﹁ 一 般 理 論
﹂ に 於 け る ケ イ ン ズ の 物 價 理 論
︵ 一
︶
河 本 博 介
目 次
一 ﹁貨幣論﹂から﹁一般理論﹂への発展
二 ﹁一般理論﹂の要旨
.一
基本方程式の目的とするところが'物価水準の内琴としての均衡の水準を明かにすると同時に'均衡の一つの水準
から均衡の他の水準への変動を解明するものであった︒即ち︑a"a"1及びQが天火零であれば︑換言するならばtr‑s‑i誉場合に於いてp及び芸ともに単位当‑の生蛋車に等しいことによって物価水準の均衡状態が与
えられる︒か1る均衡の水準の動態過程に於いて如何なる動因によって物価水準が推移するかは'貯軍と投拓との不
1致従って利潤の発生に求められる︒そこで均衡状態に於いては基本方程式は'フィッシャー.の交換方程式と形式的に類似するものであるが'その意図
に於いてはそこから離れるものであったことも既に述べた如‑である︒交換方程式が賀幣瞥見の変化から因果的竺
般物価水準を規定せんとしたことに辞し︑基本方程式が物価水準の動態の要因を次の三つに求めたことに両者の立場の相異がある︒即ちケイ芸の明かにし吾とは‑中+車に於いて,芸.(‑)w即ち生産諸要因の貨
幣所得の量︑(<N)O即ち経常産出物の量'(3)貯蓄と投資との関係からである︒
﹁一般理論﹂に於けるケインズの物価理論 ︵一︶二九
経 色 と
経 済
O
開
かくて基本方程式の分析から︑物価水準が
│ α
ーを中心として落ちつかんとする長期的ないわば均衡の水準を示すと
ともに︑その水準をめぐクて物価水準の短期的た変動が貯者投性︑の関係によって規定されるものでありQ
ことをあらわ
している︒
ハ
γ
セy
‑ ( k J・
同・
g m
出g )
は基本方程式はアヲタリオシの所得方程式出
H M M R U ( R :
・貨
幣所
作︑
Q:
・実
物所
得︑
・
P:
・物価水準)を精密化したものに過ぎや︑両者の相兵は窓外の利潤在所得概念に合主しめるか否かにあるとしてい る︒従クて基本方程式の第二項が零の場合に於いて︑ケイエの
E
はアアグリオγのR
と一致する口故に巾の一不す 水準は物価の長期的傾向をあらわし︑第二項の存十代によクてその短期的変動が示されている︒ゎ張本方程式に於ける ケイシズの態度は︑均衡状態に於いてのみ貨幣数量と泊費財及び全休としての産出物の物価水準との問に数量説的関 係を認めるもので︑乙とに於ける均衡状態は既に述べた如く︑生応諾要肉が完全に使用され︑有価証券に対して公衆・
が強気でもなければまた弱気でもなく︑且ク公衆がその全体の官のうち府寄預金の形態で正常的な割合主保有し︑さ らに貯蓄の量が新投民の費用と価似とに等しい状態である口ととろでケイシズに於いては貨幣的諮要凶や投資の諸史
︑肉の変化に基づく物価水準の変動を論やるのであるが︑産出量︑貨幣所得或いは尿佑量の如き経済の内容的水準が如
何にして規定されるかについて論やるところがない︒
クラインも﹁貨幣論﹂の理論的欠陥として有効需要即ち如何にして所得水準が決定されるかの介析を行クてをらや︑
t
均衡の基準を貯蓄投資の均等に求めるとしても貯苔投資が担えなる雇傭氷山中に於いて均衡し得る点を指摘している︒
わいづれにもして全体としての産出物︑所得乃至尿防水準が如何なる要肉によクて決定せられるかど分析され一泣けれ ばたらない︒ととにケインズが﹁一般理論﹂の序文に於いて︑基本方程式は与えられた産出量の前提のもとに於ける 瞬間的描写に外ならなかクたとする意味がある︒かくて経済の均衡水準の複数性より貯者投院の均等による分析は物 価理論に於いて確定的な意味を有し得守︑それは完全雇傭左前提とする立場をあらわすものであったととが反省され
