . . . . . . . . . . . . 1 1 1 1 1 1 1 │ l 1 . . . . . . . . . . . . 1 1 1 1 1 1 1 l . . . . . . 1 1 1 1 L . . . . 1 . . . . . . . . . 1 . . . . . 1 1 ・ ー 」 ・ 1 1
8 色の見本色付きカラーコード 64 色の見本色付きカラーコード
Human l n t e r f a c e Labo γ αt o r y
, G;γ α ぬ l a t eS c h o o l 01 E n g i n e e r i n g ; Mie U n i v e r s i t y 4
口
見本色補間法による色認識
》 ニューラルネットワークによる見本色補間法 [ 1]
色 本 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 見 ・ ・ ・ ・ ・ ・ た ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
匂 ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 一
品 山
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 一 市 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ お
H・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ り ょ 色
QUニューラルネット
い 岡
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味 汁 特 需
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. . . . . . .
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l ・ ・ ・ ・ ・ ・ 仁 │ 補間 8 色の見本色
u ア ミ
比較
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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ じ . . . . . . . 国 ‑ ‑ E E ‑ ‑ E A ハ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 一 υ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ E E ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ー ら ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ヵ 像 画 力 入
、 主 〉
H
特 豊 浦 主
ユークリッド距離
[1 ]山本稔貴,大山航,若林哲史,木村文隆"色コード読み取りのための画像中の色認識に関する研究ー
口 拡張色空間法による色認識
拡張色空間
見本色と一つのコード色から抽出した特徴ベクトル空間 見本色 8 色 :(8+1)x3=27 次元の特徴空間
分類器
l . . . . . . l 直 面 +
6 刃
B ) B )
G G
ル
︐ ︑
Eh
‑‑
R 仔ク 引 3 ベ
× +
× 微
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色 元 1 次 ド 7 一 2 コ
見本色 8 色
︑ ド コ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ﹁ 4 一 ・ ・ 圃 圃 聞 圃 圃 ・
‑ 一 フ
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 旦 力 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 圃 円 園 是 ‑
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色 の 見 本 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ E B ‑ ‑ ‑
川 剛 辿 ハ 川 鴨 池 内 特 一 部
H 川 判 事 出 主
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A斗 円 ︒ た
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‑ ‑ E E ・ 一 郎
力 入
l I < < man l ' n t e r f o c e Labor α t o r , y G .
γa d u a t e S c h o o l 01 Engi n . e e r i n , g Mi e U n i v e r s i 砂 6
口 拡張色空間法による色認識
ニューラルネットワーク
SVM ( S u p p o r t V e c t o r Machine ) k 近傍法
口 口 ロ
分類器
l . . . . . .
u タ +
B ) •
G
画 面
見本色 8 色 x 3(R
+
コード 1 色 x 3
27 次元特徴
︑ ド コ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 一
‑ 一 フ
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ E 力 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ h
園 長
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一
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一 体
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一 色
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
一 本
見 の 色
川岡辿円︑村辿円︑判需 H
味 雪 国
主 l │ │ l l l . . 1 1 1 1 1 1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1 1 1 1 1 1 . 1 ・ ・ ・ ・ ・
入力画像から取り出した 64 コード
口 拡張色空間法による色認識〈見本色 4 色)
分類器
B )
d ヨ
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コ E ・ E ・ ‑
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J .
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ カ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 像 画 力 入
拡張色空間
見本色と一つのコード色から抽出した特徴ベクトル空間 見本色 4 色 :(4+1)X3=15 次元の特徴空間
1