NDC 371.8, 375.2, 548.2
成績分析システムの開発
宮 地 響*
(昭和59年4月16日受理)
Development of System for Analyzing Academic Records
Isao MlyAJI
(Received April 16, 1984)
We develop system for anlyzing academic records so as to grasp the characteristics of classes, subjects, and students in the academic records. [he academic records are processed by using various techniques. The system prepares eight valuable materials for guidance of students. Since many of them are visually represented, we can easily grasp and effectively use them. Therefore, we can improve both learning and teaching effects.
1.序 論
教育システムの最適化は重要な課題である。この課題の 中に占める教育方法の改善の役割は非常に大きい。電子計 算機の優れた能力の利用により,教育方法の改善を効果的 に進めることができる。その改善には各種の教育情報デー タを収集することが必要である。そして,それらの収集し たデータを簡単にいつでも利用できる形に加工することが 重要である。そのために,教育情報処理システムの開発が 強く要望されている。
教育データの中で,成績は学校において最も重要なもの の1つである。定期試験は年に2〜5回位行なわれ,成績 データを処理するシステムは最も望まれているものの1つ である。事務的に成績を一覧表にするために電子計算機を
用いる報告はいくつかある1),4),5),6),10),11),13)。ところが,
成績は教育方法の改善の点から見ると,学級や科目の特徴 を把握した上で学習者に提示して,学習のつまついている 個所,努力の必要な科目などを知らせるなど,今後の学習 指導の資料とすることができる。また,学習者の努力がど のように結果に現われたかを知ることは次の学習の方針を 定めるのに役に立つ。現在,高専ではいろいろな点からこ のような学習指導が必要不可欠になって来ている。
上に述べた必要性に鑑みて,成績を分析するシステムを
開発することを企画した。その一部については,すでに報 告した9)。その後,各種の手法を用いて成績データから学 習指導に役立つより多くの視覚化された資料を作成できる ようにシステムを拡張した。ここではその拡張システムに ついて報告する。ただし,本論文だけで内容がわかるよう にするために多少前論文9)と記述が重なる部分が含まれて いる。以下では,成績分析システムの概略を述べ,それぞ れの資料について少し詳しく説明し,本システムの利用法 について述べる。続いて,本システムの利用も数年を経て いるので,利用結果を基にして考察する。
*機械工学科
2.成績分析システム
本システムの処理の流れをFig.1に示す。この流れに 従って,本シ.ステムの概略を説明する。まず,Fig.2の入 力データ作成用紙に学級の成績に関連したデータを記入す る。必要なデータは次の7種である。{1)年度および試験 名,②学年,組学習者数および科目数,(3)科目名,(4}前 回の総合成績のH得点2),(5)学習者名,(6}出席番号,その 学習者の各科目の成績,(7)試験年月日,試験名,学年組 担任教官名。記入した入力データ作成用紙の通りにパンチ カードにパンチする。次に,パンチしたカードを初期デー タとして入力する。
入力データを基に成績原表が作成される。この表では,
学習者ごとに総合成績,平均得点,標準偏差,および総合 成績のE得点を計算する。また,科目については,平均点
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StOP
Fig.1 General flowchart of the system.
1つであり,各科目の平均点および標準偏差に基づいて計 算される2)。
成績原表を基にしてH得点成績表を作成する。この表は Fig・5に示すように成績データをH得点に置き換えたもの で,右端や下端の欄の値は甜g.3の成績原表と同じであ
る。
H得点成績表からFig.6のようなH得点成績順表を得 る。この表は,H得点成績表を学習者については成績順 に,科目については平均点の高い順に並べたものである。
成績原表からFig.7のような星座グラフを作成する。星 座グラフは半円を用いて,科目の成績をベクトル表示した ものである3),7)・14)・15)。そのベクトル和の位置に成績変動 の記号をプロットしてある。
成績原表よりFig.8のような科目ごとの成績分布図を科 目数だけ作成する。また,成績原表の学習者の平均得点よ りFig.9のような平均得点分布図が得られる。
SHEET FOR ACADEMIC RECORD DATA
Fig.2 Sheet for input data.