友ければならない︒
要するにグイシズの基本方程式の理論出造は完全屈備の前提のもとに︑自然利子の概念を導入し︑数量説を勤態化
a問
せんとする窓図をもつものであったとい
L待られるであらう︒従来の数量説が財の全量と貨幣の全量とを対応して一
般物価水準の決定変劫を説明し︑かくて貨幣数量とを桜滅的に結びつけているに対し︑基本方程式に於いては貯蓄投 資の介析によって財と貨幣との両方にわたって所得の循環過程を問題として一般物価水準のみでなペ個別物価水準の 決定変動を説かんとし︑且つ利子率の物価水準に対する作用をとりあげているロかくて伝統的な数量説から基本方程 式への推移は]ニクの理論の比較に於いて問題の分析を単なる流通のそれから生産のそれへ発展せしめた乙と︑いわ
ば
47
てとに物何理論としての発展が見られるのであるが︑それにも拘ら十完全雇傭を理論的な前提とし︑所得乃至雇傭 の水準を決定する理論を欠いだととろに共通の欠陥があらわされてをり︑数量説の動態化︑即ち基本方程式が劫態理 論として十分な批判に堪え得るものでない乙とを示すものである︒かくして基本方程式による物価水準の理論はなお
古典的な残滞在有するものであったが︑とのとししは母体である経済理論自体が批判される如く︑完全雇傭左前提とす
る如き古典的な理論であクた乙とえ軌を一にするものである︒め
ケインズは﹁貨幣論﹂に於いて基本方程式に工る理論を民間して以後一ハ年︑乙の欠陥を修正せんとして﹁一般理
論﹂に於いては具クた観点から物価理論を取扱うに至った︒
ケインズは古典派経済学に於いては貨幣数量説は貨幣及び物価に関する唯一の理論であったが︑佃依及び分配に関
する理論からは遊離した理論であったとして︑古典派程済学の体系の二へ刀法による欠陥を指摘している.ケイシズに
よれば古典派経済学の価航理論は︑個えの価格が需要と供給とに上って決定されるととを示してをり︑乙の需要と供 給とが限界史用︑限界収拾︑短期供給の弾力性及び需要の弾力也とに
Lよって︑特にそのうち限界費用の変化と短期供
給の弾力性とによクて支配されるとしている︒しかるに貨幣及び物価の理論に於いては︑価値理論から離れて一般物 価水準なる概念によってそれが貨幣量︑貨幣の所得速度︑取引量︑貨幣の流通速度︑退蔵︑強制貯蓄︑イジプレ
1シ
ヨシ或いはデフレ
1
シヨシ等に上って決定されるとし︑就中貨幣数量の噌減と物価水準の勝落とが比例的に関連せしめられた︒従ってことでは需給の弾力性は無'位されて︑個々の価格の理論と一般物価水準の理論とが切離されて︑そ
れを統{する理論的立場がムヘわれているとするのである︒れ町
﹁一般理論﹂に於けるケインズの物価理論
v t
経 包 と 経 済 伝統的な物価理論では貨幣数量の変化が直接的に物価水準の変動をもたらすとし︑利子率の決定に与える貨幣数量 の影響を考慮せ宇︑且つ貨幣数量の産出量に及ぼす影響を見のがしている口伝統的理論のとの欠陥は完全雇傭の状態 にあるととを仮定するととに根ざしている︒かくして完全居傭が前提とせられるならば貨幣量の増加或いはそれに関 連する如何なるものも雇傭と産出量(短期的に)を増加し待ないであらう︒産出量を一定と仮定すれば︑価値理論に 於ける限界費用︑供給の弾力性或いは需要の理論の如脅概念は物価理論に於いては不必要なものとなる
0
換 .
