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中間財貿易について*

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(1)

27

中 間 財 貿 易 に つ い て

*

池 間 論 文 の一 般 化 の 試 み と若 干 の コ メ ソ ト

1は

中間 財 の 貿 易理 論 は,純 粋 理 論 に お い て まだ展 開 の萌芽 を蔵 して い る分 野 の一 つ とされ て い る。 池 間 〔1]は,産 業 連 関 論 的 ア ブ ローチ とは異 な る手 法 を用 い て中 間 財 の 貿 易理 論 を展 開 した意 欲 作 で あ る。

(1)

確 か に,中 間財 と最 終 財 の 完 全 分離 の仮 定 お よび 最終 財 に は本 源 的 生産 要 素で あ る資 本 と労 働 を探 入 しな い とい う仮 定 は,そ の モ デ ル に大 きな 制 約 を 与 え るこ とに な ろ う。 しか し,こ れ らの仮 定 の も とで,中 間 財 が 導 入 され る とき,そ こか ら新 しい 結 果 が得 られ るのな らば,そ の モ デル の 存在 を簡 単 に 否 定 す る こ とはで きな い で あ ろ う。

皿節 に お い てわ れ われ は,池 間[1]に お け るモ デル1を 数 学 的 に展 開 し, さ らに,皿 節 に お い て,そ の モ デ ルの も とで成 立 す る貿 易理 論 に関 す る諸命 題 を 明 らか にす るで あ ろ う。 そ して 配節 で は,前 節 で展 開 され た議 論 を も と に池 間[1]へ の コメソ トを試 み るの が本 稿 の 目的 で あ る。

仮 定 と モ デ ル

(仮 定1)2最 終 財LUが 存 在 し,2中 間 財X・Yの み を 投 入 して 生 産 さ

*池 間[1コ に対す る コメ ソ トの機会 をわれわれに与 え られ た商学 討究編集部 な ら びに池間 誠助教授 に感謝 す る.さ らに,本 稿に対 して有益 な助 言を頂 いた 関西大 学 の山本 繁紳教授 に も感 謝す る.し か し,本 稿 に存す るすべ ての誤 謬は,す べ て われわれ に帰する もので あ る.

(1)コ ーデ ン[2]は この仮定 の もとで分 析を行な っている.し か し,中 間財 お よび 最終財 の投入集 約度 の差 異を ともに仮定 した分析では ない.

(2)

28 第24巻 第1号

れ る。 そ の生 産 は,各 投 入財 に対 して収益 逓 減 で あ り,規 模 に 対 して収 益 不 変 で あ る。 また,中 間財 は互 いに代 替 的 で あ り,投 入 集 約度 は 互 い に異 な

り,か つ,集 約度 が 逆 転す る こ とは な い。

(仮 定2)2中 間財x・yは,2本 源 的 生 産 要 素K・Lを 投 入 して生産 され る。 そ の生産 は,各 生 産 要 素 に対 して収 益 逓 減 で あ り,規 模 に 対 して収 益 不 変 で あ る。 また,生 産 要 素 は 互 い に代 替 的 で あ り,投 入集 約 度 は 互 い に異 な

り,か つ,集 約 度が 逆 転 す るこ とは な い。

(仮 定3)最 終 財,中 間財 お よび 生 産 要 素 の 各市 場 で は,競 争 は 完 全 で あ る。

(仮 定4)生 産 要 素 お よび中 間 財 は 完全 に利 用 され る。

次 に モ デル で あ るが,以 下 の分 析 に おい て 便利 な よ うに 封 鎖 経 済 体 系 が (1)式 〜(16)式 に よ って示 され るもの とす る。

(1)Q,=瓦(Q.yi,Q、 ・t)

(2)Q̀‑2ブ μゴ、Q/i

σ=云u) (ブーX,Y)

(1)式 は 各 最終 財 の 生 産 関 数 を 表 わ し,(2)式 は μノ・を第 づ財 に おけ る 第 フ 投入 財 の限 界 生 産 力 とす ると,各 最 終 財 の 完 全分 配 を表 わす こ とに な る。

(3)Qj==Fブ(五 ・1(ゴ) (4)Qノ=μLノ 五ゴ十 μ、κゴKゴ

(3)式 は 各 中 間 財 の 生 産 関 数 を;(4)式 は そ れ ら の 完 全 分 配 を 表 わ し て い る 。

(5)Qノ ー"yT、Q」i

(6)五=2Σ'ノLブ

(7)K=匿2ゴ1ぐ

(5)式 〜(7)式 は,各 中間 財 あ るいは 各 本源 的 生産 要 素 の完 全利 用条 件 を示 す も ので あ る。

(8)jP」=1tiittゴi

(3)

(9)」 クノt=・1≠)ノμ んゴ

中 間 財 貿 易 に つ い て

(h‑・L,K)

29

(8)式,(9)式 は,各 市場 の完 全 競 争 な らび に 利 潤 極大 化 の 仮 定 か ら導 か れ る均衡 条 件 で あ る。

(10)P=Pii/Pi (11)v=・Pr/飯

(12)ω 一 クム/クK

(10)式 〜(12)式 は,最 終 財,中 間 財,生 産 要 素 の 相 対 価 格P・T・ ω の 定 義 式 で あ る。

(13)Q.Vi/Qri==々 占(v) (14)κ4Lゴ=hゴ(ω)

