東京女子体育大学紀要 第
37号
2002 99創作ダンスの導入に関する一考察
一即興表現および視覚的刺激による作品創りについて一
和 田 春 恵
研究目的
ダンスの授業において、創作ダンスの導入は、指 導者により様々な方法が工夫されている。筆者は、
『ある刺激に対して、熟慮しないで自然に、すぐ反 応する』
1)即 興 表 現 を 取 り 入 れ て指導した。即興表 現は、通常同じテーマで繰り返し行うことは少ない が、動きを創るための練習方法として、最初に表現 し た も の を よ り 発 展 さ せ る た め に ア ド バ イ ス を 加 え、再度行う方法を取り入れた。また、動きを創り 出 す 手 が か り と し て 、 様 々 な 刺 激 が あ る 中 か ら 、
『眼に映ったものから連想されるアイデイアによる もの」
2)として視覚的刺激を取り上げ、ミニ作品を 創作させた。
そこで即興表現について、各自が創った作品につ いて、また他の作品を見て、それぞれ表現や動き方 をどのように感じてどのように評価しているのか、
それぞれの動きと共に、その感じ方を調査すること を目的に研究を行った。
研究方法
平成
11年
12月
11日、本学・保体
1年 C クラス
(42名)のダンス
Iの授業を、次の方法で即興表現・作 品創りを行い自由記述により感想を書かせた。また、
動 き を 評 価 す る た め に 授 業 内 容 を ビ デ オ に 収 録 し た 。
I.
即興表現
. 1
人で行う即興表現
①〈風船になって》
②《つなわたり》
2
人
1組で
1人ずつ動き、相手や他の動きを観 察して感想を書かせた。
. 2
人で行う即興表現
③ 《
2人組で体の一部分に触れながら動く》
4
人
1経で
2人ずつ動き、相手や他の動きを観 察して感想を書かせた。
II.
視 覚 的 剌 激 に よ る ミ ニ 作 品
(1分
30秒 前 後 ) 創
り創作時間は
15分 間
・絵はがきやカードに描かれている絵を刺激に、
6人で行う。
ミニ作品は、
7つのグループが順番に絵を見せ テーマを告げてから発表させた。
結果および考察
即興表現の①と②は、
1回実施した後アドバイス をし再度実施させた。
①「手だけではなく体の隅々まで空気を入れてみた り、風の強さも工夫して」
②「進む方向を考えてみたり、立体的な空間やリズ ムも工夫して」
③最初に「相談をせず、相手に集中しながら触れる 部分を自由に変えて」とアドバイスし実施させた。
視覚的刺激によるミニ作品創りでは、裏返した
12枚 の絵葉書・カードから選んだ絵を刺激としグループ でテーマを決め、ミニ作品を発表させた。
それぞれの感想は自由記述であったため、似てい
る記述をまとめ、回答数(パーセント:少数第一位
は四捨五入)の多い順に並べた。
(IIは複数回答)
I.即興表現について(回答数42)
①《風船になって》
〈行った感想〉
・風船のイメージは思い浮かぶが表現方法が難し かった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20(48%)
.膨らんでいる感じゃ揺れている感じがスムーズ にできなかった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・•
•9 (21 %) . 2回目はリズムや空気の入れ方に変化をつけて表現した..........................................3 h%)
・イメージそのものが思い浮かばない…… 3 (7%)
・ふわふわ風に揺れながら飛んでいるイメージで 表現した..........................................3 (7%)
・難しかったけど楽しかった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 (5%)
・やわらかい感じで転がっているところを表現し た ...........................................・・・・・・・・1(2%)
.膨らみすぎて割れるところを表現した…1(2%)
〈観察した惑想〉
・なめらかでふわふわした感じが出ており本物の ようであった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 (33%) . 2回目は風船の大きさを工夫し、表情もつけ体
全体で表現する人が多く、本物の風船のように 見えた ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 (29%) . 1人1人 の 動 き が違っていておもしろかった
(はじけたり、割れたりする動き) ……7 (17%)
・人により感じ方が違うことがわかった…3(7%)
・手を広げることにより膨らむ感じを表わす人が 多かった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 (5%)
.腕や膝をやわらかく使っている人の動きは上手 く見えた ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 (5%)
・割れる時に手をたたいたのがよかった…
1
(2%)・やわらかく動いて表現することの難しさがわか った ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1(2%)
②《つなわたり》
〈行った感想〉
. 2回目はリズムを変えたり高低の変化をつけた り、移動の仕方を前後だけではなく横移動を入 れたり工夫した ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13(31 %)
・風船よりも身近で表現しやすかった …
9
