平成
22年度 修士論文
中心市街地における大規模商業施設の再活用に対する行政関与に関する研究 ー全国事例と事業計画公募方式による三重県四日市市アムスクエアを対象としてー
指 導 教 員 浦 山 益 郎 教 授 松 浦 健 治 郎 助 教
三重大学大学院工学研究科 建築学専攻
小 野 晋 平
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
目次
第
1章.序論・
1‑
1.研究の背景・. . . .
21‑2.
研 究 の 目 的 点 ・ . . . .
31‑3.
研 究 の 方 法 と 調 査 の 概 要 ・ . . . . .・・・・・
41‑4.
既 往 研 究 と 本 研 究 の 位 置 付 け ・ . . . . .・・
61‑5.
用 語 の 定 義 ・ .
• 9第
2章
a大規模商業施設の閉唐・再活用状況・・・園周・・・・・・・・・・・・・・
102‑
1.大規模商業施設の閉庖状況・
2‑2.
閉庖した大規模商業施設の特性・
2‑3.
現状施設の再活用状況・
a 2‑4.本 章 の ま と め ・ .
第
3章.大規模商業施設の再活用に関わる要因・
3‑
1.再活用に関わる要因・
3‑2.
他 の 導 入 用 途 の 検 討 ・ ‑
3‑3.都市への波及効果及び課題・
3‑3.
本章のまとめ・
第
4章.再活用された施設への行政関与・
4‑
1.土地建物の所有形態・
4‑2.
公 共 施 設 の 導 入 ・ ‑
4‑3.行 政 の 支 援 ・ ‑
4‑4.
行 政 関 与 の あ っ た 現 状 施 設 の 類 型 ・ ‑
4‑5.本章のまとめ・
第
5章.民間中心の再活用に対する行政関与事例の分析・. .
• 11
・
13・
16• 18
• 19 .20
・
23・
24. 28
• 29
・
30・
32• 33
・
36・
37• 38 5‑
1.三重県西日市市アムスクエアの概要・. . . . .・・・・・
E・・・・
39 5‑2.アムスクエア開盾による波及効果及び閉庖・. . . . . ・
52 5‑3.再 活 用 の 検 討 ・ . . . . .・・・・・・・・・・
54 5‑4.再活用されたララスクエアの概要・
5‑5.
再活用の波及効果・
5‑6.
本章のまとめ・
三 噴 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
. 55
・
57・
58第
6章.結論・・・・5‑1.結論・
5‑2.
今後の課題・
付 録
1.謝辞 2.参 考 文 献
3.
アンケート調査票
4.
梗 概
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
目次
• 59
・
60・
61第
1章 序 論
第
1章.序論
1‑
1.研究の背景 ト
2.研究の目的
1‑3.研究の方法と調査の概要 ト
4.既往研究と本研究の位置付け
1‑5.用 語 の 定 義
1
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
1章 序 論
1‑
1.研究の背景
近 年 の 景 気 低 迷 に よ る 需 要 の 縮 小 や 、 モ ー タ リ ゼ ー シ ョ ン の 進 行 を 含 め た 消 費 者 行 動 の 変 化 を 背 景 に 消 費 が 伸 び 悩 む 中 で 、 中 心 市 街 地 に 位 置 す る 商 業 施 設 の 閉 店 が 後 を 絶 た な い 状況となっている。特に、
19 6 0年代に始まり、
19 8 0年 代 に ピ ー ク を 迎 え た 再 開 発 ブ ー ム に よ り 、 駅 前 や 都 市 中 心 部 の 再 活 性 化 の た め に 参 加 を 要 請 さ れ た 百 貨 店 は 、 バ ブ ル 景 気 の 頃 な ど に は 、 大 衆 で す ら 大 い に 買 い 物 を 楽 し ん だ た め 、 経 済 的 に 多 い に 潤 い 、 積 極 的に地方都市への出庄などの設備拡充を行ったが、
19 9 0年 代 の 平 成 不 況 の こ ろ か ら 拡 大 の つ け が 崇 り 、 赤 字 が 増 加 、 地 方 都 市 屈 を 中 心 に 庖 舗 閉 鎖 が 相 次 ぎ 、 大 都 市 圏 の 盾 舗 に 於 い て も 統 廃 合 や 閉 庖 が 相 次 い だ 。 ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト に お い て も バ ブ ル 崩 壊 に よ る 消 費 低 迷 に 加 え 、 コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア や 薄 利 多 売 型 の 同 種 業 態 と の 競 合 に よ り 、 更 な る 安 売 り に よ り 顧 客 の 引 き 留 め を 図 る も の の 元 々 の 利 益 率 が 低 い 業 態 で も あ る た め 、 安 売 り の 実 施 で 経 営 困 難 に 陥 る 傾 向 も 強 い 。 こ れ ら の 影 響 を 受 け 、 小 売 庖 業 界 は 不 況 の 波 に の ま れ て
しまったと言える。
また、
2 0 00年 の 大 店 法 の 廃 止 と 大 府 立 地 法 の 制 定 に よ り 、 大 型 屈 の 出 店 規 制 が 緩 和 さ れ 、 商 業 施 設 の 大 型 化 、 複 合 化 、 郊 外 化 の 傾 向 が 続 き 、 農 地 や 工 場 跡 へ の 進 出 が 目 立 つ ようになった。近年の中心市街地の衰退を受け、コンパクトなまちづくりが叫ばれており、
2 0 0 6
年のまちづくり
3法 の 見 直 し 、 特 に 都 市 計 画 法 の 改 正 に よ っ て 、 床 面 積
