‑ガ ッ タ パ ー チ ャ ポ イ ン ト と の 比 較‑
佐 藤 穏 子 AStudyontheSafetyofPolypropylenePoints
‑ComparisonwithGutta‑perchaPoints‑
YasukoSATOU
Thepurposeofthisstudywastoexaminethesafetyofpolypropylenepointsin comparisonwithgutta‑perchapointsbyimplantationtest,cytotoxicitytestandmin‑
eralelutiontest.AFlexPointRNEO(FP)andagutta‑perchapoint(ZippererR)(GP)
wereimplantedintodorsalconnectivetissuesof12maleWistarstrainratsfor1,3,7, and14days.Afterfixationandembeddingintoparaffin,theparaffinblocksweresec‑
tioned,andeachslicewasscoredbymicroscopywithregardtobleeding,inflammatory reaction,andcapsuleformationoffibrousconnectivetissue.Murineskinfibroblasts wereusedasculturedcellsinthecytotoxicitytest.FPsandGPswereimmersedinthe Dulbecco'smodifiedeaglemediumcontaining10%fetalbovineserumfor1,2,and3
days,theabsorbanceof450nmintothevitalcellswasmeasuredwithCellCountingKit.
Thetestsolutionsinthemineralelutiontestwas48mlofsteriledistilledwaterinwhich
12FPsand12GPshadbeenimmersedfor1,2,and4weeks.AmountofBa2+,Bi2+,Fe2+
orMg2+elutionwasmeasuredbyinductivelycoupledplasmaatomicemissionspectrom‑
etry.StatisticalanalyseswereperformedusingMann‑WhitneyU‑testorstudent'st‑
testandthesignificancelevelwassetto5%.Intheresultsoftheimplantationtest,the
scoresofinflammatoryreactionbyFPsweresignificantlylowerinallperiodsandthose ofcapsuleformationbyFPswerealsosignificantlylowerthanbyGPsafter7and14 days.Inthecytotoxicitytest,therewerenosignificantdifferencesincellproliferation OetweenFP‑immersedculturemediumandthecontrolunderallconditions.Therewas nodetectionofZn2+inelutiontestofFPs,andamountofBa2+elutionfromFPswasahalf ofthatfromGPsandthatofBi2+,Fe2+orMg2+elutionwasatalmostsamelevel.Amount
ofZn2+orBa2+elutionfromGPswaslargerthanthatofFPs.Resultsofthisstudysug‑
gestthatFPscouldbesaferrootcanalfillingmaterialsthanGPs.
Keywords:polypropylenepoints,gutta‑perchapoints,safety
緒 言
根 管 治 療 の 最 終 目的 は抜 髄 をす る こ とに よ り空
問 に な っ た 根 管 を根 管 充 填 材 で 緊 密 に封 鎖 して根 尖 孔 や根 管 口 か らの 細 菌 感 染 を防 ぎ,根 尖 歯 周 組 織 を健 全 に 保 つ こ とで あ る 。
受付:平 成21年9月14日,受 理:平 成21年10月21日 奥羽 大 学歯 学 部 歯科 保 存 学 講座 歯 内 療 法学 分 野
(指導:木 村 裕一 教 授)
DivisionofEndodontics,DepartmentofConservative DentistryOhuUniversitySchoolofDentistry
(Director:Prof.YuichiKIMURA)