(13)式,(14)式 は,そ れ ぞれ,第i財 の 中間 財 集 約 度 関数,第 ブ財 の生 産s 要 素 集約 度 関 数 で あ る。 これ らの関 数 は,集 約 度 逆 転 の可 能 性 の排 除 と各 中 間 財,各 生 産 要 素 に対 す る収 益 逓 減 の 仮定 に よ り,各 相 対 価 格 に対 して単 調 増 加 で あ る。

(15)Di/D・ ・‑G(カ) (た だ し,G'>0)

(15)式 は最 終 財 需 要 関 数 で あ り,両 最 終 財 の需 要 量 の 比 率 は,そ の 財 の 相 対価 格 に のみ 存在 す る もの と し,需 要側 の条 件 の影響 を最 小限 に抑 え るた め の通 常 の 仮 定 で あ る。 最 後 に,各 最 終 財 の需 要供 給 均 等 条 件 を示 す,次 (16)式 を 加 え る こ とに よ り,生 産 要 素 が 不 変 の と き,あ る変数,例 えば 最 終 財 の相 対 価 格 少 が与 え られ れ ば,他 の 諸変 数 を 決 定す る こ とが で き る。

な お,(16)式 の うちの1つ は独 立で は な い こ とは周 知 の こ とで あ ろ う。

(16)Q,;==1)1,

以 上(1)式 〜(16)式 を 対 数 微 分 し,そ れ を"・"印 で 表 わ せ ば 次 の よ うに な る。

(4)

30

(1a) (2a) (3a) (4a)

第24巻 第1号

Q,….s"」,Qノ,

Q盛=2ノ θゴz(μ ゴざ十Qノ の

Qノ=・ θ、乙ブLゴ 十 θK・ゴK/

Q戸oゐ ブ(1■L」+五 ゴ)+θKゴ(μ κゴ+Kゴ)

(la)式,(2a)式 に お け る 砺 は 第i財 の 産 出 量 の 第 ブ財 投 入 量 に 関 す る偏 弾 力 性 お よ び 競 争 均 衡 下 の 第 づ産 業 に お け る第 ゴ財 の 相 対 分 配 率 を 表 わ し, θゴ乞の ゴ に つ い て の 和 は1に 等 しい こ とが わ か る。 同 様 に して,(3a)式,

(4a)式 に お け る θ好 は,第 ブ財 の 産 出 量 の 第h生 産 要 素 投 入 量 に 関 す る偏 弾 力 性,お よび,競 争 均 衡 下 の 第 ブ産 業 に お け る第 乃生 産 要 素 の 相 対 分 配 率 を 表 わ し,砺 のhVこ つ い て の 和 は1に 等 しい 。 次 に 完 全 利 用 条 件 を 表 わす 式 に つ い て は 次 の よ うで あ る。

(5a)Qノ ーΣ乞λ、Qガ (6a).乙==.E'ゴ7.uLノ (7a)K‑‑Xノ λ幻Kノ

(5a)式 の 袖 は,第 ゴ財 の うち 第i産 業 で 投 入 され る比 率 を,(6a)式,(7a) 式 の 祷 は 第 乃生 産 要 素 の うち 第 ブ産 業 で 投 入 さ れ る比 率 を 表 わ し,そ れ ぞ れi'ブ に つ い て の 和 は1と な る。

(8a) (9a) (10a) (lla) (12q) (13a)

難藻

ρ(ρ(ρ"ω(Q

(14a)κ ゴーLゴ ー σノω

(ただい ÷ (ただし・の≡号 謝

(8a)式 〜(12a)式 は,定 義 式 に 関 す る もの で あ り,説 明 は 要 しな い で あ ろ

(5)

中 間 財 貿 易 に つ い て31

う。(13a)式 の σtは 第i産 業 に お け る2中 間 財 の 代 替 弾 力 性 を,(14a)式 a」 は 第 ブ産 業 に お け る2生 産 要 素 の 代 替 弾 力 性 を 表 わ して い る。 い ず れ も 正 値 を と る と仮 定 で き る。

(15a)b・ ・b… 一・・S(た だL・ed≡ ・a(署 の) (16a)Qi==D,.

