線 量 計 算 精 度 向 上 を 目的 と した 治 療 ヘ ッ ドか らの散 乱 線 に 関 す る研 究
平成25年3月
首都 大学東 京大学院 人 間健康科 学研 究科 博 士後期課 程 人 間健康科 学専攻 放射線 科学域
宮 下 久之
博 士 学 位 論 文
線 量 計 算 精 度 向 上 を 目的 と した
治 療 ヘ ッ ドか らの散 乱 線 に 関 す る研 究
平成25年3月
首都大学東 京大学院 人 間健康科学研究科 博士後期課程 人 間健康科学専攻 放射線科学域
学 修 番 号:0999760S 氏 名:宮 下 久 之 (指 導 教 員名 二齋 藤 秀敏)
目次
要 旨
1章 序 論
1.1が ん と放 射 線 治 療 1.2投 与 線 量 の不 確 か さ
1.3照 射 野 に よ る 光 子 線 出力 の 変 化
L45し の 定 義 と任 意 照 射 野 で の算 出 に お け る現 状 の 問 題 点 1.5醜 の 物 理 特 性
1.6本 研 究 の 目的 1.7本 論 文 の 構 成
11⊥234Qノ
10 11
2章 コ リ メ ー タ 散 乱 係 数 の 計 測 2.1目 的
2.2方 法
2.2.15し の 計 測 2ユ2醜 の 算 出 2.3結 果 お よ び 考 察
2.3.1任 意 正 方 形 照 射野 の 計 測 に よ る 醜 の 算 出結 果 2.3.2任 意 矩 形 照 射 野 の 計 測 に よ る 醜 の 算 出 結 果
2.4小 括
㌔
3333566791¶1111艦1111
3章 治 療 ヘ ッ ドの モ デ リ ン グ と ビ ー ム コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ 3.1目 的
3.2方 法
3.2.1治 療 ヘ ッ ドの モ デ リ ン グ と 光 子 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 322PDD,OARの シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
3.3結 果 お よ び 考 察
3.4小 括
3.3.1PDDの 計 測 値 と シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 計 算 値 の 比 較 結 果 3.320ARの 計 測 値 と シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 計 算 値 の 比 較 結 果 3.3.3客 観 的 評 価 を 用 い た ビ ー ム コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ 結 果
11113557902222222223
4章 シ ミ ュ レ..̲̲.ショ ン に よ るSCの 算 出 4.1目 的
4.2方 法
4.2.1治 療 ヘ ッ ド よ り発 生 す る 光 子 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 4.2.2モ ニ タ チ ェ ン バ に 入 射 す る 粒 子 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 4.2.3空 中 に お け る 水 の 衝 突 カ ー マ の 比(寓)の 算 出 4.2.4後 方 散 乱 係 数(sb)の 算 出
4.2.5シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る ヘ ッ ド散 乱 係 数(5しc&も の 算 出 4.3結 果 お よび 考 察
4.3.1任 意 照 射 野 で の 空 中 に お け る 水 の 衝 突 カ ー マ とS。 の 変 化
4.3.2任 意 照 射 野 で の モ ニ タ チ ェ ン バ 内 の 空 気 の 吸 収 線 量 と,Sbの変 化.̲39 4.3.3任 意 照 射 野 で の5bcalcの変 化 と計 測 値 と の 比 較41
4.4小 括43
11112456773333333333
5章 治療ヘ ッ ドで発生する散乱線 の解析
5.1目 的 5.2方 法
5.2.1散 乱 光 子 と後 方 散 乱 粒 子 の解 析
5.2.2散 乱 光 子 に よ る 空 中 に お け る水 の 衝 突 カ ー マ の 算 出 5ユ3後 方散乱粒子の解析
5.2.4散 乱 光 子 の発 生 位 置 の解 析 5.3結 果 お よび 考 察
5.4小 括