10,
000d 以上の大規模集客施設の郊外への出庖が大幅に規制され、「第
2種 住 居 地 域J 、「準住居 地 域J 、「工業地域
jに は 原 則 と し て 出 店 で き な く な っ た 。 こ の よ う な 都 心 回 帰 の 流 れ を 受 け て 、 中 心 市 街 地 活 性 化 と い う 視 点 か ら も 、 閉 鎖 さ れ て し ま っ た 大 規 模 商 業 施 設 が 、 地 域 社会に貢献しうる形で有効利用されることが望まれている。
こ う し た 状 況 の 中 で 、 こ れ ま で の 街 の 中 心 的 な 役 割 を 果 た し て き た 大 規 模 商 業 施 設 の 核
j
苫 舗 が 撤 退 し 、 全 国 各 地 で 大 型 空 き 店 舗 が 発 生 、 地 域 の 核 が 失 わ れ 、 周 辺 地 域 が さ び れ る と い う 状 況 が 生 ま れ て い る 。 こ の よ う な 状 況 は 、 失 業 者 対 策 、 後 継 庖 舗 対 策 、 取 り 壊 し 費 用 の 発 生 等 、 地 域 に 多 く の 負 担 を も た ら し 、 地 域 経 済 の 表 退 に 拍 車 を か け て い る 。 さ ら に は 、 特 に 地 方 都 市 の 中 心 部 に お い て 、 大 規 模 商 業 施 設 と 連 携 し て 地 域 の 経 済 を 支 え て い た 既 存 の 商 盾 街 が シ ャ ッ タ ー 街 化 す る ケ ー ス も 増 加 し て い る 。 こ の よ う な 地 域 に と っ て 重 要 な 大 規 模 商 業 施 設 が 閉 屈 し た 際 に 、 公 的 資 金 を 投 じ て 行 政 が 支 援 す る 場 合 が あ る 。 場 合 に よ っ て は 成 功 す る 場 合 も あ る が 、 無 駄 な 投 資 に な っ て し ま い 失 敗 す る 場 合 も あ る 。 公 的 資 金 で あ る 以 上 、 必 要 最 低 限 の 投 資 で 、 公 共 の 利 益 に と っ て 有 効 な 行 政 関 与 の 在 り 方 が 求 め
られている。
以 上 の よ う な 点 か ら 、 閉 庖 し た 大 規 模 商 業 施 設 の 再 活 用 に 対 す る 行 政 関 与 に 関 す る 研 究 は今日社会的ニーズの極めて高い研究テーマであると考えられる。
2
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
1章 序 論
ト
2.研究の目的
中心市街地における大規模商業施設は集客機能や街の活性という面で一種の公益性を持 った施設であると言える。大規模商業施設の再活用をする際に、公的資金の導入(公共施設 の導入)を抑え、民間開発を誘導する形で再活用をすることが望ましく、民間主体による都 市づくりに対する行政関与の在り方を追求する必要がある。行政関与には、公共が土地建 物を取得する、公共施設の導入を行うなどの行政直接関与タイプと、直接関与以外で補助 金などを用いる関与である行政間接関与タイプに分けられる。行政間接関与タイプのーっ として、公共用地を民間企業に譲渡し、行政の計画に沿って大規模商業施設の開発を行わ せ る 「 事 業 計 画 公 募 方 式
jがある。この方式は、都市での拠点的な施設を、公共投資を最 小限に抑え、民間開発によって都市づくりを行うという意味で重要な手法であると言える。
そこで本研究では、全国中心市街地における閉庖した大規模商業施設を取り上げ、 1 ) ど のような大規模商業施設が閉屈に至り、その後にどのような再活用が行われているのかを 明らかにし、
2)それらの再活用された施設に行政はどのような形で関与しているのかを分 析し、
3)その中で、民間活力が都市づくりに繋がった再活用の成功事例として、事業計画 公募方式による三重県四日市市アムスクエアに対する行政関与の特徴を明らかにする事こ
とで、中心市街地における大規模商業施設の再活用に対する行政関与への知見を得ること を目的とする。
3
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
1章 序 論
ト
3.研 究 の 方 法 と 調 査 の 概 要
本節では、研究の方法と、調査の概要を述べる。
ト
3‑1.研究の方法(研究フロー)
本 研 究 で は 研 究 の 方 法 と し て 、 図
1・
3・
1に 示 し た 研 究 フ ロ ー 図 の 通 り 、 第
1章では序論と して、研究背景や研究目的等、研究の枠組みを述べる。第2章 、 第3章、第4章 で は 、 全 国 中心市街地の大規模商業施設を対象とし、それぞれ、大規模商業施設の閉庖・再活用状況、
大 規 模 商 業 施 設 の 再 活 用 に 関 わ る 要 因 、 再 活 用 さ れ た 施 設 へ の 行 政 関 与 に つ い て 、 全 国 中 心 市 街 地 の 行 政 担 当 者 へ の
Eメ ー ル ア ン ケ ー ト 調 査 と 、 大 規 模 商 業 施 設 の 設 置 者 へ の 郵 送 ア ン ケ ー ト に よ り 分 析 を 行 う 。 第
5章 で は 、 民 間 中 心 の 再 活 用 に 対 す る 行 政 関 与 を 行 っ た 代 表 的 事 例 で あ る 三 重 県 四 日 市 市 ア ム ス ク エ ア を 対 象 と し て 、 行 政 担 当 者 及 び 民 間 開 発 業 者 担 当 者 へ の ヒ ア リ ン グ 調 査 や 、 各 種 資 料 を 基 に 事 例 分 析 を 行 う 。 第6 章 で は 各 章 を 総 括
し結論を述べる。
る
述 を み 組 枠
の究 研
第
1章.序論
第
2章.大規模商業施設の間庖・再活用状況