根 管 充 填 材 の 所 要 性 質 と して複 雑 な形 態 の 根 管 に 適 合 しや す い こ と(適 合 性 〉,根 管 充 填 後,収 縮 や 変 形 を しな い こ と(不 変 性),根 管 壁 に 密 着 し, 根 管 封 鎖 性 が 高 い こ と(密 着 性)な ど い くつ か の 条 件 が述 べ られ て い るが,そ の な か で も特 に 重 要 と考 え られ る も の に根 尖 歯 周 組 織 に異 常 な 刺 激 を 与 え な い こ と(無 刺 激 性),す な わ ち 根 尖 歯 周 組 織 へ の安 全 性 が挙 げ られ る1,2)。
半 固 形 根 管 充 填 材 と して 現 在 ま で100年 以 上 も の 長 い 間,ガ ッタパ ー チ ャ ポ イ ン トが 一 般 的 に 広 く使 用 され て きて い る が3〜5),細い 根 管 や 彎 曲 根 管 へ の追 従 性 に劣 る た め,そ の 弾 性 を補 う もの と して ポ リプ ロ ピ レ ン製 ポ イ ン トが 開 発 され た 。 現 在 で は 新 しい 固 型 ポ イ ン トと して この ポ リプ ロ ピ レ ン製 ポ イ ン トが市 販 され 臨 床 で も使 用 され 始 め て い る6)。医療 用 製 品,特 に 手 術 用 メ ッ シ ュ や 縫 合 糸 な ど外 科 用 材 料 と して 数 多 くの ポ リプ ロ ピ レ ン製 品 が 使 用 され て お り,そ の 有 用 性 は広 く認 め られ て い る7〜10)。しか し根 管 充 填 材 と して は ま だ 歴 史 が 浅 く,そ の 使 用 頻 度 も低 い。
これ まで に ガ ッ タパ ー チ ャポ イ ン トや 糊 剤 お よ び シー ラ ー な ど 多 くの根 管 充 填 材 のinvitroに お け る細 胞 毒 性 試 験 が 数 多 く行 わ れ て お り,そ の 為 害 性 が 報 告 され て い る11〜14)。一 方,ポ リプ ロ ピ レ ン製 ポ イ ン トにつ い て は根 管 へ の 適 合 性 や 消 毒 ・ 滅 菌 に よ る製 品 の 劣 化 な どに つ い て の検 討 は 行 わ
れ て き た15〜18)が,安 全 性 に 関 し て の 研 究 は あ ま り報 告 され て い な い 。
そ こで 本 研 究 で は,こ の ポ リプ ロ ピ レ ン製 ポ イ ン トの 安 全 性 を調 べ る た め に ラ ッ トの 皮 下 結 合 組 織 へ の 埋 入 試 験,細 胞 毒 性 試 験,ま た根 管 充 填 材 か らの 無 機 成 分 溶 出 試 験 を 行 い,ガ ッ タパ ー チ ャ ポ イ ン トと比 較 検 討 した。
材料 と方法 1. 実 験 動 物
動 物 実 験 は奥 羽 大 学 動 物 実 験 規 定 に従 って 行 っ た。 皮 下 結 合 組 織 へ の 埋 入 試 験 に は 体 重200〜
220gの6週 齢 ウ ィ ス タ ー 系 雄 性 ラ ッ ト(日 本 ク レ ア,東 京)を12匹 用 い た 。 な お,ラ ッ トは2 週 間飼 育 し,環 境 に 十 分 馴 染 ま せ て か ら実 験 に供
した 。 ラ ッ トに は実 験 期 間 中,水 道 水 と固形 飼 料
(日本 ク レア,東 京)を 自 由 に摂 取 させ た 。 2. 根 管 充 填 材
実 験 に使 用 した ポ イ ン トは ポ リプ ロ ピ レ ン製 ポ イ ン トと して フ レ ック ス ポ イ ン トR「ネ オ 」(ネ オ 製 薬,東 京)(以 下,FPと 略 す)と ガ ッ タパ ー チ ャ ポ イ ン ト(ジ ッペ ラ ー,ド イ ツ)(以 下,GPと 略 す)の#70を 用 い た 。 実 験 に 際 し て 各 ポ イ ン ト に は低 温 ガ ス 滅 菌(37℃,エ チ レ ン オ キ サ イ ドガ ス)を 行 っ た。
3.皮 下 結 合 組 織 へ の 埋 入 試 験
埋 入 した根 管 充 填 材 は 先 端 か ら5mmの 部 分 で 切 断 し た も の を用 い た。 ラ ッ トへ の ポ イ ン トの埋 入 は ペ ン トバ ル ビ タ ー ル ナ ト リ ウ ム(Nembutal, 大 日本 製 薬,大 阪)を4mg/100gの 割 合 に て 腹 腔 内 麻 酔 を施 行 し,埋 入 の 方 法R高 瀬 らの 方 法19) に準 じて 図1に 示 す よ う に背 部 に2か 所,脊 柱 を 中 心 と して 左 右 対 称 に剃 毛 して ヨー ドチ ンキ で消 毒 した 後,背 部 皮 下 を鈍 的 に剥 離 し,FPとGP を皮 下 結 合 組 織 内 に無 菌 的 に埋 入 した 。 観 察 期 間 は 土 倉 ら の 報 告20)を 参 考 に し て 被 験 材 埋 入 後 1,3,7お よ びl4日 と し,各 実 験 期 間 に つ い て 3匹 ず つ 供 した 。
埋 入1,3,7お よ び14日 後 に ラ ッ トに エ ー テ ル 麻 酔 を施 行 した 後,灌 流 固 定 を行 い,ポ イ ン ト を そ の周 囲 の皮 下 組 織 と と も に一 塊 と して 摘 出 し た。 摘 出 し た 組 織 は ポ イ ン トを 除 去 し,lO%中 性 緩 衝 ホ ル マ リ ン 溶 液 中 に て 室 温 で24時 間 浸 漬
