資 科
貿 易 契 約 に 於 け る 数 量 約 款
緒 大谷敏治
貿易契約に於いて︑普通に取り極められる基本的取引條件§ヨo§"8巳三︒葛は︑品質に關する條件・数
量に關する條件・便格に關する條件・船積に關する條件・保瞼に關する條件及び決濟に關する條件︑虹ぴに紛
孚の解決に關する條件等である︒互に法域を異にし商習慣を異にする國と國との聞に立つて︑あらゆる危瞼を
自から員捲する貿易活動には︑若し之れ等の諸條件の取り極めが不徹底不完全であるならば︑測らざる6一鉱B
が嚢生して︑商品交通の圓滑な運鱒は到底望まれがたい︒本稿は︑前述の諸條件のうち︑敏量に關する條件を︑
現行の各標準契約に取り極めの約款に基いて︑整理分析したものであつて︑全韻としての貿易契約研究の一部
をなすものである︒
貿易契約に於けろ数量約款(大谷)一三九
つ 貿易契約研究 には既 に上坂 酉三博士 、「海 上賓買論 」昭和 九年 刊 、「貿易取 引 條件 の研究 」昭和 十三年刊 、申井省三.「 貿 易商務論 」の好著 があ るo本 稿 に
之れ等 に員 ふ と ころが 多いo
=歎量約款の表示 一四〇
数量約款に於いて表示せられるものは︑数量の箪位ハ受渡激量の決定及び誰明方法︑虹びに受渡
数量に過不足ありたる場合の解決に關する條件である︒以下項を分つて述べよう︒
貿易取引に於ける数量は︑重量・容積・長さ・個数及び荷造の輩位等によつて表示せられるが︑
その敦れによるかは︑商品の種類にょつて略ぼ慣習的に定つてゐる︒すなはち︑一般天産物・鐵材・
鋼材・藥品.油脂等は多く重量毒︒凶α︒ぽによつて取引せられ︑噸・封度・澹・瓦を以つて表示せら
れる︒絹・人絹︒綿・毛織物の如き織布類はすべて長さ♂轟昏によつて費買せられ︑その翠位とし
めてメートル・礪・沢等が用ぴられる︒一般雑貨類は︑概ね個数自ヨげ窪または荷造の軍位によつて
取引せられ︑打・グロス・大寄・箱9器馬俵ぴm♂・袋訂σq・樽げ醇器rら昌B等を以つて示される︒
外國貿易取引に於いて︑容積ヨ︒器舞6ヨ6葺を以つて費買せられるものは︑.極めて稀れであつて︑立
方灰またはスーパー沢を以つて取引さる玉木材が︑その一例である︒鼓に注意すべきは︑之れ等の
翠位を表示する語は︑その意味するところ︑商品の種類によつて自から定つてはゐるが︑同一の語
ゆ おでも市場によつて時に内容を異にし︑同じ商晶でも市場によつて用語を異にすることがあるから︑
取り極めにあたつては特に念入りに内容を示してのちの誤解を防ぐことが肝要である︒
重量を以つて費買せらる玉場合に︑その重量を決定するについて,船積の時に於ける重量を以つ
てする場合と︑陸揚の時に於ける重量を以つてする場合とがある︑これを船積激量條件¢試署言σq
貨 の 意 義 に つ い て に 、 中 井 省 三 「謂 ゆ う 雑 貨 の 意 義 に 就 い て 」 雑 誌 「貿 易 志 」 第 三 巻 第 七 號 所 載 峯 照o
へ ば 噸tonl:K三 種 あ る 。(1)英 國 及 び そ の 麗 領1=於 い て に 、1ton=20 ts.za2,2401bsぐ あ つ てlongtonま7こ にgrosstonと いltれ 、 俗i=英 噸 と も ふo(2)来 國 及 び 加 奈 陀 に 於 い てlt、Iton=20centals・ ・2,0001bs.で あ つ て )rttonま †こにnettonと いitれ 、 俗1:来 噸 と い ふ 。(3)佛 國 そ の 他 ラ テ 諸 國 で に1ton=1,eookgs.=2,204.62231bs・ で あ つ てmetricton重 量 噸 で
るo
へ ば 本 邦 産 木 材 に .劉 英 取 引 に に 立 方 釈 な 以 つ て 、劉 米 取91t:ltsuperfoot 以 つ て 示 すosuperfootと に 、 厚 さ1吋 為 有 す ろ 一 亭 方 駅 の 木 材 為 い ひ 、 )oosuperfeet=MftB.M.(1socofeetBoardMeasure)な 以 つ て 取 引 さ れ
