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日本国憲法における統治権の権利主体としての国家論(共同研究報告 : 憲法研究) 利用統計を見る

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日本国憲法における統治権の権利主体としての国家 論(共同研究報告 : 憲法研究)

著者 小野澤 信一

雑誌名 聖学院大学総合研究所Newsletter

Vol.20

No.1

ページ 18‑19

発行年 2010‑06

URL http://id.nii.ac.jp/1477/00002329/

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Title

日本国憲法における統治権の権利主体としての国家論(憲法研究)

Author(s)

小野澤, 信一

Citation

聖学院大学総合研究所 Newsletter, Vol.20-1

URL

http://serve.seigakuin-univ.ac.jp/reps/modules/xoonips/detail.php?item_i d=2212

Rights

聖学院学術情報発信システム : SERVE

SEigakuin Repository for academic archiVE

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18

【憲法研究】

日本国憲法における統治権の 権利主体としての国家論

 2010年4月19日、聖学院本部新館2階におい て、本年度第1回「憲法研究会」が26名の参加者 の下に開催された。講演者は、一橋大学名誉教授 の杉原泰雄氏をお迎えし、上記のテーマについて の発表が行われた。概要は以下の通りである。

 杉原氏によると、通常の国家の概念というもの は、「一定の領土に定住する多数人からなる団体

共同研究報告

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19 で、統治組織を持つ。統治権、領土および国民の

3要素を持つ」と定義される。しかし、法的な構造・

関係の根本的なあり方を検討する憲法学にとって は、寄与することがきわめて小さいという。憲法 学における国家の概念とは、統治権の権利主体者 としての国家という概念抜きには考えられないと いう。

 次に、明治憲法下における「国家」論争に関し て、上杉・美濃部論争が取り上げられた。その論 争の焦点は、美濃部が主張する「国家法人説(天 皇機関説)」と上杉の「天皇主体説(天皇主権説)」

といったいわば立憲君主制と絶対君主制の対立で あった。それは最終的には、学界外で、「天皇機 関説事件」・「国体明徴問題」として、政治的強権 的に、「国家法人説」は「国体の本義に悖る」も のとされた。

 さらに、比較憲法史における統治権の権利主体 としての国家の問題において、注目すべき国家論 が、フランス型の「国家統治者説」とドイツ型の「国 家法人説」である。フランス型国家概念は、ボタン・

ボッシュエ、ルソー、シエイエスなどに代表され、

フランス革命におけるnation主権の成立により、

君主主権とpeuple主権の排除がおこなわれた。一 方、ドイツでは、19世紀の「ドイツ国法学」とい う君主主権のドイツ諸憲法を解釈運用する国家法 人説が主流であった。

 まとめとして、日本国憲法下の問題点が宮沢説 と芦部説を中心に指摘された。宮沢説は、本質概 念としての法人格と技術概念としての法人格や、

「国家法人説」の批判と3つの主権概念などで、

芦部説は、主権の多義性、近代国家における第3 の概念の必然性、国民主権などの特徴である。こ れら二つを比較しながらそれぞれの問題点が挙げ られた。

 最後に、質疑応答では、人民主権論が成り立つ 為には革命必要なのではないか、Democracy体制 は革命によるコペルニクス的転回が必要ではない かなどの論点を中心に、活発な議論が行われた。

(文責:小野澤信一 聖学院大学大学院アメリカ・

ヨーロッパ文化学研究科博士後期課程)

(2010年4月19日、聖学院本部新館2階)

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