全 国 中 心 市 街 地 の 行 政 担 当 者 へ の
Eメールアンケート調査と、
大 規 模 商 業 施 設 跡 の 現 状 施 設 の 設 置 者 へ の 郵 送 ア ン ケ ー ト 調 査
により分析を行う。
第
3章.大規模商業施設の再活用に関わる要因
第
4章.再活用された施設への行政関与
第
5章.民間中心の再活用に対する行政関与事例の分析
三 重 県 四 日 市 市 ア ム ス ク エ ア を 対 象 と し て 、 四 日 市 市 行 政 担 当 者 及 び 民 間 開 発 業 者担当者へのヒアリング調査や、各種資料を基に事例分析を行う。
第
6章.結論
│各章をまとめ、結論を述べる
o図
1・
3・1.研究フロー図
4
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
1章 序 論
ト
3‑2.調査の概要
本研究では、 2章 、 3章 、 4章において、全国中心市街地の大規模商業施設を対象とし、
それぞれ、大規模商業施設の閉庖・再活用状況、大規模商業施設の再活用に関わる要因、
再活用された施設への行政関与について分析を行うため、全国中心市街地の行政担当者へ の
Eメールアンケート調査(表
1‑3・2・1①)と、大規模商業施設の設置者への郵送アンケート ( 表
1・3・2・1②)を実施した。また、第
5章では、民間中心の再活用に対する行政関与を行っ た代表的事例である三重県四日市市アムスクエアを対象として事例分析を行うため、行政 担当者(表
1‑3・2・2①)及び、民間開発業者担当者へのヒアリング調査(表
1・3・2‑2②)を実施し た 。
以下に調査の概要を示す。
(1
)Eメールアンケート調査
2006
年
7月までに中心市街地活性化基本計画を提出した自治体の担当者に対し、
Eメー ルアンケート調査を行った。また、本研究においては
1990年以降に閉庖した大規模商業 施設を調査対象とした。全国中心市街地における閉庖大規模商業施設を抽出することをね
らいとしている。
(2)
郵送アンケート調査
前述の
Eメールアンケート調査によって抽出された、大規模商業施設が閉庖した後に再 活用されている施設の事業主、所有者に対し、郵送アンケート調査を行った。再活用され た大規模商業施設について詳細な情報を得ることをねらいとしている。
※なお、用いたアンケート調査票は付録に記載する。
表
1・3・2・1アンケート調査概要 .調査方法│①
Eメールアンケート言
2006
年
7月までに中心市 対 象 │街地活性化基本計画
を提出した市町村
2 D 郵送アンケート言
①調査で抽出された、閉庖した 大規模商業施設の跡活用を 行っている施設の事業主、所 有者
2010.02.19‑2010.03.1112010.12.06‑2010.12.25 5421 81 2101 22 38.7%1 27.20%
ヒアリング調査概要
1
〉ヒアリング調査 │②ヒアリング調査 三重県四日市市役所担当│
│三井不動産株式会社担当者
者 '
2010.10.14他 2010.10.25
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
5
第
1章 序 論
1‑4.
関 連 研 究 と 本 研 究 の 位 置 付 け
本研究で取り扱う大規模商業施設の閉盾後の活用に関する研究は、都市計画の分野及び、
建 築 計 画 の 分 野 で 広 く 研 究 さ れ て い る 。 代 表 的 な 関 連 研 究 を 表
1・4・1に示す。「浅野純一 郎 : 地 方 都 市 中 市 街 地 に お け る 大 規 模 商 業 施 設 の 閉 匝 や 郊 外 移 転 の 実 態 と そ の 後 の 利 用 ・ 跡 地 利 用 の 方 向 性 北 陸 甲 信 越 地 方 の 地 方 自 治 体 担 当 部 局 へ の 調 査 か ら ' " ' ‑ ' J 、「河合由香 里 : 閉 鎖 さ れ た 大 型 小 売 庖 の 発 生 状 況 と そ の 後 の 利 用 実 態 に 関 す る 研 究 一 福 井 県 福 井 市 を ケ ー ス ス タ デ ィ と し て ー
J、「小松正人:閉鎖された大規模商業施設の有効利用に関する研 究 一 全 国 に お け る 閉 鎖 後 の 利 用 状 況 と 有 効 利 用 の 方 策 一 」 で は 、 全 国 の 大 規 模 商 業 施 設 の 閉店後の活用法に関する考察が行われており、「河藤佳彦:民間主体が主導するまちの再生 一 千 里 中 央 地 区 再 整 備 事 業 に 関 す る 考 察‑J では、民間主導の再開発事例を対象として、
公共主体の関与の在り方を分析している。
関 連 研 究 で は 、 中 心 市 街 地 に お け る 大 規 模 商 業 施 設 の 再 活 用 に 対 す る 行 政 関 与 に 関 し て の 全 国 的 な 実 態 が 明 ら か と な っ て い な い 。 本 研 究 で は 、 全 国 中 心 市 街 地 の 大 規 模 商 業 施 設 の 再 活 用 に 対 す る 行 政 の 関 与 の 実 態 を 明 ら か に し 、 そ の 中 で 位 置 づ け ら れ た 民 間 主 導 で 再 活 用 を 行 っ て い る 代 表 事 例 を 分 析 す る 事 に よ っ て 、 民 間 主 導 の 再 活 用 に 対 す る 行 政 関 与 に 関する知見を得ようとしている点に新規性が存在する。
ま た 、 本 研 究 に 対 し て 先 行 的 に 行 っ て い た 研 究 論 文 と し て 、 表
1‑4・2に示す。
6
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
1章 序 論
表
1‑4‑1関連の既往研究論文一覧
1.
