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イネ小穂の副護穎から内穎の形態形成にかかわる遺伝子の比較解析

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2017年2月7日

イネ小穂の副護穎から内穎の形態形成にかかわる遺伝子の比較解析

生物資源科学専攻 植物育種学講座 植物育種学 小矢崎慧

【背景と目的】

花の形態形成に関してシロイヌナズナを用いた研究により花の ABC モデルが提唱されるな ど、多くの研究が行われている。イネ小穂(花)においても研究が進められており、ほぼ ABC モデルが当てはまるものの双子葉植物の咢片に相当する位置にある副護穎から内穎に関して は研究が十分でない。そこで本研究ではイネ小穂構造の理解を深め、小穂の形態形成にかか わる遺伝的制御機構について検討することを目的として、イネ小穂の副護穎から内穎の形態 に関する突然変異体について遺伝解析を行った。ここでは紙面の都合上 2 重外穎変異体につ いて報告する。

【材料と方法】

外穎が二枚互生したように見える2重外穎変異体を新たに見出し、既存の2重外穎変異体 [05-41( dp1-dbl ),05-48( dp1-dbl2 )]と比較して、遺伝解析を行った。

【結果および考察】

新たな2重外穎を示す変異体について表現型を調査したところ、奇形小穂の頻度が異なる 系統を見出し、その系統を 05-48-2 と命名した。05-48-2 の穂は極低頻度の2重外穎小穂で構 成されており、 Dp1 座に原因遺伝子をもつ低頻度2重外穎変異体 05-48 と類似した形質を示 していた。そこで、 Dp1 座の CDS について DNA 配列を調査したが、原系統である H-69 との間 に配列の違いは見られず、05-48-2 では変異形質の原因が Dp1 遺伝子のタンパク質機能の欠 失ではないことが示された。 Dp1 座遺伝子の発現調節領域であると考えられる上流の配列の DNA 配列を調査し、qPCR を用いて Dp1 遺伝子の発現量を調査したところ、上流の配列や遺伝 子発現量ともに原系統との差が見られなかった。05-48-2 と Dp1 座に原因遺伝子を持つ高頻 度 2 重外穎変異体 05-41 と交配を行い、対立性検定を行った。F1 は正常型を示し、F2 は正常 型:高頻度2重外穎変異体:低頻度二重外穎変異体=9:4:3 の比で分離が確認され、05-48-2 の低頻度の 2 重外穎には Dp1 座とは異なる劣性 1 遺伝子の関与することが明らかとなった。

【まとめ】

05-48 と 05-48-2 では 2 重外穎という表現型については類似していたが 05-48-2 には Dp1 座と異なる遺伝子が関与していることが明らかとなった。2 重外穎変異体は野生型では外穎 を 1 枚分化した時点で退化する小穂軸の始原体頂端が貫生化によって 2 枚目の外穎を分化し、

それと同時に内穎の退化を生じると考えられている。そこで今回の研究により異なる遺伝子

が小穂軸の貫生化を抑える働きを持っていたことが明らかとなった。 Dp1 座および新たな 2 重

外穎遺伝子座は 1 小穂 1 小花型のイネ小穂を形成するための重要な遺伝子であると考えられ

る。

参照

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