算定―
著者 三木 千穂
雑誌名 明治学院大学法科大学院ローレビュー = Meiji
Gakuin University Graduate Law School law review
巻 19
ページ 31‑44
発行年 2013‑12‑31
その他のタイトル About Public Pension and Loss of Earnings URL http://hdl.handle.net/10723/1766
1 はじめに
死亡による逸失利益の算定については,原則と して,有職者についてはその収入を,主婦や年少 者などの無職者についても,平均賃金などの統計 を利用して基礎となる収入を元に計算されるのが 現在の実務の算定方法である。では,就労の蓋然 性がない無職者についてはどのように考えるか。
当然に逸失利益はないとの考え方もあろうが,現 にその者が生きて生活していた以上,逸失利益を 否定するということには問題がないだろうか。
本稿は,このような問題意識から,就労の蓋然性 がない者の例として,高齢者を想定し,高齢者が死 亡した場合に,労働対価でない公的年金について逸 失利益を肯定する判例の考え方を探るものである。
2 昭和60年改正前の年金制度と逸失利 益性
⑴ 昭和60年改正前の年金制度(1)
わが国の年金制度は,明治8年海軍退隠令,明 治9年の陸軍恩給令に基づく軍事恩給,明治17年 の官吏恩給令に基づく一般官吏を対象とする恩給 から始まる。これらの恩給は大正12年に制定され た恩給法で統一されるが,恩給制度は社会保険方 式の年金ではなく,国が退役軍人や官吏に対して 支給する恩恵的給与,報償的給付としての性格を 有するものであった。
社会保険の性格を有する我が国初めの公的年金 は昭和14年に制定された船員保険法によるもので ある(2)。昭和16年には民間労働者を対象として労
働者年金保険法が制定され(3),これは昭和19年に 厚生年金保険法と改められる。その後,第二次世 界大戦による経済破綻,インフレ,失業率の増加 に伴い,一旦,老齢年金が事実上凍結されるなど するが,制度の存続を図るため昭和29年に厚生年 金保険法は全面改正される。また,その一方で,
戦後には,国家公務員に対する年金保険法として 国家公務員共済保険法(昭和23年)(4),私立学校 の教職員に対する年金保険法として私立学校教職 員共済組合法(昭和28年),市町村職員に対する 年金保険法として市町村職員共済組合法(昭和29 年),国鉄公社,専売公社,電電公社等の公共企 業体職員に対する年金保険法として公共企業体職 員等共済組合法(昭和31年),農業協同組合や漁 業協同組合等の農林漁業団体の職員に対する年金 保険法として農林漁業団体共済組合法(昭和33年)
が次々と成立し,公的年金の範囲は拡大していっ た。なお,軍人に対する恩給は,昭和21年に GHQの指令により廃止されるが,その占領が終 わると,戦争犠牲者を援護する制度が求められる ようになり,昭和27年に戦傷病者戦没者遺族等援 護法(以下,「遺族援護法」という)が制定され,
さらに昭和28年には恩給法が改正され,軍人恩給 が復活した(5)。
このように職業に応じて公的年金制度は様々な ものが存在したが,これらはいずれも公務員と,
一定規模以上の事業所や工場で働く者を対象とす る制度であり,自営業者や農業や漁業に従事する 者,零細企業で働く者は年金制度がないという状 況であった。この結果,年金制度がカバーしている 割合は,昭和32年当時で全就業者人口の3分の1 程度であったとされている(6)。そこで,国民皆保険
『明治学院大学法科大学院ローレビュー』第19号 2013年 31−44頁
公的年金の逸失利益性
——労働対価でない逸失利益の算定——
三 木 千 穂
を図るべく,昭和34年に国民年金法が制定される。
この国民年金法は拠出制の年金と無拠出性の年 金を併用したことが特徴とされる(7)。すなわち,
拠出制の年金については,20歳以上60歳未満の国 民を対象とし,配偶者は任意加入を認め,保険料 及び給付額は定額とした。給付の種類は老齢,障 害,母子,遺児,寡婦の5種類で,25年間(8)の保険 料納付があることを支給の条件とした。また,給付 額の3分の1を国庫負担とすることとしている。
一方の無拠出性の年金については,拠出制年金 の発足時,すでに高齢で受給に必要な加入期間を 満たせない者,すでに障害や母子世帯の状況にあ る者に支給する目的で設けられており,老齢福祉 年金,障害福祉年金,母子福祉年金の3種類が用 意された。費用はすべて国庫負担とされる。
⑵ 逸失利益性に関する判断
最判昭和41年4月7日民集20巻4号499頁は普 通恩給の受給利益喪失の損害賠償債権を相続した 者が当該被害者の死亡によって扶助料の受給権を 取得した場合に,損害賠償額が減縮されるかが争 われた事案において,「普通恩給は,当該恩給権 者に対して損失補償ないし生活保障を与えること を目的とするものであるとともに,その者の収入 に生計を依存している家族に対する関係において も,同一の機能を営むものと認められる。そして,
