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氏 名・(本籍) 千

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名・(本籍) 千

しゅう

(秋田県)

専 攻 分 野 の 名 称 博士(医学)

学 位 記 番 号 医博甲第 859 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 26 年 3 月 22 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項該当 研 究 科 ・ 専 攻 医学系研究科医学専攻

学 位 論 文 題 名 Functional mononucleotide repeat polymorphism in the promoter region of HGF is associated with risk and malignant aggressiveness of bladder cancer

(膀胱癌における肝細胞増殖因子 HGF 遺伝子のプロモーター多型の意義)

論 文 審 査 委 員 (主査) 教授 大 森 泰 文

(副査) 教授 柴 田 浩 行 特任教授 本 山 悟

Akita University

(2)

学位論文内容要旨

Functional mononucleotide repeat polymorphism in the promoter region of HGF is associated with risk and malignant aggressiveness of bladder cancer

(膀胱癌における肝細胞増殖因子 HGF 遺伝子のプロモーター多型の意義)

申請者氏名 千葉 修治

研究目的

これまで、肝細胞増殖因子 HGF(Hepatocyte growth factor)の発現亢進が癌の悪性度に 関連していることが、種々の癌種において報告されている。HGF のプロモーター領域には deoxyadenosine tract element (DATE)と呼ばれる Adenine の 30 塩基反復配列が存在し、

反復数が短い多型(short DATE)が HGF の発癌亢進と関連していることが乳癌において示さ れている。今回、我々は HGF の DATE 多型と膀胱癌リスク、HGF の発現ならびに膀胱癌の臨 床病理学的特徴との関連について検討した。

研究方法

① 膀胱癌患者 140 例と正常対照 95 例の末梢血リンパ球から抽出された DNA に対して、

direct sequence を用いて HGF DATE の反復数を解析した。

② 膀胱癌患者 70 例を対象に、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)で得た膀胱癌組織から 抽出した DNA (癌組織-DNA) と、 同患者群の末梢血リンパ球から抽出された DNA (PBL-DNA)

の HGF DATE の反復数を解析し、2 群間の short DATE の頻度の差を検討した。また、

膀胱癌組織 70 検体について real time RT-PCR 法で膀胱癌組織中の HGF mRNA の発現 量を定量し、臨床病理学的因子との関連を検討した。

③ 浸潤性膀胱癌に対して膀胱全摘術を施行された 91 例を対象として、HGF 蛋白の発現を 免疫組織化学的に評価し、全生存ならびに無増悪生存との関連を検討した。

研究成績

① 膀胱癌患者群の HGF DATE の反復数は、30(2.1%) 、29(10.7%) 、28(37.1%) 、27(34.3%) 、 26(9.3%) 、25(3.6%) 、24(1.4%) 、22(1.4%) 、正常対象群では、30(4.2%) 、29(33.7%) 、 28(37.9%) 、27(18.9%) 、26(4.2%) 、25(4.2%)であった。反復数の中央値はいず れも 28 であり、28 以上を long DATE、27 以下を short DATE と定義した。Short DATE の頻度は膀胱癌患者群で有意に高かった(49.3 v.s 24.2%, p<0.001) 。

Akita University

(3)

② 膀胱癌患者 70 例で、同一患者における癌組織-DNA と PBL-DNA について、HGF DATE の 反復数を検討した。Short DATE の頻度は、癌組織-DNA が 52.9%(39/70) 、PBL-DNA が 41.4%(29/70)であり、癌組織-DNA において有意に高かった(p=0.008)。HGF DATE の反復数は 25 例(35.7%)が PBL>癌組織であり、12 例(17.1%)が癌組織>PBL であ った。37 例(52.9%)において PBL と癌組織の間で反復数が異なっており、癌組織に おいては主として long DATE から short DATE への変異が起きているものと考えられ た。Long DATE 群・short DATE 群の 2 群間において、癌の深達度との関連を検討した ところ、癌組織、PBL ともに有意差を認めなかった。一方、悪性度との関連において は、PBL では有意差を認めなかったが、癌組織では short DATE が有意に高悪性度と関 連していた(p=0.015)。膀胱癌組織において浸潤癌は非浸潤癌と比較して有意に HGF mRNA が高発現していた(p=0.019)。また、高悪性度癌は低悪性度癌と比較して有意に HGF mRNA が高発現していた(p=0.020) 。さらに、short DATE 群では long DATE 群で 比較して有意に HGF mRNA が高発現していた(p<0.001) 。