し固定 を行 っ た 。 そ の 後,通 法 に従 っ て パ ラ フ ィ ン包 埋 を 行 っ た 後,厚 さ10μmの 連 続 切 片 を 各 パ ラ フ ィ ン ブ ロ ッ ク か ら10枚 ず つ 作 製 して ヘ マ ト キ シ リ ン‑エ オ ジ ン重 染 色(H‑E染 色)を 施 し, ポ イ ン ト埋 入 部 周 囲 の 組 織 反 応 につ い て 光 学 顕 微 鏡AxioCamMR5(カ ー ル ツ ァ イ ス,ド イ ツ) を用 い て 組 織 学 的 に観 察(低 倍 ×50,高 倍 ×200)
し,炎 症 性 反応 を判 定 してFPとGPと で 比 較 した 。 組 織 学 的 所 見 の 判 定 は,菅 谷 ら21)の報 告 を改 変 した表1の 基 準 に よ り,各 ポ イ ン トに対 す る 出血, 炎 症 性 反 応(炎 症 性 細 胞 浸 潤)お よ び線 維 性 結 合 組 織 に よ る被 包 化 に つ い て そ れ ぞ れ4段 階 で ス コ ア をつ け,各 観 察 期 間 ご と に30枚 の 標 本 を評 価 し,平 均 値 ±標 準 偏 差 で 表 した 。 出 血,炎 症 性 反 応(炎 症 性 細 胞 浸 潤)お よび 線 維 性 結 合 組 織 に よ
表1皮 下結合組織反応の基準
図1
ラ ッ ト背 部へ の ポ イ ン トの 埋 入位 置
背 部 に2ヶ 所,脊 柱 を 中心 と して左 右 対称 で ほぼ 中 央 にFPとGPを 埋 入 した。
る 被 包 化 に つ い て,埋 入 し た ポ イ ン ト全 周 の 組 織 を 検 索 し,そ れ ぞ れ の 項 目 に つ い て 程 度 の 高 い 部 分 を そ の 標 本 の ス コ ア と し た 。
4.細 胞 培 養
実 験 に 用 い た 細 胞 は ラ ッ ト皮 膚 線 維 芽 細 胞 由 来 株FR09‑1213(大 日 本 製 薬,大 阪)で0.25%ト
リ プ シ ン 溶 液(和 光 純 薬 工 業,大 阪)を 用 い て 細 胞 を 分 散 し,組 織 培 養 用 培 地 と し て10%fetal bovineserum(以 下FBSと 略 す)含 有Dulbecco's modifiedeaglemedium(大 日 本 製 薬,大 阪)(以 下DMEMと 略 す)を 用 い,37℃,5%CO2気 相 下, 湿 潤 条 件 下 で 継 代 培 養 し た 。 培 地 の 交 換 は3日 ご
と に 行 っ た 。 5.培 地 の 調 整
ポ イ ン トの 表 面 積 を 同 じ に す る た め 先 端 か ら 10mmの 部 分 で 切 断 し たFPお よ びGPの 各25本 ず つ を100mlの 組 織 培 養 用 培 地(DMEM)に 浸 漬 し,
1,2お よ び4週 間37℃ で 静 置 し た も の を 使 用 し た 。
6.細 胞 毒 性 試 験
組 織 培 養 用 培 地(10%FBS含 有DMEM)を 用 い て5×103細 胞/ウ ェ ル(100μl)に な る よ う に 調 整 して96穴 プ゜レ ー トマ ル チ ウ ェ ル プ レ ー ト(日 本 ベ ク ト ン ・デ ィ ッ キ ン ソ ン,東 京)に 細 胞 を 播 種 し37℃ で5%CO2気 相 下,湿 潤 条 件 下 で24時
間,前 培 養 を 行 っ た 。
ポ イ ン ト を そ れ ぞ れ の 期 間 浸 漬 し た 培 地 に 10%FBSを 添 加 し て 交 換 し,さ ら に1,2お よ び 3日 間 培 養 を 継 続 し た 。CellCountingKit(同
仁 化 学,東 京)を 用 い,波 長450nmに お け る 吸 光 度 を 培 養 終 了 か ら1時 間 後 に 吸 光 マ イ ク ロ プ レ ー ト リ ー ダMUFLTISCANJX(サ ー モ フ ィ ッ シ ャ ー サ イ エ ン テ ィ プ ィ ッ ク 株 式 会 社,神 奈 川) に よ り測 定 し た 。 ポ イ ン ト を浸 漬 し た 期 間 別 に そ れ ぞ れ16ウ ェ ル と し,ま た,コ ン トロ ー ル と し て ポ イ ン トを 浸 漬 し て い な い 培 地 を 使 用 し て 同 様 に 培 養 し,吸 光 度 を 測 定 し た 。
7. 根 管 充 填 材 か ら の 無 機 成 分 溶 出 試 験 実 験 に 用 い たFPとGPは 表 面 積 を 同 じ く す る た め 先 端 か ら16mmに 切 り そ ろ え,滅 菌 蒸 留 水(大 塚 製 薬,東 京)48mlに12本 ず つ 投 入 し,密 封 後 37℃,湿 度95%で1,2お よ び4週 間 静 置 し た も の を 試 験 液 と し,静 置 し た 期 間 ご と に3本 ず つ 用 意 し た 。 試 験 液 中 に 溶 出 す るバ リ ウ ム,亜 鉛,ビ ス マ ス,鉄 マ グ ネ シ ウ ム の 無 機 成 分 溶 出 量 を 誘 導 結 合 フ゜ラ ズ マ 発 光 分 光 分 析 装 置JY238 ULTRACE(堀 場 製 作 所,京 都)に て 測 定 し た22)。
測 定 条 件 は 以 下 の 通 りで あ る 。 周 波 数:40.68MHz
高 周 波 出 力:1.2kW
高 周 波 反 射 波 出 力:5W以 下 ア ル ゴ ン ガ ス 流 量