恩給を受けていた者が死亡したときは,これによ り生計を維持し,または,これと生計を共にして いた一定の遺族に扶助料が支給されるが,右扶助 料は右遺族に対する損失補償ないし生活保障の目 的をもって給付されるものであることは明らかで ある」と述べて,恩給分を含む損害賠償債権額か ら扶助料を差し引いた原審の判断を正当とした。
この昭和41年判決は,当事者間で恩給の逸失利益 性については争われておらず,専ら扶助料の控除 が争われていることから,恩給そのものの逸失利 益性については前提として認めているということ になる。判決の中で,普通恩給の目的を「当該恩 給権者に対して損失補償ないし生活保障を与える こと」とし,扶助料の目的を「遺族に対する損失 補償ないし生活保障」と説明するのも,扶助料の
控除を肯定する理由付けとして示されたものであ り,この理由付けにより恩給の逸失利益性を肯定 する理由としているわけではない(国家公務員の 死亡を理由とする損害賠償請求権を相続により取 得した場合に,同時に受給することになった退職 手当や遺族年金等の額を控除するべきかが争点と なった最判昭和50年10月24日民集29巻9号1379頁 も同様(9))。
ところが,その後の最判昭和50年10月21日裁民 116号307頁(以下,「昭和50年判決」とする)で は,原審(東京高判昭和48年5月28日東高時報民 事24巻5号102頁)の「恩給法に基く恩給,地方 公務員共済組合法に基く年金のいずれも当該公務 員本人およびその収入に依存する家族に対する生 活保障のみならず損失補償の性格をもつものと解 するのが相当であるから,当該公務員が他人の不 法行為により死亡したときは将来得べかりし恩給 等を逸失利益として不法行為者に対し賠償請求し 得べきものと解する」との判断について,「国の 公務員であった者が一定期間勤務した後退職した ことを要件として支給を受ける普通恩給は,当該 恩給権者に対して損失補償ないし生活保障を与え ることを目的とするものであるとともに,その者 の収入に生計を依存している家族に対する関係に おいても,同一の機能を営むものと認められると ころ,地方公務員等共済組合法に基く退職年金は,
前記普通恩給とその趣旨・目的を同じくするもの と解されるから,右退職年金が当該公務員本人及 びその収入に依存する家族に対する生活保障のみ ならず損失補償の性格を有するとした原審の認定 判断は,正当として是認することができる」とす る。最判昭和59年10月9日判タ542号196頁は普通 恩給について,昭和50年判決と同様に,損失補償 ないし生活保障の機能から逸失利益性を肯定して いる。
その後,最大判平成5年3月24日民集47巻4号 3039頁(以下,「平成5年大法廷判決」とする)
では,同様に地方公務員の退職年金の受給者が死 亡した場合に相続人が受け取ることとなった遺族 年金の控除の要否と範囲が争点となったが,多数 意見では退職年金の逸失利益性については,特に
理由も述べず前提として肯定しているが(10),そ の判断の前提となる退職年金の逸失利益性につい て,これを否定する反対意見が述べられている。
すなわち,藤島裁判官は,退職年金はその目的や 機能からしても,本人及びその家族が本人の退職 後における一定の生活水準を維持し得るために給 付される生活保障と理解すべきものであり,この 性質は本人が掛金を負担していても妨げられな い。そして,逸失利益に関して稼働能力喪失説の 立場から,退職年金が生活保障である以上は稼働 能力を表象するものではないとして,逸失利益性 を否定し,否定することにより被害者遺族の保護 に欠けるという批判については,遺族年金制度は 退職年金の代替的な役割を果たすことを前提にし ていると指摘する。そして,「退職年金は,これ を今日的にみれば,社会保障制度の一環として理 解されるべきもので,これとは別に,不法行為法 の領域において,不法行為によって死亡した退職 年金の受給者が生存していれば受給できた退職年 金を本人の逸失利益として算定する理由も,その 必要もない」とした。また,園部・佐藤・木崎裁 判官の反対意見では,退職年金の額はその稼働能 力を金銭的に評価する手段にすぎないとして,退 職者が不法行為により死亡した場合には,その平 均余命期間に受給できたはずの退職年金の現在額 を喪失した稼働能力の実現により得べかりし利益 として請求できるとしている。
この大法廷判決のすぐ後の最判平成5年9月21日 判タ832号70頁(以下,「平成5年判決」とする)は,
普通恩給及び国民年金(老齢年金)についても,昭 和50年判決と同様に,「当該恩給権者に対して損失 補償ないし生活保障を与えることを目的とするも のであるとともに,その者の収入に生計を依存し ている家族に対する関係においても同一機能を営 むもの」ことを理由に逸失利益性を肯定している。
