鉄 の磁気特性 にお よぼす微量添加物の影響
横 地 弓 夫 キ ・戸賀沢 晃 器
Effects of Addition on Ⅳ Iagnetic Properties of lron
Yunllo YoKOCHI andッ
ヽkira ToGASAWA
1.緒 言
鉄 は磁 性材料 の分野 の最 も根 本的 な材料 で あ り ,単 体 のみ な らず磁 性合金 の成 分素 材 として も重要 であ る。したが って高純 度 の鉄 を作 り,そ の磁気的性質 を明 らかにす る ことは全 ての磁性 材料 の基礎 として,き わ めて重要 な問題 で あ る。
この よ うな純鈍 の磁性 に関す る研究 は ,か つ て
CiO伍 氏 が アーム コ鉄 を 1,480℃ で 長 時 間 水 素 雰 囲気 中庁 先鈍 す る こ とに よって磁 性 の改 良 に成 功 し ,又 奈 良氏 らも電解 鉄 を水素雰 囲気 中溶 解 し A3点 直 下 で 1〜 2時 間 焼 鈍 し磁 性 の 向上 を はか ってい る。
しか し純鉄 の磁気特性 はそれ に含 まれ る不純 物 に よって影響 を受 け る。 そ の不純 物 として は
C,0,N及 び S等 が あ る。 これ らの元素 は格子 間隙 に位置 す るので格子歪 を生 じ磁 性 を悪化 さ せ る。 したが って純鉄 の磁性 の改善 を行 うため には真空溶解 を行 い , さ らに溶融点直下 の温度 で水素雰 囲気 中熱処理 を行 って上記 の非金属元 素 を取 り去 り高純 度化 す れ ば ,結 晶粒 の粗大化 と相 ま って磁性 は改 良 され ,高 い透磁 率 が得 ら
れ る。 しか し鉄 は反応 しやす く他 の元素 を容易 に溶解 吸収 す るので 高純 度 にす る こ とは難 し い。
これ らの ことよ り著者等は鉄の磁気特性の改 善を 目的 として市販の電解鉄 を用い ,純 度を上
昭和 57年 11月
15日受理
‡ 電気工学科助教授 料 電気工学科技術貝
げるため真空溶解の時間変化及 び C,Si,CaSi
の添加量を変化 し , さらに真空溶解 した鉄を水 素雰囲気中焼鈍 し ,温 度及び時間変化による磁 気特性の挙動 について検討 した。
2.試 料の作成及び実験方法
本 実 験 に用 いた試 料 は市 販 の電 解 鉄 4 kgを 真空 溶解 した もので あ る。 そ の溶解方法 は各試 料 に よ り溶 解時間 を変化 させ ,又 C,Si,CaSi
を各 々0.0025〜 1%ま で 変化 し添 加 して真 空 溶 解 を行 い ,50 mmφ × 200 mmの 円柱 状 に鋳 造
した。
この試 料 を施盤 を用 い内径 30 mm,外 径 40
mm,高 さ 10 mmの 円形 リン グ に 作 製 し供 試 料 とした。
この試料 をエ レマ電気厚 を用 い高純度水素雰 囲気 中で 850℃ 〜 1,400℃ まで の温度変化及 び
1時 間 〜 20時 間 まで 時 間 変 化 させ 焼 鈍 を行 い磁 気 測定 を行 った。
磁 気 測定 には電子管 式 自動磁気記 録装置 を用 い , これ よ り HC,Br,μ 。
,μm,μ mに 対す る B及
び Bmを 求 めた。
3。