および標準偏差を計算する。入力した成績データとこれら の計算結果とを一緒にしたのがFig.3である。この表に は,欠点となる科目を明瞭にするために50点未満の科目の 成績のすぐ後に*印を入れてある。また,成績変動を右端 に一=+#の記号で視覚的に把握できるようにしてある。
.成績原表を基にして,学習者の個入別成績表が作成され る。学習者の成績のH得点および学級内での順位を計算し た後,Fig.4に示すように得られる。 H得点は標準得点の
H得点成績表より,科目のH得点が基準点以上の時その 科目の点を1とし,基準点未満の時0とする。このように 変換したO−1データを用いて,Fig.10のようなS一一P 表2)・8),12)を作成する。基準点としては,36,50,64の3 種類を設定してある。
3、成績分析資料の内容
本システムによって得られる資料について前節で概略説
成績分析システムの開発 宮 地
明したが,ここではそれぞれを詳しく説明する。ここで用 いたデータは,全て人為的に作ったものである。また,学 習者名および教官名も仮名である。
3.1成績原表
この表は蹴9.3のように入力した成績データから得られ る。縦方向に学習者を出席番号順に並べ,横方向に科目を 科目番号順に並べてある。この表は,左から個人識別欄,
成績欄および特性欄から構成される。
まず1個人識別欄は学習者名と出席番号から成る。学習 者名は,最初の3文字のみを示している。記憶容量の制限 から扱える最大学習者数は50人である。
成績欄の表題は科目番号および科目名の最初の4文字を 印刷する。ラインプリンタの1行に印刷できる最大桁数が 120という制限から扱える科目数は20科目にしている。津 山高専では,学年末において50点未満の科目を不認定とす る。そのため,50点未満の科目には成績の右側に*印を付 してよくわかるようにしてある。成績欄の下端には科目の 平均点およびその標準偏差を示している。この標準偏差か
ら学習者間の成績の散らばり具合がわかる。
特性欄は,全科目の総合成績,その平均得点,その標準 偏差および総合成績のH得点から構成される。この標準偏
差から学習者の科目間の成績の散らばり具合がわかる。H 得点の欄は,前回および今回の総合成績のH得点HiPおよ
びHin,および成績変動の記号の3種から成る。このH得 点により学習者の学級内での位置がわかる。また,成績が ある程度以上に下降あるいは上昇した場合には,=,一,
+,#の記号を付して,よくわかるようにしてある。成績 の変化HnP == Hin−HiPがそれぞれ次のような範囲にある ことをこれらの成績変動の記号は意味している。すなわ ち,」UnP≦1−10,一10くHnP≦9−5,5≦jHnP〈10, HnP 210である。一5〈HnP〈5のような小さな成績変動の学 習者に対しては印を付けていない。
ところで,H得点は一次的標準得点の1つである。平均 値mと標準偏差σの異なる成績の間の比較を容易にするた めに,H得点は平均値50および標準偏差14に成績を換算し たものである。すなわち,学習者のiの成績をXiとする
と,そのH得点Hiは次のように計算される。
Hi=14ma/rm M+so a 3.2H得点成績表
この表はFig・5のように前項3.1で説明した成績原表の 成績欄をH得点に直したものである。成績欄の下端,個人
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Fig.3 Original academic records.