これらに対し,遺族年金については,差額説を 根拠に逸失利益性を肯定する裁判例もあるが(11), 否定する裁判例が多数であったといえる。その理 由としては,受給権者の稼働能力は関係のない給 付であること(12)や,受給権者の生存中に生活費 に充てられるべきものであるから遺族に相続され
る性質のものではないこと(13),あるいは,遺族 年金は受給者が死亡した場合に遺族に対する年金 受給権を予定していないことに加えて,老齢年金 に比較し一層社会保障的性格や一身専属性が強 く,また婚姻等によって受給権が消滅するなど存 続が不確実であること(14),受給権者自身の労働 対価性や保険料の払込対価性がないことなどが挙 げられている(15)。
⑶ 小括
老齢年金の受給者が死亡した場合に,受給者の 相続人が逸失利益として年金額を請求できるかと いう問題は,厳密には,受給利益喪失自体が逸失 利益といえるか(逸失利益性の問題)と受給利益 喪失に基づく損害賠償債権を相続したといえるか
(相続性の問題)にわけられる。
当初は,年金受給権は一身専属権であるから相 続の対象とはあり得ないという下級審裁判例もあ り(大阪地判昭和53年11月6日交民集11巻6号 1661頁,神戸地判昭和62年9月29日判時1269号 114頁など),同様の理由で逸失利益の賠償請求を 否定する見解もあったが,年金受給権が一身専属 権であり相続の対象とならないことと,年金受給 権を喪失したことによる加害行為者に対する損害 賠償請求権が相続の対象となることは別の問題で あると考える見解が支配的となり,議論の中心は 逸失利益性の問題となる。すなわち,年金受給権 を喪失したことが,その性質から逸失利益である といえるかの問題である。
最高裁は,これを老齢年金の「損失補償ないし 生活保障」の目的・趣旨から逸失利益性を肯定し てきた。既に述べたとおり,この理由付けは,逸 失利益の相続人が,受給権者の死亡により受給す ることになった遺族扶助料を控除すべきかという 争点に関して,これを控除する理由付けとして示 されたものである。「損失補償ないし生活保障」
という曖昧な表現がなされたことについては,当 時の恩給一般については,「公務員の勤務の特殊 性に基づく能力の減退に対し,雇傭者たる国が補 填するところに本質があるとする説,公務員の退 職または死亡後,本人またはその遺族に対しその
生計を支持しまたは扶助するためになされる給付 であるとする説,損失補償と生活扶助の両性質を 有するものと見る説等が」あったところ,「判旨 は,そのいずれを正当とするかを一義的に決める ことは,本件事案の解説に必ずしも必要でないと みたためか,『損失補償ないし生活保障』という 含みのある慎重な表現を選び,論定を後日に留保 し」たものであるとの指摘がなされている(16)。
この「損失補償ないし生活保障」を理由に逸失 利益性を肯定することが論理的に難しいことはこ れまでも指摘されてきた(17)。公的年金の目的・趣 旨が生活保障にあると考えれば,一種の社会保障 であるから,受給権者自身が亡くなった以上はそ の生活を保障する必要性はなくなっており,遺族 の生活保障については遺族年金がカバーするもの であるから,老齢年金の逸失利益性は否定される 方向になる(18)。一方で,損失補償であるとすれば,
逸失利益性は肯定される方向になる。改めて,昭 和50年判決を見ると,「退職年金が当該公務員本 人及びその収入に依存する家族に対する生活補償 のみならず損失補償の性格を有する」との言い回 しをしており,損失補償的な性格が存在すること を強調して逸失利益性を肯定しているようにも読 めなくもない(もっとも,掛金もなく国家から支 給される恩給が損失補償的な性格があるという見 解があるのはともかく,老齢年金に損失補償的な 性格があるというのは無理があるようにも思われ る)。
また,「家族に対する生活保障」の性格がある という理由づけは,受給権者が受給される年金を 全て使うわけではなく家族のために費消される部 分があったとして,その部分が相続されるという 説明ができる。
とはいえ,逸失利益性を認める大きな理由は,
老齢年金が受給権者本人及びその収入に依存する 家族に対する損失補償ないし生活保障の性格を有 していることから,受給権者が他人の不法行為に よって死亡したときは,その者が生きていたであろ う期間の受給利益は逸失利益として相続させるべべ きべ
でべ あべ
るべ
という価値判断であったと思われる(19)。
3 昭和60年年金制度改正と逸失利益性
⑴ 昭和60年の年金制度改正
昭和34年に国民年金法が制定された後,わが国 は高度経済成長期に社会保障制度を充実させた が,徐々に国家財政を圧迫するようになり,年金 制度についても,年金水準の引下げや保険料水準 の引当等が継続して行われるようになる。それで も,年金制度が様々に分立していることは,少子 高齢化が予測され,就業人口が減っている年金制 度の財政を厳しくする一方,重複給付が避けられ ないために,年金を受給する者がアンバランスに なるという弊害があった。