(21 %)・イメージできるが経験した事がないため難しかっ た ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・..5 (12%)
・落ちそうで落ちないように頑張るイメージで動い た..............................................・・5(12%)
・ただ動くのではなく、ダンスの表現として動くの は難しかった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・..3 (7%)
・恐怖感や足元がおぼつかない感じを出した
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2
(5%)•手でバランスを取ってつなを渡った…… 2
(5%)・高層ビ]レの上で一歩が仲々出せないイメージで表 現した ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1(2%)
•川の上に渡してあるつなの上を渡るイメージで表
現した ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1(2%) . 2回目はストーリーを考えて表現した(急に風が吹いて飛ばされそうになりながら必死にこらえ る)..............................................・・1 (2%)
〈観察した感想〉
•ただ一本のつなを渡るということだけなのにいろ
いろな表現方法がありおもしろかった…14(33%)・落ちそうで落ちないところが本物のようであった ................................................... 11 (26%)
•みんな同じ動きに見えた
・・・………...…5(12%)・恐怖感のイメージが伝わってきた ……4 (10%)
・リズムを変えることでイメージが広がった
...................................................... 3 (7%)
・動きの大きさを工夫したのがよかった…
2
(5%)•実際にはないものを体で表現できるダンスってす
ごしヽと思った ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
(5%)•上半身と下半身の動きの違いがあればあるほどお
もしろしヽと思った ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 (2%)③《2人組で体の一部分に触れながら動く》
〈行った感想〉
・触れたまま動くのは難しかった………16 (38%)
•相手と息を合わせるのに神経を使った… 5
(12%) . 2人の息がびったり合っていて動きやすかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 (7%)
•お互い勝手に動しヽてしヽた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
(7%)・ぐるぐると回ったり転がったりした……3(7%)
・触れたままでもいろいろな動きや表現ができるこ
創作ダンスの導入に関する一考察
101とを知った ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 (5%)
・ただ動くのはよいがダンス表現となると難しいと 思った ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
(5%)・ぶつかり合っているようになった………
2
(5%)•初めてこのように表現してみたがおもしろかった
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2
(5%)・プロレスのように表現した………••
•2 (5%)・離れてしまいハラハラドキドキしたが楽しかった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 (2%)
・片方がリードした ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1(2%)
〈観察した感想〉
・体の一部分が触れ合っているだけで規則的なも の、不規則的なものといろいろな動きが生まれお もしろかった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 (33%)
•楽しそうに踊っているように見えた
…7 (17%) . 2人で一緒に匝ったり転がったりする動きが多かった ...........................................・・4 (10%)
・打ち合わせをしてないのにくつついていてすごい と思った........................................・・3 (7%)
・スローな動き、激しい動きなど違っていて見てい ても楽しかった...............................・・3(7%)
.どちらかがリードしてもう一方はついて行くよう しこ見えた.......................................・・・3(7%)
・じゃれ合っているように見えた…………
2
(5%)・不思議なムードであった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
(5%)・離れないようにしようと頑張っている努力が見え た ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
(5%)・芸術作品のように見えた・・•
