六六
↓ 9 ♂ O § ♂ 及 び ㌘ ︒ ↓ ︒ § ω に よ る 貿 易 契 約
緒 大谷敏治
到着を條件として︑現に運逡の途中にあるもの叉たは未着の商品を費買するとき︑この費買を碧臥く巴費買
といふ︒この條件は從來︑普通に︑停止條件と解されてきたけれども︑商事費買の實際及び判例に徴すれば︑
わ解除條件としての﹁到着﹂をも認めざるをえないこと︑既に筆者の読き試みたところ︑そして幸にも先進同學
の者によつて︑探り入れられたところである︒た野不特定物の費買に於いては︑専ら停止條件としての﹁到着﹂
わのみが附款とせられるのであつて︑か玉る停止條件附の9鼠く鑑費買では物品特定の場合は二つありうる︑船
内にある全積荷{邑Sお︒8が費買せられた場合は︑船舶の特定する時物品も特定するが︑積荷の一部窓旨6﹃
が取引せられた場合は︑縦ひ船舶は特定しても物晶は直には特定しない︑費主が陸揚港に於いて物品を買主に
の提供する時︑物品が特定する︒そして碧暑巴費買に於けるこの物品の提供は︑①×ωぼ弓費買と同様に︑普通
1) 2) 3) 4)
拙 稿 、 「到 著 」 な 條 件 と す る貿 易 契 約(上)、 商 學 討 究 第 八 櫓 申 冊 所 載 。 上 坂 酉 三 、 海 上 費 買 論 、 昭 和 九 年 刊 、 四 五 七 一 四 五 入 頁 。
拙 稿 、 前 掲 書 六 五 頁o
Cargoesとparcelsと の 意 味 につ い て に 後 述o
のに︑費主が荷渡指圖詮U島く︒昌Oa窪を買主に提供することによつて履行せられる︒なほこの費買に於﹂いて
﹁到着を條件として﹂いふ時に︑到着とは何の到着であるか︑船舶の到着であるか物品の到着であるか︑夫れ
とも夫れ等双方の到着であるか︑叉たこの條件が成就或ひは不成就の場合に︑その敷果は夫れそれの内審に從
のつて如何に異るか︑などについては︑既に詳論したところである︒
かくの如き未着商品の魯昌守巴費買は︑海蓮界の特殊な情勢と︑商事費買に於ける特別な事情に基づく探算
のから︑主として撒積運逡の穀物・油脂・鑛石等の大量貨物について多く行はれる︒
本稿は︑か玉る彗同ぞ巴費買の素描に出稜して︑﹁到着﹂を條件とする貿易契約に於いて︑契約の内容たる品
質及び鐵量に關する條項が︑如何に取り極められるかを研究しようとする︒他の場合に於いてもさうであつた
ように︑文献に乏しいこの分野のことであるから︑主として具饅的な現行の貿易契約そのものを分析整理し︑
そのうちかち自から一つの型乃至は傾向を抽出したく翼ふ︒
呂一般貿易契約に於ける品質及び数量條件
貿易契約に於いて︑普通に取り極められる基本的取引條件§ヨm§山8民三︒蕊は︑品質に關する條件・数
量に關する條件・便格に關する條件・船積に關する條件・保瞼に關する條件及び決濟に關する條件の六つであ
わるとせらる㌔互に法域を異にし商習慣を異にする國と國との間に立つて︑あらゆる危瞼を自ら員澹する貿易
日巴︒ρ鼠[o及び図団o目︒旨屋による貿易契約六七
5) 6) 7) 1)
上坂 酉三 、前掲書 四五六頁o
拙稿 、「到着 」な條件 とす る貿易契約(上 下)、商學討究第入巻 中下冊所載。
拙稿 、前掲書 五入一五九 頁、拉 びt:上叛 酉三 ・前掲書 四五八頁o 上叛 酉三 、貿 易實務 、昭和九年 刊三頁 。
◎
六八
活動には︑若し之れ等の諸條件の取り極めが不徹底不完全であるならば︑測らざる︒国言が獲生して︑商品
交通の圓滑な蓮韓は到底望まれ難い︒從つて取81の實際に入るに先だち︑之れ等言§ω碧住8a窪︒諺の内容
を︑出來るだけ詳細綿密に取り極めることが最も望ましいのであるが︑此盧では品質に關する條件及び数量に
關する條件のみを︑本稿に關聯する限りに於いて︑略述するにと讐めよう︒
品質に關する條件を取り極むるに當り︑考慮せらるべきは︑晶質を如何にして表示するかといふこと︑品質
の決定は何時何塵にてなさる︑かといふこと︑及びその品質決定の謹明は何人が何によつてなすか︑といふ三
鮎である︒商事費買の取引は大別して︑︒︒鑑︒ぼ膨︒・需鼠o昌とω9♂ξ旨ヨ嘗︒及び︒・9冨ξ偶窃︒暑什凶8の一一一つ
である︒そして超♂ξ冒︒・窟鼠︒昌は︑各種品質取り合はせの大蕎貨物として︑そのま︑げ巳犀で取引されるに
ヘへせよ︑叉た荷口全部につき拝見が行はれるにせよ︑とにかく喪買の履行地に買手自からか或ひはその器箕霧?
