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貨幣數量説とケインズ物價理論(一)

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(1)

貨 幣 數 量 説 と ケ イ ン ズ 物 價 理 論

︵ 一

河 本 博

I

一淳二 貨幣数量説の二つの類型と﹁貨幣改革論﹂

≡ 若干の吟味

T⊥

ケインズ経済学は︑古典派経済学からの脱却を示す革命的な理論であり︑同時に貨幣理論の上に於いても︑賃解数量

説からの脱却の過程堅不すものであった︒ケインズの﹁一般理論﹂はイギリス古典学派的伝統からの轟雛を物語るもの

で︑新しい貨魯経済の理論の結実であると考へ得られるも秒である︒われわれはケインズ理論の発展のうちに︑古典派

貨櫓埋論と近代的貨幣理論との差異整礪みとりうるであらう︒

第一次大戦後のインフレーションの時期に於いて︑インフレーション克服のためにとられた種々なる貨幣的政策の当面

の日柄遠・物価水準の安定であったと考へられるが・その理論的基盤をなしたものが所謂数量説理論であった︒従ってそこで重要なものは・貨幣数量の統制であったと云ひ得られるであらう︒ところが貨幣理論に於ける数量説に対する反

貸循数昆誼とケインズ物価理論A.

(2)

省が︑貨幣数量を決定する要凶或ひはまた︑貨幣数量と物価水準との関連との問題に対する分析から︑生産︑雇傭及び

所得の水準を規定する要因の分析に問題の発展が見られるに至った︒ケインズのご般理論﹂のもつ重要性もまたとと

に見られ︑貨幣理論の上に於ける大きな飛躍がなされたのである︒

貨幣数日一良説は云うまでもなく︑貨幣価値の問題に関する重要な理論であるが︑貨幣の価値が一般物価の逆数である限

り︑との貨幣価値の理論によって物価理論が展開されるものであると一五はねばならぬ︒従って物価理論として伝統的な

ものが貨幣数量説なのである︒

われわ札が貨幣数日一単一説の理論的発展を辿る場合に於いて︑貨幣数量︑説とは如何友る理論であるかと問はれる時︑その

解答に非常に困難を感宇る程に所謂数量説と呼ばれるものL内容が多岐にわたることを知るのである︒ととでは定義の

問題を深く追究するととは当面の目的ではない︒簡単に広狭二義の解釈について︑それを代表する二︑三の学者の見解

を述べるに止めよう︒

数量説に対して広義の解釈をとるものとして︑例へぽアルトマン(∞・

H J k r r g

g

)

が物価を騰貴させ︑その減少が物価を下落させると云う如くに︑貨幣の数宝と物価との問に密接た関係の存在を容認す

るととろの︑ずぺての物価理論または貨幣理論であるとしている︒む同様な見解はまたキルマイヤl(

BP{OH)

於いても支持するととろである︒数日豆︑説をもって一つの集合概念であるとし︑同月︑の側に於いて相殺的変動の生じない限

り︑仰は幣の数量と貨幣の価値即ち所詰物価との問に於いては.貨幣数室︒増加が一般に物価を勝貸させ︑その減少が物

価を下落せしめる関係のあるととを説く︑すべての理論を数量説として理解し︑その立場から数量説︒諸規型を求め

て︑貨幣数量と一般物価との聞の単純左機桟的関係の存在を認めるところの︑所詞素朴にして機械的な数量説

(U

E

言 ︒

g o n r s u n r o o

g ロ 門 戸

S Z F 8 1 0

(

P 0 3 E o s

g z F 8 1 0 )

流通速度の概念を導入した修正数量説(巴o自主日

ER B0 52 5仲 間

8 1

﹀及び貨幣数量と一般物価との関係を数0

学的に表示せんとする所謂交換方程式(巴官ぐ

2g

r

n r

)g

しかしながら数量︑説を広義氏解釈するととは︑数量説自体の理論的特質を稀薄ならしめる恐れがある︒従ってこれに

(3)

対して︑当然狭義の解釈の求められる理由がある

狭義の立場をとるものとして︑例へばシユ1o ‑ A

(

k r r s

)