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Fig.6 H−score table rearranged in order of total records. for students .and in order of average scores for snbjects,
成績分析システムの開発 宮地
識別欄および特性欄は成績原表と同じである。経験によれ ば,H得点で40以上あれば,学年末に認定されることが多 い。そこで,この表では,成績が50点未満でもH得点が40 以上あれば,成績欄のH得点の後に*印を付けていない。
H得点は,前項で説明したように標準得点の1つである ので,学習者については科目間の成績を比較することが容 易であり,学級内での各科目のその学習者の位置を知るこ とができる。一方,科目について見れば,学習者間の成績 の分布状態を知ることができる。これまでの試験の成績と 比較することにより,学習者の成績の時系列変化を知るこ
とができる。
3.3H得点成績順衷
この表はFig.6のようにH得点成績表を学習者について は成績順に上から並べ,科目については平均点の高い順に 左から並べたものである。個人識別欄は,H得点成績表に 示した氏名の替わりに順位を用い,順位と出席番号を並べ て印刷する。
この表では左上隅に高い成績が集まり,右下隅に低い成 績が集まる傾向になる。従って,この表より学習者の学級 内での位置,成績上位の学習者と下位学習者の特徴がよく
把握できる。また,よく似た成績の学習者の特徴を比較す ることも容易である。平均点の高い順に科目を並べてある ので,ある意味で科目の難易順になっている。従って,H 得点の高い科目が右にある程,その科目がその学習者の得 意科目であると言える。逆に,H得点の低い科目が左にあ
る程,その科目がその学習者の不得意科目であると言え る。このようにして得意科目や不得意科目を知ると共に,
その程度を知ることができる。
3.4個人別成績表
この表はFig.4のように成績原表より作成される。この 図には5入分を示しているが,このように成績を学習者ご
とに切り離して渡せるようにしたものである。1行目に年 度と試験名を印刷する。1行あけて3行目に学年,組,出 席番号および氏名を印刷する。次に,1行あけて5行目以 降の右側を成績欄に,左側を特性欄にしている。
氏名はm一マ字で8文字以内が表示される。科目名は最 初の7文字までがここでは印刷される。20科目までの成績 を2段で印刷する。科目名の下にその科目の成績を,その 下にかっこで囲んでそのH得点を示している。成績が50点 未満の場合,成績原表と同様に成績の後に*印を付してい
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Fig.4 Academic records for each student.
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る。特性値としては,学級内での順位,総合成績その平 均得点,標準偏差および総合成績のH得点を印刷する。そ の学級での順位の下にかっこで学習者数を示している。H 得点は,成績原表と同じように前回のH得点,今回のH得 点および成績変動の記号を示している。また,学級全体の 平均得点を学習者の平均得点の下に示している。
この表は指導する際に学習者それぞれに切り離して渡 す。これを見せながら説明して,指導効果をあげようとす
るものである。この表から学習者の学級内での位置,科目 間の成績の散らばり具合,成績変動の程度,学級における 科目の成績の程度,不認定科目,今後の努力が必要な科目
とその程度などを知ることができる。
3.5星座グラフ
星座グラフは,Fig・7のように半円の中に科目の成績を ベクトルで表わし,中心を原点としてそのベクトル和の位 置に学習者の成績変動の記号をプロットしたものである。
そのベクトルの傾きは得点を表わしている。すなわち,角 度0。の方向を最:低点の0点に,180。の方向を満点の100点 に対応させる。そのベクトルの長さは,円の半径の1/nで ある。ただし,nは科目数である。学習者iの科目ノの成 績を絢ゴとする。半径を1とする星座グラフのそれに対応 するベクトルの大きさは1/nであり,その方向は1.8×過 度の方向である。このようなベクトルをr存とする。従っ て,次のようなベクトル和葛の先端が成績変動の記号を プロットする点である。
ハ Ri=Σrガ i−1
このように,星座グラフは学級の特徴とその学級の中での 学習者の位置が一見して判る多次元データの2次元表示法
である。