そこで,昭和60年5月,年金制度は抜本的に改 正される。まず,全国民共通に給付される基礎年 金を創設し(いわゆる「一階部分」),厚生年金及 び共済年金の被用者年金は,その基礎年金の上乗 せ部分(いわゆる「二階部分」)として給付する 制度とした。このうち,一階部分である基礎年金 部分は,全国民共通の給付を支給するものである から,公平に分担することにし,厚生年金・共済 年金の部分は報酬に比例した掛金を分担し,給付 についても加入期間及び掛金に応じた給付がなさ れるという仕組みになっている。さらに,任意加 入とされていた被用者の被扶養配偶者(ほとんど が専業主婦)について,固有の基礎年金受給権を 取得させることとした。全体を図に示すと下記の ようなものとなる。
年金制度の体系図(20)
そして,給付については,①年老いた(老齢に なった)時に支払われる老齢(退職)年金,②病 気やけがで障害を有することとなった時に支払わ れる障害年金,③年金受給者または被保険者(加 入者)が死亡した時に支払われる遺族年金の三種 類が設けられており,各年金制度ごとに下記のよ うな名称となる。
⑵ 逸失利益性に関する判断
最判平成11年10月22日民集53巻7号1211頁(以 下,「平成11年判決」という)は,障害基礎年金 及び障害厚生年金の受給者が死亡した場合に,① その相続人が年金受給額を逸失利益として請求で きるか,②各年金の加給分についても逸失利益と して請求できるか,③相続人が受け取った遺族基 礎年金及び障害厚生年金をもってする損益相殺的 調整の対象が争点となった事案であるが,①につ いては「国民年金法に基づく障害基礎年金も厚生 年金保険法に基づく障害厚生年金も原則として,
保険料を納付している被保険者が所定の障害等級 に該当する障害の状態になったときに支給された ものであって,程度の差はあるものの,いずれも 保険料が拠出されたことに基づく給付としての性 格を有している。したがって,障害年金を受給し ていた者が不法行為により死亡した場合には,そ の相続人は,加害者に対し,障害年金の受給権者 が生存していれば受給することができたと認めら れる障害年金の現在額を同人の損害として,その 賠償を求めることができるものと解するのが相当 である」として,それまでの老齢年金に関する理 由付けを使用せずに,逸失利益性を肯定した。一 方で,②については「加給分は,いずれも受給権 者によって生計を維持している者がある場合にそ の生活保障のために基本となる障害年金に加算さ れるものであって,受給権者と一定の関係がある 者の存否により支給の有無が決まるという意味に
おいて,拠出された保険料とのけん連性があるも のとはいえず,社会保障的性格の強い給付である。
加えて,右各加給分については,国民年金法及び 厚生年金保険法の規定上,子の婚姻,養子縁組,
配偶者の離婚など,本人の意思により決定し得る 事由により加算の終了が予定されていて,基本と なる障害年金自体と同じ程度にその存続が確実な ものということもできない」として否定,③につ いては「遺族年金をもって損益相殺的な調整を図 ることのできる損害は,財産的損害のうちの逸失 利益に限られるものであって,支給を受けること が確定した遺族年金の額がこれを上回る場合であ っても,当該超過分を他の財産的損害や精神的損 害との関係で控除することはできない」と判断し ている。
平成11年判決は,障害年金の逸失利益性に関す る初めての最高裁の判断であると同時に,基礎年 金制度が創設された新しい年金制度においてその 逸失利益性が争われ,公刊された最初の最高裁判 例ということになるが,そこでは障害年金の逸失 利益性を「保険料が拠出されたことに基づく給付」
であることを根拠に認め,加給分については保険 料と給付の牽連性がないから社会保障的性格が強 く,存続が確実なものではないとして,また遺族 年金についても保険料と給付の牽連性が間接的で あるから社会保障的性格が強く,存続が確実なも のではないとして否定している。
さらに,最高裁は平成12年,遺族年金について,
「遺族厚生年金は,厚生年金保険の被保険者又は 被保険者であった者が死亡した場合に,その遺族 のうち一定の者に支給されるものであるところ,
その受給権者が被保険者又は被保険者であった者 の死亡当時その者によって生計を維持した者に限 られており,妻以外の受給権者については一定の 年齢や障害の状態にあることなどが必要とされて いること,受給権者の婚姻,養子縁組といった一 般的に生活状況の変更を生ずることが予想される 事由の発生により受給権が消滅するとされている ことなどからすると,これは,専ら受給権者自身 の生計の維持を目的とした給付という性格を有す るものと解される。また,右年金は,受給権者自
身が保険料を拠出しておらず,給付と保険料との けん連性が間接的であるところからして,社会保 障的性格の強い給付ということができる。加えて,
