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アブラムシと随伴アリの共生関係は

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2020年27

アブラムシと随伴アリの共生関係は

ホスト植物のコストになっているか?

環境資源学専攻 生物生態・体系学講座 動物生態学 河合 尚

1.はじめに

共生系の成立機構を詳しく調べることは、生物多様性の維持機構の解明につながると考えられる。

共生系の研究を行うためには、モデルとなる関係を発見することが必要であり、新しい共生系の発 見は生態学、進化生物学に貢献すると考えられる。オオヨモギ(

Artemisia montana

:次項以下、ヨ モギ)に随伴するヨモギヒゲナガアブラムシ(

Marosiphoniella yomogicola

:次項以下、アブラム シ)は、夏場、ヨモギの樹液を吸う。一見、ヨモギにとっては、アブラムシは厄介者でしかないよ うに考えられる。しかしアブラムシに随伴するアリがアブラムシの捕食者を追い払うため、同様に アリがヨモギの植食者を追い払うのではないかと考えられる。そこでヨモギの食植者をアブラムシ に随伴するアリが攻撃するかを調べた。またその結果、アブラムシはヨモギの適応度を上げる(ア ブラムシ付随の間接効果)のではないかと考えられる。ヨモギは地中でつながった同一遺伝子を持 つ大きな群(ジェネット)を形成し、地上に出た茎一本のことをラメットという。本研究ではラメ ットを1個体として扱い、アブラムシの随伴がラメットの適応度に与える影響を調査した。

2.方法

アブラムシはラメットの上部に随伴していることが多い。そこでアブラムシに随伴しているアリ

(上部のアリ)とアブラムシに随伴していないアリ(下部のアリ)に食植者であるヨモギハムシを 接触させ、アリが攻撃する確率を比較した。統計解析はフィッシャーの正確確率検定を行った。ま た春にアブラムシが随伴したラメットとその対照群としてアブラムシが随伴していないラメット を作成し、秋に適応度(種子の重量)を比較した。統計解析は一般線形化混合モデルを作成し従属 変数に対する回帰係数に有意性があるかどうかを検定する方法を行った。

3.結果と考察

上部のアリが下部のアリに比べて食植者を攻撃する確率が有意に高いことが分かった。これに よりアブラムシ付随の間接効果の存在が明らかになった。また、アブラムシが随伴したラメット の適応度は随伴していないラメットの適応度に比べて有意に高いとは言えなかった。このことか らアブラムシの随伴はラメットにとってデメリットを与えているとはいえないとわかった。

4.今後の課題

ヨモギはラメットではなくジェネットを1個体と定義することもある。今後はジェネット単位で

の研究が必要である。

参照

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