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Effect of Salinity and Sulfate on Hydrogen Fermentation of  Concentrated Degradable Wastewater

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(1)

長野工業高等専門学校紀要第

3 5

( 2 0 0 1 ) 3 9

高濃度易分解有機性廃水の水素発酵に及ぼす硫酸塩および塩分の影響

浅野憲哉 山浦修一 金田幸太 長谷川大 松本明人 水野修 野池達也

Effect of Salinity and Sulfate on Hydrogen Fermentation of  Concentrated Degradable Wastewater

Kenya ASANO Shyuichi YAMAURA Kouta KANADA

Masaru HASEGAWA Akito MATSUMOTO Osamu MIZUNO and Tatsuya NOIKE

I n t hi ss t ud y ,S al i ni t y and s ul f at e t o l e r anc e o fhydr o gen pr o duc i ng mi c r o bi al ‑ f lo r a wast es t ed t o i nve s t i gat ec har ac t e r i s t i c so fhydr og e nf e r me nt at i o nbas i c a ll y . Re s u lt sf ro m aCSTR( HRT1 0ho ur s ,i nf lue nt s uc r o s eCOD20, 000mg

/

1 ,35

℃)

t e s to fs a li ni t y,hydr oge ni cf e r me nt at i o nwasaf fe c t edbys al m i t yandwas s t o ppe dc o mpl e t e l yat2. 5%o fNaCIc o nc e nt r at i o n. Ass al i ni t yi nc r eas e ,t heCODr e mo vale mc i e nc ywasal s o de c r e as e dandwas ho uto fs uc r os ewasi nc r e as e d.Re s ul t sf rom bat c handCSTR( HRT 1 0ho ur s,i nf lue nt COD 20, 000mg

/

1 ,20 ℃ and35℃, r e s pe c t i ve l y)t e s t so fs ul f at e ,appa r e nti nhi bi t i o nwasno to bs e r ve dand s u岨dewasnotde t ec t ede ve natS O 4 2 ‑ c ont e nt3, 000mg / 1i nbo t hc as e s .

キー ワー ド :水素発酵,有機性廃水,エネル ギー回収,硫酸塩,塩分

1.序

1 ‑1

エネルギー問題 ‑

人 口の増加 ,都 市 の巨大化お よびエネル ギーの大 量消費な ど,人類環境 は大 きな影 響 を受 けて今 日に 至ってい る. これ程 の資源 ・エネル ギー消費量 の増 大は,地球 の歴 史上かつ て例 をみ ない ものであ る.

また,石 油,天然 ガスお よび石炭等 の化石燃料 の可 採年数 には限 りがあ るの に も関わ らず ,既存の化石 燃料 に代替す るエネル ギー源 は現在 の ところほ とん

ど考 え られ ないのが実状 であ る.

微 生物 を利 用 した 有機 性 廃 棄物 か らの水 素生 産 は, これ らの対策 の一つ として期待 され てい る.ま た, メタンな どと比べ,水素 は燃 焼 の際 に二酸化炭 素 を排 出せず,航 空燃料や燃 料電池 な ど,利用価値

★1

平 成

9

年 土 木 学 会 東 北 支 部 技 術 研 究 発 表 会 に て 一部発表

★2 環境都 市工学科助手

★ 3

長岡工業高等専門学校専攻科学生

★ 4

小木曽建設

★5信州大学大学院工学研 究科学生

★6 信州大学工学部助教授

★7

元東北大学 工学部助手

★ 8

東北大学工学部教授

原稿受付

20 01

9

28 日

が高い とい う利点が ある.

ト2

水素発酵の概要 1)

水素発酵 は,嫌気性 条件 下で水素生成 細菌群 がニ トロゲナーゼや ヒ ドロゲナーゼ の働 きに よって, グ ル コー スな どの有機物 を水素 と二酸化炭 素 と揮 発性 脂肪酸 とに分解 して微 生物 の生活活動 に必要 なエネ ル ギー を得 ることであ る. この とき,水 素資化性細 菌群が共生 していない場合 には,水 素は ガス と して 放 出 され る.水素発生 の機構 は,基本的 には解糖 系 で生 じた還 元

力 NADH

をフェ レ ドキシ ン, ヒ ドロ ゲナーゼ を介 して生成 す る系

(2

モル生成) と,坐 じた ピル ビン酸 を酸化 して生 じた還元型 フェ レ ドキ シンを ヒ ドロゲナーゼ を介 して生成す る系 (2モル 生成) があ る.