(15a)式 の εdは,需 要 側 に お け る 両 最 終 財 の 代 替 弾 力 性 で あ り正 値 を と る と仮 定 で き る。

まず,以 上(1a)式 〜(16a)式 を 用 い て,こ の 封 鎖 経 済 体 系 の 諸 性 質 を あ き らか に して お こ う。

最 初 に 各 相 対 価 格 の 関 係 を み る と,(1a)式,(2a)式,(8a)式 よ り 次 式 が 得 られ る。

(17)[郷 二1]lllH;1]

[砺 コの 行 列 式Bは,B=・9Xl一 θ川 で あ る こ と よ り,Bの 正 負 は 各 最 終 財 の 中 間 財 集 約 度 の 大 小 に 依 存 す る。 す な わ ち,

(18)砺 ≧砺 に 応 じてB之O

さ らに,中 間 財 相 対 価 格 と 最 終 財 相 対 価 格 の 関 係 が 一 義 的 で あ る こ とは, (17)式 よ りも とめ られ る。 ナ な わ ち,

(19)v==二P/B

同 様 に し て,(3a)式,(4a)式,(9a)式 よ り,次 式 が 得 ら れ る 。

(2・)[驚燦][llH;コ

[θんブコ の 行 列 式B*は,B*==θLX‑OLYで あ る こ と よ り,次 の 関 係 が あ る 。

(6)

'

32 第24巻 第1号

(21) .hy>〈h.yに 応 じてB*≧

生 産 要 素 相 対 価 格,'中 間 財 相 対 価 格,お よび,最 終 財 相 対 価 格 と の 一 義 的 な 関 係 は,(20)式 と(19)式 に よ っ て 得 られ,次 式 を 得 る。

(22)ω ・=‑v/B*=一 一P/BB*

次 に,各 財 産 出 量 の 関 係 を も と め る 。(5a)式 〜(7a)式 お よ び(13a)式,

(14a)式 よ り,Q.ii,Lブ,馬 を も と め る こ と が で き る 。

Qi'、==[Zγ,,Q.,一 λ川Qr'一 一λrn(λr,の+λ アπ の,)v]/C

Qin‑[‑2riQ.¥+λA'iQy+kif、(λXiσi+えrπ σπ)v]/C (23)^^^^

Qr、=口7・ ・Qx‑RxnQy"えyn(λx、 σ、+」Zirr・σTr)v]/C

Qrn・=[一 一λriQA・ 十 えiiQr十 λyr(R?riの 十2A'riσir)v]/C

ハし

Lx‑[λK・L‑RmrK+λLY(λK,yσN+Rκyσ ア)ω)]/c*

Ly・=[一 一'λκxL+λL.・K一 λLi(RK.prσi+Rκyσr)ω]/C*

(24)^.▲^

Kx‑[λKyL‑一 えLyK+zκ ア(λLiai‑+λLrσY)ω コ/c*

lKy==[一 λKA・L+RL‑K‑:・ λKx(ZLxσ‑+λLア σy)ω]/C*

な おCお よ びC*は(25)式 の[袖 コ,口1、 ゴ]の 行 列 式 で あ り,C=・ λ.yr一 λVi, C*=・2L■ 一ZK■ で あ る こ と よ り,次 の 諸 関 係 が 得 ら れ る 。

(25)[R・i]=一[額 謂}[嗣 一「lllllコ

(26)kr>〈huに 応 じ てC>〈O'・

(27)栂 ≧ 飯 に 応 じ てC*≧0 (28)BC>0,カ ・つ,B*C*>0

次 に,(19)式,(23)式 を(la)式 に,(22)式,(23)式 を(3a)式 に そ れ ぞ れ 代 入 す る と 次 の2式 を 得 る 。

(29)[ll]==「;1]P+呵1こ]

(7)

中 間 財 貿 易 に つ い て33

こ こ で ρfは,供 給 側 に お け る 第i財 の 価 格 弾 力 性 で あ り,次 の 内 容 を 持 っ て い る 。

ρ・≡[(θyi2XiiRyi+Or・ ・R.ylλyll)の+ZXiiRyrrσr・]/BC>0 ρπ ≡[袖 λr,σ,+(θi、 、Zl、Zr、、+θYn」Z.YII」ZXI)の 、]/BC>o

(3・)[1コ ー「;コe+[矧[知

こ こ で ρブ は 供 給 側 に お け る 第 ブ 財 の 価 格 弾 力 性 で あ り,次 の 内 容 を 持 っ て い る 。

ρ・ ≡[(OL.yλLVλKx+「)SKit・ ・ZKy」7,Lx)・.Y+λLyλ κ}・'σyコ/B"C*>o ρ1・≡[え ゐA・,ilK.1一σ.lr+(θLVλ 。..yRk‑。+OKI・ λu。λK.の σy]/B*c*>o

さ ら に,(29)式 に(30)式 を 代 入 す る と 次 式 を 得 る 。

(31)[ll]一 「;ll*]P+剛 褐欄

た だ し,ρi*は,ρalと は 異 な り,3つ の 供 給 側,す な わ ち,生 産 要 素,中 財 ゴ 最 終 財 の 供 給 側 を 考 慮 し た 上 で の 第 ¢ 財 の 価 格 弾 力 性 で あ り,次 の 内 容 を 持 つ 。

ρ1*≡[(0.t'iλ;x'11・Z}・1十θyiJlxiiR?'ii)σ1十 ・7・.yll,il」,・11σ11十2yuρ.Y十・ilA・IliOy]BC>0 ρ、、*≡[λ 眉 λ、、a、+(o.YI、 え、i・λ。、1+o、'、1λxH2yi)σh+λ 。、ρ、+λx,i・ 。]/BC>o

と こ ろ で,(30)式,(31)式 に お い て 資 本 お よ び 労 働 の 増 加 率 を ゼ ロ と し よ う 。 す な わ ち,(30)式 よ り 次 式 を 得 る 。