艮註く窃が存在する場合に行はれるものであつて︑商業道徳の進歩と商品標準化の傾向とは︑外國貿易に於け
る費買爾當事者が遠隔の地に互に離れて存在するといふ普通の事實と相侯つて︑取引の態様を次第にω鑑︒ξ
わ︒・僧ヨ覧︒及び︒・薗げξ腎︒・鼠冨8に集申せしめつ玉ある︒殊に各種同業組合或ひは國家的機關による検査格付
の等にょつて︑品質の統制種質の統制が︑謂ゆる産業統制への第一歩として強行せられるに從ひ︑之れ等の態様
による貿易取引が墜倒的に多敏を占むるに至つた︒
b三く匹費買の大部分をなす農業生産物及びその他の各種大量貨物f謂ゆる天産物は︑世界各地を通じて
2)qarkandWeld,MarketingAgricultuTalProducts,NewYork,1933,p.p.
33‑34・
3)高 橋 醜 吉 、H本 産 業 統 制 論.昭 和 八 年 刊 四 六 一 四 九 頁 。
早くから︑此の種の品質叉たは種質の統制が企てられ︑特に各種同業組合の品質査定或ひは格付などが遍ねく
行はれて︑¢巴︒ξ鶏ヨ筈叉たは︒・巴︒ξ鮎霧︒暑け凶8による費買ならぬもの︑殆んどない歌態である︒例へば
嘗つて周・﹀・ρ條件に基づき︑≦‑﹄㌣箋9蜜といふ名によつて取81された北米太干洋岸積出の小萎も︑一九
二三年以降は北米合衆國の政府による槍査をうけること曳なり︑霜ぴ冨ミ9口9は毛聾巽昌婁ゲぎ署︒.卜︒・器岱ξ龍9
は婁$言ヨ器自Z︒・博と呼ばれて︑現在は北米合衆國及び加奈陀より積出される他の小萎と共に︑政府の讃明
め書附で費買せられ.︑︒康︒Σ8H農︒§h一昂巴器8ρ§洋ざ8巳三8碧昏§冒鑑ミ・黄ぎ..とするのが普通の條
ヘノち 項である︒南アフリカ産の小萎も又た同様である︒その他ロシア・ダ昌ユーブ澹岸から積出される燕萎︑世界
の取81の大部分を占めるアルゼンチン積出の亜麻仁︑北海道産青碗豆も叉た即b・ρ條件に基づき見本によ
わつて費買せられる︒国.︾・O・とは国緯H︾<︒旨鵯O口昌蔓の略︑{9︒蹄碧o鎚ぴqoρ§澤鴇ho婦昏︒器器o讃.︒・珍甘ヨ︒暮
のの意であつて︑世界に於ける毅類の大輸入地鞄る英國倫敦に於いて︑ある船積地方より到着する一穀類の見本
を抽出して混合し︑一定の..曙窟銘日艮︒..を作り︑之れを以つて其の地方よりその季節申輸入せられる當該︒
の穀類の申等標⁝準品とするものである︒濠洲では商業會議所が小変の︒︒98冨・を集め建同葉・轟αq6ρ塁琴団を定
勒め︑之れをい︒巳︒口O︒彗目歪曾︾︒・のo︒一舞ご旨に逡附して同意を得ること玉する︒敦れにせよ決定せられた
臨葺碧︒冨︒q⑦ρ§一ξの見本は︒︒︒巴して保管せられ︑將來国・諺.ρ・に基づいて費買せられた穀類の品質にっ
恥き異論ある時は︑このω窪ぎ傷︒・餌8箪oに照合して裁定するものである︒
目巴︒ρ壼﹃及び閑同o↓¢彗頃による貿易契約六九
4) 5) 6)
7)
C.Maughan,(;ommodityMaτketTerms,2nded・,】 ゐndon,Ig34,P.P・3‑4
」.A.DeHaasrThePracticeofForeignTrade,NewYork,Ig35,P・121・
DepartmentofCommercepMarketMethodsandTradeUsageinI・ondon, SpedaLConsularRepo比s,No・86,Washington,1923,P・25・
C.Ma㎏11an,ibid.,P.P.8‑‑17」 及 びP・27・
七〇
このような費買にあたつて︑問題となるのは︑取引せられた物品の品質が何時何塵に於いて約定の見本通り
或ひは標準品通りたるを要するか︑換言すれば積出の時に品質が右の要求に適ふを以つて足るとするか︑將た
叉た︑陸揚の時に約定通りたるを要すとするか︑の一事である︒殊に﹁到着﹂を條件とする費買に於いては︑