水素発生能 を有す る細菌 の種類 は多いが,水 素発 生の研 究に使用 されてい るの は主 に嫌気性細菌 であ

Cl os t r i di um

属 の細菌で あ るが, ヒ ドロゲナーゼ に よ り水素 を生産す る. これ らの細菌 は グル コー ス な どの有機 物 をよ く資化 し,水素発 生速度 も高 い.

しか し,光合成細菌 とは異 な り生育 に必 要なエ ネル ギーお よび還元力双方 をすべ て有機 物 に依存す るた め,基質 を完全 に水素 に変換 で きず ,水 素の ほかに 嫌 気性 代謝 の最 終産 物 で あ る有機 酸 も生 成 す る.

cl os t r i di um

属ではグル コー ス を基質 に した場合,

(2)

4 0

浅野憲哉 ・山浦修一 ・金田宰太 ・長谷川大 ・松本明人 ・水野修 ・野池達也 次式 に示す よ うに,理論的には

lmo l当た り4mo l

の水素発生が可能である.

C6 H1 2 06 +2H2 0 ‑ → 4H2 +2CH3 COOH+2CO2 2H2 + +2e+4 ATP ‑ H2 +4 ADP+4Pi

ニ トロゲナーゼ による水素発生の場合,グル コー

lmo l

当た り0.

5mo l

の水素が理論収量であるが, その反応 は,ATPを必要 とし

,a.kl e b s l ' e l l a

な どで は嫌気発酵 にお ける

ATP生産量は少ないため,基質

当た りの水素発 生量は少 ない.

高分子有機物 の加水分解で生成 された単糖やア ミ ノ酸な どは嫌気性細菌 によって発酵分解 され る.酸 生成過程 には様 々な代謝機能 を有す る多様な細菌が 関与 してい る. グル コー スの発酵分解 をみて も,最 終発酵産物 は酢酸,酪酸,乳酸, コハ ク酸,エ タノ ール,ブタノール,アセ トンな どと多様 で,細菌の 種類 によって発酵 の様式 は異 なる.また,同 じ細菌 で も生育条件 に よって異 なった発酵産物 を生成 した り,別種の細菌 が異 なった発酵反応 で同 じ発酵産物 を生成 した りす る.発酵産物 は通常その細菌 がそれ 以上分解 で きない物質であ り,上記の物質のほかに

C02

H2

も発酵産物 として生成 され る.

水素発酵 には細菌叢 を用い る方法 と単離 した微生 物 を用い る二つ の方法がある.いずれ も有機 物の嫌 気分解過程 において生ず る余剰電子のはけ口として, 水素が生成す る と考 え られ るが,細菌叢 を用 いた場 合では複雑 な微生物群 によって行われ るメタン発酵 やルー メン発酵 な どの発酵初期産物 または中間体 と して水素 を回収 で きないか とい う考 え方で,単離菌 法においては一種 または数種 の微生物群 によって有 機物 を嫌気分解 して有機酸な どを生産す る際,同時 に生成す る余剰 電子 を水素 として回収す る方法であ

る.

Taguc l

l

i , F.

らは, グル コー スか らデ ンプンまでの いろいろな糖類 を用いて

AM2

1B棟菌の水素発生能 を検討 した.AM21

B

株菌は,‑ キ ソー スやペ ン ト ースな どのいろいろな糖 か ら水素を生成す る潜在能 力があることを示 した.具体的には,‑ キソースの 単糖 (グル コース,ガ ラク トース)

,2

糖 (ス クロー ス,ラク トース,セ ロビオース),及び多糖 (スター チ),さらにペ ン トース (アラ ビノー ス,キシ ロース) をも水素に変換 で きる.この中で特 に重要なことは,

AM2

1B 株菌がアラ ビノースや キシ ロー スな どのペ

ン トース,及びセ ロビオース とスターチを水素発酵 の基質 として使 えることで,将来‑ ミセル ロースや セル ロースな どか らなる植物性廃棄物 を

AM2

1B棟 菌単独 で水素に変換 できる可能性 を示唆 している.