冷 却 ガ ス:11.5l/min 補 助 ガ ス:0.2l/min キ ャ リ ヤ ー ガ ス:0.31/min プ ラ ズ マ 観 測 高 さ:15mm
信 号 積 分 時 間:0.1秒(繰 り返 し3回) 波 長(分 析 線 〉
バ リ ウ ム223.061nm
亜 鉛213.856nm ビ ス マ ス223.061nm 鉄259.940nm
マ グ ネ シ ウ ム279.553nm
な お,コ ン トロ ー ル と して ポ イ ン トを 浸 漬 し て い な い 滅 菌 蒸 留 水 を 用 い た 。
8. 統 計 処 理
デ ー タ は 平 均 値 ± 標 準 偏 差 で 表 記 し た 。 埋 入 試 験 に お け る 各 ス コ ア の 統 計 処 理 に はMann‑
WhitneyU‑testを 用 い,ま た,細 胞 毒 性 試 験 お よ び 無 機 成 分 溶 出 試 験 に つ い て はstudent's t‑testを 用 い,両 側p<0.05を も っ て 統 計 学 的 有 意 差 が あ る と 判 定 し た 。 統 計 処 理 ソ フ ト は ystat200823)を 用 い た 。
結 果
1.ラ ッ ト皮 下 結 合 組 織 へ の 埋 入 試 験
出 血,炎 症 性 反 応(炎 症 性 細 胞 浸 潤)お よ び 線 維 性 結 合 組 織 に よ る被 包 化 の 程 度 に お け る 各実 験 期 間 の 組 織 像 を図2〜9に 示 す 。 また,出 血,炎 症 性 反 応 お よ び 被 包 化 の 各 ス コ ア の 結 果 を表2〜
4に 示 す 。
出 血:FPで は 埋 入1,3お よ び7日 後 に ご く 軽 度 に 認 め ら れ た が,埋 入14日 後 は な か っ た。
GPで は埋 入1,7日 後 で 認 め られ た が,3,l4 日後 は な か っ た 。3日 後 以 降 は両 ポ イ ン トで1日 後 よ り もス コ ア は低 か っ た 。 す べ て の 観 察 期 間 に お い て 有 意 差 は な か っ た(表2)。
炎 症 性 反 応:埋 入1日 後 にFPで ご く軽 度 な 炎 症 性 細 胞 浸 潤 が,GPで もポ イ ン ト周 囲 の 組 織 に 炎 症 性 細 胞 浸 潤 がFPよ り も有 意 に 強 く認 め られ た。 埋 入3日 後 で は両 方 の ポ イ ン トに お い て よ り 進 行 した 炎 症 性 細 胞 の浸 潤 が認 め られ,そ の ス コ ア は埋 入1日 後 よ り も増 加 した 。 埋 入7日 後 か ら FPの 炎 症 性 反 応 は ご く軽 度 で あ っ た が,GPで
はFPと 比 較 す る と強 い 炎 症 で あ り,有 意 に ス コ ア は 高 か っ た。 す べ て の 期 間 に お い てFPとGP とで は ス コ ア に お い て 有 意 差 が 認 め られ た(表3)。
線 維 性 結合 組 織 に よ る被 包 化:埋 入1日 後 で は FP,GPと もに ポ イ ン ト周 囲 に線 維 性 結 合 組 織 に よ る被 包 化R認 め られ な か っ た。 埋 入3日 後 に な る と両 方 の ポ イ ン ト周 囲 で は線 維 化 の 進 行 を伴 う
軽 度 な 被 包 形 成 が 認 め られ た が有 意 差 は な か っ た 。 埋 入7日 後 に な る と3日 後 よ り も さ ら に厚 く被 包 形 成 が認 め られ,GPの ほ うが 有 意 に ス コ ア は 高 か っ た 。 埋 入14日 後 で は さ ら に 線 維 性 細 胞 に 富 ん だ 結 合 組 織 に よ る被 包 形 成 が 明 瞭 と な り,FP よ り もGPの ほ うが そ の厚 さが 増 加 して お り,有 意 にGPの ス コ ア が 高 か っ た(表4>。
2. 細 胞 毒 性 試 験
コ ン トロー ル 群 の 吸光 度 を1と して 各 条 件 の 数 値 を相 対 的 に表 し,比 較 した 結 果 を表5に 示 す 。
1w,2w,4wは そ れ ぞ れ 使 用 した 培 養 用 培 地 に ポ イ ン トを浸 漬 した 期 間 を示 す 。 ま た,1d,2d,3d は 吸 光 度 を測 定 した観 察 時 期 を示 す 。
FPを 浸 漬 し た す べ て の 培 地 に お い て コ ン ト ロ ール 群 と比 較 して 有 意 差R認 め られ な か っ た 。 GPを1お よ び2週 間 浸 漬 し た培 地 と コ ン トロ ー
ル群 で は有 意 差 は な か っ た が,4週 間 浸 漬 した 培 地 は コ ン トロ ール 群 と比 較 して 有 意 に高 い 数値 を 示 した(p=0.006)。
また,培 養 時 間 が長 い ほ ど吸 光 度 は徐 々 に 高 く な っ た。 両 方 の ポ イ ン トを1,2お よび4週 間 浸 漬 した す べ て の 培 地 を 用 い て 培 養 した 場 合,1日 後 と2日 後1日 後 と3日 後 を 比 較 して も有 意 差
は 認 め られ な か っ た(p=0.550)。