グラフの左上に年度,試験名および学年組を,右上に成 績変動の記号の意味を示している。変動の小さい学習者に 対してはピリオッド(・)をプロットする。円周上に5点 に相当する間隔に記号1をプロットし,半円の直径上には 記号一をプロットして枠を作る。50点に相当する垂直方向 には,その半径上に記号1をプnットしている。また,平 均点の高い順に科目の平均点ベクトルを記号*でプロット して行ったものを成績の平均的な振る舞いとして表示して いる。性質上,プロットした点が円周より離れる程,その 学習者の科目間の成績の散らばり具合が大きいことを意味 している。
星座グラフから学級の成績の傾向を知ることができる。
たとえば,成績下位グループに成績が下降する者が多いと か,成績下位グループに成績の散らばり具合の大きい者が 多いとかを知ることができる。前回の星座グラフと比較し て学級の成績の傾向がどのように変化しているかなどの時 系列変化を知ることができる。学級の雰囲気がどのように 変化しているかを見て,学級経営に生かすことができる。
全体の中での学習者の位置を視覚的に把握することができ る。成績変動を記号で表わしているので,学習者の努力状 況を知ることができる。学習者の得点の散らばり具合を簡 単に把握するこことができる。また,成績,標準偏差,順 位などが半円という図形に納まっているために学習者の状 況を把握しやすい。
3.6科目成績分布図
成績分布図は,Fig.8のような科目ごとの度数分布図で ある。この図では,階級の数を10,階級の幅を10点として ある。学習者の成績が属する階級に入る学習者数に相当す
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Fig.7 Star chart graph.
成績分析システムの開発 宮 点
る*印をプロットしたものである。Fig.8には3科目分を 示す。
第1行に科目番号および科目名を示している。左側に成 績の階級の値(下限および上限値),中央に各階級に属す る学習者数を示している。右側には学習者数に相当する*
印を度数分布としてプロットしている。図の下端には,学 級の総学習者数,科目の平均点,その標準偏差を示してい
る。
この図から科目における学習者の位置を知ることができ る。他の科目の成績分布図と比較することにより,科目の 特徴を知ることができる。同じ科目について,他の学級の 成績分布図と比較することにより,学級の特徴を知ること ができる。
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Fig.8 Score histogram fot each subject.
3.7平均得点分布図
この平均得点分布図はFig.9のように学習者の平均得点 がどのような分布をするかを度数分布図で表わしたもので
ある。Fig.8と同様に,この図では各階級に入る学習者数 、 を*印の数で示している。その他に表示されている内容は 科目成績分布図と同じである。
この図から学習者集団の成績分布の形が把握できる。階 級ごとの比率の比較を視覚的に行なうことができる。学級 内における学習者の位置を知ることができる。
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Fig.9 Histogram of average scores fer students.
3.8S一一P表
S−P表は,学習者集団の問題群に対する得点を縦方向 に学習者を得点順に,横方向に問題を正答率の高い順に並 べて配置した得点一覧表である。本システムではH得点の 基準値α以上を1とし,α夫満を0というようにH得点を O−1データに変換する。縦方向に学習者を1の多い順に,
横方向に科目を1の多い順に並べる。そして,変換した0
−1データについて通常のようにS−P表を作る。ここで はα ・= 36,50,64の3種類のS−P表を作成する。Fi9.10 にはα=50のときのS−P表を示している。α=・36はH得 点で平均から1標準偏差14点だけ低い点であり,α=64は H待点で平均から1標準偏差14点だけ高い点である。
1行目にαがいくらかを示している。続いて,試験年月 日,試験名,学年組担任教官名,学習者数,科目数,差 異係数を示している。S−P表は,学習者の出席番号,科
目のO−1得点および特徴欄からなる。0−1データの中 に*と・印がプロットされている。・印は学習者の1である 科目数に相当する位置に,*印は科目の1である学習者数 に相当する位置にプロットする。・印を実線で結ぶと左端 を原点とした1である科目数の度数分布図となる。*印を 実線で結ぶと上端を原点とした1である学習者数の度数分 布図となる。右端のT.CAの欄は1である、科目数を, R,