ト3

塩分および硫酸塩に関す る知見

2 ) ‑ 4 )

有機性廃水 を発酵 ・嫌気性消化等の生物処理す るに 当たって,問題 となるのは塩分や硫酸塩 による生物 活性 の阻害である.

Mc Car t yらの研究によれ ば,ナ

トリウムイオンやカ リウムイオ ンはメタン発酵に対 して強力な阻害効果 を示 した. しか しなが ら,絶対 嫌気性 のメタン生成細菌 にも好塩性 の株が兄いだ さ れて きた.微生物が高濃度 の塩環境で増殖で きるた めには,まずその環境下で細胞 内の溶質濃度 が外界 の濃度 に適合す るよ うに調節 されなければな らない.

すなわち,浸透圧調節が必要である. このよ うな細 胞内溶質濃度の調節 は,好塩細菌に限 らず増殖に塩 類 を特 に必要 としない非好塩細菌 において も必要で ある.非好塩細菌の中には,高濃度塩類存在 下で も 増殖で きるいわゆる耐塩細菌が多 く存在 し,耐塩性 の上限は浸透圧調節能力 と関係 してい る.通常の培 地 (食塩濃度 として約

150mM)で培養 した場合 の

細胞 内カ リウムイオ ン濃度 を比較す ると, グラム陰 性細菌 は約

230mM

であるのに, グラム陽性細菌は

600mM

とかな り高い値 を示す. このことは, グ ラム陽性細菌がグラム陰性細菌 よ り耐塩性が高いの と関係 があ り,一般的に細胞内に高濃度のカ リウム イオンを蓄積す る能力のある細菌は高濃度の塩類存 在下で増殖できる.培地の浸透圧 を高 くす る と,脱 水作用によって細胞 内溶質濃度 は上昇す るが,カ リ

ウムイオンの過度の蓄積 は細胞 内代謝活性 に悪影響 を及ぼす ことになる.

有機性廃水 中に硫酸塩が高濃度 に含 まれ る場合, 水素資化性硫酸塩還元細菌の働 きによ り水素生成 が 阻害 され る可能性がある,水素資化性 の硫酸塩還元 反応 は,次式の とお りである.

4H2+SO42‑ +H+ ‑ HS‑ +4H20

』GO= ・ 1 53kJ/ mo l

硫酸塩,硫化物お よびチオ硫酸は,ある種の製造工 程において さまざまな形態で用い られ てお り,その 工程の廃水に含まれて くる.

COD

と硫酸塩 の両者 が ともに高濃度の廃水 を発生す る製造工程 として,糖 蜜発酵,パルプ ・紙製造,石 油精製(その中の酸廃水), クエ ン酸お よびパーム油製造,アル コール蒸 留,醍 母合成剤製造, グル タ ミン酸ナ トリウム製造な どが あげ られ る.硫化水素は悪臭があ り,金属を腐食 し, 水に可溶性である.硫化水素は比較的低濃度 で もほ とん ど全ての細菌に対 して毒性 を示 し,人体 に対 し ては致命的 な毒性 を有 し,わずか

800‑1 , 000 ppm

のガス相濃度で も

30分以内に死亡 させて しま う.

さらに高濃度になる と即死 にいたる.

(3)

高濃度易分解有機性廃水の水素発酵に及ぼす硫酸塩および塩分の影響 しか し,水素発酵 にお ける硫酸塩還元細菌の影響

については今 の ところあま り研究がな されていない.

以上のこ とか ら本研究では,水素発酵 にお ける塩分 および硫酸塩 の影響 を調査 した.

2.実験方法

2 11

塩分濃度の実験装置および条件 5)8)

塩分濃度 の影響 を調べ るために用 いた種汚泥は, 水素爆発 を起 こした大豆サイ ロよ り採 取 した細菌叢 を東北大学大学院工学研 究科土木工学 専攻環境保全 工学研究室で長年馴養 して きた もので ある. この種 汚泥は,シ ョ糖 を

20, 000mg /

1含む基質で中温(

35

℃), 水理学的滞留時間(以下

HRT) 1

0 時間で連続培養 し たところ,約

2

年間にわた り水素ガスを

35‑ 40%

むガスを,600

‑ 700ml

a の速度で発生 し続 けた もの である.