浅 野 純 一 郎 : 地 方 都 市 中 市 街 地 に お け る 大 規 模 商 業 施 設 の 閉 庖 や 郊 外 移 転 の 実 態 と そ の 後 の 利 用 ・ 跡 地 利 用 の 方 向 性 北 陸 甲 信 越 地 方 の 地 方 自 治 体 担 当 部 局 へ の 調 査 か ら
2002
年 度 日 本 建 築 学 会 計 画 系 論 文 集
No.557P.257~P.260[内容]北陸甲信越地方
6県
68市の各自治体商業担当者にアンケート調査を行い、その結果 か ら 特 徴 的 な 自 治 体 に 対 し て ヒ ア リ ン グ 調 査 を 行 い 、 大 規 模 商 業 施 設 の 中 心 市 街 地 に お け る 閉 厄 や 郊 外 移 転 に 関 し て の 実 態 を 明 ら か に し 、 そ の 後 の 利 用 ・ 跡 地 利 用 の 方 向 性 を 考 察 している。
2.
河 合 由 香 里 : 閉 鎖 さ れ た 大 型 小 売 腐 の 発 生 状 況 と そ の 後 の 利 用 実 態 に 関 す る 研 究 ー 福 井 県 福 井 市 を ケ ー ス ス タ デ ィ と し て ー
2007
年 度 日 本 建 築 学 会 近 畿 支 部 研 究 報 告 書
P.777~P780[内容]福井県福井市をケーススタディとして、閉鎖された大型小売店舗施設の発生状況と その後の利用実態からこれからのコンパージョンに関する基礎的知見を考察している。
3.
小 松 正 人 : 閉 鎖 さ れ た 大 規 模 商 業 施 設 の 有 効 利 用 に 関 す る 研 究 ー 全 国 に お け る 閉 鎖 後 の 利 用 状 況 と 有 効 利 用 の 方 策 ー
2007
年 度 三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 建 築 学 専 攻 修 士 論 文
[内容]閉鎖商業施設の再利用されたものに対象を絞り、建物所有者にアンケート調査を行 い 、 そ の 結 果 か ら 特 徴 的 な 事 例 に 対 し て ヒ ア リ ン グ 調 査 を 行 い 、 全 国 に お け る 大 規 模 商 業 施 設 の 再 利 用 の 状 況 と 再 利 用 後 の 改 修 内 容 を 明 ら か に し 、 有 効 利 用 の 具 体 的 方 策 と 用 途 変 更を視野にいれた商業施設の在り方について考察している。
4.
河 藤 佳 彦 : 畏 間 主 体 が 主 導 す る ま ち の 再 生 一 千 里 中 央 地 区 再 整 備 事 業 に 関 す る 考 察 ‑
2009
年度地域政策研究(高崎経済大学地域政策学会)第
12巻 第
1号
P.73~P. 92[内容]千里中央地区再整備事業をケーススタディとして、民間主体が主導する都市再開発 と公共主体の関与の在り方について考察している。
7
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
1章 序 論
表
1・
4・
2先行して行った研究論文一覧
l 小野晋平・松浦健治郎・藤井信雄・浦山益郎:近鉄四日市駅北側のふれあいモールを事 例とした 建物基盤一体型開発のマネジメントプロセスの解明
/2009年度日本建築学会発 表論文
2.
小 野 普 平 ・ 藤 井 信 雄 ・ 浦 山 益 郎 ・ 松 浦 健 治 郎 : 公 民 協 同 に よ る 建 物 基 盤 一 体 型 歩 行 者 空間の計画、整備、管理、改修に関する研究一近鉄四日市駅北側のふれあいモールの場合 一
/2009年度都市計画学会発表論文
3.
小 野 晋 平 ・ 藤 井 信 雄 ・ 浦 山 益 郎 ・ 松 浦 健 治 郎 : 市 街 地 の 連 続 的 拡 大 を 意 図 し た 拠 点 開 発 事 業 の 計 画 と 実 施 一 事 業 計 画 公 募 方 式 に よ る 三 重 県 四 日 市 市 ア ム ス ク エ ア を 対 象 と
してー
/2010年度日本建築学会東海支部発表論文
4.
小 野 晋 平 ・ 藤 井 信 雄 ・ 浦 山 益 郎 ・ 松 浦 健 治 郎 : 全 国 の 中 心 市 街 地 に あ る 大 規 模 商 業 施 設 の 閉 店 後 の 再 利 用 状 況 に 関 す る 研 究 ー 当 初 の 計 画 段 階 か ら の 行 政 関 与 に 着 目 し て ー
/2010年度日本建築学会発表論文
5.
小 野 晋 平 ・ 藤 井 信 雄 ・ 浦 山 益 郎 ・ 松 浦 健 治 郎 : 地 方 中 心 市 街 地 に お け る 公 民 連 携 に よ るエリアマネジメントの事例研究一三重県立四日市工業高校跡地街区を対象としてー
/2011年度日本建築学会東海支部発表論文
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
8第
1章 序 論
1‑5.