••…• •• •……•• •2 (5%)《風船になって》では、 6割近くが「表現方法が 難しかった」「スムーズにできなかった」と答えて いる。但し見る側になると、どのように動くと風船 らしく見えるのか、また、 1人1人の動きの違いや 工夫している点など、客観的に観察しているようで あった。
動きに関しては、特に体を使って表現することに 慣れていない学生にとっては、表現方法が仲々見つ からず、自分自身が風船になることに戸惑いさえ惑 じているように見えた。しかし、アドバイス後の2 匝目の実施では、膨らみ方を変えたり、風の強さを
リズム変化させたり、また、体全体で表現する学生 が多くなり、風船がふわふわと揺れている様子や、
風船のやわらかさを表現しようとする様々な工夫が 加えられた。
《つなわたり》では、「風船よりも身近で表現し やすかった」と21%が答えているほか、「落ちそう で落ちないように頑張るイメージ」を12%、また、
少数ではあるが、高層ビルの上や川の上などとつな を渡してある場所を、自分なりにイメージして動い た点などを挙げていた。また、 2回目の実施につい て、素早く移動したり止まったりとリズムを変化さ せたり、進む方向も前だけではなく、横歩きや後ろ 歩きを入れたり、 1匝目とは違う動きの工夫をした 点を30%が挙げていた。ただ一本のつなを渡るとい うだけでいろいろな表現方法があり、学生1人1人 のイメージする恐怖感や、落ちないように慎重に渡 るという動き方や表情が見る側に伝わり、表現する ことのおもしろさが感じられたようである。
動きに関しては、戸惑う学生はいなかったものの、
1回目では両手を横に開いてバランスを取り、ゆっ くり前に向かって歩くという表現がほとんどであっ たが、 2回目の実施ではつま先立ちで高くなったり、
腰を曲げて低い状態で渡ったり、風の強さを出すた めに両手をいっぱいに広げ体全体で風を受けながら 渡る等、いろいろなことに挑戦している学生が多く 見られた。
1人で行う即興表現では、与えられるテーマによ りイメージの広がり方に違いがあることが分かっ た。
《2人組で体の一郭分に触れながら動く》では、
触れていなければならないという規制の下で動き続 けることの難しさや、相手と息を合わせることに神 経を使うなど、 2人で即興表現を行うことの難しさ を半数が挙げていた。しかし「2人の息がびったり 合って動きやすかった」「初めてやったがおもしろ かった」「離れてハラハラしたが楽しかった」との 感想も少数ではあるが見られた。また、見る側にと っては、触れ合っているだけでいろいろな新しい動 きが生まれることを知ったり、打ち合わせをしてい ないのにくつついていてすごいと感じたり、また、
芸術作品のように見えたり等、新しい発見の多い 表現方法であったことが伺えた。
動きに関しては、手をつないだままぐるぐる回 ったり転がったりする動ぎや、足を触れ合った状 態での動きなど、お互いの同じ部分を触れ合う動 きが多かった。また、相手の別の部分を触れたり、
触れる節分を変えながら動くのはかなり難しいよ うであった。
触れ合った状態で動くことは困難ではあるが、
逆に規制があることで思わぬ新しい動きが生まれ てくることが分かった。
II.
視覚的剌激によるミニ作品創りについて 絵(タイトル)、テーマ、空間と動きの構成、観 察した感想の順にまとめた。
『月』(図
l‑ 1参照)
図
1‑1「 月 」
〈テーマ〉
雲の中から月が現れ、溝ち欠けするところ。(雲 がかかったり、晴れたりして、最後は満月になっ て月の中でうさぎが餅つきをしているところをか わいらしく表現する。)
国ふ : s 3 │ 五 出 い ぅ :
図
1‑2「月」動きの構成
〈動きの構成〉(図
1‑2参照)
1.
3人で手をつなぎ丸い月を表わす。また月の 前で
3人が横に並び手を横で動揺させ左右に
揺れながら雲を表わす。
2.
雲が移動して月が現れたり、雲にかかって月が 欠けたりする。
3.
再び全体に雲がかかり月が隠れる。
4.
雲が移動し満月になった月にうさぎが入り餅つ きをする。
〈観察した感想〉(回答数
54)・雲が出たり晴れたりすることにより月が満ち欠け している様子がうまく表現されていた・・・
26(48%)•うさぎが餅つきをするというアイディアが良かっ た . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ ・ ・
13 (24 %)・雲の流れ方がスムーズで良かった••… •10
(19%)・雲と月の動きがはっきり区別されており良かった
...................................................... 3 (6%)•月はもう少しゅっくり欠けたほうが良いと思った
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ ・ ・
1(2%)•月ではなく雪のように見えた••………… •1
(2%)「雲が切れて月が現れる情景が伝わってきた。」
と
48%が答えている。これは、腕をやわらかく使う ことで、雲がゆっくり流れているところを表わした り、月の動きの大きさを変えることにより、月が満 ち欠けする様子がうまく表現されていたと思われ る 。
『写楽』(図
2‑1参照)
図
2‑1「写楽」
創作ダンスの導入に関する一考察
103〈テーマ〉
歌舞伎•江戸の心を体いっぱい表現する。
『猫とねずみ』(図3‑1参照)
l , i
を
.2. 0 O ーl¥J 0
. .
.
3
/ ー ン 4 │ \ . . . ︒ じ
図
2‑2「写楽」動きの構成
〈動きの構成〉(図2‑2参照)
1. ヨー(声)パン(拍手)の後、両手を横に張り横跳 びしながら位置交換する。繰り返す。
2. ヨー(声)パン(拍手)の後、右斜前に向かい見得 を切る。左斜前に繰り返す。
1人が頭、他は胴体になり獅子舞を表現する。
4. 2の位置に戻り見得を切る。
〈観察した感想〉(回答数61)
・歌舞伎、写楽の特徴を表わす動きが良かった……
Bee4k0
花
hロ
u心
o6
p. 51. 1,3.