一一
目す
れば
とのとししは貨幣理論と伺組理論との全き遊離を示すものに外ならない︒即ち貨幣は物価水準のみに影響を及ぼし︑J雇
傭量に影響するものではなくなる︒従クて貨幣数日一昭一の増加はすべてイY
プ レ
1
シヨ
y的な傾向をもっ乙とになるであ
らう口完全雇傭を前提として妥当するこの結論も︑完全居備が特殊な仮定であり不完全雇傭を常態とする前提を考慮
する限り無立味なものとなるであらう︒め
グイ
Yズの物価理論に於ける貢献は︑貨幣理論と価値の理論とを綜合したととである口更に加えて貨幣の理論と産
出量の理論とを綜合したととである口ケイ
Yズに於いては産出量の理論を通じて貨幣理論と価依理論とが融合せられ
たのである口貨幣数量の変化は産出量の水準に変動を与え︑産出量の水準の変勤によクて費用が変化し︑その変化に
つれて価値(価格)が影轡を受けるとととなる︒貨幣理論は利子理論で重要であり︑利子は将来に関する予想に関連し︑
現在と将来とを結びつけるものとして価偵の貯蔵千段たる貨幣が強調される︒め﹁一般理論﹂に於けるケイ
Yズの意
図は上述の如くであるが︑そ乙に古典派経済学からの脱却︑換一一目すれば貨幣数量説の克服が見出され得るのである︒
五口々は﹁一般理論﹂に於げるケイY
ズの物価理論を問題とするに先だって︑先づ﹁一般理論﹂の概念について簡単
な素描を予備的にしてをきたい︒
(1
)k
r・出・出山口印︒口一司己目悶0004031︒門印
Z m
ロ内
目立
︒ロ
吋︼
唱ω
∞
‑u
・ω ω
吋
(2
)
﹁悶・50EU
叶 宮
3
間5 1 8
同0
4︒
宮片
8 ・
山3
ぉ?同 省
‑ N O 1 7
・
3 M O 1
斗 ・
(3
)
グ一プインは古典派経済学の体系を次の如く方程式であらわしている︒
( F E ‑
‑
匂 ・
8
0
・ )(同)印(円
)H
H(
円 ) ( 凶 ) 宮
HW
J内(ω)J
向 日 古 河
(h
H)
可HU可(
Z ) (
印)44H
℃弐
(Z
)
57
入 ー セ
4旬
(SH貯苔︑IH投資︑MH現金残高︑rH利子率︑YH貨幣所得︑yH宍質所得︑PH物価水準︑NH一居傭量︐︑wH賃銀率)
(4 )同 ミロ
2 u
の
g o
円ω ‑
︑ ロ
50
ミ
‑ u
‑ N S
・(邦訳三五五頁)
(5
)
ロ・
ロロ
EE
一叶
日目
開︒
︒
g
B ‑ 2 0
同同
・冨
・問
︒吋
・
ロ2 3
wHYMNU畠・(岡 本氏 訳一 一一 一五 頁)
( 6 ) S E w
‑
℃ ℃ ・
MM品
l p
一 一
(
四 一
l
二頁 )
一 一
ケイシズは﹁一般理論﹂に於いて︑古典的物価理論の母体である古典派経済理論が完全雇備を前提とする欠陥をク いてそれが特殊の状態であるととに着目し︑一般的理論にまで拡充せんとして貨幣的諸要悶の作用を強調する態度を
クら‑ぬいている︒ケイシズが﹁一般理論﹂の中で使用する用語と概念のうちで重要なものは︑泊費性向︑資本の限界
効率及び利子卒である︒彼の理論の窮局の目的は雇傭水準を決定するものは何であるか︑換一一目すれば夫業の原閃は何
であるかを解明すると左にあクた︒それらの諸要因を一般的に令析するためにグイ
γ
ズの展開した理論の骨子を簡単
に跡づけて見上う︒
有効需要
(O
RO
nt
・
2q
・
0
5 8
3
の原理
ケイ
γ
ズの雇傭理論の出発点は有効需要の理論である︒一定の雇傭水準を維持するに十分な売上金額の期待額を総 供給価格