(32)Q■ ・=一一ρ‑V,Qゼ==ρ}・v

ま た,(31)式 り,次 を 得 る 。

(33)Qノ==一 ρ1・*f),QZi"=ρ11*メ)

(8)

34商 第24巻 第1号

し た が っ て,(32)式 よ り 次 の 結 果 を 得 る 。

(34)sign(Qx)=sign(一 一QF)=sign(‑v)

ま た,(33)式 よ り 次 の 結 果 を 得 る 。

(35)sign(Q,)==sign(‑QiJ)=・sign(一 メ))

上 の 関 係 か ら,中 間 財 お よ び 最 終 財 の 生 産 可 能 曲 線 は 原 点 に 対 し て 凹 で あ る こ と が わ か る 。

最 後 に,(15a)式,(16a)式,(31)式 よ り 生 産 要 素 の 変 化 に よ る 最 終 財 お

く  

よび 中 間 財 相 対 価 格 の 変 化 を み る こ とが で き る。k≡K/Lと す る と,次 式 を 得 る。

(36)∫)=一 一h/(ρ1*十 ρII*十 ε,')CC*

(37)v==‑h/(ρ1*十 ρll*→一εd)BCC*

こ れ ら の 経 済 的 意 味 の 考 察 を 次 節 で 行 な う 。

貿 易 理 論 に 関 す る 諸 命 題

前 節 に お い て構 成 され た モデ ル の 諸性 質 よ り得 られ る貿 易理 論 に関す る諸 命 題 に つ い て は次 の よ うで あ る。

〈 命 題1>上 記 の モ デ ルに お い てヘ クシ ャー ・オ リー ソ定 理 が成 立す る。

す な わ ち,各 国に お い て中 間 財 相対 価 格 と最 終 財 相 対価 格 との 間に 一 義 的 関 係 が あ り,さ らに 両 国の各 財 生産 関数 お よび 最 終 財需 要 関 数 が 同一 な ら ば,あ る生産 要 素 を他 国に比 較 して 相対 的 に 豊 富 に 有 して い る国は,そ 生 産要 素 を集 約 的 に 投 入す る中 間 財 に,あ るいは,そ の 中 間財 を集 約 的 に 投 入す る最 終 財 に比 較 優 位 を 持 つ。

命 題1は,天 野[3]の 分 析 手 法 に な らって,前 節 の 比較 静 学 分 析 の(36)式,

(2)こ の モ デ ル の 安 定 条 件 は.ρ ∬*+ρ 〃*+5,t>0で あ る.

(9)

中 間 財 貿 易 に つ い て 35 (37)式 は,貿 易 開始 前 の二 国 間 の 各 財 相 対 価 格 差 と 解釈 す る こ とに よっ て

証 明 で き る。 今,自 国 は 他 国 よ りも 相 対 的 に 資 本 豊 富 国 で あ り(k>0),X財 は 資 本 集 約 財 で あ り(C*>0),1財 はX財 集 約 財 で あ る(C<0)と 仮 定 し よ

う。 そ の 時,(36)式,(37)式 よ りPお よびvは 正 値 を と る こ とが わ か る。

す な わ ち,資 本 豊 富 国 で あ る 自 国 は,資 本 集 約 財 で あ るX財 に,さ らに,X 財 集 約 財 で あ る1財 に 比 較 優 位 を 持 つ こ と に な る。 他 の ケ ー ス に つ い て も 同 様 に 命 題 は 成 立 す る。 ま た,ρ と 砂 と の 絶 対 値 を 比 較 す る と,後 者 の 方 が 前 者 よ り も 大 で あ る こ とに 注 意 した い 。

〈 命 題2>上 記 の モデ ル に お い て リプチ ン スキ ー定 理 が 成 立す る。 す な わ ち,各 財 相 対 価 格@お よび の が 不 変 で あ り,あ る生 産 要 素 が 増 加す る と き,そ の生産 要 素 を 集約 的 に 投 入す る中 間財,お よび,そ の 中 間財 を集 約的 に投 入す る最 終 財 の産 出量 は増 加 し,他 の 中間 財,最 終 財 の産 出量 は 減 少す る。 また,あ る中間 財 が(中 間財 貿 易 に よっ て)増 加す る とき,そ

の中 間 財 を集 約 的 に投 入す る最 終 財 の産 出量 は 増 加 し,そ うで な い最 終 財 の産 出量 は 減 少す る。

今,X財 は 資 本 集 約 財 で あ り,1財 はX財 集 約 財 で あ る と 仮 定 しよ う。(29) 式 〜(31)式 を 用 い て 命 題2が 成 立 す る こ と を 示 す こ と が で き る。 す な わ ち,

くの

次 の 関 係 が 計 算 に よ っ て も と め られ る。

(3)例 え ば,(30)式 に お い て,仮 定 よ りvは ゼ ロで あ る こ と よ り,

^1^^^1^^

Q・ 「 タ(λK・L一 λLyK)・(レ=iタ('‑RK.yL+R・ ・xκ)

と な る.今,Kを ゼ ロ と す る と,

Qi/L・ λKr/Ck,Qv/L=一 一λKx/α と な り,他 方Lを ゼ ロ と す る と,

Qx/K=‑in・/C*,Qy/K=λna'/C*

と な り,そ れ ら の 値 は[砺 コ の 逆 行 列 の エ レ メ ン トに な っ て い る,し た が っ て, 仮 定 よ り,C*は 負 で あ り,砺 は い ず れ も 正 で あ る か ら,

・(3・)'噂{1潅 調 一k±]

同 様 に し て,(29)式,(31)式 は(29)'式(31)'式 の よ う に も と め ら れ る.