がいる︒彼によれば︑数量説は他の条件にして変化せざる限り︑貨幣の価値をその流通量に依存せしめるものであっ

て︑その流通量が増加すればその価値が減少し︑その流通宣伝減少すればその価値が勝賞する︒しかもその流通萱と価

値の変動が︑同じ割合を保つものであると規定してゐる︒めととに於いて︑

gg ユ 曲 目

V2 55

なる概念は数量説を規定す

る上に於ける重要なる前提条件となる︒

ととろで貨幣数量説を分類した場合に︑上述のキルマイヤーのそれの外に角所得数量説の如きを加へ得るであらう

が︑ととでは数日亙説を二大別して現金取引数量説

(n SF Rg za g

0 0

ミ)と現金残高数日亙説

(n gv ZF 20

g

q)

とし︑夫々の場奈の中に数日亙一︑説迎論の椛造を明かにし︑その発展の跡を辿って見る︒かくてそれとの関連に於いて︑ケ

インズの三部作︑﹁貨幣改革論﹂(kr

g28

8

02 qH NO FH BY

( K F

8

2u oo pE 05

5︑及び﹁一般理

(

Fo CS OB

F

gq

o

B

Ea gg

F8822仏足︒ロミ)を問題としそれを通して︑役の貨幣理論の解明

を試み︑彼の物価迎論の内容をその者作の発展に沿うて検討して見るととにしたい︒さて数回一旦説を以上の二つの類型に

わけた場合に︑前者を代表するものとしては直ちにフィツシャ

1

3・目的志とをあげうる︒後者はケムプリヲヂ学派を中

心として展開されてきたもので︑マーシャル(﹀・宮民的

r a ‑ ‑

) ︑ピグ

l(

ε︑ケインズの名に結びつくもので

あり︑その一応完成された型をケインズの﹁貨幣改革論﹂に見るととを得る︒

? 55 PH ES

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円 四 日 22

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2 0 H H R E P S

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1. (

(4)

物価理論の研究

Lフィツシャーの交換方程式

貨幣数

H E 説に数式的形態を附与したものがフィツシャーである︒かLる数式化への試みは既に︑ニュIコム

( m

20W1

8B F)

l

l(

kr・毛色

Z H )

1

( 32 F)

︑ハドレ

l(

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l

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O

BE

OH

2)

などに於いても見られるところであるが︑均所詔交換方程式に上って数量説を史に発展せしめたととろに

lの功績がある︒彼の理論は一九一一年に公刊された﹁貨幣の購買力﹂(吋

FO

HY

HH

nr

g

83

H

20

HB

gg

O

Dg ng

品目円)に於いて展開されている︒彼に従へば︑貨幣は財貨と交換に一般的に授

受されるものであり︑それが直接に人間の欲望を充し得るのではなく︑人聞の欲望を充足せしめ得る財貨を購買する能

力を具備するととろのものである︒数量説はこの貨幣のもつ特質にその線拠を沿くものであるo勾かLる貨幣の有する

購買刀が如何にして決定されるか︑貨幣の一定量でもって︑購買される財貨の主によって表示されるその購買力が︑所

詰物価水準を表現するものとなり︑従って物価理論が彼の研究の目的とするととろのものである︒

物価水準を左右する原凶は︑演金通貨の影響を無視して考察するなら︑次のことに依存すると云ひ得られる︒即ち流︐

通貨幣の数日豆︑流通貨幣の殺卒︑即ちその流通速度及び財貨の取引歪である︒物価は貨幣の数量と正比例的に勝賞また

は下落すると云う形式で数量説が表現されてきたが︑之は次のように解釈すべきであらう︒即ち貨幣の流通速度及び財

貨の取引去に於いて一定たる限り︑物価水準は貨幣の数量に正比例的に勝賞または下落するo

たづ社会に於ける貨幣流通の総額をEとし︑流通貨幣の平均額ぞMとする︒しからばEMは貨幣の平均回転率︑即

ち流通速度Vboそこで出削

lH

︿であり︑何日宮︿となる

cE又は

M V

は交換方程式の貨幣側を表示する︒

ついで方程式の財貨側を見るならば︑議財貨の平均価格と数量とが問題とされるaA財の価格をP︑その取引H

Q

し ︑

B財のそれを夫々

QF P で表示すれば︑交換方程式は次の如く表はし得る︒

(5)