5.3.1サ ン プ リ ン グ さ れ た 光 子 の 解 析
5.3.2サ ンプ リン グ され た 後 方 散 乱 粒 子 の 解 析
5.3.3治 療 ヘ ッ ドよ り発 生 した 散 乱 光 子 の 発 生 位 置 の 解 析
555578900369444444455555"U
6章 フ ラ ッ トニ ン グ フ ィル タ底 面 にお け る散 乱 光 子 の解 析
6.1目 的 6.2方 法
6.2.1フ ィル タ底 面 で の エ ネ ル ギー フル エ ン ス 分 布 の 取 得 6.2.2任 意 照 射 野 にお け る フ ィル タ 底 面 を見 込 む 面積 の算 出 6.2.3検 出点 よ りフ ィル タ 底 面 を見 込 ん だ領 域 を用 い た
エ ネ ル ギ ー フ ル エ ンス の 算 出 6.3結 果 お よび 考 察
61 61 61 61 63
4︽﹂!◎!◎
6.3.1フ ィ ル タ 底 面 に お け る 散 乱 光 子 の エ ネ ル ギ ー フ ル エ ン ス 分 布̲.̲.65 6.3.2フ ィ ル タ 底 面 を 見 込 ん だ 領 域 を 用 い た 乱
エ ネ ル ギ ー フ ル エ ン ス の 算 出 結 果67
6.4小 括 69
7章 総括 71
8章 結 語 73
参考文献 75
謝辞 77
要 旨
が ん に よ る羅 患 率,死 亡 率 が 上 昇 を続 け て い る近 年,放 射 線 治 療 は 大 き く注 目 され て い る。 ま た 高 精 度 放 射 線 治 療 を は じ め と した 複 雑 な 照 射 方 法 が 臨 床 で 行 わ れ る よ うに な り, 特 殊 な 形 状 の 照 射 野 が 頻 繁 に 使 わ れ て い る.標 的 に 対 して 精 度 の 高 い 放 射 線 治 療 を行 うた
め に は,照 射 方 法 だ け で は な く投 与 線 量 の 確 か さ も 向上 させ る事 が 必 要 不 可 欠 で あ り,標 的 体 積 に 正 しい 吸 収 線 量 を投 与 す る た め に もモ ニ タ 設 定 値 を 正 し く決 定 す る こ とは 重 要 で
あ る 。モ ニ タ 設 定 値 を決 定 す る う えで 重 要 な 係 数 の1っ で あ るS。 は,任 意 照 射 野 に 対 して 様 々 な算 出 方 法 が 報 告 され て い る が,あ らゆ る 照 射 野 に 対 して 計 測 値 と一 致 す る 算 出 方 法
は な い の が 現 状 で あ る.
本 研 究 の 目的 は標 的 に対 す る 投 与 線 量 の 不 確 か さ を減 らす た め,治 療 ヘ ッ ド内 で 起 こ っ て い る 物 理 現 象 を モ デ ル 化 した 高 精 度 に コ リメ ー タ散 乱 係 数 を 算 出 で き る ア ル ゴ リズ ム を 開発 す るた め に,治 療 ヘ ッ ド内 で 発 生 し て い る 散 乱 線 に っ い て 詳 細 に解 析 し,そ の特 性 を 明 らか に す る こ とで あ る.
本 研 究 で は,リ フ ァ レン ス デ ー タ と な るS。 を,実 際 の リニ ア ッ ク を用 い て 取 得 した.ま た 現 状 で 使 用 され て い る ε。算 出法 につ い て,計 算 精 度 の 限界 を 明 ら か に した.ま た モ ン テ カ ル ロ法 を 用 い て 治 療 ヘ ッ ド内 で 発 生 し た 散 乱 光 子 とJモ ニ タチ ェ ンバ へ 入 射 す る 後 方 散 乱 粒 子 の シ ミ ュ レー シ3ン を 行 い,そ れ ぞ れ がS。 の 算 出 に 与 え る 影 響 を明 らか に した.加
え て 散 乱 光 子 と後 方 散 乱 粒 子 を 発 生 させ た 治 療 ヘ ッ ド構 造 物 ご とに そ れ ぞ れ 分 離 し,詳 細 な解 析 を行 っ た.ま た 発 生 した 散 乱 光 子 に っ い て,フ ラ ッ トニ ン グ フ ィル タ底 面 に お け る エ ネ ル ギー フル エ ン ス の 変 化 を解 析 した.S。の 算 出 点 か ら照 射 野 ご とに フ ラ ッ トニ ン グ フ ィ ル タ 底 面 を 見 上 げ た 面 積 で 分 布 を 積 分 して 得 た エ ネ ル ギ ー フル エ ン ス と,シ ミ ュ レー シ 響 ンで 得 た 値 を 比 較 す る こ とで,照 射 野 コ リメ ー タ の 開 度 と散 乱 光 子 量 の 変 化 の 関 係 を 明 ら か に した.