(10)

36

(30)'

(31)'

(29)'

艦 猛 鴫 誰 呵跳

第24巻 第1号

1翻 一岬 曜 一[++]

無 一 一[;コ 1漁}‑P{コ

した が っ て,今,資 本 が 増 加 した とす る と,資 本 集 約 財 で あ るX財 お よび X財 集 約 財 で あ る1財 は 増 加 し(Q‑/K>O,か つ,Q・/K>0),他 のy財 よびII財 は 減 少 す る(Qy/K<0,Q・1/K〈0)。 ま た,X財 が 増 加 す る と き, X財 集 約 財 で あ る1財 は 増 加 し(Q・/Qx>0),他 のII財 は 減 少 す る(Qu/Qx

<0)。 他 の ケ ー ス に つ い て も 同 様 に 命 題 は 成 立す る。

〈 命題3>上 記 の モ デル に お い て ス トルパ ー ・サ ミュエ ル ソン定 理 が 成 立 す る。 す な わ ち,あ る財 の価 格 が上 昇 す る とき,そ の財 に 集約 的 に 投 入 さ れ る生産 要 素 の実 質 報 酬 率,あ るい は,財 の価 格 は上 昇 し,他 の生 産要 素 の 実質 報 酬 率,あ るい は,財 の価 格 は 下 落す る。 また,あ る最 終 財 価 格 が 上 昇す る と き,そ の財 に 集 約 的 に投 入 され る中 間 財 に 集約 的 に投 入 され て い る生 産要 素 の実 質 報 酬 率 は上 昇 し,他 の生 産 要 素 の実 質 報 酬 率 は 下 落す

る。

今,x財 は 資 本 集 約 財(B*〈o)で あ り,1財 はx財 集 約 財(B>o)で あ る とす る と,(17)式,(20)式 を 用 い て 命 題3が 成 立 す る こ と を 示 す こ とが で き る。(17)式 の 両 辺 に[θ ゴ̀コの 逆 行 列 を 乗 じ,(20)式 の 両 辺 に[θhd]の 行 列 を 乗 ず る と 次 の 関 係 が 導 か れ る。

(17)'鴫 稔llコ ー蜘[岬 一[二;]

(2・)'魂ll㌶ll二]‑sign[Ot,」]ri===[;二]

(11)

中 間 財 貿 易 に つ い て 37

さ ら に,(17)'式 の[edi]‑iの 対 角 要 素,(20)'式 の[砺]『1の 非 対 角 要 素

(4)

は 正 で あ るだ け で な く,1よ り 大 で あ る。 今,x財 価 格 が 上 昇 した とす る と,X財 に 集 約的 に投 入 され る資 本 の実 質 報 酬 率 は上 昇 し(な ん となれ ば,

^^(5)

PK/飯>1),非 集 約 的 に 投 入 され る 労 働 力 の 実 質報 酬 率 は 下 落す る。 同様 に,J財 価格 が 上 昇 した とす ると,1財 に 集約 的 に投 入 され るX財 の価 格 は 上 昇 し(な ん となれ ば,Px/あ>1),非 集約 的 に投 入 され るy財 の価 格 は下 落す る。 さ らに,そ のX財 価 格 の上 昇 は,(20)'式 よ りX財 に 集約 的 に 投入 され る資 本 の実 質 報 酬 率 の上 昇 を もた ら し,他 方,そ のy財 価 格 の 下 落 は, (20)'式 よ りy財 に 集 約的 に 投 入 され る 労 働 の 実 質報 酬 率 の 下 落 を もた ら

(6)

す 。 他 の ケ ー ス に つ い て も 同 様 に 命 題 は 成 立 す る。

〈 命 題3の 系 〉 上 記 の モ デ ル に お い て,1ω/vl>1,お よ び, あ り,さ ら に,1ω/刻>lv/Pl>1で あ る 。

lv/Pl>1で

こ の こ と は,(19)式,(22)式 よ り,iB{<1,お よ び,IB判 く1,さ ら に, IBB*1<IBIで あ る こ と よ り 容 易 に 証 明 で き る 。

〈 命 題4>自 国 と外 国 を考 え,両 国 は 最 終財 貿 易 の前 後 に お い て不 完全 特 化 の状 態 に あ り,し か も,自 国 は 小 国 で あ る とす る。 そ の 時,最 終 財 貿易

(4)例 え ば,(17)'式 のPx/P1=θ アτ1/Bで あ る.Bは,.B=θm‑一 θxll=(1‑eyJ) 一(1一 θr〃)=θYII‑一 θr1と な り

,仮 定 に よ り 正 で あ る こ と か ら,Px/勿 は1よ り大 と な る.同 様 の こ と は 他 の ケ ー ス に つ い て も 言 え る.