................................................... 24 (39°/o)
・掛け声を出して表現したのが良かった…7 (11 %)
•みんなの動きを合わせた方が良かった… 6
(10%)・構成がおもしろかった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 (8%)
•みんな楽しそうに踊っていた……… 5
(8%)・絵のイメージと動きが合っていた………4 (7%)
・獅子舞を表現していたのが良かった……4 (7%)
.恥ずかしがらず、自信を持って表現して欲しかっ た.................................................・・3 (5%)
•もっと大きく動いて欲しかった………… 2
(3%)• かっこ良かった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 (2%)
「両手を横に開いた状態での横跳びや、見得を切 る動作が良かった」が39%、また、「掛け声が良か った」や、「獅子舞などの表現が良かった」などが 挙げられていた。歌舞伎役者になりきって表現して いたことにより演出効果を上げ、見る側におもしろ さが伝わってきたと思われる。特に獅子舞で走りな がら体をくねらせている動きは、空間とリズムのエ 夫が見られこの作品の山場となった。
〈テーマ〉
猫とねずみは天敵だかt:追いかけっこをするが、
徐々に仲良くなり楽しく遊ぶ。 (2つの動きにはっ きり違いをつける。猫は大きく動き、ねずみは小さ くチョコチョコ動く)
I .
0
わ こ 。゜
2曇゜ 3 1 戸 ・
゜
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わずみ... . . ゜ •立
4: .o .r
o.
. ゜
O•O•O•図
3‑2図
3‑1は
̀
「猫とねずみ」
「猫とねずみ」動きの構成
〈動きの構成〉(図3‑2参照)
1. 猫は伸びをしたり丸くなってお昼寝したりのん びりしている。ねずみは3匹がくつついてチョ コチョコと動いている。
2.ねずみは猫に気付かれないように遠巻きに猫を 気にしながら動いているが、とうとう猫に見つ かってしまう。
3.追いかけっこが始まる。
4.猫はねずみを捕まえたがみんなで仲良くするこ とを相談している。
5.みんなで肩を組み仲良く遊ぶ。
〈観察した感想〉(回答数48)
・強そうな猫と猫を警戒しで怯えているねずみの動 きが良かった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16(33%)
•かわし ‘V ヽ作品であった ・・・・・・・・・・・・・・・・・•… 13
(27%)・仲の良さが出ていて良かった…………
11 (23%).猫がねずみを捕まえるところがリアルであった
...................................................... 3 (6%)・動きの構成、アイデイアが良かった……
3 (6%).猫がねずみを追いかけるところの無邪気な表現が 伝わった ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
1(2%)・リズムが良かった ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
1(2%)強 そ う な 猫 と 怯 え て い る ね ず み の 動 き の 良 さ を
33%が挙げている。これは、大ぎくゆっくり動く猫 と、小さく細かく動くねずみの対照的な動き方が、
それぞれの様子をうまく伝えていたようである。し かし、猫がねずみを捕まえるところは、
3組が同じ ような動き方になり単調であった。このような場合 は、追いかけるリズムを変化させたり時間差をつけ ると、よりリアルに伝わるのではないかと思われる。
『うさぎ』(図
4‑1参照)
図
4‑1「うさぎ」
〈テーマ〉
季節の変わり目とうさぎを取りまく春の暖かさ。
(季節が冬から春に移り変わり、太陽が出てきて暖 かくなり花が咲くとうさぎも飛び跳ねる。)
I ,
0
風
01..2, LO,.,13fjt• o ; ,
ざ、\心?。 1 : ・ ・ ← ゜
図
4‑2「うさぎ」動きの構成
〈動きの構成〉(図
4‑2参照)
1.
春の風、草花、うさぎをそれぞれ
2人ずつで表 現している。
2.
風はゆっくり吹き草花は徐々に芽吹いて、うさ ぎはピョンピョン跳びまわる。
3.