( ω
ぬ向
日向
凶件
︒
ωロ
ロ立
可官
芯σ
) とすれば︑雇傭水準は総供給価格に依存するととになる︒即ち雇傭量は企業者 がその届飾量より受取り符ると期待する売上金額に依存する︒何となれば売上金額が要因費用
( E 2
︒ 円g ω
円)
と使
用 者費用
(5
ω円 ︒ ︒
ω円)を超過する利潤を極大ならしめる如くに雇傭量を決定しようとするからであるロわ
いま
N
人雇傭する乙とから生やる産出物の総供給価格を
Z
と す れ ば
︑ N H
本
( Z )
なる関係が示される︒とれを総 供給画数と呼ぶ︒同様に企業者がN ‑
K
の雇備工り得られると期待する売上金額をD '
とすれば︑ロ
1
同(Z
)
が得られる︒
乙れは総需要画数と呼ばれる︒いまもし
N
の一定量の航のもとに於いて期待された売上金額が総供給価格より大であ
れば︑企業者は
Z
がD
に等しくなる点去で雇傭量
N
を増加せしめんとするであらう︒従クてN
は総需要画数と総供給 画数とが相交わる点に於いて決定されるととになる︒この交点は企業者の利潤を極大ならしめると期待される点であ
﹁一般理論﹂に於けるケインズの物価理論
r、園
一
、同d
経 営 と 経 済
四
って︑との交点に於ける
D
の依を有効需要と呼ぶ.勾ケイ
γ
ズの雇傭理論に於いて総需要菌数の分析は設も重要な点である︒雇備は需要に依存し︑総需要は総所得に等しくJ
雇備は一方に於いて産出物の生産︑他方に於いて所得を生み出すから︑雇備の理論は総需要の理論にして又総
所得の理論であり︑且つ総産出量の理論でもあるからこれらの骨折が﹁一般理論﹂の問題となるロ
泊費
性向
(℃
円︒
℃
g
ω ‑ q g
ロ g
2 5 0 )
雇傭量は総供給画数と総需要菌数との交点に於いて決定する︒との場合前者は主として供給の物理的条件に依存し︑
知られない如き考案すべき問題を殆んど合んでいない︒め総需要画数について問題にし上う︒総需要菌数とは一定の 雇傭水準がこの雇傭水準がもたらすと期待すると乙ろの売上金椅止対応する関係である.との売上金額は居僻が一定
水準にあるときそれが生み出す所得のうち︑泊費に対して支出せられる部今と投性に向けられる部八刀との合計額から
なっているD
従って総需要画数の仔析もこのこつの数量を支配する要閃の介析にわかれ︑しかも両者は著し具くるも
のであるロゎ
泊費出向は所得と治費との関係をあらわすものであるが︑単なる購買の欲望ではなく賊買立志とその能力とをあわ
せた需要曲線一に類似している︒町一定の居節水準に於いていくばくが消費に対して支出されるであらうか︒治費
( C )
を属傭
( N )
に関連せしめる画数を考察する場合︑賃銀単位をもって測られた泊費ω
を居術水準
N
に対応する賃銀単 位をもづて測られた所得切に関連せしめる画数によって分析する方が便利である︒ケインズに上れば治費性向と定義
づけるものを賃銀単位をもって測られた一定の所得水準切?と所得のうち泊費支出切との問の崎数的関係
X
として規定する口従って次の如き関係となる︒め
のさ
I N
(ベさ)または
n H
d
司‑N
(J
be
) 泊費支出は一定の雇傭水準の生み出す所得のた
hさに依存するが︑
宅観的要凶と客観的要凶とにわけで八?析されている︒h︐
投資乗数
( E S ω
g昨 日
昨日
巳己
主芯
同)
ケインズに於いて泊費性向に及ぼす影郷一けとして
' .