今回の実験では表

1

に示す,炭素源 としてシ ョ糖

1 8, 000mgy l ( CODc ・ , 20, 000ppm)

を含 む人 口廃水 を 基質 として用いた.基質の

NaCl

濃度 は,0,0.

3

,

0. 6,0. 9

,1.

2

,1.

5,2. 0,2. 5%と,ガス発生速度 が

安定す るごとに段階的に添加量を増加 させた.なお, 基質 中には栄養塩 ,微 畳元素お よび

pH緩衝剤が含

まれ るため,添加 した

NaC

l濃度が

0%の ときでも,

0. 3%

相 当の電解質 を含 んでいた.

1

基質組成

試 薬 名

濃度(

m

g/〜

S u c r o s e 1 8 , 0 0 0 NH4 HCO3 3 , 8 0 0

K2HPO4 1 30

Mg C

t

2・ 6 H2 0 1 0 0 F e S

O

4・ 7 H2 0 2 8 2 Na 2 C

O

3・ 1 0 H2 0 2 , 5 0 0

微 量金 属類 微 量

本研究に用いた反応装置の模式図を図

1

に示す.

反応槽 には外気 を遮断 した容量 11の・三角 フラスコ を用いて,ガスポンプによ りガス循環 して連続投拝 し,イ ンキュベー ター内で

37

℃の中温域に保持 し, 連続実験 した.HRTはマイ クロチュー ブポンプによ

1 0時間に設定 した.基質 タンクは,冷却器によ

り水温を4℃以下に保持 した水槽 内で,マグネチ ッ クスター ラーによ り成分が均一になるよ うに授拝 し 続けた.発生 したガスは,メスシ リンダー を逆 さに したガスホル ダーに水上置換法で捕集 した. この と き, メスシ リンダーは二酸化炭素の溶 出を防 ぐため

マイクロチューブ ガスポンプ

41

に硫酸 によ りpH

1

以 下に調整 した飽和食塩水に 沈 めた.サ ンプ リングポー トは,反応槽 に取 り付 け た汚泥用の もの と,ガス循環用チューブ に取 り付 け た発生ガス用のもの とを用意 した.

ガス生成 速度 は

1

時間 あた りの捕集 ガ ス増加 体 積 を読み,測定 した.ガ ス組 成 は

TCD ( The r mal Conduc t i vi t y De t ec t or)

‑ガ ス ク ロマ トグ ラ フ津

( Shi madz uGC・ 8A,Shi madz uC・ R6A

クロマ トパ ック) によ り水素ガス濃度 (カラム :ステ ン レスカ ラム,担体 :活性炭充てん, キャ リアガス :窒素ガ ス,キャ リアガス圧力 :

1

気圧 ,カ ラム温度 :

70

℃, 注入お よび検出温度 :

l o

o℃ ,検 出電圧 :

80mA)

, 二酸化炭素およびメタンガス濃度 (カラム :ステ ン レスカラム,担体 :活性炭充 てん,キャ リアガス :

‑ リウムガス,キャ リアガス圧力 :

0. 8

気圧 ,カラ ム温度 :

70

℃,注入お よび検 出温度 :

lo

o℃ ,検 出 電圧 :

80mA)を測定 した.

ガス発 生速度 が安 定 した ところで反 応 槽 の汚泥 を引き抜 き,ポアサイズ 0

. 45J Jm

のろ紙 でろ過 した 水溶性成分 について,CODc

r ( St andar dMet hods )

, たん 白質(牛血清アル ブ ミンを標準 とした

Lowr y

法), 炭水化物(グル コー スを標 準 と した フェ ノール 硫酸 法)の濃度 を測定 した.蛋 白質濃度 は汚泥 をろ過 しな い ものの濃度 も測定 した.

菌体量の指標 として,VSS(揮発性懸濁 固形物),

DNA ・RNA

(デオ キシ リボ核 酸, リボ核 酸)

,ATP

(アデ ノシン三 リン酸)お よびたんぱ く質量な どが あげ られ るが,本研 究ではたんぱ く質を含 まない人 工基質を用 いたため,汚泥 をろ過 しない ときの試料 のたんぱ く質濃度 とろ過 した ときのたんぱ く質濃度 差である懸濁たんぱ く質量 を菌体量 とした.