Cの欄はその割合を,C.Sの欄は学習者の注意係数を示 している。また,下端のCAの行は1である学習者を,
RCの行はその割合を, CPの行は科目の注意係数を示し ている。注意係数は学習者または科目についての特性を表 現する量である。注意係数はS−P表の中の他の学習者ま たは科目と比較して異質である程度を表わしている。
一13一
. 差異係数は,実際に得られたS−P表 のS,P両曲線に囲まれた部分の面積を 完全S−P表と無作為S−P表のそれぞ れのS,P両曲線に囲まれた面積で基準 化した値である。差異係数が小さい程,
学級全体での学習者の成績の異質の程度 が小さいことを意味する。αが大きい 程,差異係数は大きくなる傾向がある。
すなわち,基準点を上げると学級全体の 学習者の成績の異質性が増加することを 意味している。
α=36において0である科目の成績は 相当悪いことを意味している。また,α
=64において1である科目の成績は非常 に良いことを意味している。α=50にお いて,ほとんどの科目が1である学習者 の場合,0である科目が左に位置してい る程,その科目が不得意科目であること を意味する。また,ほとんどの科目が0 である学習者の場合,1である科目が右 に位置している程,その科目が得意科目 であることを意味する。
科目を1である学習者の数の多い順に 並べてあるが,これはどの基準値におい ても必ずしも平均得点の高い科目順には ならない。基準値α以上の科目を多く持 つ学習者は,総合成績が高い傾向にあ る。学習者は1である科目の多い順に並 べてあるが,必ずしも総合成績順にはな
らない。
S−P表は目で見るだけで全体の構造 を簡単に把握できる。統計的な分析に加 えて,質的な分析もしてあるので便利で ある。学習者の学習状況,科目の評価の 傾向などが容易に把握できる。注意係数 から得意科目および不得意科目の存在を 知ることができると共に,どの科目がそ れらに相当する科目かも簡単に知ること ができる。差異係数から学級全体の学習 者の成績の異質の程度を知ることができ
る。
4.使 用 方 法
この成績分析システムはFORTRAN語 で記述し,津山高専のNEAC3200/500S を用いて処理した。システムの使用記憶
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O O O O O O O 乙 O ≧ O O り ←0 0 01騨 O O
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Fig.10 S−P score table.
成績分析システムの開発 宮 地
容量はユーザーズエリア約13K:語の約3倍である。そのた め,本システムは5個のセグメントに分割し,チェーン ジョブにしてある。成績原表および個人別成績表の作成は ファイル名MSH:UKEとし, H得点成績表およびH得点成 績順表の作成はファイル名MHSCORとし,星座グラフの 作成はファイル名MSEIZAとし,科目成績分布図および平 均得点分布図の作成はファイル名MHISTOとし, S−P 表の作成はファイル名MSEI SPとして,セグメントごと
にFig.11のようなカードデック編成で磁気ディスクに登 録した。チェーンジョブにおいてセグメント間のデータの 引き渡しはCGMMON文で行なう。従って,引き渡すべき データはCOMMON文で全て宣言し,全てのセグメントの 最初に同じCOMMON文を付けることが必要である。ま た,続くセグメントの実行は,CALL CHAIN(tMHSCOR ) のようにして,各セグメントの実行の最後に挿入する。次 に,これら5つのセグメントをチェーンジョブ名MSEISK としてFig.12のようにしてi登録した。
$$JOB $$UTIL $NEW,MSHUKE $NEW,MHSCOR $NEW,MSEIZA $NEW,MHISTO $NEW,MSEISP $*
$$FTN,$CDR
} Source program cards $*
$$LOAP,B=MSHUKE $$FTN,$CDR
} Source pTograrn cards $*
$$LOAD,B=MHSCOR $$FTN,$CDR
} Source progrann cards $*
$9, LOAD,B=MSEIZA $$FTN,$CDR
} Source program cards $*
$$LOA],B=MHISTO $$FTN,$CDR
} Source program cards $*
$$LOAD,B=:MSEISP $$寧
Fig.ll Card deck for storing program files.