ケ イ
γ
ズは泊費に関する基本的心理法則として次の如く述べている︒品川人は彼等の所得が増加するにつれてその泊費を増加せしめる傾向がある︒しかしその場合泊費を所得の増加と同じ額だけ増加せしめるものではない︒ω︑hMを
もうて夫え泊費額及び所得を示せば︑
ω は切と問符号であるが額に於いて小である︒従クて泊費性向に変化なき限り
a A U
履備は投資の増加とともにのみ増加し得る︒けだし泊費者は雇傭の増加せしめられた場合︑総供給価格の増加工りは 少く支出するであらうから︑雇傭の増加は投盗の増加によりそのギャップがうめられぬ限り利益をもたらさないもの
となるからである︒ゎ乙の結論は上述の心理法則に基づくものであるが︑乙の忠考を更に推し進めるならばそこに限界
泊費性向(自民何百巳買
o u g ω
可
=
g
ロ
ω g
口百伶)の概念と乗数の理論とが見られる︒即日hJ
泊費性向は各雇傭水準に於 いて泊費と所得との問にかなり安定的な関係のあることを示しているが︑更に限界泊費性向によクて投資と所得との
問に確定的な比率をたてる乙とを得る︒限界泊費性向は消費の増分と所得の増八?との関係として規定されるものであ
︻︼(いき
るが︑乙の関仔出叫引は正数にして一より小なる侃であり︑所得の増加につれて益々小となるのが泊費法則よりの通
例の帰結である︒泊費一性向が与えられると所得の増八刀制)と投資の増令(御)との問に確定的な比率が存在する︒乙の比率が投性乗数
〆C
・
4
( K )
と呼ばれ︑ヵ
1 Y (
同・司・関与ロ)の雇傭乗数の考え方を限界泊費性向に結びつける乙とにより得られたもので
ある︒所得は一面に於いて泊費と貯苔との和であり︑他面に於いて泊費と投資との和である︒従クて所得の増令は泊
授と投狩との増加をもたらすものであるから︑kvJ内SHAynNZKVぎである︒そとで限界泊費性向を同││貯ーと
することによクて︑
b
ベ さ
HFPHSと書く乙とが出来るロ町
との式は投費が増加した場合︑所得は投資の増分の
K
倍の大いさだけ増加する乙とを示す︒即ち投供︑の或る増加の結果一として所得と屈備がどれだけ増加するかを語るものである︒乗数は限界貯蓄性向の逆数で︑限界貯蓄性向は一上り
限界泊費性向左差引いたものに等しい︒かくて乗数の大いさは限界泊費性向の大いさとその変化の方向を同じくする口︐
故に限界泊費性向の大なる程
K
の大いさも大となり︑投資の小なる変動も大なる所得の変動をもたらし︑雇傭の土に
犬な
る影
山内
一げ
を及
ぼす
乙と
L
なる
口
﹁一般理論﹂に於けるケインズの物価盟論
,
.司、
一
、‑'一 五
経 蛍 と 経 済
一
/‑L.