本 研 究 に よ り,コ リメー タ 散 乱 係 数 算 出 の た め の ア ル ゴ リズ ム を 開発 す る た め に 必 要 な 治 療 ヘ ッ ド内 で 発 生 した 散 乱 線 の 様 々 な 特 性 を 詳 細 に 得 る こ とが で き た.
事W
1章 序 論
1.1が ん と 放 射 線 治 療
厚 生 労 働 省 よ り発 表 され た"平 成23年 人 口動 態 統 計 月 報 年 計(概 数)の 概 況"1)に よ る と, 日本 にお け る3大 死 因 は悪 性 新 生 物,心 疾 患,脳 血 管 疾 患 で あ る.特 に悪 性 新 生 物 に よ る 死 亡 は 昭 和56年 以 降 死 因順 位 第1位 と な り,図1.1に 示 す よ うに 平 成23年 の 全 死 亡者 に 占 め る 割 合 は28.5%と な っ て い る.ま た財 団 法 人 が ん 研 究 振 興 財 団 か ら発 表 され た"が ん の統 計'll"2)は,2006年 の が ん 羅 患 数 の 多 い 部 位 は 上 か ら順 に 男 女 計 で 胃,肺,結 腸,2010年 の 死 亡 数 の 多 い 部 位 は肺,胃,肝 臓 で あ り羅 患 率,死 亡 数 共 に 一 貫 して 上 昇 を 続 け て い る と 報 告 して い る.
こ の よ うな状 況 に お い て 放 射 線 治 療 は 外 科 療 法,化 学 療 法 と と も に が ん 治 療3本 柱 を担 っ て い る.放 射 線 治 療 に は,局 所 制 御 が 可 能,非 侵 襲 的,臓 器 の 機 能 と形 態 が 保 存 可 能 等 の 特 長 が あ る.こ の こ とか ら今 後 高 齢 化 社 会 を 迎 え る わ が 国 で は,放 射 線 治 療 の 需 要 が 増 え る こ とが 見 込 まれ る.加 えて 近 年 は 定 位 放 射 線 治 療(Stereotacticradiationtherapy;SRT),強 度 変 調 放 射 線 治 療(Intensitymodulatedradiationtherapy;IMRT)と い った 高 精 度 放 射 線 治 療 法 が 開 発 され 放 射 線 治 療 全 体 が 大 き く注 目 され て い る.精 度 の 高 い 放 射 線 治 療 を行 うた め に は,照 射 方 法 だ け で は な く標 的 に対 す る 投 与 線 量 の 確 か さ を 増 や す 事 が 必 要 不 可 欠 で あ る 。
2.3 4.2
4.9°
悪 性 新 生 物 心 疾 患 脳 由L管疾 患
不 慮 の 事故 目 段 ,靱 乏
1)
図1.1平 成23年 の 主 な 死 因 別 死 亡 数 の 割 合
1.2投 与 線 量 の 不 確 か さ
放 射 線 治 療 に お け る 患 者 へ の 投 与 線 量 の 不 確 か さ をICRUReport24')AAPMReport134)で
は5.0%以 内 に す る よ う に 勧 告 し て い る.こ の 基 準 を 達 成 す る た め に は 、 図1.2に 示 す よ う に 患 者 へ の 投 与 線 量 の 計 算 不 確 か さ を4.2%以 内 に す る 必 要 が あ る4).
一 方 で リニ ア ッ ク(lhlearaccelerator;lhlac)の 出 力 は
,治 療 ヘ ッ ド内 に あ る モ ニ タ 線 量 計 に よ っ て 制 御 さ れ て い る.モ ニ タ 設 定 値(M◎nitorUnit;MU)と は 標 的 体 積 に 一 定 の 投 与 線 量 を 照 射 す る た め に 設 定 さ れ る値 の こ と で あ る.MU設 定 値 を 正 し く決 定 す る こ と は 放 射 線 治 療 計 画 で 決 定 され た 計 画 標 的 体 積 に 正 し い 吸 収 線 量 を 投 与 す る う え で 必 要 不 可 欠 で あ る.
MU設 定 値 は,治 療 計 画 装 置 に て 一 般 的 に 次 式 で 算 出 さ れ る.