$$JOB
$$UTIL
$NEW,MSEISK
lfHAIN・D=MSEエSK・MSHUKE・田SCOR・MSE・ZA・囲・ST・・MSE・SP $$
$$XEQ,D=MSEISK
} lnput data
$$*
Fig工2 Card deck for storing chain job。
本システムを利用して成績分析資料を得ようとする場 合,Fig.13のようにカードデックを編成すれば簡単に処
理できる。従って,利用者はFig,2に示す入力データ作成 用紙に従って成績データをパンチしさえすれば,Fig.3〜
Fig.10のような資料が得られる。本論文に示した例の場 合,処理に要した時間は約232秒であった。このほとんど の時間は,ラインプリンタによる資料の印刷に費やされて いる。また,例の場合,出力される共通用紙は,26枚であ
った。
$$JOB $$UTIL $OLD,MSE工SK $*
$$XEQ,MSEISK } lnput data $$*
Fig.13 Card deck for processing data of academic records.
5.考 察
従来,成績データの処理としては総合成績および平均点 だけを求めることで終っていた。これだけでは指導資料と しては不十分であると指摘されている。そこで,手軽に多 くの角度から成績データをながめることができるように加 工することが要望されている。そのような背景から,ここ では成績データを各種の手法で分析して,学習者を指導す る資料を得るためのシステムを開発したことを報告した。
成績データさえ準備すれば,本システムから成績原表,H 得点成績表,B:得点成績順表,個人別成績表,星座グラ フ,科目別成績分布図,平均得点分布図およびS−P表の 8種類の資料が得られる。これらにより要望を十分に満足 させ得ると思われる。
学級全体の傾向,科目の傾向,学習者の傾向などを熟知 した後に,学習者の成績について指導するために個人面接 すれば,最良の効果をあげ得ると思われる。学習者集団の 成績の分布の姿を平均得点分布図で把握する。成績変動,
学習者の科目ごとの成績の散らばり具合などを成績原表の 縮図である星座グラフで把握する。学習者の成績の異質 性,科目の得点構成の異質性,得意科目と不得意科目の存 在などを3種のS−P表で把握する。次に,学習者の成績 順位,成績変動,科目の学級内での位置,成績の散らばり 具合,成績グループごとの特徴,成績の似た学習者の特徴 などをH得点成績順表で把握する。最後に,堂習者の実際 の成績,その程度,総合成績,平均得点,標準偏差などを 成績原表およびH温点成績表で把握する。このように全体 を見通す資料から個々の学習者を把握する資料をながめる のが良いと思われる。
成績の散らばり具合の大きい学習者は,比較的下位に多 い。成績が上位の学習者の中に標準偏差の大きい者があれ ば,相当に不得意な科目を持っていることを意味してい
一 15 一一
る。その場合には,かなりの努力を期待するように指導す るのが良いと思われる。総合成績のH得点が40点未満の学 習者は原級留置になりやすいことが経験的に知られている ので注意する必要がある。試験の素点で成績が提出されて いるために50点未満の者が半分以上を占める科目が含まれ ている。この場合,H得点成績表によりその成績の最終的 な評価をかなり推定することが可能である。
本論文で示した図には,必要な個所に実線を施してい る。本システムで処理した印刷結果にはこれらの実線は含 まれていないので,適宜赤鉛筆で実線を描いて用いると非 常に見為すくなる。また,成績原表などにおいて学習者名 が3文字では少々不十分であるので,津山高専で使用して いる名表を張るとよい。もちろん,名表とラインプリンタ 用紙の行間はほぼ同じになっている。成績原表の成績欄と 特性欄の間の余白を利用して,いままでに不認定となって いる科目数50点未満の科目数,欠課時数などを記入する と指導の際に非常に便利である。