風は移動しながらゆっくり吹き、花はきれいに 咲いて揺れ、うさぎは元気に跳ねている。
〈観察した感想〉(匝答数3
7).暖かい春の風や草花が生えてくる様子、うさぎが 春を待っている様子などが合っており、ほのぼの とした作品であった ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
20 (54%)•
よくわからなかった ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・・8 (22%)•うさぎが元気に飛び跳ねている様子が良かった
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 ( 1 6 % )
・一定の動きしかしなかった ・・・・・・・・・・・・・・・・・ •3
(8%)「ほのぼのとした作品」と
54%が答えている。腕 を柔らく使うことで、暖かい風が吹いている様子が 表現され、小さい動きからだんだん大きくなること で、花が咲いていく様子が表現されていた。風と草 花のゆ三たりしだ情景と、うさぎが元気に跳ねる様 子が春ののどかさをうまく表現していた。
『流れ星』(図
5‑1参照)
図
5‑1「流れ星」
〈テーマ〉
星がきらきら輝いているところ、また、流れ星の
ようにピューと星が落ちたり、パッと消えたりする
ところを表現する。(星が散らばったりゆっくり集
まったり、一斉に流れたりしていくところを表現す
る。また、全員で一つの星を表わしたり、子供が流
れ星を見つけ願い事をする様子も表現する。)
創作ダンスの導入に関する一考察
105I
喜 廷 / ・ 況 ヘ
33尻 :
.
. .
•. 0
4 . で . . に 5:•~'/'.
c ` ヽ . ・ \ 一 . ・
ク ¢ ・
~·・ 心 ← ./し
『桜』(図6‑1参照)
図
5‑2「流れ星」動きの構成
〈動きの構成〉(図5‑2参照)
1.舞台中央に密集し、足を中心にして仰向けの状 態で足はバタバタ手はキラキラさせる。
2.全貝立ち上がり、番号順に 1人ずつ時間差で飛 び散っていく。
3.番号)順に対角線同士素早く走って位置交換する。
4.ゆっくり回りながら中央に集まり小さくなって 手をキラキラさせる。
5.一斉に飛び散る。
6. 1人置きに→印通りに走って転がって位置交換 する。それと同時に1人が舞台下手前方に出て
きて願いごとをする。
〈観察した感想〉(回答数49)
・星の輝きや流れている様子がうまく表現されてい た................................................23 (47%)
・星が密集したり飛び散ったりする様子が空間をう まく使うことにより上手に表現されていた(夜空 に広がってく様子が良くわかった) ・・・14 (29%)
・見ているうちに流れ星に願いごとをしたくなった
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6
(12%)・流れ星のスピードが工夫されていた•… ••4
(8%)・きれ
V
ヽな作品だった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
(4%)「表現のうまさ」 47%、「空間の良さ」 29%、「リ ズムの工夫」 8%がそれぞれ挙げられていた。足と 手の細かい動きでキラキラと星が龍いている様子が
うまく表現されていた。また、空間を大きく使い、
移動方法を工夫したり時間差を使ってリズムを工夫 することにより、広い夜空に星が散らばってまたた いている様子や、流れ星のスピード感がうまく表現
されていたと思われる。
図
6‑1「 桜 」
〈テーマ〉
桜の木の枝から芽が出てつぼみがふくらみ、花が 開いて散っていくまでを表現した。(全員で一枚の 花をイメージした。)
1 ,
. .
・{9 . . ¥ ︐ が 3. c ・ : . 4 . ・し・ヽ 丸囚}>• ^ . .
/ ・
6‑2
「桜」動きの構成
〈動きの構成〉(図6‑2参照)
1.中央で密集し6人が手をつなぎ低い姿勢でつぼ みを表わす。
2.その場で立ち上がりつないでいる手を高く上げ る。
3.手をつないだまま中央に足を寄せ、仰向けにな り順番に引っ張り上体を起こす。
4. 1人ずつ離れて行き花びらが散るように倒れて しヽく。
〈観察した惑想〉(回答数48)
・つぼみのふくらみ始めからきれいに咲いて花びら が散るまでをうまく表現していた……18 (38%)
・優雅できれいな作品であった………… 10(21%)
・全員で一つの大きな花を表現したのが良かった ... 5 (10%)
・風になびいていたのが良かった …… •••5 (10%)
•桜の花びらのやわらかさが伝わり本物のように見
えた ...........................................・・5 (10%).散るところの切なさが良かった…………
2
(4%)•もう少し桜らしい動きが欲しかった…… 2
(4%)•生命誕生のようなすごさを感じた•••…… 1
(2%)表現のうまさ、優雅さ、花びらのやわらかさな どが挙げられていた。一つ一つの動きを丁寧に表 現 し 構成の仕方に工夫が見られたことにより、表 現力に豊かさが加わり、優雅さや花びらのやわら かさがより伝わったのではないかと思われる。
『ほ・し』(図
7‑1参照)
図 7‑ 1 「ほ・し」
〈テーマ〉
いながら隊形を変える。
6.