F3 1U

ρ

十 句

ο︑ +

眠 ︑ ο

︑ ︑ +

・ ・ ・

・ ・ ・

‑ w = ο ・ ・

= "

ο

方程式の右辺は

P

と芸きかへ得る︒TTQはすべてのPの加重算術平均で︑P

すものである︒即ちF

︿

︿

H M M

HRHMU1i

との方程式から推察し得るととろは︑物価水準は貨幣の流通量と正比例に︑貨幣の流通速度とまた正比例に︑財貨の取

引目一旦とは反比例に変動することとれである︒との関係のうち物価が貨幣の流通量と正比例に変動する点は︑所謂数量説

を椛成する上に主点を九回かるべきもので︑他の写情にLて一・口凡なる限り︑物価水準の変動は貨幣数量の増減に正比例に

応やるととL

更にフィツシャlは物価に影響を及ぼす要凶として預金通貨を加へて考察するo従って交換方程式は拡張される︒MM

を回全通貨︑?をその流通速度とすれば次の如くなる︒

︿

+

︿

︿

+

︿

HH MU l

lll

との場合一般物価に及ぼす貨幣数日亙の影響は︑民金通貨の存在を考慮にいれなかった前述の場合と比較してEのようで

あらうか︒貨偽数

J H E

と一般物価との聞の関係が如何なるものであったとしても︑預金通貨の介入はとの関係を破壊する

ものではなからうかとする疑問が生やる︒今仮に︑MMとの問に何らの関係がなければ︑まさにその疑問は肯定さtれなければならたい︒しかしながらMMとの問には通計一定の比例が生やる原因がある︒その一つは銀行の現金準

的は通常波金に対して一定︒比率を保持するものであること︑他のそれは伺人︑会社たどの現金取引と小切手取引との

問に︑またその千許現金と涙金との問には便宜と慣習とによって︑一定の割合を保たしめるととである︒故にとの比率

が短期的には撹乱されるととがあったとしても︑やがて均衡化する傾向を生やるものであり.従って質金貨幣を附加す

ることは物価との問に於ける数主的関係を変動せしめるものではなく︑

M

O増減はを正比例的に増減せしめ︑一般M

物価の上に前と同様の影響を及ぼすものである︒旬

以上の如くしてフィツシャlは一般物価従って貨幣の購買力に影響する直接の要因として︑貨幣の数量︑ 一般物価の水準を表は

貨幣の流通

貨幣数日以設とケイシズ物価理論

(6)

....L. 

/

速度︑涙金通貨の数日豆︑頭金通貨の流説速度及び財貨の取引量の五つをあげる︒而してその他の物価に及ぼす多くの要

因はすべてこれら五つの要因を通して作用するものであるととを指摘する︒

註フィツシャーが購買力変動の間接的要因としてあげる事頃は次のものである︒め

一︑財貨の取引量に診響する要因

生産者に影響する条件i

消費者に影響する条件l人間の欲望の範聞及び程類

.生産者と消費者の双方に関係する粂件

l ω

ご︑貨幣及び預金通貨の涜通速度に診響する要因

F個人の慣習l

退 使

i的収入及び支出の度数例収入及び支出の規則正

l

=一︑預金貨幣の数量に懸饗する要因

銀行制度及びその制度た利用する慣習

掛売買の慣習

四︑貨幣数量に診響ずる要因

貨幣の輸出及び輸入品通じて作用する懸響

貨幣の鈎解及び鋳造か週じて作用する影響

貨幣用金属の生産及び消費た通じて作用する彦響

貨幣制度及び銀行制度の郎防響

m w

貨幣及び銀行制度の性質

m w

収入及び支出の時期と金額との間に於ける調和

以上の所説により交換方程式は︑物価水準が貨幣及び浪金通貨の数量に正比例し︑同様にそれらの流通速度に正比例

し︑財貨の取引支に反比例して変動するものであるととを示している︒しかしたがら以上のととが承認されるために

は︑次の四つの条件が立証されなければならない︒即ち

(7)