右年金は,受給権者の婚姻,養子縁組など本人の 意思により決定し得る事由により受給権が消滅す るとされていて,その存続が必ずしも確実なもの ということもできない。これらの点にかんがみる と,遺族厚生年金は受給権者自身の生存中その生 活を安定させる必要を考慮して支給するものであ るから,他人の不法行為により死亡した者が生存 していたならば将来受給し得たであろう右年金 は,右不法行為による損害としての逸失利益には 当たらないと解するのが相当である」と述べ,逸 失利益性を否定した(最判平成12年11月14日民集 54巻9号2683頁,以下「平成12年判決」とする)。
この平成12年判決は,平成11年判決が示した保 険料の給付の牽連性及び受給権の存続の確実性の 2つの要素に加えて,「専ら受給権者自身の生計 の維持を目的とした給付という性格」を理由に,
遺族年金の逸失利益性を否定したものである。
最高裁は,平成12年判決と同日に,軍人恩給と しての扶助料及び「戦没者等の妻に対する特別給 付金支給法」に基づく特別給付金(10年で償還さ れる国債で支払われる)についても逸失利益性を 否定している(最判平成12年11月14日判時1732号 83頁)。
⑶ 小括
平成11年判決および平成12年判決によって,公 的年金の逸失利益性については,年金給付の性格,
保険料と年金給付の牽連性,受給権の存続の確実 性の3つの要素で判断するということが確立され たといえる。もっとも,受給権の存続の確実性と いう要素については,平成5年大法廷判決が,将 来分の遺族年金の損益相殺の可否について,その 存続の不確実性を理由にこれを否定したことを考 慮したものと思われるが,両判決の「加えて」とい う表現からしても副次的な要素と考えられる(21)。
なかでも重要な判断要素が,保険料と年金給付 の牽連性である。平成11年判決は,加給分につい ては,給付と保険料との牽連性がないから,社会
保障的性格が強いとして逸失利益性を否定し,平 成12年判決は,遺族年金について給付と保険料と の牽連性が間接的であるから社会保障的性格が強 いとして逸失利益性を否定している。このことか ら,ここでいう社会保障とは,個人の備蓄ではな く,社会全体の負担において得られる給付を受け ることを指し(22),加えて,あくまでも社会保障 的性格が「強い」給付のみ逸失利益性が否定され,
給付と保険料との直接の牽連性がある場合は,給 付に社会全体の負担による財源が含まれていても 受給権者個人の負担があれば,社会保障的性格は あるが逸失利益性を肯定するということになると も考えられる。
遺族の生活を保障するという必要性による根拠 づけが主だった従来の最高裁の判断に対し,平成 11年,12年の両判決は逸失利益性を認める論理的 な根拠を示し,これにより逸失利益性の肯否の基 準を示した点で意義は大きい。
しかし,その逸失利益性の判断基準によれば,
無拠出制の年金給付については,逸失利益性が否 定されることとなり(23),これまで最高裁が逸失 利益性を肯定してきた恩給については否定される ことも考えられるが,下級審裁判例ではこれを今 でも肯定している(24)。
4 検討
⑴ 社会保障制度と逸失利益性(25)
判例は,人身損害については差額説をとってい るが,差額説からすれば,不法行為前後の財産状 態に差が生じている以上,公的年金も収入である ことには違いなく,逸失利益を肯定することとな る。しかしながら,従来から生活保護法に基づく 各種の給付などは当然に逸失利益とはならないと されており,その根拠としては,社会政策として の福祉措置であるからとの説明(26),あるいは最 低生活基準に基づく給付であるから理論上その扶 助費全額がその本人の生活費に充てられるもので あると説明(27)がされている。前者の説明によれ ば,全額が公費による給付であること(受給者の 拠出がないこと)が意味をもち,後者の説明であ
れば財源に関係なく否定されることとなろう。
一般に公的年金は,保険料を財源とし,年金給 付には一定期間保険料を納付したことが要件とさ れる「社会保険方式」と,財源を全額税金によって 賄い,支給開始年齢に達すればだれでも年金を受 給できるとする「税方式」の2つのシステムがあ るとされる。わが国の公的年金制度は,基礎年金 の2分の1が国庫負担とされてはいるものの,「社 会保険方式」であることには変わりない。給付と 保険料の牽連性という判断基準によれば,仮にわ が国の公的年金制度が「税方式」に転換された場 合には,保険料としての拠出はなくなるため,逸失 利益性は否定されることになると考えられる(28)。
しかし,社会保障法の研究者からは,公的年金 制度は社会保障制度の1つであり,財源を社会保 険とするのか,税とするのかは政策選択の問題に すぎず,社会保障給付の法的性格が異なるわけで はないとの批判がある(29)。
また,基礎年金は,その受給権者が死亡した場 合には18歳未満の子(障害のある子のときは20歳 未満)ある妻またはその子にのみ受け継がれ(遺 族基礎年金として。老齢(退職)基礎年金と金額 は同じ),厚生年金については,受給権者が死亡 した場合は,死亡した者によって生計を維持され ていた者に受け継がれる(遺族厚生年金として。