2‑2

硫酸塩濃度の実験装置および条件

5 )8

)

2 ‑2 ‑1

回分実験

2

に回分実験概 要図を示す .回分実験 の種 汚泥

(4)

4 2

浅野憲哉 ・山浦修‑ ・金田幸太 ・長谷川大 ・松本明人 ・水野修 ・野地達也 には,乳酸 菌飲料 , きな粉お よび酒 かす を混合 した

ものを塩分濃度 の実験 で用いた もの と同様 に シ ョ糖

( 1 8, 000mg

/1)で信州 大学 工学 部 にて馴養 し,得 られ た 水 素 生 成 細 菌 群 を使 用 した . 種 汚 泥

30mlを 1 00ml

のガ ラス製 の血清瓶 に,窒素曝気 しなが ら注 入 した.嫌気条件 にす るため,その後

1

分間窒素曝 気 を続 け,速や か にブチル ゴム栓 とアル ミニ ウムキ ャ ップ に よ り封 印 した.その後振 とう培養槽 で水温

37

℃,振 と う数

90s pm

の も と振 と う培養 し,発 生 したガスを採取 し,残 留 してい る基質 を消費 させ た.

ガス発生 が停 止 したのを確認 し,各試験 区に硫 酸 塩 を0,1

000,2000

お よび

3000mg/

1添加 した人 口廃 水 を

30ml

づつ 注入 した.そ の後 同 じ温度 と振 と う 数 で培養 しっづ け,数 時間お きに発生 したガスを採 取 し,ガス生成 量お よび組成 を調べた.

ガス発 生 量 は ガ ラス シ リンジを用 いて測 定 した.

また,水 素ガス濃度 は

, TCD( Ther mal ー Conduc t i vi t y Det ec t or)

一ガ ス ク ロマ トグ ラ フ 法

(Shi madz u GC・ 8A

,Shi madz u C・ RI A

ク ロマ トパ ック,カ ラム :ステ ン レスカ ラム,担体 :

Mo l ec l l l arSi eve5A

, キャ リアガ ス :アル ゴンガス,キ ャ リアガス圧力 :

1

気圧 ,カ ラム温度 :

70

℃,注入 お よび検 出温度 :

lo

o℃ ,検 出電圧 :

80mA)に よ り測定 した.ガス発

生 が停止 した後 ,液層 部の

CODc .( HACH社製 COD

分析試薬 に よる吸光度 法),揮 発性脂肪酸(以下 VFA) お よび

pH

を測 定 した.

2 ‑2 ‑2

連続 実験

硫酸塩 の影響 を調べ るための連続実験 に用 いた装 置 を図

3

に示す .本実験 に用 いた種汚泥 は,回分実 験 と同 じもので ある.連続実験は反応槽 に外気 を遮 断 した

800ml

のガ ラスフラス コを用 い,断続 的にガ ス授拝 し,反応 槽 の温度 を

20

℃ または

35

℃ に保 っ た.基質は塩分濃度 の実験 と同様 に,表 1の とお り 栄養塩類 ,微量 元素お よび炭 素源 のシ ョ糖 を含む合 成培地 を用 いた.流入水 はマイ ク ロチ ューブポ ンプ に よ り流入 し,滞留時間が

10時間にな るよ うに流

量 を調整 した.発 生 したガスは, メス シ リンダー を 逆 さに した ガスホル ダー に水 上置換法 で捕集 し,ガ ス生成 量 を測定 した.発 生 したガスの硫化水 素濃度 を,検知管法 に よ り測 定 した.水素 ガス濃度

,CODc r

お よび

pH

は回分実験 とじ手法に よ り測定 した.

3.結果 と考察

3 ‑1塩分濃 度の影響

4

に塩 化ナ トリウム濃度 を上昇 させ た ときの全

e f f l u e nt

3

連続 実験装 置(硫 酸塩)

0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 6 4 2 ︻L V [ u J] 雌 頼 朝 咲 Y .FF

0

1 0 2 0 3 0

運転 日数【日] 4 0 5 0

[%

]世¥.!