ル πノ竺 D
7PR(d,A)・8、pω ・DMノ (1ユ)
こ こ で,Dは1回 の 照 射 で 標 的 に 対 し て 処 方 さ れ た 吸 収 線 量(cGy),TPR(d,A)は 深 さ 畝 照 射 野Aに お け る 組 織 一 フ ァ ン トム 線 量 比(Tissue‐PhantomRatio;TPR),̀SAP(A)は 全 散 乱 係 数(出 力 係 数),D財 び は 基 準 照 射 野 と基 準 深 に お い て1MUあ た り に 投 与 さ れ る 吸 収 線 量 (cGy・Mu1)で あ る.標 的 に 投 与 す る 線 量 の 不 確 か さ を 減 少 さ せ る に は,個 々 の 係 数 の 持 っ 不 確 か さ を 減 少 さ せ て 計 算 を 行 な け れ ば な ら な い.
患 者 へ の 投 与 線 量 の 全 不 確 か さ:5.0
フ ァ ン ト ム 内 の 出 力 線 量 評 価:2.5% 患 者 へ の 投 与線 量 の 計 算(治 療 計 画):4.2%
腫 瘍 位 置 ・輪 郭 取 得:2.0%
線 量 勾 配:4.0%/cm
輪 郭 ・標 的 の 取 得 精 度:5。Omm
陣 分 布 計 算 ・3.0°ioフ の 中 心 軸 線 量 係 数:2.0°/o・ 玖 くv¥甫 償 フ ィ ・レタ
図1.2放 射 線 治 療 に お け る線 量 評 価 の 不 確 か さ4>
2
1.3照 射 野 に よ る 光 子 線 出 力 の 変 化
近 年 の 高 エ ネ ル ギ ー 光 子 を利 用 した 放 射 線 治 療 に お い て は,1次 光 子 と散 乱 光 子 を 分 離 し て 標 的 の 吸 収 線 量 を 算 出 す る場 合 が ほ と ん ど で あ る.照 射 野 に よ る 散 乱 線 量 の 変 化 を 分 析 す る に は 次 式 よ り任 意 照 射 野Aの 全 散 乱 係 数(S、P)を 求 め る.
D(a,,A)5「
cp(6〜fラ!登)==D(d
r,Ar,f)
(1.2)
こ こ でD@,助,D@,A,。 £)は そ れ ぞ れ 水 中 の 基 準 深4に お け る 基 準 照 射 野flref(=10cm×10 cm),お よ び 任 意 照 射 野Aに お け る 吸 収 線 量 で あ る.
正 方 形 照 射 野 で は,照 射 野 コ リ メ ー タ の 開 度 と照 射 体 積 が 同 じ割 合 で 変 化 す る た め 測 定 さ れ た5塾pを そ の ま ま 適 用 す る こ と が 可 能 で あ る.し か し,マ ル チ リー フ コ リ メ ー タ(multi leafcollimator;MLC)が 複 雑 に 入 り組 む 不 整 形 照 射 野 の 場 合,治 療 ヘ ッ ドよ り発 生 す る 散 乱
光 子 に よ る 線 量 寄 与 と フ ァ ン トム 内 で 発 生 す る 散 乱 光 子 に よ る 線 量 寄 与 を 分 離 し て 考 え な く て は な ら な い.
Kalmは,加 速 器 ヘ ッ ドの 構 造 と 照 射 野 コ リ メ ー タ(collimatorjaws)の 開 度 に よ る 散 乱 線 量 に よ る 光 子 の 吸 収 線 量 の 変 化 を コ リ メ ー タ 散 乱 係 数(collimatorscatterfactor;S、),MLCや ブnッ ク な ど で 最 終 的 に 形 成 さ れ る 照 射 野 の 形 状 に よ り フ ァ ン トム 内 で 発 生 す る 散 乱 光 子 に よ る 光 子 の 吸 収 線 量 の 変 化 を,フ ァ ン トム 散 乱 係 数(phantomscatterfactor;εDと して 分 離 し た5).5φ と醜,SPの 関 係 式 は 次 式 の よ う に 表 さ れ る.
s盤5「cpcp ×S' (1.3)
コ リ メ ー タ 散 乱 係 数 は,論 文 や 書 籍 に よ っ て ヘ ッ ド散 乱 係 数(deadscatterfactor)ま た は 空 中 出 力 線 量 比(h1一 諭 ◎utputrati◎)と 表 わ さ れ て い る が,本 研 究 で は コ リ メ ー タ 散 乱 係 数 で 表 記 を 統 一 す る.
1.451の 定 義 と 任 意 照 射 野 で の 算 出 に お け る 現 状 の 問 題 点
AAPMReportTG‑746)で は,照 射 野Aに お け る コ リメ0タ 散 乱 係 数5し(A)を 以 下 の よ うに 定 義 して い る.