中央で横一列になり観客の
1人が着ているセー ターを指差し「これ欲しい」と叫ぶ。
〈観察した感想〉(回答数
46)•いろいろな「ほし」をテンポよく表現しておりお もしろかった ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・20
(43%)・ユーモアにあふれコントのようでインパクトのあ る作品であった ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
19 (41 %)・仮装大賞に出て欲しいと思った ………
5 (11%)・星というイメージがなかった………2
(4%)星の絵を見て漢字の星ではなく音で「ほ・し」を 捉え、「星」「梅干」「物干し」「星飛雄馬」「干しぶ どう」「これ欲しい」まで、いろいろな「ほ・し」
がテンポよく展開されおもしろさが伝わったようで ある。それぞれの「ほ・し」を表わすポーズと掛け 声とがマッチしており、見る側を楽しませてくれる インパクトのある作品であった。これは、学生の中 にユニークな発想を持つ学生が多かったため、捉え かたに独自性があり強烈な印象があったと思われ あなたの願いごと叶えてあげるよ。(パロディ る 。
ー:いろいろなほし)
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図
7‑2「ほ・し」動きの構成
〈動きの構成〉(図
7‑2参照)
1.
手 を キ ラ キ ラ さ せ て 「 星 」 と 叫 び 、 即 座 に
「ヘイ、チャッチャチャラッチャ……」と歌い ながら隊形を変える。
2.
横一列になり
1人が前に出て来て「梅干」と 叫び、
1と同様に歌いながら隊形を変える。
3.
再度横一列になりうつ伏せでつながり「物干 し」と叫ぶ。歌いながら隊形を変える。
4.
半 円 に な り ボ ー ル を 投 げ る 格 好 を し な が ら
「星飛雄馬」と叫ぶ。歌いながら隊形を変える。
5.
下手後方で密集し「干しぶどう」と叫ぶ。歌
まとめ
創作ダンスの導入、いわば、動きを創り出す手が かりとなるための練習方法として行った即興表現、
および、視覚的刺激によるミニ作品について、それ ぞれの感想と動きを調査し、次の結果を得た。
I
即興表現について
(1) 1
人で行う即興表現では、与えられるテーマに より、イメージの広がり方に違いがあることがわ かった。また、動作(つなわたり)より、物(風 船)の方が表現しにくいことから、苦手な部分を 克服するためには、いろいろな種類の物(花、鳥、
車)をテーマに取り上げ繰り返し行わせる必要が あるように思われる。
(2)
指導者のアドバイスや他の動きを観察すること
でヒントをつかみ、動きを徐々に発展させ、表現
方法に工夫が加えられたことから、動きを創るた
創作ダンスの導入に関する一考察
めの練習方法として、導入段階では同じテーマで の表現をアドバイスを加えながら繰り返し行わせ ることが大切であると思われる。
(3) 2
人で行う即興表現では、複数で触れ合った状 態で動くことの難しさを知った。しかし、規制が あることで思わぬ新しい動きが生まれてくること
も再認識できた。
この表現方法は、障害者と共に行う動きの練習 でしばしば取り上げられている。それは、触れ合 っていることにより安心感が加わり心が自由にな る。また、一体となって動くことで束縛される動 きがあるものの、恥ずかしさが抜け自由に体が動 かせる。など、
1人で発見し得なかった新しい動 きの可能性を発見できることから、この方法は、
導入段階において自由に動ける心と体を養うため に有効な方法であると思われる。
I
I 視覚的刺激によるミニ作品創りについて
ミニ作品創りでは、特に今回選んだ絵そのものが イメージしやすく、表現しやすいものであったため か 、
15分間という短い創作時間であったにもかかわ らず、どのグループもそれぞれの絵によるイメージ を膨らませ、テーマに合った表現方法が工夫されて いた。特に、空間やリズムを工夫し、個性あふれる 動きを取り入れた作品が多かった。
このように、導入の場合、今回取り上げた絵のよ うにイメージしやすいものを刺激とし、作品創りに 取り入れることは良い方法であると思われる。
引用および参考文献
1 )
J.ウィナールズ 河井冨美恵 五十嵐英子 林悦子共訳
1970年「創作ダンス入門」
大修館書店
P. 1532)