老齢厚生年金の4分の3の金額になる。)ように なっている。このような制度設計がなされている ことから,「第三の不法行為によるのであれ,そ うでない原因によるのであれ,受給権者が死亡し た場合に失われる年金受給権がもたらす利益の継 受は,個人単位主義,夫婦・『生計維持』単位主 義という各年金制度の構造と論理に照らしなが ら,各制度の枠内ですでに図られている」(30)と して,相続人が受給利益喪失を逸失利益として享 受させることは適当ではないとの批判も強い(31)。
確かに,公的年金制度の中に,受給権者が死亡 した場合に,生計を維持できなくなった遺族の生 活保障のために遺族年金という制度がすでにある 以上,元々一身専属権であった老齢(退職)年金 の受給権について受給利益喪失が相続すると解す る必要性はないようにも思われる。にもかかわら
ず,最高裁がその根拠を変えながらもこれを肯定 するのは,受給権者の死亡によって生計の維持が 困難となる遺族の救済を図るためであろう。平成 5年判決の調査官解説には「今後における年金制 度の拡充によって現実損害説に立つ従来の判例が 被害者救済に果たしてきた役割が不必要となれ ば,その段階では,あるいは年金の逸失利益性を 否定しても,被害者の救済に欠けるところはない かもしれない。しかし,現段階では,年金の逸失 利益性を否定することは,これまで判例が腐心し てきた被害者の救済を拒否することにもなりかね ない。」と述べてい
る
(32)。そして,平成11年判決 の調査官解説でも,この記述が繰り返されており
(33),さらに「『受給権者が死亡した場合には,年金制度の枠内で遺族年金をもって賄う』という のが,あるいは,年金制度本来の趣旨なのかもし れない。しかし,(中略)公的年金は,本来,社 会保障制度の一環として位置づけられるけれど も,被保険者から保険料が拠出されている以上,
——民事損害賠償という視点からすると——年金 給付には,単なる社会保障にとどまらず,稼働所 得と類似のものとして被保険者とその家族の生計 の資として機能しているという社会的実態がある といえる。右の関係は,もはやこれを「損失補償」
という概念で説明するのは適当でないが,年金の 逸失利益性を肯定する方向に働くファクターの一 つである」と述べる。
差額説に立つ以上,社会保障に基づく給付であ るというだけで逸失利益性を否定することはでき ず,給付の性質から判断されるべきである。生活 保護法による各給付については,最低生活基準に 基づいて給付内容が定められている以上,受給者 が生活を送るための給付であり相続人に残ること は給付の性質上,想定されていない。また,被害 者と加害者の損害の公平な分担という不法行為制 度の目的からすれば,全額公費によって賄われ,
一身専属権である受給権について,加害者がその 受給利益を相続人に対して損害賠償として負担す ることは求められないと考える(34)。
これに対し,年金については,受給資格の取得 のためには25年間以上の保険料の納付が必要であ
り,厚生年金はもちろん,基礎年金についても保 険料の支払期間が受給金額に影響する仕組みとな っている。よって,生活保護法による給付と異な り,受給権者1人の生活のための給付とは必ずし もいえず,また受給権者が保険料を支払ったこと に基づく給付であるといえる。判例は,死亡によ る損害賠償請求権について,いったん死者自身に 発生した損害賠償請求権が相続人に相続されると いう構成(相続構成)をとっているが,死者(受 給者)が保険料を支払ったことに基づく給付であ る以上,喪失した受給利益については損害賠償請 求権として死者に発生し,相続人に相続すると考 えることができ
る
(35)。このような性質に着目し,さらに遺族の生活保 障という現実的なニーズを重視して,判例が基礎 年金と厚生年金について逸失利益性を肯定するこ とは理解できる。
しかし,年金給付が保険料に基づく給付である といっても,給付すべてが保険料によって賄われ ているわけではない。保険料と年金受給権との牽 連性があるのは確かだが,平均寿命の年齢まで受 給されるはずであった年金額全てが保険料と牽連 性のある給付だといえるかは疑問である。
そして,財源の問題も含め,わが国の年金制度 は現在様々な問題を抱えており,そのような状況 の中で,将来受給するはずであった年金額を逸失 利益として算定することには多くの問題が生じて いる。
⑵ 公的年金制度の現状と今後
公的年金制度の財源は,一般に,積立方式と賦 課方式に分かれる。積立方式とは,被保険者が支 払った保険料とその積立金などにより将来支給さ れる年金の原資を積み立てる方式をいい,賦課方 式とは,一定の短い期間に支払うべき給付費を,
当該期間中の保険料収入により賄う方式をいう。
わが国では国民年金,厚生年金ともに積立金を保 有しているものの賦課方式の色彩の強い財政方式