3. 根 管 充 填 材 か らの 無 機 成 分 溶 出 試 験 表6〜10に 各 ポ イ ン トか ら溶 出 し たバ リウ ム, 亜 鉛,ビ ス マ ス,鉄 お よ び マ グ ネ シ ウ ム量 の 測 定
結 果 を示 す 。
FPを 浸 漬 し た 試 験 液 か ら亜 鉛 を除 くす べ て の 金 属 が 検 出 され た。 溶 出 したバ リ ウ ム量 と比 較 す る とマ グ ネ シ ウ ム 量 は1/;00以 下,鉄R1/20以 下 だ っ た。 ま た,GPを 浸 漬 し た試 験 液 か ら は す べ て の 金 属 が検 出 され た。GPか らの 亜 鉛 溶 出 量 と 比 較 し て バ リ ウ ム で は2/3以 下,ビ ス マ ス,鉄 お よ び マ グ ネ シ ウ ム で は1/100以 下 の 溶 出 量 で あ っ た 。 コ ン トロ ール か らは ビ ス マ ス,鉄 お よ び マ グ ネ シ ウ ム が検 出 され た が 各 ポ イ ン トか らの 溶 出 量 と比 較 す る と同 量 か ら1/100ほ どの 溶 出 量 だ っ た 。
1,2お よ び4週 間 各 ポ イ ン トを 浸 漬 し た 試 験 液 を比 較 す る とバ リ ウ ムの 溶 出 量 は有 意 にGPの
ほ うが 多 か っ た 。 溶 出 量 は 両 方 の ポ イ ン トに お い て も浸 漬 した 時 間 と と も に徐 々 に 増 加 傾 向 を示 し
図2埋 入1日 後 の 組 織像
FPを ラ ッ ト背 部 皮 下 組 織 へ 埋 入 した1日 後 の代 表 的 な組 織像 で右 図 は左 図 の枠 内 を拡 大 した像 を示 す。
ス コ ア は出 血:0炎 症 性 細胞 浸 潤:1被 包 化:
0と した。 左 ×50,右 ×200(H‑E染 色)
図3埋 入1日 後 の組 織 像
GPを ラ ッ ト背 部 皮 下 組 織 へ 埋 入 した1日 後 の代 表 的 な組 織 像 で右 図 は左 図 の枠 内 を拡大 した像 を示 す 。 ス コ ア は 出血:0炎 症性 細 胞 浸 潤:2被 包 化:
0と した。 左 ×50,右 ×200(H‑E染 色)
図4埋 入3日 後 の組 織 像
FPを ラ ッ ト背 部 皮 下 組 織 へ 埋 入 した3日 後 の 代 表 的 な組 織像 で右 図 は左 図 の 枠 内 を拡 大 した像 を示 す 。 スコ ァ は出 血:0炎 症 性 細 胞 浸 潤:2被 包 化:
0と した。 左 ×50,右 ×200(H‑E染 色)
図5埋 入3日 後 の 組 織像
GPを ラ ッ ト背 部皮 下 組 織 へ 埋 入 した3日 後 の代 表 的な 組織 像 で 右 図 は左 図 の 枠 内 を拡 大 した像 を示 す。
ス コ ア は出 血:0炎 症 性 細 胞浸 潤:2被 包 化:
1と した。 左 ×50,右 ×200(H‑E染 色)
図6埋 入7日 後 の 組 織像
FPを ラ ッ ト背 部 皮 下 組 織 へ 埋 入 した7日 後 の代 表 的 な組 織像 で 右 図 は左 図 の枠 内 を拡 大 した像 を示 す。
ス コ ア は出 血:0炎 症 性 細胞 浸 潤:1被 包 化:
1と した。 左 ×50,右 ×200(H‑E染 色)
図7埋 入7日 後 の組 織 像
GPを ラ ッ ト背 部 皮 下 組 織 へ 埋 入 し た7日 後 の 代 表 的 な組 織 像 で右 図 は左 図 の枠 内 を拡大 した 像 を示 す 。 ス コ ア は 出血:0炎 症性 細 胞 浸 潤:1被 包 化:
2と した。 左 ×50,右 ×200(H‑E染 色)
図8埋 入14日 後 の組 織 像
FPを ラ ッ ト背 部 皮 下 組 織 へ 埋 入 した14日 後 の 代 表 的 な組 織像 で右 図 は左 図の 枠 内 を拡 大 した像 を示 す 。 ス コ ア は出 血:0炎 症 性 細 胞 浸 潤:1被 包 化:
1と した。 左 ×50,右 ×200(H‑E染 色)
図9 埋 入14日 後 の 組 織像
GPを ラ ッ ト背 部 皮 下 組 織 へ 埋 入 した14日 後 の代 表 的 な 組織 像 で 右 図 は左 図 の枠 内 を拡 大 した像 を示 す。
ス コ ア は出血:0炎 症 性 細胞 浸 潤:2被 包 化:
3と した。 左 ×50,右 ×200(H‑E染 色)
表2各 観 察 期 間 に お け る出血 の ス コア
表3各 観 察 期 間 に お け る炎症 細 胞 浸 潤 の ス コア
表4各 観察 期 間 に お け る被 包化 の ス コア
表5細 胞毒性試験の結果
表6ポ イ ン トか ら溶 出 したバ リウム 量
表7ポ イ ン トか ら溶 出 した亜 鉛 量
表8ポ イ ン トか ら溶 出 した ビ スマ ス 量
表9ポ イ ン トか ら溶 出 した鉄 量
表10ポ イ ン トか ら溶 出 した マ グネ シ ウ ム量
た(表6)。
亜 鉛 の 溶 出 はFPか らは 全 く検 出 され ず,す べ て の 実 験 期 間 に お い て 有 意 差 が 認 め られ た。 浸 漬 した 時 間 が長 い ほ どGPか ら亜 鉛 の溶 出 量 は増 加 した(表7)。
ビ ス マ ス の 溶 出 量 は す べ て の 期 間 でFPとGP 間 で有 意 差 は 認 め られ な か った(表8)。