類 LL'

LE)

LL? 3 2 2 1 1 0

4

塩分濃度 とガス発生

体 のガス発 生速度お よび水素,二酸化炭素, メタン ガスの発 生速度 の変化 を示 した.全 ガス,水 素お よ び二酸化炭素発 生速度 は,食塩濃度 が

0%

の ときは それぞれ約

720,300,420ml

/

h・

1で あったが,食塩 濃度の上昇 とともに徐 々に減少 していき,食塩濃度

2. 0%

の ときはそれぞれ約

530,21 0,320ml

1と な り, この濃度 までは水素発酵 が可能で あった.普

(5)

高濃度易分解有機性廃水の水素発酵 に及ぼす硫酸塩および塩分 の影響 た ,水 素 ガ ス濃 度 と二酸化 炭 素濃度 との比 は ほぼ

2:3

で一定 してお り,これ ら二つのガスの 占め る割 合がほぼ

99%

以上で あ り,メタンガス濃度 は全体 を 通 して

1%

以下であった.

食塩濃度 が

2. 5%

になる と,急激 にガス発生速度 が低 下 し,やがて完全 に停止 した.基 質に元々含 ま れ る電解 質濃度 を考慮す る と, この細菌叢が水 素生 産可能 で あ る塩 分濃度 は約

2. 3%

までで あ ると考 え られ る. ところで,食塩濃度 を上昇 させ る とガス発 生速度 は一時的 に急激 に低 下 してか ら回復 して安定 したが,食塩濃度 が高 くな るほ ど回復 して安定す る のにかか る時間が延びた. この ことか ら,食塩濃度 が高 くな る と,細 菌叢 が環境変化等のス トレスに対 して弱 くな る と考 え られ る.また,pH は全体 を通 して

4. 6か ら 4. 8の間で安定 してお り,ガス生成 が

阻害 され てい るに もかかわ らず ,あま り影響 を受 け ていなか った.

NaCl

濃度 が

0%の とき,溶解性 CODの除去率は

30%

,溶解性糖 の除去率 は約

75%で あったが, NaCl

濃度 が

2%

の ときの除去率 はそれぞれ

23%と 58%であった.

食塩濃度 が

0. 0%

か ら

2. 0%

に変化 した とき,汚泥 中 の 菌 体 量 は わ ず か な が ら 減 少 し た も の の

600・ 700mg/ l

の範 囲内で ほぼ安定 していた. これ に 対 して,菌 体たんぱ く質

1 mg

あた りの水素発生速度 は,食塩 濃度

0%

では約

0 . 4ml

仙・

mg

菌体たんぱ く 質で あった のに対 して食塩 濃度

2%

では約

0. 3ml

仙・

mg

菌体た んぱ く質で あ り,菌体量 と比較 して大 き く変化 した. この こ とか ら,食塩濃度 によ り菌体の 増殖 よ りも菌体 のガス発生 が よ り大 きな阻害 を受 け

0 0. 3 0 . 6 0 . 9 1 . 2 1 . 5 2 . 0

基質NaCl濃度[%】

図 5 塩 分 と

COD

収支

4 3

た こ とが分 かる.

図 5

に流入

COD

に対す る

COD物質収 支 を,添加

した食塩濃度別 に示 した.食塩 濃度 を上 げた とき, 溶解性

COD

の 占め る割 合が増加 したが,水溶性糖 の割合が大 きく上昇 して い る こ とか ら, これ は菌体 の活性 が低 下 した こ とに よる もの と考 え られ る.水 素 ガスの

COD

が 占め る割合 は食塩 濃度

0%で は約 1 0%

であったが,食塩濃度

2%では約 7%にまで減少

した.細菌叢にはたんぱ く質以外 の成分 も含 まれ る が,それ らの成分 は除去 され た溶解性

COD

の r の他」の項 目に含 まれ る.また,溶解性

COD

の 「 の他」が非常に大 きな割 合 を 占め るが, この 中には 挿発性脂肪酸,アル コール類 お よび乳酸 が含 まれ て い る と考 え られ る.