(修正積立方式)を採用しているとされ
る
(36)。 そして,公的年金制度は,遅ればせながら少子 高齢社会に対応するべく,制度の長期安定化のために改正が実施されてい
る
(37)。なかでも,老齢(退職)年金の支給開始年齢については,60歳か ら65歳に徐々に引き上げており,結果,昭和36年 4月2日以降に生まれた男性および昭和41年4月 2日以降に生まれた女性は65歳から支給されるこ ととなる。また,平成16年法106号は,安定した 財源の確保を図るために平成21年度までに基礎年 金における国庫負担の割合をそれまでの3分の1 から2分の1に引き上げることを定め,平成24年 法62号ではこの2分の1の国庫負担を平成26年度 から恒久化することが定められた。そして,この 法62号では,受給資格期間がそれまでの25年から 10年に短縮されることも定められ,パートなどの 短期間労働者も厚生年金の対象者としている。さ らに法63号では,共済年金と厚生年金を統一する ことも定められている。
しかし,少子高齢化に伴い年金財政そのものが 悪化するにつれて,保険料を納めても将来年金を 受け取れるかどうかという不安から,国民年金に 加入しない者や保険料を収めない者も増えている うえに,年金を管理してきた社会保険庁によるい わゆる「消えた年金記録」の問題などが発生した ことで,公的年金制度の不信感は強く,その将来 はかなり不透明であるといえる。
特に,年金の世代間格差の問題については,
2007年時点で1950年生まれの者は生涯収支が502 万円のプラスであるのに対し,1960年生まれ以降 の世代では生涯収支がマイナスに転じ,1985年生 まれでは712万円のマイナスになるとの調査結果 もあ
る
(38)。このような世代間格差は今後の年金 制度の改正によって縮小されることを望みたい が,格差が生じることは避けられないのが現状で あろう。下級審判例では,「現在の公的年金制度を取り 巻く状況に鑑みれば」将来受給する年金額や支払 うべき保険料額においても算定することは「極め て困難」であるとして,「逸失利益の金額を確定 し,その請求を認容することは不可能」として否 定したものあ
る
(39)。⑶ 公的年金の逸失利益をめぐるその他の問題
① 未受給の年金について
年金の逸失利益性については平成11年判決およ び平成12年判決によって実務上は決着したもの の,未だ受給していない老齢(退職)年金につい ても逸失利益として請求できるかという問題が新 たに生じる。年金受給権自体が未発生であるにも かかわらず,その受給利益の喪失を損害として請 求できるかという問題である。
この点については,死亡した者が受給資格を取 得していたことを要件としたうえで,受給の蓋然 性が高い場合にはこれを認める見解もある
が
(40), 現在では,死亡時点での受給資格取得は要件とし ないが,受給開始年齢になるまでの年数も含めて 受給の蓋然性を判断し,これが高い場合に認める とする見解が多い。裁判例でも受給資格を取得し ていなくとも,保険料を納付してきており,受給 年齢に近い場合には認める傾向が強いが
(41),死 亡の時点で年金受給権が未発生であるにも関わら ず「各年金の受給という点のみを取り出して,こ れを法的な地位ないし利益として法的保護を値す るとすることはできない」とする高裁判決もあり(大阪高判平成17年9月20日交民集38巻2号558 頁),判断は分かれている。
そして,受給資格を取得していない場合の逸失 利益が認められた場合には将来納付すべき保険料 は控除されることになる(受給資格が得られてい る場合でも,将来納付する保険料に応じた年金額 を請求している場合には同様である)。この場合 には,[予想される老齢・退職年金]×[1−生活 費控除率]−([平均余命に対応するライプニッツ 係数−予想される支給開始までの年数に対応する ライプニッツ係数])−[予想される保険料の年 額]×[支払を要する年数に対応するライプニッ ツ係数]という計算方法によることにな
る
(42)。もっとも,死亡した当時の年齢が若く,保険料を 支払う期間が長い場合には控除される保険料額が 高くなるため,逸失利益として認められる総額が 少なくなるので,実務的には,請求する実益はあま りないとの指摘もあ
る
(43)。前述した世代間格差の 存在を考慮すれば,さらに今後,このような計算方法での請求の実益は少なくなるとも考えられる。
なお,前述のとおり,受給資格を得るための保険 料納付期間が10年に短縮されることにより,受給 資格の取得がこれまでより簡単になることにより 受給の蓋然性そのものは一般的に高くなると考え られる。
② 公的年金逸失利益の生活費控除率
一方で,年金の逸失利益性を肯定した場合には,
稼働による所得による場合と比較して高率で生活 費控除を行う裁判例が多
い