用 語 の 定 義
本節では、本論文内で用いる用語について定義を述べる。
(1)中心市街地
本研究では、各自治体が中心市街地活性化基本計画で策定している範囲を「中心市街地」
として定義する。なお、
2006年
7月 ま で に 中 心 市 街 地 活 性 化 基 本 計 画 を 提 出 し た 自 治 体 を対象とする。
(2)
大 規 模 商 業 施 設
本研究では、応舗面積が
3,000nf以 上 の 小 売 庖 を 含 ん だ 施 設 の こ と を 「 大 規 模 商 業 施 設J と定義する。なお、
3,000nfと い う 基 準 は 。 大 規 模 小 売 盾 立 地 法 に お け る 第
1種 大 規 模 小 売庖の定義(特別区・指定都市以外)を参考にした。
(3)
再 活 用 ・ 未 活 用
本 研 究 で は 、 大 規 模 商 業 施 設 が 閉 店 し た 後 に 、 建 て 替 え も し く は 、 改 修 な ど に よ っ て 再 び、何らかの利用が行われている状態のことを「再活用
J、更地や空ピノレのままとなってお
り 利 用 さ れ て い な い 状 態 の 事 を 「 未 活 用
Jと定義する。
(4)
現 状 施 設
本 研 究 で は 、 大 規 模 商 業 施 設 が 閉 庖 し た 後 に 、 再 活 用 さ れ た 施 設 の こ と を 「 現 状 施 設
jと定義する。
(5)
行 政 関 与
本 研 究 で は 、 大 規 模 商 業 施 設 が 閉 屈 し た 後 の 再 活 用 に 関 し て 、 公 共 が 土 地 建 物 を 取 得 す る 、 も し く は 公 共 施 設 を テ ナ ン ト と し て 導 入 す る な ど の 直 接 的 な 行 政 の 関 わ り 及 び 、 資 金 援助などの間接的な行政の関わりのことを総称して、「行政関与」と定義する。
( 6 )ア ム ス ク エ ア ・ ラ ラ ス ク エ ア
「アムスクエア
Jとは、三重県四日市市に存在した大規模商業施設の名称である。「ララ スクエア
jとはアムスクエア閉庖後に、再活用された施設の名称である。
9
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
2章大規模商業施設の閉店・再活用状況
第
2章.大規模商業施設の閉庖・再活用状況
2‑
1.大規模商業施設の閉庖状況
2‑2.
閉庖した大規模商業施設の特性
2‑3.
現状施設の再活用状況
2‑4.
本章のまとめ
10
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
2章 大規模商業施設の閉庖・再活用状況
2‑
1.大規模商業施設の閉庖状況
2‑1‑
1.大規模商業施設の閉庖した市町村教・施設数
まず、はじめに
Eア ン ケ ー ト 調 査
1か ら 、 大 規 模 商 業 施 設 の 閉 店 状 況 を 把 握 す る 。 全 国 の 中 心 市 街 地 活 性 化 基 本 計 画 を 策 定 し た
542市 町 村 に
Eメールアンケート調査を行い、そ のうち
210市町村から回答があった。
210市 町 村 の う ち 、 中 心 市 街 地 活 性 化 基 本 計 画 内 で 定 め る 中 心 市 街 地 の 範 囲 内 に 大 規 模 商 業 施 設 が 存 在 し て い る 、 及 び
1990年 以 降 に 大 規 模 商 業 施 設 が 閉 屈 し て い た の は 全 体 の
76.7%である
161市 町 村 で あ っ た 。 ま た そ の
161市 町村のうち、
1990年 以 降 に 大 規 模 商 業 施 設 が 閉 店 し て い た の は
60.2%である
97市 町 村 で あり、全体の市町村のうち、大規模商業施設が閉店していたのは
46.2%であった。つまり、
全 国 の
3/4程 の 市 町 村 が 大 規 模 商 業 施 設 を 抱 え 、 全 国 の 半 数 近 く の 市 町 村 に お い て 、
1990年 以 降 に 大 規 模 商 業 施 設 が 閉 屈 し て お り 、 大 規 模 商 業 施 設 の 閉 庖 が 全 国 的 に 中 心 市 街 地 に おいて発生していることが明らかとなった。
前 述 の 閉 m が あ っ た
97市 町 村 の 中 心 市 街 地 内 に お い て 、 閉 盾 し た 大 規 模 商 業 施 設 の 総 数 は
180で あ っ た 。 そ の う ち 、 閉 届 後 に 建 て 替 え や 改 修 な ど に よ っ て 再 活 用 さ れ て い る 施 設 数 は
63.9%である
115で あ り 、 空 応 舗 の ま ま や 空 き 地 と な り 再 活 用 さ れ て い な い 施 設 数 は
36.1%である
65であった。
表
2・1・1・1閉 府 大 規 模 商 業 施 設 が あ っ た 市 町 村 数
1 -I-+o:I_:å:__"""~ IBBrt.L#‑4.,o ̲.S‑̲ I
大規模商業施設│閉庖庖舗存在市│閉庖庖舗存在
回答のあった│大規模商業施設 │閉庖があっト│
│ ││ 1
1 存在市町村率 │町村率(部分)
1市町村率(全体) 市町村数①│があった市町村数②
1/''''.fJlJ _,, _II...J.rJ~\óI 111...JT1~~l 市 町 村 数 ③ │
(I②/①) x
100 │ 1<③/②) x
100 │ 1<③/① )x
1002101 161│ 971 76.7%│ 60.2%│ 46.2%
表
2・1・1‑2大 規 模 商 業 施 設 の 再 活 用 状 況
閉居した 再 活 用 に 再活用に至つ 大 規 模 商
至った庖舗 ていない庖舗 言 十 業 施 設 数
件 数
1151 651 180 180 │(n=180)( :i
牛数
/n)63.9%1 36.1%1 100.0% x 100
11
三 宅 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
2章 大規模商業施設の閉店・再活用状況
2‑1‑2.