③ 膀胱摘除標本 91 検体を用いた免疫組織化学的検討では、HGF 蛋白の高発現が 30 例

(33.0%) 、低発現が 61 例(67.0%)に認められた。高発現群は全生存期間が有意に短 かった(p=0.012) 。また、高発現群は無再発生存期間が短い傾向にあった(p=0.056) 。

結 論

HGF プロモーター領域に存在する DATE 多型は、HGF 蛋白発現を変化させることによっ て膀胱癌の発症とその悪性度に関連することが示唆された。

Akita University

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学位(博士-甲)論文審査結果の要旨

主 査: 大森 泰文 申請者: 千葉 修治

論文題名:

Functional mononucleotide repeat polymorphism in the promoter region of HGF is associated with risk and malignant aggressiveness of bladder cancer

(膀胱癌における肝細胞増殖因子

HGF

遺伝子のプロモーター多型 の意義)

要旨

著者は、肝細胞増殖因子

(HGF)

遺伝子のプロモーターにあるアデニンの繰り返し配 列

deoxyadenosine tract element (DATE)

の長さに多型性があり、短いほど

HGF

の発 現が強くなるという事実に着目し、多数の膀胱癌症例と正常対照における

DATE

の繰 り返し数を

DNA

シーケンシングにより調べ、

DATE

が短いほど膀胱癌に罹患し易い こと、

DATE

が短いほど組織学的悪性度が増すことを見出した。また、膀胱癌患者の 病変と同一患者のリンパ球における

DATE

の長さを比較し、膀胱癌組織では

DATE

が短縮する変異が生じる傾向にあることも見出した。さらに、

DATE

が短いほど膀胱 癌細胞の

HGF

発現が高まり、

HGF

の発現増加が筋層浸潤や組織学的悪性度の上昇に 関与すること、その結果、

HGF

高発現群は全生存期間および無再発生存期間がともに 短い傾向にあることを示した。

本論文の斬新さ、重要性、実験方法の正確性、表現の明瞭さは以下の通りである。

1)斬新さ

HGF

DATE

の長さと癌の悪性度に関しては、既に乳癌と胃癌について他のグル ープが報告しているが、膀胱癌に関する報告は未だなく、本論文が世界に先駆けた研

究であると評価できる。また、既報告の研究対象に日本人は含まれておらず、本論文 は日本人における

HGF

プロモーターの

DATE

と癌の性状との関係を論じた初めての 論文と言える。

2)重要性

HGF

プロモーターの

DATE

の短さが膀胱癌発症の危険因子となること、また、

DATE

が短縮する遺伝子変異が膀胱癌の発癌に寄与しているという発見は、膀胱癌発 癌における

HGF

の関与を示唆しており、本疾患の予防戦略において重要な発見であ る。さらに、

DATE

の短さが悪性度に関連するという発見は、膀胱癌に対する個別医 療を開発する上でも重要な情報になると考えられる。

3)研究方法の正確性

すべての膀胱癌検体は病理組織学的に確定されたものであり、正常組織との対照は 同一患者の末梢血リンパ球を用いており、正しい比較がなされている。病変検体、正 常検体、非担癌者検体のいずれも十分な数の検体を用いており、さらにデータの統計 学的解析およびその解釈も正しく行われている。

DNA

の抽出と

DNA

シーケンシング、

定量的

RT-PCR

による

HGF mRNA

の定量等、すべての実験は確立された定法に従っ ており、データの信頼性は高いものと考えられる。

4)表現の明瞭さ

研究の背景と目的、研究方法、実験結果の記載と図表の提示方法は明瞭で理解しや すい。また、考察も論理的に組み立てられているとともに、本研究において解明でき なかった点や解釈が困難な点など、いわゆる弱点に関しても丁寧に説明されており好 感が持てる表現となっている。

以上述べたように、本論文は学位を授与するに十分値する研究と判定された。

Akita University

参照

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