Mの増減はTに影響しない︒

二 ︑

Mの増減はV及びVに影響しない︒

三 ︑

Mの増減はMの増減に比例する︒

問 ︑

Pは常に受動的要索にして︑交換方程式中の他の要素を変化せしめる原因とはならたい︒

以上のフィツシャlの推論に於いて交換方程式に対する批判は︑とれら問つの仮定が現実的妥当性を欠ぐととろにむ

けられる︒換一一一目すればとれらの前提条件は貨幣数量から一般物価への因果関係を︑論証せんがための単なる収定にすぎ

たいものであるところにある︒方程式は物価決定の因果的過程を説明するととを得るものではなく︑社会の取引関係の

事後的計算を示すととろにその意味が存布するのであって︑一つの均衡状態かム他の均衡状態への過程に於ける︑物価

水準の変動を説明する理論として無力たものと云わねばたらぬ︒所謂静態論的であってとのととはケインズ理論の発

展の上に於いても︑同様に反省さるべき重要た意味をもつものと一五ひ得るであらう︒

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七 頁

ヲ&

1の交換方程式に於いては︑ ケムプリッヂ学派の数量︑説

現実に財貨取引に流通する貨幣の数量が問題とされ︑従ってそれを現金取引

(8)

数日一旦説と呼ぶに対し︑財貨獲得のために保有すぺき貨幣の保有高を物価水準と結びつけんとするものが現金残高数量説

であり︑次に問題としてとりあげるケムプリヅヂ学派の数量説がとれである︒

ケムプリγヂ学派の数量説は︑ケインズによって最も明瞭に且つ洗練された方程式でもって示されるのであるが︑も

ともととの学派の数日一旦説は古典派の貨幣観に根ざすものであり︑遠くはベティ

I( 巧 ・ M M 2 q )

(

Fo

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o)

(

E z ‑ ‑

︒となどにさかのぼり得る程の長い伝統の上に立つものである︒ゎ貨懲に対する需要を人々の主体

的立場から考祭しようとするもので︑との学派の創設者はマーシャルである︒役の数量説に対する根本的忠想は︑彼の

箸﹁貨幣︑信用及び商業﹂(冨

go

uJ

HO

LF

OBBOH8)に見るととが出来る︒

先づマーシャルに於いて貨幣と凡られるものは︑如何なる時︑如何なるところに於いても︑J

段として︑一般的に流通するところのすぺてのものから成りたつものであるとする︒かくてマーシャルは貨幣に含まれ

るものとして︑鍔貨と紙幣とをあげる︒め

人が貨幣を需要するのは

l i

貨幣が貨幣自体のために需要されるのではなく

ll

貨幣を所持することによって︑﹁一

般的勝目具力の即時支配力﹂を便利な形態で保持し得るからである︒そこで究用を要せ守して︑貨幣を所持するととの利

詮が得られるならば︑人はすぺて貨幣の形態で大なる即時間州民力を手許に保有しようとするであらう︒しかしながら︑

貨幣を手許に保有するととは何らの所得を生むものではなく︑同時に商品や有価証券に投資するととによって獲得され

ると予想される利益を犬ふことをも窓味する︒そこで人は即時購買力を手許に保有するととによる利益と︑貨幣所得を

生むが如き企業設備や有価証券に投資するととの利益を比較するのである︒め

かくて一国の保有する貨幣の全価値は︑人が子許に保存しようとする即時購買力の量よりも︑者しく上下のあるもの

ではない︒またマーシャルに︑よれば一国貨幣数量の増加は︑他の事情にして同一であるならば︑各貨幣単位の価値を正

比例的に低下せしめるものであるとする︒的

さらに役は︑一年間に商取引のために入手から入手に移った︑平均回数を乗じた一国貨幣の全価値は︑勿論︑同一期

間に於ける貨幣の直接支払によって︑同国に於いて行はれた商取引の全部と等しいものである︒しかしながらとの同じ

(9)