鉄 の 溶 出 量 は1週 間 ポ イ ン トを浸 漬 した試 験 液 で は コ ン トロ ー ル も含 め て ご く微 量,検 出 され た 。 2お よび4週 間浸 漬 した 試験 液 に お け るFP,GP か らの 溶 出量 は コ ン トロ ー ル 群 と近 似 して お り有 意 差 も な か っ た(表9)。
マ グ ネ シ ウ ム の 場 合,コ ン トロ ー ル に比 較 す る とFP,GPと もに 溶 出量 は 有 意 に 多 か っ た が(FP でp=0.017,GPでp=0.004),FPとGPか ら の 溶 出 量 は ほ ぼ 同 じで 有 意 差 は認 め られ な か っ た
(p=0.153)(表10)。
考 察
今 回 の 皮 下 結 合 組 織 へ の埋 入 試 験 結 果 に お い て 出 血 に 関 して は両 ポ イ ン ト問 に有 意 差 は な く,ス コ ア も低 い 値 で 埋 入14日 後 に は 両 方 と も 出 血 は 消 退 して お り,比 較 的 良 好 な 結 果 を示 した 。 こ れ はGPの 埋 入 試 験 に 対 す る 以 前 の 報 告 と類 似 した 結 果 で あ っ た20)。FP,GPと も に埋 入1日 後 か ら 3日 後 に か け て 炎 症 性 反 応 が 認 め られ,7日 後 に は ス コ アの 減 少 が 認 め られ た が,こ の よ う な反 応 は物 理 的 刺 激 に 対 す る組 織 の 正 常 な 反応 で あ る と 考 え られ る24)。し か し,す べ て の 実 験 期 間 に お い て 炎 症 性 細 胞 浸 潤 の ス コ ア で はFPがGPと 比 較 して 有 意 に低 い値 で あ っ た こ と よ り生 体 へ の親 和 性 が 良 い こ とが示 唆 され た 。 ま た,埋 入3日 後 か ら軽 度 なが ら被 包 形 成 が 認 め られ た。 組 織 に お け る 異物 処 理 の一 つ と して器 質 化 が 起 こ るが,こ の 処 理 が 難 しい場 合,周 囲 の 肉 芽 組 織 の 線 維 化 が進 行 し,異 物 の 被 包 化 が 起 こ る20,25)。本 研 究 に お い て もGPで は 埋 入3日 後 か ら生 体 の 異 物 排 除 機 能 に よ る もの と考 え られ る被 包 形 成 が認 め られ,経 時 的 に 増 加 す る傾 向 で あ っ た 。 これ は 以 前 の 報 告
と 一 致 した20)。一 方,FPの 被 包 化 は3日 後 か ら 7日 後 に か け て厚 み が 増 加 し,そ の 後 は 一 定 で あ り,GPと 比 較 す る と7日 後 と14日 後 に有 意 差 が
認 め られ た こ と か らFPに 対 す る 異 物 排 除機 能 は GPよ り低 い 歯 科 材 料 と 考 え られ る。FPに 関 し て は過 去 に 同 様 の 研 究 が な され て い な い た め比 較 す る こ とは 難 しい が,海 外 で 使 用 され て い る プ ラ ス チ ッ ク製 根 管 充 填 材 の 生 体 適 合 性 を研 究 した 報 告 で は 生 体 組 織 反 応 は ガ ッタパ ー チ ャ ポ イ ン トと 比 較 して有 意 差 は 認 め られ な い とい う報 告 が ある26)。
本 研 究 で は細 胞 毒 性 試 験 に お い て 細 胞 生 存 率 を WST‑1法 に よ り測 定 した 。 これ は ミ トコ ン ドリ ア 内 酵 素 活 性 を指 標 と して細 胞 数 を測 定 す る方 法 で,標 準 的 に 用 い られ るMTT法 の変 法 で あ る27)。
使 用 したCellCountingKitは メ ー カ ー に よ る と 他 の 水 溶 性 タ イ プ の テ トラ ゾ リ ウ ム 塩(XTT, MTS)よ り高 感 度 で,波 長450nmに お け る吸 光 度 を直 接 測 定 す る こ とに よ って 生 細 胞 数 を計 測 す る こ と が で き,そ の 吸 光 度 は 細 胞 数 に 比 例 す る。
つ ま り吸 光 度 が高 い ほ ど それ に比 例 して 生 細 胞 数 も多 い とい う こ とに な る。
根 管 充 填 材 と して 日常 臨 床 に お い て 古 くか ら使 用 され て い る ガ ッ タパ ー チ ャポ イ ン トは研 究 の 初 期 段 階 で は培 養 細 胞 ま た は実 験 動 物 に お い て 細 胞 毒 性が な い,も し く は弱 い と報 告 され て い る こ と
が 多 か っ た が28〜33),その 後,培 養 細 胞 に対 して毒 性 が あ る こ とが 多数,報 告 され て い るll,12,14,34〜38)。
練 和 後 に 硬 化 す る セ メ ン トや シ ー ラ ー の よ うな 材 料 は そ の 過 程 で 成 分 の 溶 出 が 認 め られ る が39), GPの よ うに 最 初 か ら半 固 形 の生 体 材 料 は そ れ に 比 較 して 成 分 の 溶 出 は 少 な い と考 え られ て い た 。