。 苫 来 地 英 俊 ・団 際 貿 易 活 法 、 昭 和 十 年 刊p・31脚 註 。
獺 廉 麗 魏 謙 欝 る
)))
1 2 内 ρ
碧彗ユ々言§3︒︒玄℃駕島箋︒団σq犀需誉3剛昌壁寄毛焦σq7傅需§い.陸揚数量條件一§島昌σqρ§a蔓言§・・嚇一§ら巴
ララるビリ越6骨ぽ言﹃ヨ3鳥集蕊器偶芝6碍琴陣巽日︒・嚇O葺ε旨≦臥σq露σq賃醇§器a切ひqO&8彰山"隻くO鑓僧ON日︒︒とよぶo
船積数量條件の場合は︑費手は︑約定商品の引渡を︑船積當時の重量を以つてし︑蓮逡の途中でおこる減量
に封して責任を員はない︒すなはち︑船積當時の重量に基いてインボイスを作成し︑之れによつて代金の授受
をなすものであつて︑從つて︑減量の憂ひの勘い商品︑または減量度の大髄一定してゐる商品に適用せられ︑
費手に有利な條件である︒その重量の詮明は︑全く資手の申出に任せ︑インボイス面の記載または費手作成の
容積重量表竃︒器謹oヨo暮潜乱婁ω団ぴq露い響重量表毒o貫露Zo言等によることもあるが︑多くは買手の承認
をえた︒︒舞く曙o同または公認検量人団暮穿≦︑臥﹃q冨N宣誓槍才人◎︒≦o旨]≦︒器舞窪の作成する重量誰明書
O巽け田︒魯器︒{類・黄揮を船積書類に添附するものである︒この鮎に關しては後段に詳論しよう︒
陸揚数量條件とは︑陸揚港に於いて實際に陸揚したる重量を以つて受渡数量となし︑之れによつて代金の計
算をなす場合をいひ︑蓮逡途申に起つた減量は費手の員播となり︑從つて買手に有利な條件である︒か﹂る條
件は︑船積に當つて正確な敷量または重量を秤定しがたき商品︑または︑長途輸逡の聞に︑減量或ひは漏損を
生じやすい商品︑すなはち農産物・油脂・磧石・海産物及び或る種の工業藥品等,大量に撒積みせられる商品
に多い︒陸揚重量の識明は前記船積條件の場合と同じく︑︒︒琴器岩Nまたは男昌一一︒≦㊥一σqぽ﹁の嚢給する
O︒昌崖8器により︑後日の紛争をさけるために︑何種機關の誰明によるべきかにつき豫め費買爾者間に協定が
なければならぬ︒なほ︑油脂類の如く︑時日を経過するに從つて︑必らす若干の漏損げ界濃︒を生するものに
あつては︑後述の如く着荷後の秤量誰明の期限につき一定の期限を約定することが必要である︒
貿易奨約に於ける歎量約款(大谷)一四一
4)OUtturnと い ふ 語 の 意 味 に 、 名 調 と し て は.(!)areport7indetail,ofcargo dischargedfromvesse1.(2)thewholeofthecargodischargedfromavessel
ataport.の 意otooutturnと い ふ 動 詞 の 用 法 は 辮 …書 に に ま だ 認 め ら れ て ゐ な い が 實 際 家 に に 旺 に 用 ゐ られ て ゐ るC苫 来 地 英 俊 ・ 前 掲 書 、P.245.脚 註)0 5)Goodsounddeliveryと にtocoverthepossibleabsorptionofmoistureduring
voyage,whichmightverygreatlyaffecttheweight・ の 意(J.AntonDeHaast ThePracticeofForeignTrade,NewYork,1935,P.125)o
一四二
の以上の船積・陸揚の條件の敦れもに︑更らに︑その総重量によるか純重量によるかを約定すべきである︒
総艦数量條件038箋︒一σ︒ゲ:ω§︒・とは︑商品の包装材料をも込めた総重量を以つて,約定品引渡の重量と
するもので︑俗に皆掛ともいひ︑買手にとつては不利な條件である︒か亀る條件の行はれる商晶は多くはな
く︑その風袋冨話ー包装に用ひられる材料⁝や含有雑物島鑑けの重量が略ぼ一定したものである︒なほこ