表現は︑貨幣の流通速度を左右する原因を示すものでなく︑それを発見するためには︑その国民が貨幣の形で保持しよ

うとする即時購買力の量を吟味しなければならないとする︒山

しからばマーシャルは︑人が手許に保有せんとする即時諮問具力が如何にして決定するとするものであらうか︒彼は一五

う︒社会のあらゆる状態に於いて︑人はその所得のうち︑貨幣の形態によって保有するととを可とする所得の割合があ

る︒その割合は五分の一であったり︑十分の一であったり︑或はまた二十分の一であったりする︒貨幣の形に於ける資

源についての大なる支配力は︑人の営業を容易且つ円滑にし︑取引上人を有利にする︒しかしながら他方に於いてそれ

が例へば︑余分な付器に投資されれば満足なる所得を︑また余分の機械や家畜に投資されれば貨幣所得をもたらすぺき

資源を︑不生産的な形態のまLにとめてしまうととL左る︒かくして人は即時購買力の支配力を保持する便宜さと︑人

に何ら直接の所得をもまた他の便宜さをももたらさない形態に資源を置くととの不利益とを︑相互に比較して適当左割

合を決定するのである︒社会が如何なる状態にあったとしても︑夫々の階級を通じて人が︑貨幣の形態に於いて保有せ

んとする資源の一定量があると説くのである︒均

以上の説明によって︑貨幣保有の流動性を保つととの必要が︑日常取引の遂行のための必要から︑また将来の偶発的

な出来ごとに対応する必要から影響をうけるととが推察されるのであって︑そこではとの問題が所謂仰人的動機によっ

て考察されているのである0・マーシャルの即時購買力の概念は云はピ︑ケインズの流動性選好の概念に適やるもので︑

ケインズに於いてはさらに手許貨幣保有の動機が所得動機︑営業動機︑予備的動機及び投機的動機としてより厳密に規

つぎにマーシャルに於いて︑貨幣数量と物価との関係が如何に規定されるであらうか︒今他の事情にして同一である

Oパーセント増加すれば後者もまた一Oパーセントだけ騰貴す

ると云う︑直接の関係が存在する︒勿論人が貨幣の形態で保有しようとする資源の割合の少ければ少いほ芝︑貨幣の全

体の価値が低くなる︒貨幣の数日亙と物価水準・との関係は︑第一に総所得を変化せしめるととろの人口及び宮の変化︑第

二に貨幣に代ってその他の支払方法を使用せしめるととろの信用機関の発達︑第三に商品の製造及び販売の過程に於い

貨幣数量設とケイシズ物価盟論

(10)

て影響するところの輸送︑生産及び一般商業的方法の変化によって︑永続的に変動し︑

によって︑一時的に変動するものである

om

さらに貨幣単位の府民力につき見ると︑他の事情が同一であれば︑貨幣単位の数日一年一と反比例的に変動する︒今不換紙

偽の発行目亙が増加すれば︑そのものL信用は低下するであらう︒そこで十八の保有せんとする即時購買力の宝は減少する

ととL

なる︒即ち各貨幣単位の価値は︑貨幣単位の数

HE

O増加の割合をとえて下落するであらう︒均

そうしてあらゆる地位と股栄を合む一国の住民は︑全体として見て彼等の年々の所得の十分の一と︑その財産の五十 分の一とを合した即時的牒買力を手許に保有するととを仮に利益とするならば︑その国の貨幣の全体の価飢がこれらの 高の合計と等しくなる傾向がある

om

とのようなマーシャルの考へ方のうちに彼の貨幣価s

似の理論が示されているので あるが︑彼の数量説は所謂現金残高数

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¥BJ 

M U F F A同 ・ ・ 可 ・ 品 ︑ 嗣 マーシプルの考へ方を方程式で示したのがピグーである︒彼の数量方程式は彼の論文たる﹁法貨の交換価値﹂叫に於

いて展開されている︒彼の説くととろは大要次の如くだある︒ 一般商業上の信認と景気の変化

(11)