大 規 模 商 業 施 設 の 開 庖 年 ・ 閉 庖 年
本節では、従前の大規模商業施設の開!吉年と閉店年を分析する。従前の大規模商業施設の 各年代何年区分)における閉店年別の庖舗数及び、閉店年別の店舗数、再開庖年別の届舗数、
営業!苫舗数累計(前年代の営業盾舗数累計+閉店庖舗数・閉府庖舗数+再活用施設数)を(表
2・
1・
2)に 示 す 。 各 年 次 に お け る 大 規 模 商 業 施 設 の 営 業 応 舗 数 と 、 閉 庖 店 舗 数 の 累 計 、 再 活 用施設数の累計を(図
2‑1・
2)に示す。
1960年代後半から、
1990年 代 に か け て 閉 店 し た 店 舗 が多く、
1990年代後半から
2000年代にかけて多くの盾舗が閉庖に至っており、
2000年 代から再活用される庖舗が多い事が明らかとなった。
表
2・
1・
2年 代 別 閉 店 庖 舗 数 ・ 開 庖 庖 舗 数 ・ 再 開 庖 広 舗 数 ・ 営 業 店 舗 累 計
│開庖数 閉底数
.....1960.....1965 .....1970 .....1975 .....1980 .....1985 .....1990 .....1995 .....2000 .....2005 .....2010
不明 計
200
庖舗数
180 16091 ̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 91 ̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 21
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
48
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
27
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
17
‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑
12 2 12 7 11 41
2 80 1 45 11 5 180 180
+営業庖舗数 閉底数累計
再開庖年 │営業庖舗数累計
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
9
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
18
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
39
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
871
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
114
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
1311 142 1 148 7 125 43 90 44
。
90 96 96 96守再活用された庖舗数累計
140120 100 80 60 40 20 0
1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000
図
2‑1‑2年 代 別 営 業 庖 舗 数 ・ 閉 庖 数 累 計 ・ 再 活 用 さ れ た 庖 舗 数 累 計
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
年
2005 201012
第
2章 大規模商業施設の閉居・再活用状況
2‑2.
閉庖した大規模商業施設の特性
本節では、閉居した大規模商業施設の特性を把握するために、閉店した大規模商業施設 の業態、大規模商業施設の立地状況、関庖した大規模商業施設の規模、それぞれについて 再活用・未活用の割合を分析する。
2‑2‑
1.閉腐した大規模商業施設の用途(業態)
表 2
・2
・1 、図 2
・2‑1に閉店した大規模商業施設の核庖舗の業態別の再活用事例数・未活用 事例数を示す。再活用率に関して、従前の核庖舗の業態が百貨店だった施設は 7
1.1% 、 寄 合百貨店だ、った施設は 72.2%、月賦百貨庖だった庖舗は 80.0%と再活用される割合が高い。
スーパーだった庖舗は 57.6%、専門屈だ、った庖舗は 45.5%と再活用率が低い事が明らかと なった。
表 2
・2
・1 業態別の再活用状況
スーパー 百 貨 庖 寄合百貨庖
再活用事例数 57 32 13
未活用事例数 42 13 5
合 計 99 45 18
再 活 用 率 5 7 . 6 % │ 7
1.1%│7 2 . 2 % l
業態別再活用状況
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
句 、 今 匂 令
4込斗キ~~,\V
..e...~V, ホ ゼ
bギ ' 々 決 意 ‑ s
司写
マ
t‑再活用事例数 回未活用事例数 図 2‑2‑1 業態別の再活用状況
専 門 后 同 賦 百 貨 庖
~
4
6
5 4 5 . 5 % │ 80.0%
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
不明│ 合 計 112
68 2 I 180 5 0 . 0 % 1 62.2%
13
2
章 大規模商業施設の閉庖・再活用状況 第
立 地 状 況
立 地 形 態 別 の 再 活 用 事 例 数 ・ 未 活 用 事 例 大 規 模 商 業 施 設 の
庖 街 型 が 最 も 多 く 、 駅 近 辺 型 、 郊 外 型 、 駅 ビ ル 型 の 順 に 型 は
100%で あ り 、 事 例 数 は 少 な い も の し て は 、 駅 ビ ル
活用率がそれぞれ、
73.9%、
70.5%であ 数 は 多 い も の の 再 活 用 率 は
52.7%となっ であるという結果が明らかとなった。
金量
112 68 180
週 ︒ 辺型
43 18 61
商庖街型│駅近
48
43 91 52.7%駅 近 辺 型 は で は 再 庖 街 型 は 、 事 例
、 未 活 用 の ま ま
型 一
7 一
6‑ 3z
%
2‑2‑2.