しか し製 品 に よ りか な り相 違 して い る こ とが 示 さ れ て お り,本 研 究 で 使 用 したGPは ガ ッ タパ ー チ ャポ イ ン トの 中 で は比 較 的,為 害 性 が 強 く現 れ る こ とが 報 告 され て い る14,40)。しか し,今 回 の 実 験 に お け る細 胞 毒 性 試 験 の 結 果 で は ポ イ ン トを1 お よ び2週 間浸 漬 した 培 地 で はFPとGPの 問 に 有 意 差 は 認 め られ ず,コ ン トロ ー ル群 と比 較 して も 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た。 しか し,4週 間 GPを 浸 漬 し た 培 地 で は,細 胞 の 増 殖 を コ ン ト
ロー ル 群 と比 較 す る と有 意 に高 い 結 果 と な っ た 。 この働 き に対 す る 明確 な理 由 は 現 在 の と こ ろ得 ら れ て い な い が,亜 鉛 イオ ンが細 胞 を増 殖 させ る と い う報 告41)も あ り,今 回 の増 殖 の 要 因 の 一 つ に は この 亜 鉛 イ オ ン の作 用 が あ る もの と考 え られ る。
ま た,使 用 した細 胞 の 種 類 や そ の 方 法 な ど も影 響 して い る と考 え られ る。
これ まで に ガ ッ タパ ー チ ャ ポ イ ン トや セ メ ン ト な ど種 々 の 歯 科 用 材 料 に お い て そ の成 分 が溶 出 す
る こ とで 細 胞 に為 害 性 を与 え る こ とが 確 認 され て い る が14,37,40),プラ ス チ ッ ク ポ イ ン トか ら溶 出 す る成 分 につ い て の報 告 は 確 認 され て い な い 。 そ こ で 今 回,FPか ら ど の よ う な 成 分 が 溶 出 す る か GPと 比 較 検 討 した 。
物 質 に 含 有 され る無 機 成 分 の 分 析 に は さ ま ざま な分 析 法 が 利 用 され て い る が 本 研 究 で は 高 周 波 誘 導 結 合 プ ラ ズ マ 発 光 分 光 分 析 法(ICP‑AES)を 用 い た 。 これ は 発 光 分 光 分析 法 の 一 つ で あ り,同 様 の 目的 で 使 用 され る原 子 吸 光 法 と比 較 して 多 元 素 同 時 分 析 が 可 能 で しか も高 感 度 で あ り,測 定 可 能 な 元 素 が 多 い な ど の特 徴 を有 す る42〜44)。
ガ ッタパ ー チ ャ ポ イ ン トの 組 成 は その ほ とん ど が 酸 化 亜 鉛 で あ り,ガ ッ タパ ー チ ャ の 含 有 率 は メ ー カ ー に よ っ て 若 干 の 差 は あ る が2割 前 後 で, そ の 他 に 重 金 属 硫 酸 塩 と ワ ック ス ま た は レ ジ ン が 含 ま れ て い る2)。今 回,使 用 したGPは メ ー カ ー に よる詳 しい成 分 表 示 は公 表 され て い な い が平 嶺45) に よ る と ガ ッ タパ ー チ ャ17.2±0.6%,酸 化 亜 鉛 64.3±0.2%,ワ ッ ク ス ま た は レ ジ ン3.3±0.5%, 重 金 属 硫 酸 塩l5.4±0.2%と な っ て い る。 一 方, FPの 成 分 は ポ リプ ロ ピ レ ン70%,硫 酸 バ リウ ム 30%と な っ て い る17)。この 報 告 と一 致 して 溶 出 試 験 の 結 果 で はFPか ら 亜 鉛 の 溶 出 は 認 め られ な か っ た。
セ メ ン トや シ ー ラ ーの よ うに 粉 末 と液 を練 和 す る生 体 材 料 の 細 胞 毒 性 試 験 で は 酸 化 亜 鉛 ユ ー ジ ノ ー ル に よ る細 胞 増 殖 抑 制 作 用 が 強 い こ とが 報 告 され て い る46)。しか し,FPは 固 型 根 管 充 填 材 で あ り,酸 化 亜 鉛 ユ ー ジ ノー ル を含 有 して い な い た め細 胞 増 殖 抑 制 作 用 は な か った と考 え られ る 。 本 研 究 に お い てGPか ら の亜 鉛 の 溶 出量R最 大 で も 約10mg/lで あ っ た が,こ の 溶 出量 は 細 胞 増 殖 を 抑 制 す る 量 で は な い こ と が 確 認 され て お り47,48),
今 回 の 細 胞 毒 性 試 験 に お い て 細 胞 の 増 殖 が 認 め ら れ た 要 因 の 一 つ で は な い か と考 え られ る 。
バ リ ウ ム は 体 重1kgあ た り0.2〜0.5mgで ヒ トに 毒 性 作 用 を与 え る こ と が報 告 され て お り49),こ れ
は 水 溶 性 の塩 化 バ リウ ム の 摂 取 に よ り起 こ る と さ れ て い る。 しか し,歯 科 用 材 料 にバ リ ウ ム が添 加 され る場 合,通 常,硫 酸バ リ ウ ム と して 加 え られ, こ の物 質 は水 に 難 溶 性 で あ るた め生 体 へ の 取 り込 み は ご く微 量 で あ り,安 全性 に関 して 問 題 は な い と考 え られ る。