ピグーは一回に於ける法貨の単位当りの交換価値が︑その他の財貨の価値と同様に需要供給の一般的関係によって決

定されるとする︒従って法貨の交換価値の決定に於いて︑貨幣以外の財貨の価値が貨幣とは独立に決定されるとすると

とろに注意したければならない︒こうした観点に立って法貨の交換価値を決定する諸要凶の研究を試みている︒との場

合彼の認める法貨の極演は︑本位貨幣︑補助貨幣及び法律上無制限に適用する政府紙幣である︒そこでは銀行券が除外

/

法貨に対する.需要は︑人の経済生活の特質から日常の取引を円滑に遂行し︑また物価勝賞或ひは予想しがたい需要に

対して応じ得るために︑彼

ω資源を充分に法貨に対する要求権(巴己

g S

開 己 F

gE

円)の形態で維持せんと欲するとO

とろに基づくものである︒そうしてピグ1は︑小麦をもって交換価値を去はすべき財貨を代表させている︒

R4

MH

}小去の数埜で一誌はされた社会の資源の総計(即ち一定期間の所得を去はすととになる)を示し︑kをとれら資

泌が法貨に対する要求権の形態で保存しようとする割合とし︑Mをもって法貨要求権の数量とし

p

を小去によって表P

示されたかLる要求権の単位当りの価他︑または価格を示すものとすれば︑Pは次の式で表はすととが出来る︒

'r

HH

I l l  

LF lv

とこに云う法貨に対する要求総の中には︑現実の法貨の外に銀行券及び要求払演金が合まれるから︑cを法貨に対す

る要求権のうち人が現実の法貨で保有せんと欲する割合とすれば︑二

in )

は銀行券及び銀行演金で人が保有せんとす

る割合である︒さらにhを銀行が銀行券及び銀行額金に対して準備のため保有せんとする現実の法貨の割合とし︑M

現実の法貨の数量とすれば法貨への需要を一不す方程式として上式は次のようにたる︒

n m r

7同町{の+﹃(戸!の)}︒Hu

l{

+ F(

i

n)

}

以上に対してさらにピグーは︑法貨の供給についてといている︒それは法貨の供給の支配される条件を考察するもの

で次の場合をあげている︒

一︑法貨の数主が同定する場合︑法貨の供給金はその存在主に等しいわけである︒即ちその式は忌uUである︒但

Dは常数である︒

貨幣数量設とケイシズ物価理論

(12)

二︑法貨の一部分が任意に決定せられる場合︑そうでたい場合に比較して法貨の供給はその弾力性が少い︒との場合

HU+

( )

三︑法貨が単一金属で造幣局に於いτ自由鋳造される場合︑法貨の供給量はその金属︒貨幣以外の用途にむけられる

数量を控除したものとなる︒

(

B

o g

2 5

﹀または金銀合成本位制

(4 Eg

ogロ目的自)の如き場合に於いては︑供拾の弾力性は大

五︑法貨が鋳造手数料を徴牧される場合は︑例へば百ポンドにつき数シリングの手数料を要求される場合に於いて︑MCClm 

法貨の供給は包

uJ

dq

o

ピグlの方程式について云ひ得るととは︑マーシャルの立論を承継して数量方程式を展開したのであるが︑フィツシ

ャーと対比せしめた場合に後者が流通速度︒概念︒上に交換方程式を組立てたに対し︑前者が資源のうち人が法貨要求

権の形践で保有せんとするその割合を重視したものであり︑所謂実物残高概念のうちにとそケムプリヅヂ学派の数量説

の特徴があったのであるが︑根本的には両者の問に本質的な差異がないと云はねばならない︒m

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さらに論述を進めて︑今やわれわれはケインズの数量説を問題とする段階に到達した︒ケインズ経済学の発展︒跡を

辿るととは︑彼の数量説の克服の過程を追ふととであると云ってよい︒貨幣数量説はケインズ理論の発展の云はど拠点

であった︒﹁貨幣改革論﹂︑﹁貨幣論﹂及び﹁一般理論﹂は貨幣理論︒上に於ける彼の発展を示す三部作であった︒ケイ

ンズも伝統的なケムプリッヂ学派の数量説から出発した︒先づ彼の﹁貨幣改革論﹂に於ける数日亙説をとりあげるととに

﹁貨幣改革論﹂に於いて︑その基礎理論として援用されたのが貨幣数量説であった︒ところで彼の展開した貨幣数量

参照

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