開 庖 し た 大 規 模 商 業 施 設
t表
2・
2・
2、図
2・
2‑2に閉庖した 数 を 示 す 。 事 例 数 に 関 し て は 、 │ 少 な く な っ て い く 。 再 活 用 率 に │ の再活用されやすい。郊外型、
り、比較的再活用されやすい。
iており、半数近くの事例につい
表
2・
2・
2立 地 形 態 別 再 活 用 状 況 駅 ビ ル 型 郊外
Z再 活 用 事 例 数
4未 活 用 事 例 数 。
合 計
4 2再 活 用 率
100.0% 73.9 70.5% 0.0% 62.2%~ ~
立地形態別再活用状況
傘 、
*~
0%
令 偽 今 今
一 て メ
ーささ J舎
23w香 芝 可.y.‑ .~ぎ
ザ
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
ロ未活用事例数
‑再活用事例数
図
2・
2・
2立 地 形 態 別 再 活 用 状 況
14
研 究 科
工 学
三 重 大 学 大 学 院
第 2章 大規模商業施設の閉庖・再活用状況
2‑2‑3.
閉 庖 し た 大 規 模 商 業 施 設 の 規 模
表
2・2・3、図
2‑2・3に閉庖した大規模商業施設の売場面積別の再活用事例数・未活用事例 数を示す。事例数に関しては、
10,000rri以下が半数以上を占める。しかし、再活用率に関 しては、
5,000rri以 下 は
55.4%であり、
10,000rri以下は
51 .
7 %と半数近くが未活用のまま であり、
15,000rri以下、
20,000rri以下、
25,000rri以下、
25,001rri以上がそれぞれ、
82.1%、
85.7%、
100.0%、
83.3%となっており、
10,000rri以上になると再活用される割合が高いこ
とが明らかとなった。
表 2‑2
・3 売 場 面 積 別 再 活 用 状 況
"""5,000rri """10,000rri """15,000rri """20,000rri
再活用事例数
31 31 23 6未活用事例数
25 29 5合 計
56 60 28 7再活用率
55.4% 51.7% 82.1% 85.7%売場面積別再活用状況
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
や や 余 争
Jト ラ 令 ホ
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台、~・ 〆 〆 〆 〆 , 。 4官、。‘~・
."v~ .'¥。目、T
γ"V
‑再活用事例数 ロ未活用事例数 図
2‑2・3売 場 面 積 別 再 活 用 状 況
"""25,000rri
。
5 5 100.0%三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
25,001 rri
以上 不明 合計
5 11 1127 68 6 18 180 83.3% 6
1 . 1 %
62.2%15
第
2章 大規模商業施設の閉庖・再活用状況
2‑3.
現 状 施 設 の 再 活 用 状 況
本 節 で は 、 閉 店 し た 大 規 模 商 業 施 設 が 、 ど の よ う に 用 途 で 再 活 用 さ れ て い る の か を 把 握 する事を目的とする。
2‑3‑1.
再 活 用 さ れ た 現 状 施 設 の 用 途 ( 業 態 )
表
2‑3・1は 、 再 活 用 さ れ た 事 例 の 従 前 厄 舗 及 び 、 現 状 施 設 の 核 用 途 別 事 例 数 を 示 す 。 図
2・3・1、図
2・3・2は 、 そ れ ぞ れ 、 再 活 用 さ れ た 事 例 の 従 前 匝 舗 の 核 用 途 、 再 活 用 さ れ た 事 例 の現状施設の核用途を示す。
ま ず 、 再 活 用 さ れ た 現 状 施 設 の 核 用 途 の 商 業 系 と 非 商 業 系 の 事 例 数 を 見 て み る と 、 そ れ ぞれ、 64 、 43 で あ り 、 半 数 近 く の 大 規 模 商 業 施 設 が 非 商 業 系 の 機 能 へ と 転 換 し て い る 事 が 明らかとなった。
次 に 、 各 用 途 別 の 前 後 の 変 化 を 見 て い く 。 商 業 系 の 用 途 の 中 で 、 ス ー パ ー に 関 し て は 、 57 から 26 へ と 約 半 数 に 減 っ て お り 、 半 数 近 く の ス ー パ ー が 多 用 途 へ 変 換 し て い る 事 が 分 かる。百貨庖に関しては、
32から
6へと変化しており、
116以 下 に 減 っ て お り 、 多 く の 関 庖 し た 百 貨 応 は 異 な る 用 途 へ と 変 換 し て い る 事 が 分 か る 。 寄 合 百 貨 屈 に 関 し て は 、
13から
21へ と 変 化 し て お り 、 他 用 途 か ら 寄 合 百 貨 店 へ と 用 途 が 変 換 し て い る 事 例 が 少 な か ら ず 存 在している事が分かる。
次 に 、 非 商 業 系 の 用 途 の 中 で 、 住 宅 系 用 途 に 転 用 し て い る 事 例 が
19と 最 も 多 く 、 次 い で 娯 楽 施 設 、 業 務 施 設 、 宿 泊 施 設 、 福 祉 施 設 と
11債 に 続 い て 少 な く な っ て い く 。 商 業 中 心 で は 成 り 立 た な く な っ た 大 規 模 商 業 施 設 が 、 非 商 業 機 能 と し て 再 活 用 さ れ る 事 例 を 多 く 確 認 できた。
16
三 項 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第 2章 大規模商業施設の閉庖・再活用状況
表
2・
3・
1再活用された事例の従前庖舗及び、現状施設の核用途別事例数
再活用事例数
百貨庖
32 28.6%
図
2・
3・
1再活用された事例の従前庖舗の核用途
商業専門底 7
6.3%ホームセン1
1‑1
0.9%非商業宿泊
4商業寄合百貨庖
21
非商業福祉
4
商業
26 23.2%業
mp国 司 凋 且 マ 守
︐
噌ERror
コ
図 2‑3‑2 再活用された事例の現状施設の核用途
17
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
2章 大規模商業施設の閉庖・再活用状況
2‑4.