大量の物品が︑多くの場合撒積にされ︑熱帯叉たは亜熱帯の海洋を買手を求めて彷径し︑或ひは又た現に運途勒の途中にあるものを買入れて之れを﹁到着﹂を條件として韓費するのであるから︑右の品質をω霞署aρ轟諾蔓︑
によらしむるか討乙&曾島蔓によらしむるかは︑非常に重大な意味をもつてくる︒物品費買の原則からいへ
ば︑引渡物品が契約の標準たる見本叉たは標準物と同一品種品質かどうかの決定は︑輸入地着荷の歌態にょる
勒ものと解すべく︑現にアルゼンチンでは小変の取引では一般には輸出商が輸入地までの品質の危瞼を員ふもの助と考へられて居るけれども︑然かし前述の事情の下にある碧﹁ミ巴費買の費主をして︑常にこの原則に從はし
むるは︑若干酷にすぎる︑彼は時には︒・臣篭窪から︒昌弓§おρ注︒暮に買入れて︑その約定に於ける品質を
粉確信してそのま曳之れを他に︒旨碧H写巴で縛責する者でもありうるからである︒
歎量に關する條項に於いて問題となるのは︑船積の際の数量が約定激量たるをもつて足るか︑夫れとも陸揚
の時の数量をもつて受渡の契約数量とするか︑といふこと︑契約激量と受渡数量との不一致を如何にするか︑
といふこと︑拉びに︑契約数量の受渡を何人が何塵にて誰明するか︑といふことの三黙である︒船積数量が契
約数量通りであつたといふ査詮O舞窪B需を以つて敏量に關する契約履行ありたるものとすれば︑蓮逡の途申
8) 10) 9) II) 12)
G・G・Huebner&R・L・Kramer,ForeignTrade,PrincipleandPractice, NewYork,1930,P・597;J.A.DeHaas,ibid.,P.121.
J.A.DeHass,ibid。,p.121;c.Maughan,ibid.,p.6.D epartmentofCommerce,ibid.,p。25.
DepartmentofCommαce,ibid.,P.25.
拙 稿 、 前 掲 書 五 八 一一五 九 頁 。
如何なる減量漏損を生じても︑夫れは費手の責任ではない︑買手の承諾をえたo自霞く塁窪叉たは男昌一凶︒き黄冨㎏
の重量詮明書O巽侍窪$器︒h≦︑︒黄洋を船積書類に添附する限り︑費手は数量に關するかぎり一切の責任から免
劫れうる︒
然しながら︑農産物・油脂・磧石などが長途蓮逡せられる場合︑特に撒積貨物として蓮邊せられる場合には
減量漏損は當然に冤れがたく︑叉た油脂等にあつては︑その物品の物理的化學的性質上︑必然に減量漏損を生
するものである︒從つてか玉る場合には船積激量條件は到底行はれがたく︑多くの場合陸揚数量條件が約定さ
れるものである︒
更にまた︑このように陸揚激量條件が約定せられた場合は勿論のこと︑假に船積激量條件が約定された場合
であつても︑前述のような性質を有つ商品が大量貨物として︑長途を運途されて前述のような事情の下にある
限ウ︑受渡藪量を嚴密に契約数量に一致せしむるは︑技術的にも困難である︒從つて菩︒暮とか§︒鴇9一6器
恥とかいふ語句を激量を示す語句に冠らしめ︑更に前述の減量漏損を假に豫想して一定歩合の誤差を注︒ミき8
として許審するのではあるが︑夫れにしても之れを確守することは甚だ容易ではない︒そこで受渡数量と契約
藪量との間の過不足條件∪⑦h茂窪2Ω碧︒︒︒が必要となつてくる︒
以上のような事情のもとに於いて︑前記諸商品を﹁到着﹂を條件として費買する貿易業者は︑之れ等品質及
び激量に關する取り極めを如何になすであらうか︒
↓巴oρ甥鑑︒及び男饗↓曾崖に工ろ貿易契約七一
3)上 叛 酉 三.前 掲 書 入 頁0 4)J.A.DeHaas,ibid.,p.122.
5)拙 稿 、 商 學 討 究 第 八 巻 中 冊 〇 五 入 一 五 九 頁 。 6)上 坂 酉 三 、 前 掲 書 九 一 一 二 頁0
7)J.A。DeHaassibid・,P・P・T23‑Ieq・