(5)資 本 の 実 質 報 酬 率 は,ρ κ/ρκ,あ る い は,le)κ/Prで あ る.そ の 変 化 率 は, ρκ一 哲,あ る い は,ρ κ一 ρノ で あ る.こ こ で の 仮 定 で は,ρ κ 〉 ρκ>0で あ り,

し か も,勿=0で あ る こ と よ り.い ず れ の 財 で 測 ろ う と も 資 本 の 実 質 報 酬 率 は 上 昇 す る.他 方,労 働 の 実 質 報 酬 率 は,飢/哲 あ る い は,PL/Pyで あ る 。 そ の 変 化 率 は,PL‑Px,あ る い は,Pf.‑2bLで あ る.仮 定 よ り,Px>o>ρ 乙 で あ り,

し か もP/=0で あ る こ と よ り,い ず れ の 財 で 測 ろ う と も 労 働 の 実 質 報 酬 率 は 下 落 す る.

(6)ス トル パ ー ・サ ミ ュ エ ル ソ ン定 理 は,あ る 財 価 格 の 上 昇 に よ り,そ の 財 に 集 約 的 に 投 入 さ れ る 生 産 要 素 の 所 得 分 配 を 有 利 に す る と い う の が 本 来 の 主 張 で あ る.

今,各 生 産 要 素 の 所 得 分 配 比 率 をgと し,q=:(PLL)/(PκK)と す る と,g=ω

=‑v/B*一 ・‑P/BB*と な る .B*〈O,B>0で あ る こ と よ り,1財 価 格.あ る い は,X財 価 格 が 上 昇 す れ ば,所 得 再 分 配 は 資 本 に 有 利 に な る,

(12)

38 第24巻 第1号

に よ って 得 られ る 経 済 厚 生 水 準 は,中 間財 貿易 に よっ て も 必 らず 得 られ る。

自国 は 資 本豊 富 国 であ り,X財 は資 本 集 約 財,1財 はX財 集 約 財 と しよ う。

最 終 財 貿 易前 に お い ては 自国 は不 完 全 特 化 の状 態 に あ るか ら,最 終 財 相対 価 格 釦 と中間 財 相対 価 格Vdと は 一 義 的 に対 応 して い る。 命 題1に よ り 釦, V,1は 外 国 の そ れ に対 して割 高 とな り,1財,あ るい は,X財 に 比 較優 位 を持 つ で あ ろ う。 今,所 与 の最 終 財 国 際 価 格 か の も とで最 終 財 貿 易 が な され る

とす る。 自国 は1財 を輸 出 し,II財 を輸 入 し,貿 易前 よ りも経 済 厚 生 水準 を 高 め る こ とが で き るで あ ろ う。 両 国 は 最 終財 貿 易後 に おい て も不 完 全特 化 の 状 態 に あ るか ら,φ ∫が 与 え られ る時,中 間財 相 対 価 格 は 中 間 財 貿 易 を通 じ

る こ とな しに ク∫と一 義 的 に対 応 してい る中 間 財 国際 価 格"ノ に 等 しくな り, さ らに 中 間 財 貿 易 を もた らす 余 地 は な い で あ ろ う。 他方,同 じ 鋳 の も とで 中 間 財 貿 易 が な され た とす ると,自 国 はX財 を輸 出 しY財 を輸 入す るで あ ろ う。"グ は 最終 財 相対 価 格 ρ∫ を もた らす か ら 最 終 財 貿 易 の 余 地 を与 え な い 。 す な わ ち,少 ∫の も とで 最終 財 貿 易 に よ って得 られ た 消 費 点 は,中 間 財 貿 易 に よ って最 終 財 生 産 点 を そ の 点 に シ フ トさせ る ことに よ って得 られ る こ とに な る。 したが って,命 題4の 仮 定 の も とで は,最 終 財 貿 易 に よ って得 ら れ る経 済 厚 生水 準 は,中 間 財 貿 易 に よ って必 らず 得 られ る。

〈 命 題5>自 国 と外 国 を考 え,両 国 は 中間 財 貿 易 の 前 後 に お い て不 完 全特 化 の状 態 に あ り,し か も 自国 は 小 国 で あ る とす る。 そ の時,中 間財 貿 易 に よ って 得 られ る経 済 厚 生 水 準 は,最 終 財 貿 易 に よって必 らず 得 られ るとは 限 らな い。 あ る場 合 に は,中 間財 貿易 の方 が 最 終 財 貿 易 よ りも高 い経 済 厚 生水 準 を得 る こ とが あ る。

この こ とは,第1図 お よび第2図 を用 い て説 明 され る。 各 財 の生 産 可 能 曲線 はT∬Tr,T、Tπ に よっ て示 され る。 各 図は,当 該 国 が 資本 豊 富 国 で あ り,X 財 は資 本 集 約 財,1財 はX財 集約 財 で あ るこ とを反 映 して い る。 点Aは 貿