(44)。これは年金が唯 一の収入の場合には,生活費として費消される部 分が多いと考えられるからと説明されるが,その 控除率は,受給する年金年額や同居する家族がい るかどうかなどによって個別的に判断されてい る。年金給付以外に給与などの稼働収入がある場 合には,(ア)稼働収入がある期間については年 金給付の額と稼働収入額を合算して,通常の生活 費控除をし,年金給付のみの期間は高率で生活費 控除する,あるいは(イ)稼働収入額を通常の生 活費控除,年金給付額を高率で生活費控除をする 方法のいずれかの方式で算定されている
(45)。死亡による逸失利益について生活費を控除する のは,損益相殺の法理またはその類推適用という 法的根拠に基づく(大判大正2年10月20日民録19 輯910頁,最判平成8年5月31日民集50巻5号 1323頁)。差額説を前提とする判例の立場では,
ここでいう生活費とは労働能力の再生産のための 費
用
(46)に限らず,被害者本人が生きていたなら 支出していたであろう費用すべてに及ぶことにな る。もっとも,裁判例において,生活費控除は,算定が難しいものや金額が不確かなものがある場 合に,逸失利益額を合理的なものにするよう調整 する機能を果たしてい
る
(47)。そして,年金について生活費控除が高い率で行 われることは,その保険料に基づく給付のみを逸 失利益として算定し,公的な財源による負担部分 を控除しているという整理ができるとの指摘があ
る
(48)。現在の裁判例をこのように整理できるか という点には疑問が残るが,逸失利益性の根拠か らすれば,特に基礎年金部分については,このよ うな算定の考え方が妥当ではないかと思われる。⑷ 若干の私見
公的年金は,労働の対価ではない収入という点 で,死亡による逸失利益の算定の場面ではやや性 質の異なるものである。その逸失利益性について は,平成11年判決・12年判決で論理的な根拠付け もなされており,これを肯定する点で現在の判例 には賛成する。
また,年金の財源は保険料のみではないことか ら,年金給付額すべてが保険料と牽連性がある給 付とされていることには疑問があるものの,結果 的には,生活費控除という理由で通常の給与所得 などに比較して高い率によって控除がなされ,さ らにこの場面では遺族の生活補償ということが考 慮されている点など,現在の実務における年金の 逸失利益の算定,特にすでに年金を受給している 場合の算定については,概ね納得ができるもので はないかと思われる。
しかし,保険料との牽連性を重視して,逸失利 益性を肯定することは,その前提に年金制度を純 粋な積立方式で捉えているという一般的な感覚が あるのではないだろうか。現に,支払った保険料 よりも受給できる年金額が多い現在(あるいは少 し先)の受給者がそのような感覚を有しているの は仕方ないが,先に述べたように,わが国の公的 年金の財源調達方法は,賦課方式の色彩が強い,
つまり世代間扶養の考え方が前提となっているの が実際である。保険料と給付に牽連性があるとい う判例の根拠は,公的年金制度の一部を切り取っ て見たものであり,公的年金制度全体の設計から 見た場合には,制度を正確に捉えた表現ではない。
年金財政が厳しくなっていくことが予想される 今後,さらにこの賦課方式の色彩は強くなってい くと思われる。すでに決まっている制度改正だけ でも,国庫負担が,基礎年金部分の2分の1に固 定化し,受給資格の取得期間が10年に短縮され,
これまで加入対象者でなかった短時間労働者も対 象となるという内容である。ただでさえ年金財政 が悪化しているにも関わらず,加入対象者が増え,
受給資格の取得までの期間が大幅に短くなること からすれば,受給額が減るのは当然のことである。
すでに見たように,年金の世代間格差ということ
からすれば,現在の20代や30代は保険料より受給 額の方が少ないということも充分に考えられる が,公的年金制度の前提が世代間扶養であるとす れば,それも不合理であるとはいえない。
そのようになった場合に,受給する年金につい て保険料との牽連性という根拠で逸失利益性を肯 定できるかという点には疑問があ
る
。就労の蓋然性がない高齢者について,その逸失 利益をどのように考えるかについては,年金制度 と切り離して,改めて考える必要があるのではな いだろうか。
5 おわりに
以上のように,判例は年金の逸失利益性を肯定す るが,今後の年金制度の変容を考えると,その根拠 が妥当する状況が続くかについては疑問がある。
判例が,古くは恩給について,さらに基礎年 金・厚生年金についても逸失利益性を認めるのは 遺族の生活保障のためには,損害にそれだけの上 乗せが必要だったということである。また,現在 の実務では,遺族の状況に応じて生活費控除率を 変え,損害額を合理的な額に持っていっているよ うにも思われる。
現に逸失利益としてそのような合理的な金額を 認める必要があることを前提に,年金制度とは切 り離して,労働の対価としての収入がない者の逸 失利益とは何か,というところから改めて考える 必要があると思われる。
※本研究はJSPS科研費23730112の助成を受けた ものです。
注