KP(・4,Zref)/ル πノs
、(A)=K
,(4ef,Zref)IMU
(1.4)
こ こでKPは 治 療 ヘ ッ ド内で 発 生 した 一 次 光 子 に よ る空 中 にお け る水 の 衝 突 カ ー マ,Zr,fは タ ー ゲ ッ ト ー検 出器 間 の 距 離(通 常 は100cm)で あ り,こ の 場 合 の 一 次 光 子 は,治 療 ヘ ッ ド 内 の 構 造 物 で 発 生 した 光 子 を包 括 して 示 して い る.S,。 を 算 出す る 点 で 荷 電 粒 子 平 衡 が成 立 して い る場 合,水 の 衝 突 カ ー マ は 吸 収 線 量 に近 似 す る こ とが で き る.
一 般 的 に 乱 は 図1 .3に示 す(a)Farmer形 電離 箱線 量計 と(b)電 位 計,(c)ア ク リル 製mini phantomを 使 用 して,任 意 正 方 形 照 射 野 の 計 測 結 果 か ら吸収 線 量 を算 出 し以 下 の 式 で 求 め る.
D(A)S
、(A)=D(4
。f) (1.5)
こ こ で,D(A,ef),D(A)は そ れ ぞ れ 基 準 照 射 野A,ef,任 意 照 射 野Aに お け るminiPhantom内 で の 吸 収 線 量 で あ る.
4
(a)Farmer形 電 離 箱 線 量 計
(b)電 位 計
(c)miniphantom
図1.3S計 測 用 機 器 の 外 観
C
実 際 の 放 射 線 治 療 で 形 成 され る 照 射 野 は,標 的 体 積 の 形 状 に よ っ て縦 横 比 の 大 き い 矩 形 照 射 野 の 場 合 や,複 雑 な 不 整 形 照 射野 の 場 合 な ど多 種 多 様 で あ る.こ の 場 合 に は,任 意 照 射 野 と等 価 な 正 方 形 照 射 野 を算 出 し,S。 の 計 算 に用 い られ る の が 一 般 的 で あ る.
矩 形 照 射 野 にお け る 醜 算 出 方 法 の1っ と して 現 在 使 わ れ て い る 代 表 的 な も の に,Sterling らに よ る 面 積 周 囲長 比 法(Area∠Pe舳e重erMeth◎d;A/P法)η が あ る.こ の 方 法 は 矩 形 照 射 野 に お け る 面 積 と全 周 囲 長 の 比 が 等 し い 正 方 形 照 射野 を等 価 照 射 野 と し,そ の 正 方 形 照 射 野 の s。 を採 用 す る方 法 で あ る.・ 法 で は,辺 の長 さ 研 お よびLの 矩 形 照 射 野 と等 価 な 正 方 形 照 射 野 の1辺 の 長 さ1は 次 式 で 求 め られ る.
2・ 研 ・Ll
=
研+五 {1.6}
し か し,式(1.6)で 算 出 さ れ た 正 方 形 照 射 野 の 醜 と,実 際 に 計 測 し た 矩 形 照 射 野 のs。 を 比 較 す る と差 を 生 じ る こ とが 多 い.
表1.1に 公 称6MVの 光 子 を 発 生 さ せ る リ ニ ア ッ ク(Clinac21EX,VarianMedicalSystems)
を 用 い,任 意 照 射 野 に お い て 計 測 に よ り 得 たs、 と,同 条 件 でA/P法 を 用 い て 算 出 し た5し を そ れ ぞ れ 比 較 し て 示 す.2つ の 問 に は 最 大 で1.2の 差 が あ り,ま た 矩 形 照 射 野 の 縦 横 比 が 大 き く な る に つ れ て 差 が 大 き く な る傾 向 に あ る こ と が わ か る.
表1.1任 意矩 形 照 射 野 にお け る計 測 とA/P法 で得 たS。,お よび 計測 値 に対 す る計 算値 の相 対 偏 差
上 段 コ リ メ ー タ の 開 度[cm1
壌下段 コ リ メー タ の 開度 はScmに 固 定 した
計測値 計算値 相 対偏 差(%)
5
0965
!・
!i
10
!'.
0.973
一〇.86
20
0.993
i':・
一〇 .75
30
0.999
!・'!