易前 の 中間 財 生産 点,点Bは 貿 易 前 め最終 財 生 産 点 お よび 消 費 点 を表 わ し,

(13)

中 間 財 貿 易 に つ い て

1

ng

G

\ ぐ"皿̀・

Tv

第2図

/f

Tn

\ \!・

ntll

39

各 点 の 接 線mom。,nonoは,貿 易 前 の 各 財 相 対 価 格 を 表 わ し,Vdと と は 一 義 的 関 係 が あ る よ うに 描 か れ て あ る。 今,最 終 財 が 不 完 全 特 化 か ら1財 完 全 特 化 す る 相 対 価 格ilbmi.が 与 え られ る 時,そ れ に 対 応 す る中 間 財 相 対 価 格Vmi、 は,TA'Ty曲 線 と1財 に 特 化 した 時 の 中 間 財 集 約 度 を 表 わ す 線 分ON

と の 交 点Cに お け るT.rTyの 接 線 とな る。 今,議 論 を 簡 単 に す るた め に, 外 国 に お い て も 自国 と 同 じlbminと"m、 。 の 対 応 関 係 が あ る も の と しよ う。

(14)

40 第24巻 第1号

こ の 場 合 に は,命 題4に よ り,消 費 点Hを 得 る経 済 厚 生 水 準 は ど ち らの 貿 易 に お い て も達 成 され る。 しか し,も し,中 間 財 相 対 価 格 がVMi、 、よ りも さ らにX財 に 割 安 なVf'に 与 え られ た とす るな らば,最 終 財 相 対 価 格 と の ・一 義 的 関 係 は 失 な わ れ る。 そ の 時,中 間 財 貿 易 が な され る な らば 中 間 財 国 内 生 産 点 は 点Aか ら点E,す な わ ちVftを 表 わ す 価 格 線MzM2とT.yT・ ・曲 線 と の 接 点 に シ フ トし,X財 は 輸 出 さ れY財 は 輸 入 され る。 価 格 線M2M、 と1財 特 化 の 集 約 度ONと の 交 点Fで 中 間 財 貿 易 が 行 な わ れ る な らば,1財 の 生 産 点 は,中 間 財 貿 易 が な され な い と き の1財 特 化 生 産 点 よ り上 の 点Gに 置 す る で あ ろ う。 さ らに,単 純 化 の た め に 最 終 財 貿 易 は 行 な わ れ ず 中 間 財 貿 易 の み が 行 な わ れ る とす る な らば,価 格 線M2M2はON線 の 下 方 に お い て は,価 格 線m、Mlよ り外 側 に あ るか ら,最 終 財 生 産 可 能 線 はTnt線 よ りは 外 側 に あ り,例 え ば,(;n2線 の よ うに 描 か れ るで あ ろ う。 した が っ て,中 財 貿 易 に よ っ て 得 られ る経 済 厚 生 水 準 は,各 財 相 対 価 格 と の 間 に 一 義 的 関 係 が な い と き に は,最 終 財 貿 易 に よ っ て 必 らず 得 られ る と は 限 らな い 。 あ る場

合 に は,中 間財 貿 易 の方 が 最 終 財 貿 易 よ りも高 い 経 済 厚生 水 準 を得 るこ とが

(7)

あ る。 第2図 の 点 ノ と点Hと は,こ の ケ ー ス を 扱 っ た も の で あ る。

IV池 間 〔1〕へ の コ メ ソ ト

前 節 まで に得 られ た 結 果 に も とつ い て,池 間[1]に 対 す る若 干 の コ メソ ト を 記 した い。 まず,池 間[1コ の モデ ル1に つ い て。

第 一 に,池 間 論 文 の幾 何 学的 分 析 の特 徴 に つ い てふ れ て お きた い。 中 間財 相 対 価 格 が 変化 す る に応 じて 中 間財 産 出量 は 変 化す る。 そ の よ うな場 合 に お い て も,最 終財 の生 産 契 約 曲線 お よび生 産 可 能 曲線 が 巧 み に導 か れ てい る。

さ らに,λ 線 を導 入 し,最 終 財 の 生産 契 約 曲線 と同 じ平面 で,中 間 財 の 輸 入 量 が 陽表 的 に鮮 や か に 示 され て い る。 この分 析 手 法 は 他 の分 野 で も応 用 可 能

で あ り,極 め て有 益 で あ る。

(7)最 終 財貿易に よって点 ノ よ りも 高 い経済原生 水準を 得 る可能 性 もあ り得 る.

また,両 財貿易が行 なわれて経 済厚生 水準を さ らに高 め得 ることを考 え られ る.