本 研 究 で は 無機 成 分 溶 出 試験 で ど ち らの ポ イ ン トか ら も ビ ス マ ス,鉄,マ グ ネ シ ウ ム が 微 量 で は あ るが 検 出 され た。 コ ン トロ ー ル よ り少 な い か, 同程 度 の 溶 出 量 で あ っ た こ とか ら含 有 量 が 少 な い か,溶 出 しな か っ た と考 え られ る。 これ らの 微 量 元 素 は 不 純 物 と して混 入 して い た 可 能 性 が あ り, ま た,エ ック ス線 造 影性 を持 た せ る た め に添 加 さ れ た可 能 性 も考 え られ る2)。
今 後 さ らに 詳 し く調 べ る た め,埋 入 試 験 で は 炎 症 性 細 胞 の種 類 や 壊 死 細 胞 の 存 在 な どの 検 索 も併 用 す る こ とが 良 い と考 え られ る。 ま た,細 胞 毒 性 試 験 で は生 細 胞 数 の 計 測 を行 っ た が,今 後,血 球 計 算 盤 を用 い た細 胞 数 の算 定 や 細 胞 の形 態 変 化 な ど も調 べ て い く必 要 が あ る 。 さ ら に 今 回 の 実 験 で はGPを 浸 漬 し た 培 地 で 培 養 した 細 胞 が コ ン ト ロ ー ル群 と比 較 して 有 意 に高 く増 殖 した が ,こ の 原 因 と して ポ イ ン トか ら溶 出 した そ の他 の 物 質 に よ る こ と も考 え られ るの で,今 後 さ らな る研 究 を 重 ね て い く予 定 で あ る。
結 論
FPの 安 全 性 をGPと 比 較 検 討 した と こ ろ,以 下 の 結 論 を得 た。
1.ラ ッ ト背 部 皮 下 結 合 組 織 へ の 埋 入 試 験 に お い て 炎 症 性 反 応 で はFPの ス コ ア は 有 意 にGPよ り低 く,ま た,7日 後 以 降 の 被 包 形 成 に お い て も FPの ス コ ア は 有 意 に低 か っ た 。 こ の こ と よ り FPRGPよ り も組 織 へ の 親 和 性 の 高 い 歯 科 材 料
で あ る こ と が示 唆 され た。
2・ 細 胞 毒 性 試 験 に お い てFPは コ ン トロ ー ル と比 較 して 有 意 差 は 認 め られ な か っ た こ とか ら細 胞 増 殖 を阻 害 す る成 分 が ポ イ ン トか ら溶 出 して い
な か っ た と考 え られ る。
3.無 機 質 溶 出 試 験 で はFPか ら亜 鉛 の 溶 出 は 認 め られ ず,バ リウ ムの 溶 出 は 認 め られ た がGP
に比 較 して有 意 に少 な く,ま た,ビ スマ ス,鉄 お
よ び マ グ ネ シ ウ ム も溶 出 が 認 め られ た が 非 常 に 微 量 で あ っ た こ と を 総 合 して 考 え る とFPか ら溶 出 す る 無 機 質 の 量 はGPよ り少 な か っ た こ と が示 さ れ た。
以 上 の 結 果 か らFPはGPと 比 較 して 生 体 に対 して よ り組 織 親 和 性 の あ る安 全 な根 管 充 填 材 で あ る こ とが示 唆 され た 。
謝 辞
稿 を終 え るに あ た り,本 研 究 に 関 して 終 始御 懇 篤 な る御 指導 お よび御 校 閲 を賜 りま した 歯科 保 存 学 講座 歯 内 療 法学 分野 木 村 裕 一教 授 に深 甚 な る感 謝 の意 を表 します 。 また, 本研 究 を遂 行す るに あ た り多方 面 か らご協 力 を いた だ きま した 本 学 歯 学 部 生 体 構 造 学 講 座 な らび に 口腔 病 態 解 析 制 御 学 講座 の 諸 先 生 方 に 深 く感 謝 い た します 。 ま た,ICP̲
AES分 析 に お き ま して ご助 力 を頂 き ま した福 島 県 ハ イ テ クプ ラザ技 術 開 発 部工 業 材 料科 中 山誠 一様 に深 謝 い た しま す 。
最 後 に終 始 温 か い励 ま し をい ただ きま した天 野 義和 教 授 な らび に種 々御 協 力 をい た だ き ま した 当分 野 教室 員の 皆 様 に深 謝 い た し ます。
本 論 文 の 要 旨 は 第47回 奥 羽 大 学 歯 学 会(平 成21年6月 13日 郡 山)に お い て 発表 した。
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go.jp/hse/ehc/sum1/ehc107html,2009年6月 8日
著 者 へ の 連 絡 先:佐 藤 穏 子,(〒963‑8611)福 島 県 郡 山 市
富 田 町 字 三 角 堂31‑1奥 羽 大 学 歯 学 部 歯 科 保 存 学 講 座 歯 内 療 法 学 分 野
Reprintrequests:YasukoSATOU,Divisionof
Endodontics,DepartmentofConservativeDentistry , OhuUniversitySchoolofDentistry
31‑1Misumido,Tomita,Koriyama,963‑86l1,Japan