の條件にも船積港に於ける総量條件のものと︑陸揚港総量條件のものとあつて︑輸入西貢米は前者︑封英輸出
・青碗豆︑倫敦に於ける小萎︑濠洲産小萎の取引は︑後の條件による︒
純量数量條件Z9≦⊆αq犀9§切とは︑総重量より︑風袋その他含有雑物の重量を控除し︑商晶そのもの︑
正味重量を以つて受渡重量とするものであつて︑重量による取引は一般にこの條件に從ふ︒これにもまた,輪
入染料の如く積出時に於ける純量によるものと︑魚油及び植物油の如く︑到着時に於ける純量によるものとの
二つの場合がある︒
純量を決定するための︑差引かるべき風袋の秤量方法については︑市場により商品によわ慣習を異にする
わが︑大饅吹ぎの四つの場合がある︒
一實際風袋器鑑偉舞︒",︒︒ε匙$器・受渡商品を各個別に實際について一々秤量する場合である︒ハムブルグの(珈緋市場に於いては︑珈排はすべて一旦袋よりあけ混交せられ︑然るのち秤量︑再び袋に入れて取引せられ
のる︑之れを同市場の用語によれば冨岸&といひ︑實際風袋による取引であるが︑明らかに時間及び維費を要
する故に︑少量にして高便なる商品にのみ行はれるものといはねばならない︒リバプール棉花市場にては︑米
國積出以外の棉花は︑毎百梱毎に十梱を取り︑賞際風袋を秤量する︒
6) 8) 7)
DeHaas;Ibid.,p.p。 π5g‑160;Huebner&1くrameτ;ForeignTrade,Principles andPractices,NewYork,Ig30,P.613・
DeHaas;lbid.,P.P.126‑127;Huebner&Kramer;Ibid.,P・P・6s2‑613・
DeHaas;Ibidりp.126.
二實際に風袋を秤量せナ︑商慣脅によつで認められた風袋の重量を維重量から控除する場合を︑慣脅風袋(の6蕊け︒§蔓冨器時に出89器といふ︒普通はある率を総重量に乗することによつて風袋を算出するのである
が︑時に︑標準的秤最度の包装材料を使用して算出することもある︒欧洲大陸諸市場に於ける◎巴目亀の取
引は︑この方法に從ひ︑次ぎの如く約定する︒﹀切脳蓉言9ゆo目男巴目o昌︒嵩署巴坤︒B>冷ユ6♪臨自ミ置679穿巴
言器あo巴︒貯9︒署腎魯一P昏o冨器h自霊一ヨo昌︒・ぴ剛冒究島蟻8ヨo昌吻冠o>強$"穿oo臨αqぎ亀雷器駒器緯︒琶目&o昌
昏o冨旨巴ρ9器目8ユo昌ao昌島ooユゆqぎ匹署︒貫7齢吻ロg蕊8翫8い8冨o自暑箒らξげξo冨冨9=o≦巴●口三霧の
昏窃o訣砂q自8舞︒げ9農oぼ6ga8ξげξ臼伊写≦窪n76器︒9告肖曽彗凶80碧ぴ︒凶ミo犀︒自.q︒ぎ三ら島029げ⑦誘
岱乱午︒雷器o幽9ヨ旨鉱o目9冨菖昏︒﹁3㎞げ︒窪︒σq一げ5昏︒言器宮﹁冨旨匹{o凶窪3冨昌o﹃B﹃8昏自8{凶ω
ε冨6巴ε霧&o昌盛oぴ餌訟ωo蟻昏o薯︒冨σqo雷器噂①同冨疑9剛9島o毛ぎ写冨﹁6匹ぎ碧8巳塁8≦律ゲ昏0
9σq冒鑑≦6黄露昌︒島一︒鼠§.リバプール市場に於ける米國積出の棉花は一梱総重量三五〇乃至四〇〇封度の場勒合には︑風袋の控除は六%︑ρ剛・歴O需N8暑註o≦き6︒ま幡冨器と定められてある︒この慣習による風袋の
控除率は︑たとひ同一商品でも︑市場にょつて異ることがある︒例へば皮革の取引では︑紐育市場では一〇%
を風袋とする慣習であるが︑他に二%以下とする市場もある︒ 三全貨物申より任意に数個をとり︑その風袋を計量し︑その畢均重量を以つて全風袋の重量を認定するもの( を︑亭均風袋磐⑦鎚σq︒雷器といひ︑四契約の當時︑費買爾當事者の聞に大艘を協定して︑之れを費手のイン(ボイス面に記載して︑そのま﹂風袋の重量とするものを推定風袋8ヨ弓暮6ら3器と呼ぶ︒ラテンbアメリカ諸
國の取引には︑右の外に︑冨9︒σq鑑≦︒貫洋法定重量なるものがある︒絡重量より風袋の重量は控除するが︑商
品の實際の重量と之れに直接燭る﹄内装物例へば箱内部張りの紙・錫等の如き葺︒﹁剛自毛旨噂書鵯の重量を加
貿易契約に於ける扱量約款(大谷)一四三
■
9) Io)