(15)

中 間 財 貿 易 に つ い て 41

この巧 み な,幾 何 学 的 分 析 に よって,池 間論 文 は 次 の 結果 を え てい る。 ① 各貿 易が 同 一 の 中 間財 国 内生 産 点 を与 え る限 り,両 貿 易 は経 済 厚 生水 準 を基 準に す る限 り全 く無 差 別 で あ る。 ② 中 間財 貿 易 に よ って定 まる中 間財 国 内生 産 点 が,最 終 財 貿易 に よるそ れ よ りも輸 出中 間 財産 業 に偏 よるな らば,中 財 貿 易 は 必 らず 最終 財 貿 易 よ りも高 い経 済 厚 生 水準 を もた らす 。 ① は,前 節 の命 題4に 対 応 して い る こ とは 明 らか で あ ろ う。 しか し,② に つ い て は, 前 節 の命 題5が 示 す よ うに,必 らず 成 立す るとは限 らな い とい うべ きで あ ろ

う。

次 に モデ ル2に つ い て。 モ デル2で は,各 最 終財 は各 々ただ 一 つ り 中間 財 を投 入 して 生 産 され る とい う 仮 定 に 立 って い る。 われ わ れ の 記 号 を用 いれ ば,

(1)'Q,…Fi(Qノ)

とい う,ll節 の(1)と は 異 な る生産 関 数 とな って い る。 池 間 論 文 で は,各 最 終 財 生産 関数 に は何 らの仮 定 を お い て いな いが,分 析 内容 か らみ れば,中 財 投 入 に 関す る二次 微 分,d2Q./dQ」2が 負で あ る収益 逓 減 型 の生産 関 数 が採 用 され てい る。 しか し,モ デル1の よ うに 完 全 分 配条 件 を導 入 した新 古 典 派 モ デル を想 定す るので あれ ば,収 益 逓 減 型 の生産 関数 を採 用す る こ とは問 題 であ ろ う。 なぜ な らば,今,H節 の(2)に 対応 す る,モ デ ル2の 完全 分 配 条 件 を,

(2)'Qi=:μ ブ、Qゴ

と す る と,

(38)a2Q/aQ/2=O,μ ンi‑0

とな り,収 益 不 変型 の生 産 関 数 が 仮 定 され なけ れ ば な らな い か らで あ る。

収益 不 変 型 の生産 関数 が採 用 され るな らば,皿 節 の(36)式,(37)式 は,

(36‑37)'メ)==・Vr=‑h/(ρ.¥十 ρy十 εd)C*

(16)

42

る 。

第24巻 錆1号

と な る 。 さ らに 命 題4は そ の ま ま成 立 し,命 題5は 次 の よ うに 書 き か え られ

〈 命 題5。 〉 自国 と外 国 を 考 え,両 国 は中 間 財 の前 後 に お い て不 完全 特 化 の 状 態 に あ り,し か も 自国 は 小 国 で あ る とす る。 そ の時,中 間 財 貿 易に よ

っ て得 られ る経 済 厚 生 水 準 は,最 終 財 貿 易 に よ って も必 らず 得 られ る。

以 上 の こ とか ら,中 間 財 を 経 済体 系 に導 入 した に もかか わ らず,中 間 財 の存 在 理 由を否 定 す る結 果 が で て くる こ とに な ろ う。

最 後 に,池 間 論 文 の興味 あ る,次 の示 唆 に つ い て。 「自国 と外 国 とを考 え る と,一 方 に お い て最 終 財対 最終 財 に おけ る比較 優 位格 差 が 存在 し,他 方 に お い て 中間 財対 中 間財 に おけ る 比 較優 位格 差 が 存 在 す る。 そ の よ うな場 合 に,も しい ずれ か の貿 易 の み が 可能 だ とす れば,比 較 優 位 差 の大 きい方 の貿 易 を行 な った方 が 貿 易 利 益 も大 き くな る とい うこ とを,示 唆 して い る とい え

る。」

われ わ れ の コメン トは 次 の よ うで あ る。す な わ ち,た とえ,命 題4が 成 立 し,同 じ経 済 厚 生 水 準 が 得 られ た と して も,命 題1で 付 記 した よ うに,中 間 財 相 対 価 格差 は最 終 財 相対 価 格 差 よ りも大 に な って い る。 さ らに,命 題5が 示 唆 して い る よ うに,各 財相 対 価 格 差 は 貿 易利 益 の基 準 に は な らな い で あ ろ

う。 モデ ル2に お い てぽ,命 題4お よび命 題5aが 成 立す る範 囲に おい て,P とvは 一 義 的 関 係 に あ り,し か も(36‑37)'が 示 す よ うに 各 財 相 対 価格 差 は 等 し くな る。 命題4お よび命 題5aが 成 立す る範 囲 外 で は,各 財 相対 価 格 差 に つ いて は一 義 的 な結 論 は 得 られ な し1であ ろ う。 この 点 で は,前 節 の命 題4 お よび命 題5の 結果 の方 が 興味 あ る よ うに 思 わ れ る。

[1]池 誠,"中 間 財 貿 易 の 幾 何 学 的 解 明",r商 学 討 究 』(小 樽 商 科 大 学),第 24巻 第1号,1973.

[2コCorden,W.M.,"TheEffectsofTradeontheRateofGrowth",in

J.N.Bhagwati,et・aL(ed・),Tra4e,Balanceofpaymentsand(}roωth(Papers

(17)

貿 易 に つ て43

伽lnternationalEconomicsinH()norof().P.Kindleberger),North‑Holland,

(1971).

[3コAmano,A.,"DeterminantsofComparativeCosts:ATheoretial Approach",、Oxbor4EconomicPapers,(Nov.1964).

(48,4.14)

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