1979年より本システムは利用されているが,気の付いた 改訂を徐々に行なって来た。この間の利用結果は非常に良 好で,学習者からも成績の結果が良くわかるということで 好意的に受取られている。また,個人別成績表は保護者懇 談会の際に保護者に配付して学習者の学習状況などについ
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本システムでは,学習者名,前回の総合成績のH得点な ども毎回入力するようにしている。今までの成績データを ファイル化してディスクに登録しておけば,更に便利にな ると思われる。本システムの利用は,現在一部に限られて いる,担任する学級の学習者が毎年変わることなどから,
そのファイル化を行なっていない。在学中の成績データを 継続して処理して,学習者の時系列変化を見ると成績の将 来予測がかなりの精度で可能である。このためには,成績 データをファイル化していつでも簡単に利用できるように しておくことが必要である。こうして現在だけでなく過去 の成績を利用してより良い学習指導ができるようになると 思われる。このような観点から,教育情報をデータベース 化している報告も見受けられる16)。今後,津山高専の実情 に沿ったこのような方面のシステムも開発して行きたいと 考えている。
6.結 言
事務的に処理されていた成績データを各種の手法を用い て分析し,きめ細かい指導を可能にするために成績分析シ ステムを開発した。本システムは,成績原表,H得点成績
表,H得点成績順表,個人別成績表,星座グラフ,科目別 成績分布図,平均得点分布図およびS−P表の8種類の資 料を提供する。本システムの利用により,学習指導が充実 し,学習効果,更には教授効果が高まることを期待したい。
今後も,教育システムの最適化を計るシステムを開発し て行きたい。
最後に,教育システムの最適化にOR手法の適用に関し て常に御指導戴いている京都大学工学部教授三根久先生並 びに甲南大学理学部教授大野勝久先生に深く感謝致しま す。日頃御指導戴いている津山工業高等専門学校教授石原 恒夫先生に感謝致します。また,電子計算機の利用に種々 便宜を計って戴いた赤堀登美子氏に感謝致します。
参 考 文 献
1)荒木三知夫;更町回における成績処理プログラムにつ いて ,有明高専紀要,NQ13(1977)65−69。
2)藤田広一;Ct教育情報工学概論 ,(1975)昭晃堂。
3)藤田広一,永岡憂三;喫q教育データの視覚化表示法 , 日本教育工学雑誌,3(1978)125−136。
4)深川康平; 電算機による成績処理豆 ,神戸高専紀 要, No.18 (1980) 133−1470
5)池村寓言;t コンピュータによる成績の処理罪,木更津 高専紀要,No.10(1977)6−11。
6)伊藤彰,湯田幸八;tC成績集計処理システムの開発 , 東京高専研究報告,Na13(1981)45−50。
7)行動科学研究会;鴫WAK:IMOTO式星座グラフ , (1975)明治図書。
8)宮地功; S−P表分析法のためのプログラム ,津山 高:専紀要,Na15(1977)29−33。
9)宮地功;Ct成績表を基にした指導資料の視覚化 , 全NEACユーザー会論文集, Nα4(1980)433−44g。
10)宮本止父雄,東野秋二;tt成績情報検索システムの作 成 ,奈良高専研究紀要,Na18(1982)95−98。
11)野沢繁之,高橋正紘,堀春子;tt豊田高専における学 業成績の電算機による処理皿 ,豊田高専研究報告,
Na15 (1982) 107−112.
12)佐藤隆博;電℃一P表の作成と解釈 ,(1975)明治図 書。
13)杉森一興;更更電算機による成績処理1 ,神戸高専紀
要, No.18 (1980) 117−132。
14)杉原正弘; 星座グラフの作図 ,工業教育,No.22 (1976) 25−260
15)多田公昭,島田稔;tt成績データの星座グラフ表示シ ステム ,二三技報,ET79−9(197g)31−36。
16)吉本富士市,岡崎修三,向山寿孝,迫水和裕福田 豊;電更教育情報データベースによる高専教育の改善に ついて ,高専教育,No. 6(1983)103−111。