、 資本の限界効率
( B R m
宮山
H O
g B
巳与 え
g
立区)総需要画数の分析に於いては泊費決定の要悶と投野︑決定の要因との分析が中心をなす︒前者は泊費性向の問題であ
り︑後者の決定は資本の限界効率と利子率とに依存する︒かくて治安性向と央本の限界効率及び利子率の三クがケイ
γ
ズに於いて戦略的独立変数町とたクている︒泊費性向にクいては既に述べたところである︒主口九の次の問題は︑投件一
の誘
因(
百円
山口
g B O E Z
古語丘)を決定する二クの要悶たる浜本の限界効率と利子率との分析である︒先づ前者
を問題としよう︒
資本の限界効率とは資本資産からその存続期間を通じて得られるであらうと期待される状誌によって与えられる年 金の系列の現在偵をして︑その供給価格と相等しからしめる割引率に相当するものである︒均浜本の限界効率は収益
の期望航と浜本資産の経常供給価格とを基準として定義されている︒九円即日hJ作︿本資産の予想牧益とその予想牧誌の源
泉となる次八産の供給価格即ちその置換費用
( 5 1 2 0 B g
同
8
2 )
と呼ばれるものL二クの要素の関係からなる概念で
ある口いまこれを数式であらわすならば
戸
= レ
﹁
=
﹁ 同
溝 診 団 設
l I
M ‑
‑ +
l u
l J
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・
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│
i(
一
{ +
F N
) f
ト︐寸同司︑
( H +
門吉一)沼
にして︑乙の場合弘︑
ω
・:仏は第一年目︑第二年目及び第m
年目の各年に於ける予想収益であり︑らは院本の限界効 率即ち割引率である︒更に海産の需要価格を見るために
i
をもクて利子率をあらわせば︑需要価格は将来の予想牧採 を現在利子率で割引した偵の和であるから次のように示される白川.
羽 週 日 中 l
l 同
l+lkf+::
・十以﹁│
J l
( 一
{ + c f
ト
+
C t (
同十回)ミ
将来の予想牧誌は投資家にとクて極めて重要なものであり︑乙の予想収設の源泉を出来件る限り安く取得せんとす ることも当然であらう︒と乙ろで需要価格は割引に用いる利子率の低い程大となる
n
故に利子率の低い程需要価格が
供給価格よりも大となる如き性本件(産の数が多くなるD次八木の限界効率が利子率よりも大である限り供給価格は需要
価格よりも小さく︑資本資産に対する新投狩の利益は持続するであらう︒町乙れより知り得ることは央本の限界効率
と利子率との一致すると乙ろに投民の均衡状態が成立する乙とである︒換‑一目すれば︑投件(率は投存(需要表
( E Z ω 昨 日
s
4
g H
仏
o s
s a ω
の宮内凶己るに於いて資本一般の限界効率が市場利子率に等しくなる点にまで推し進められるであらうD院
投資の誘凶は一部は投資の需要表に︑一部は利子率に依存する乙とになるが︑海産の予想牧益の知識も資本の限界 効率の知識も︑ともに利子率を演緯せしめ得るものではない︒町投資の均衡状態に於いて資本の限界効率と利子平と
は一致するが︑これから直ちに利子の理論を導き出すととは五日々をして循環論の誤謬に陥入れる乙とLなる︒的
さて吾々はケイシズの利子論にクいて考察すべき段階に達したのであるが︑そのまえに乙こで理解を明確にするた めに上述したと乙ろを中間的に要約し︑ケイ
γ
ズに従クて居館の一般理論の全般的な要約をすれば次の諾命題の形で示すことが出来る口的
( 1
﹀技術︑野︑源及び費用の与えられた状態のもとでは︑所得は雇傭量に依存する︒
(2)
所得と泊費との聞の関係は泊費性向なる心理的特性に依存する口泊費は泊費性向に何らかの変化ある場合以
外は︑所得水準に︑従って尿傭水準に依存する︒
( 3 )
雇傭量は有効需要D
に依存する︒D
は二つの量︑即ち社会が泊費支出にあてると期待される量日(治費需要﹀・と新投資に向けると期待される量肋(投資需要)との和に依存する︒
(4
H)
ロ
十巴
N
H
本H ロ
( Z )
ーもは総供給画数ーであり︑仏は泊費性向に依存する
N
の画数l u
内
( Z )
と書き得る
ーであるから︑も
(Z)l
凶(Z)H
吋ωとなる︒的( 5 )
均衡状態に於いて雇傭量は︑総供給画数併︑泊費性向X
︑及び投費量b
に依存する︒以上が雇傭理論の骨子をなすのであるが︑主として物的条件に依存する総供給菌数もまた泊費性向も安定的であるぞ 従って屈佑水準の変動は短期的には主として投資量に依存する乙とふなる白ととろで投資は
( a )
資本の限界効率と
(百)利子率とに依存するもので︑利子率は流動性選好公
EE
岳q u B Z 5 2 0 )
L
と( b )
貨幣量
M
とに依存するものである白以上要約したと乙ろから投資は︑利子率の下落か資本の限界効率の上昇か︑或いは両者とともに増加す
