随伴性学習とワーキングメモリの関係性
14002PAM
北原 稔也問 題 と 目 的
我々が日々を過ごしている外部環境は多くの 情報に囲まれている。この多くの情報の中から 規則性を見つけ出し,自身の行動に適用するこ とはヒトの重要な能力である。このような規則 性には,反応を引き起こす手がかりとなる刺激 が存在することがある。
2
つの事象間において,ある事象が生起した時だけに別の事象が生起す る関係を随伴性という。Schmidt (2012)は随伴 性の学習を,刺激と反応の統計的な関係性の学 習としている。
Schmidt et al. (2007)は改変したストループ
課題を用いて随伴性学習を検討した。実験は色 に対して中立な4
つの単語(例: MOVE)を4
色に 着色して呈示し,実験参加者の課題はインク色 の判断であった。各単語は特定の色で呈示れる 確率が高く,呈示頻度が高い色を高随伴性条件,低い色を低随伴性条件とした。実験の結果,高 随伴性条件における課題遂行成績が向上した
(随伴性効果)。これは実験参加者が単語と呈示
頻度が高い色への反応との随伴性を学習した結 果である。Schmidt et al. (2010)は随伴性学習 に数字の記憶課題を加え,随伴性学習が記憶の 処理資源を用いていることを示した。これらの 知見から,Schmidt (2013)は随伴性学習のモデ ルであるParallel Episodic Processing(PEP)モ
デルを提唱した。PEP
モデルではエピソードノ ードと呼ばれるノードを想定し,反応と結びつ いた単語の情報が貯蔵,検索される結果,随伴 性学習が生じるとしている。本研究は
Baddeley (1986, 2000)のワーキン
グメモリのMulti-Component(MC)
モデルを基 に,PEP
モデルの拡張を目的とした。MC
モデ ルでは言語情報は音韻ループ(PL)が,非言語情 報は視空間スケッチパッド(VSSP)が処理や保 持を行うとしている。PLとVSSP
において処理 資 源 は 独 立 し て い る こ と を 示 し た 知 見
(Vogel et al., 2001)に基づき,随伴性学習及び
記憶課題に言語刺激,非言語刺激を用いること で,随伴性学習におけるワーキングメモリの関 与を検討した。実験1
では言語刺激を用いた随 伴性効果と高随伴性条件の呈示頻度(
随伴性頻 度)が随伴性効果に及ぼす影響を検討した。実験2
では非言語刺激を用いた随伴性効果を検討し た。実験3
では言語刺激の随伴性効果に言語刺 激の記憶負荷が及ぼす影響,実験4
では言語刺 激の随伴性効果に非言語刺激の記憶負荷が及ぼ す影響を検討した。随伴性学習にワーキングメ モリが関与し,エピソードノードの処理資源がPL
とVSSP
で独立している場合,PL
が随伴性 学習,VSSP
が記憶負荷を担う実験4
において,記憶負荷は随伴性効果に影響しないと予想した。
方 法
要因計画 実験
1:
随伴性頻度(参加者間3;
37.5%条件, 50.0%条件, 62.5%条件)×ブロック (4; 1, 2, 3, 4)×随伴性(2;
高随伴性, 低随伴性)。3
要因混合計画。実験2:
ブロック(4; 1, 2, 3, 4)×随伴性(2; 高随伴性, 低随伴性)。2 要因参加者 内計画。実験
3・4:
記憶負荷(参加者間 2; 低負 荷, 高負荷) ×ブロック(2; 1, 2) ×随伴性(2; 高随 伴性, 低随伴性)。3
要因混合計画。実験参加者:大学生及び大学院生。実験
1: 48
名(M = 20.17, SD = 1.46)。実験 2: 16
名(M = 18.69, SD = 0.92)。
実験
3: 32
名(M = 19.94, SD = 0.90)。実験 4: 32
名(M = 20.75, SD = 1.56)。
刺激 実験1:
縦書き の単語 4 種(ボタン,バイク,ハサミ,ウチワ)。実験 2: Vanderplas & Garvin (1959)による無 意味図形
4
種。実験1
,2
共に刺激を4
色(
青,緑,黄,赤)に着色し,画面中央に呈示。実験
3・
4:実験 1
の単語に加え,実験3
ではランダムに 生成した2
桁または5
桁の数字。実験4
では1
つまたは3
つの図形(Brown & Marsh, 2009)。. ¬ij 1a2đć*ķHZ:WĮ&
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