本章のまとめ
本章の分析結果から以下の事が明らかとなった。
(1)全国の半数近くの中心市街地において、
1990年以降に大規模商業施設が閉店しており、
大規模商業施設問屈は全国的な共通課題である。
(2)
閉店した大規模商業施設のうち、
2/3ほどが再活用されており、
113ほどが未活用のま まとなっている。
(3) 1960
年代後半から、
1990年代にかけて閉店した店舗が多く、
1990年代後半から
2000年代にかけて多くの庖舗が閉屈に至っており、
2000年代から再活用される盾舗が多い。こ れは、
1990年代初頭のバブル崩壊の時期を契機に、商業施設の供給増から、減少傾向へ移 行したためであると考えられる。
(4)
従前の核唐舗の業態が百貨!吉、寄合百貨肩、月賦百貨庖だった事例は再活用される割合 が高い。スーパーや専門府だった施設は再活用率が低い。これは、百貨庖等の商業施設は 比較的、大きな投資がかけられ、建築的にも質の高いものが多く、再活用が行われている と考えられる。逆に、スーパーや専門店などは、採算が取れない場合はスクラップアンド ピルドで、需要のある場所へと移転などが容易に行われるためであると考えられる。
(5)
駅ピル型、駅近辺型は公共交通、郊外型は自動車でのアクセスという交通の利便性が高 く、再活用率が高い。対照的に、商店街型については再活用率が低く、半数近くの事例が 未活用のままである。
(6)
店舗面積が
10,000r r f 以下の事例は半数近くが未活用のままであり、
10,000r r f 以上だっ た施設は再活用される割合が高い。
(7)
半数近くの大規模商業施設が非商業系の機能へと転換している。
( 8 ) 百貨店などの商業機能は縮小し、寄合百貨店等の複合的な盾舗が増えており、非商業の 中では住宅系、業務系、娯楽施設などの用途へと転換が起きている。
18
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第
3章 大規模商業施設の再活用に関わる要因
第 3 章.大規模商業施設の再活用に関わる要因
三ifl:大学大学院 工 学 研 究 科
3‑
1.再活用に関わる要因
3‑2.他の導入用途の検討
3‑3.都市への波及効果及び課題
3‑4.本章のまとめ19
第
3
章大規模商業施設の再活用に関わる要因
3‑
1.再活用に関わる要因
本節では、再活用の手法、現在の場所において現状施設の再活用に至った理由、商業以 外の用途が導入された理由などを分析し、再活用に関わる要因を明らかにする。
3‑1‑
1.再活用の手法について
表
3‑1‑1、図
3・1・1・1は、再活用の手法別事例数を示したものであり、図
3‑1‑1‑2は既存 建築を改修して再活用した事例について、その理由を示したものである。既存建築を建て 替えた事例と、改修して再活用した事例が最も多く、それぞれ
4割ほどを占める。改修し て再活用した理由としては、「イニシヤルコストの削減
Jが最も多く、「工期の短さ」や「市 民の要望があった
Jが続く。
表
3・1・1再活用手法別事例数
(n=22)図
3・1・1・1再活用手法別事例数
(n=22)既存建築を改修再利用した理由(MA)
図 3
・1
・1
・2 既存建築を再改修した理由 (MA)
20
三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科
第 3章大規模商業施設の再活用に関わる要因
3‑1‑2.
現在の場所において現状施設の再活用に至った理由
図
3・
1・
2・
1は、郵送アンケートにて解答のあった現状施設の用途を示したものであり、
図
3・
1・
2・
2は現在の場所において現状施設のオープンに至ることになった理由を示したも のである。現在の場所において現状施設のオープンに至ることになった理由として、「昔か ら中心市街地の核的な施設だ、ったから
J、「駅からのアクセスが良いから
Jの回答が最も多 く、次いで「既存建築を活用できたから
J、「人の街来が見込めるから
J、「地域との縁が強 いから
Jという回答が多い結果となった。図
3・
1・
2・
3は、商業機能を含んだ施設のみを対 象に、現在の場所において現状施設のオープンに至ることになった理由を示したものであ り、「昔から中心市街地の核的な施設だ、ったから」という回答が最も多く、拠点的機能を期 待されて、商業機能としての再活用が行われている事が明らかとなった。
現状施鰻の用途
109 8 7
U
.:
6 1 z
1 1
2
111
目
。目 園田
ロ被用途
・導入用途
K V E J
絹UT
。
eもそ~ -~
̲..<争"."-~も今~...i.酔 今 や や や 4ト 4与~'"
...~'V ~争古島'やや fÞt-'-
~+'" ...~~
s.4i~ 母.' ,
ι' や <e'や も やや 4章、や令~ . . ~. .ゐ~
図 3 ・ 1 ・ 2 ・ 1 現状施設の用途 (MAただし核用途は 1つ)
12 ... ττ一 一可可
現在の場所において現状範訟のオーブンに至ることになっ た要因
{商業用途を含んだ纏設}
現在の椙所において現状施設のオープンに至ることに なった要因
12
10 10
10
8 8
6 6
4 4
2 z
。 。
壬の場所において現状施設のオープンに至ることになった要因 (MA) 右図
3‑1・2・3向上(商業機能を含んだ施設のみ回答)(MA)
21