3 ‑2

硫酸塩濃度の影響

3 ‑2 ‑

1 回分実験

6

に回分実験の仕込み段 階で試験 区 ご との基質 の硫酸塩濃度 を

0,1 , 000,2, 000お よび 3, 000mg/ 1

とした ときの,バイ アル 一本 あた りの累積水素 ガス 生成量 を示す.ガス発生 は仕 込み後約

120

時間 ほ ど で停 止 し,最終 的 な ガス生成 量 は

2. 8‑3. 8ml / vi al

の範 囲でば らつ きが見 られ る ものの,硫 酸塩濃 度差 に よる 目立 った影執 ま見 られ なかった.

ガス発 生停止後液層部 の

pH

を測 定 した ところ, 仕込み段 階では

pH6. 5‑7. 0であったのに対 し,い

ずれ の試験 区で も

pH4. 0‑3. 8の範 囲にあ り , pH4. 0

以下では水素発酵 が起 こ らない ことか ら, ガス発生 が停止 したのは

pH

が低 下 したた めで あ る と考 え ら れ る. また,液層 部 の代 謝 産物 は, 酢 酸 が

350‑

440mg/

1,酪酸が

530‑640mg/

lで あった のに対 し てプ ロピオ ン酸は

10mg

/1以下 と著 しく少 なか った.

酢酸型 の水素発酵以上に齢酸型 の水 素発酵 も起 きて いた こ とがわか る.

(‑e!^JJu

u )叫 唱 胡 N H 鮮 帳 0 5 0 5 4 3 3 2 0 5 0 5 0 2 1 1 0 0

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0

経過時間(

hr )

図 6 硫 酸塩 の実験(回 分)

(6)

4 4

浅野憲哉 ・山浦修一 ・金田幸太 ・長谷川大 ・松本明人 ・水野修 ・野池達也

3 ‑2 ‑2

連続実験

図 7

に,

20

℃お よび

35

℃ にお ける硫酸塩の連続実 験 の結果 を示す .20℃ の条件 下で

S O 4 2

濃度

0‑

3, 000mg / 1

の範 囲で,水素生成速度 は

50‑70ml / h・ 1

で安定 してお り,硫 酸塩 による著 しい阻害は見 られ なか った.35℃ の条件 下で も同様 に,S

O 4 2‑

濃度

o

または

3, 000mg

/lで水素生成速度は

200ml

仇・1前後 で安定 していた.

COD

除去率 も硫酸塩濃度 による目 立った変化 は見 られ なかった.また,いずれ の条件 下で も発 生 したガス中に硫化水素は含 まれていなか ったため,硫酸塩 の還元は起 こらなかった と思われ る.この こ とよ り,硫酸塩濃度

3, 000mg / 1

以下では, 水素発酵 は硫酸塩 による影響 を受 けない ことがわか

る.

0 0

0

0 0 5 0 5 2 1 1

( 1 上 \ 一u J ) 世 僧

N H

0

1 0 0 0 2 0 0 0 3 0 0 0

硫酸塩濃度(

ppm)

7 20

℃と3

5

℃における 硫酸塩の実験(連続)

4.総括

本研究 よ り,次の知見が得 られた.

a.

基質 中の塩 分濃度 の上昇 に伴い,水素生成速度, 菌体量お よび全 ガス生成速度が徐々に低下 した.

水素生産可能 な塩分濃度 の範囲は,約

2. 3%まで

であった.

b. HRT

10時間,

35

℃ でシ ョ糖 を基質 と した とき,

NaC

l濃度が

Oか ら 2. 0%

の範囲で,流入

COD

の約

1

割程度 を水素ガスに変換 した.また, こ の条件では,基質が分解 された ものの, ほ とん

どが残留

COD

として流出 した.

C .

シ ョ糖 を基質 とした水素発酵 は,20℃ で も

35

で も

S O 4 2

濃度が

3, 000mg / 1

までは水素生成速 度や

COD収率に変化が見 られ なかった.また,

硫酸塩の還元 も確認 され なかった.

5.

参考 文献

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2) P.L Mc Car t y and

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3) R. E. Spee c e

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6)

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7)

菅原潔,福島正美 :「たんぱ く質の定量法」,早 会出版セ ンター, p.

95‑ 1 31,1 975

8)

建設省都市局下水道部 ・厚生省 生活衛生局水道 環境部監修 :

r

下水試験方法上巻」,日本 下水道 協会,1997

参照

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