る傾向がある︒然しながらまた投資が利子率の下落によクて増加する傾向があっても︑それは資本の限界効率の低落一
によって相殺される場合も起り得る︒経済括勤の水準の上昇によクて取引動機よりする貨幣の需要は増加するが︑こ
﹁一般理論﹂に於けるケインズの物価理論
r、
一
、‑'七
経 営 と 経 済
y¥
の場合投機動機のための貨幣を不見せしめる︒従クて貨幣当局乃至銀行が貨幣供給量をふやさね限り利子率を騰貴さ
vせるであらう︒貨幣量の増加があクても人の流動性選好に対する態度によっては利子率は更に騰貴するであらう︒以
上 グ イ
Y
ズ利子論の予備的概念から彼の流動性選好説と呼ばれる理論が次の問題となる︒
7) 6) 5) 4) 3) 2) 1)
関与口︒ぷ
E E
‑ ‑
・ 3
Mωl
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・ ( 二 九
l三
O
頁)
E f 3 b u i
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(三
一
l
一一
頁)
志 向仏
‑WHYS‑(
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九頁)ぎ 仏
‑
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・
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・ ( 二
O
頁)
ロ ロ
E 丘 一
F E ‑ ‑
一
戸
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・( 入四 一員 )
問 ︒
2 百 ニ σ
日仏
4 H
・U
3
・(
一一
O
頁)
笠 仏
‑W
HY
MO
吋戸(一三
OE
以下) H
・U
2
民・ (一 一一 一良 以下 )
消費性向に影響を及ぼす主観的要因には次のようなものがある︒
(A
)
個々人をして消費を差控えしめる動機︑
(1
) 偶発
時に備えるための準備
(2
)
将来の個人的及び家族的必要に対する準備
(3
)
現在消費よりも将来のより大なる宍質的消費を
得んとする利子及び価値増加のための場鼠
(4
)
生活水準の向上を期待すること
(5
)
独立の意識と宍行力とを楽しまんとす
ること
(6
)
投機的または営業的計画を実行するための資金の確保
(7
)
財産の遺贈
(8
)
純粋の苔官ロ
(B
)
中央及び地方
政府︑公共機関︑会社等による貯蓄の動機︑
(1
)
企業の動機
l
借入金︑市場に於ける資本の調達によらずして資本投下を行うための資金を確保せんがため
(2
)
流動出の動機
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偶発的︑困難及び不泌に備えて(3
)
向上の動機
l
所得の逝培を確保ぜんため
(4
)
経蛍財務堅実化の動機
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金融的準備のための動機︒これに対する客観的要因には次の如きものを含んでいる
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賃銀単位に於ける変化
(2
)
所得と純所得との聞の主の安化
(3
)
純所得の計算に於いて考慮に入れられていない資本価値の偶然的変化(4)時差割引率(円
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即ち現在財と将来財との間の交換比率の変化
( 5 )
財政政策上の変化
(6
)
現在の所得水準と将来の所得水準との関係に
ついての期待の変化︒
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四頁)傍島省三氏﹁貨幣価値の研究﹂昭和一八年︑四四二頁
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あとがき
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乙の小論は筆者が既に﹁経営と経済﹂の六
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号及び六一号誌上で発表した︑﹁貨幣数量説とケイ
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価理論﹂にクどくものである口前二編に於いては︑ケインズの﹁貨幣改革論﹂及び﹁貨幣論﹂をとりあげたが︑ここ では﹁一般理論﹂に於ける部門を問題の中心にせんとしたものである︒
﹁一般理論﹂に於けるケインズの物価理論
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