一〇.92
40
1.004
0.992
一L20
6
ま た リニ ア ッ ク 内 の 照 射 野 コ リ メー タ の 幾 何 学 的 位 置 の 違 い か ら,ア イ ソセ ン タ 面 に お け る照 射 野 サ イ ズ が 同 じで あ っ て も 照 射 野 コ リメ ー タ のX方 向 とY方 向 の 開 度 を逆 に 設 定 す る こ とで,ε 。が 異 な る コ リメー タ反 転 効 果(collhnat◎rexchangeeffect:CEE)と 呼 ば れ る 現 象 が あ る.こ れ は 上,下 毅 照 射 野 コ リメ ー タ の 幾 何 学 的 位 置 の 違 い か ら,開 度 を 逆 に 設 定 す る と,検 出 点 か ら治 療 ヘ ッ ドの フ ラ ッ トニ ン グ フ ィル タ底 面 を 見 上 げ た 時 に フ ラ ッ トニ ン グ フ ィ ル タ底 面 の遮 蔽 割 合 が 異 な っ て く る こ と に起 因 す る.こ の 現 象 は,現 状 で は 照mら が 報 告 した 照 射 野 コ リメ ー タ の 幾 何 学 的 位 置 の 違 い を 加 重 係 数 と し て 重 み 付 け す る"fieldmapping法"を 用 い て 補 正 が で き る と され て い る8).照射 野 の1辺 の長 さ が 躍 お よ びZの 矩 形 照 射 野 に お い て,治 療 ヘ ッ ド内 の フ ラ ッ ト.=ン グ フ ィル タ底 面 に逆 投 影 した 照 射 野 の 面 積 と等 しい 照 射 野 の1辺 の 長 さ1'は 次 式 で算 出 され る.
1・一(1+k)'研 辱五
k・ 研+z (1.7)
こ こ でkは 照 射 野 コ リ メ ー タ の 幾 何 学 的 位 置 の 違 い を 補 正 す る 加 重 係 数 で あ り,図1.4に 示 す よ う に 線 源 一上 段 コ リ メ ー タ 上 縁 間 を11y,上 段 コ リ メ ー タ 上 縁 一5b算 出 点 問 を 侮,線 源
一下 段 コ リ メ ー タ 上 縁 問 を11
。,下 段 コ リ メ ー タ 上r‑S算 出 点 間 の 距 離 を12yと す る と 、kは 次 式 で も と め ら れ る.
蝶
(1.8)k一 玉X1
"ZX {1.9)
館 生kY (1。10)
しか し 、 式(L10)で 求 め られ たkは 治 療 ヘ ッ ドの 構 造 に依 存 す る た め,所 持 す る リニ ア ッ ク が 異 な る機 種 で 複 数 台 あ る場 合 に は リニ ア ッ ク ご と に算 出す る 必 要 が あ る.さ ら に全 て の 照 射 野 に 対 して 精 度 よ く 補 正 す る こ とが で き な い.そ の 他 に も様 々 な 等 価 照 射 野 の 算 出 法 が 報 告 され て い る9‑11)が,臨 床 で使 用 され る あ ら ゆ る 照 射 野 に対 して 計 測 値 と一 致 す る S。算 出 方 法 は な い の が 現 状 で あ る.
y1 yち
匹
D G
3、算 出 点
11x
12。
図1.4タ ー ゲ ッ トと照射 野 コ リメ ー タ の 各 位 置 関係 の模 式 図
S
項.5晶 の 物 理 特 性
任 意 照 射 野 のS。 を 正 確 に 算 出 す る に は 照 射 野 に よ る値 の変 化 に 着 目す るだ け で は な く, S。自体 に寄 与 す る散 乱 線 具 体 的 に は プ ラ イ マ リー コ リ メー タや フ ラ ッ トニ ン グ フ ィル タ 等 治 療 ヘ ッ ド構 造 物 と一 次 光 子 の 相 互 作 用 で 発 生 し た 散 乱 光 子 や,モ ニ タ チ ェ ンバ に 入 射 す る後 方 散 乱 粒 子 の 物 理 特 性 を考 慮 す る必 要 が あ る 。
Ch撒eyら は,治 療 ヘ ッ ドよ り発 生 した 散 乱 光 子 の フ ル エ ン ス とエ ネ ル ギ ー ス ペ ク トル か らS。 を 評 価 した12).し か し吸 収 線 量 や 空 中 に お け る 水 の衝 突 カ ー マ を 用 い て 評 価 を行 わ な か っ た た め,実 測 のS,。 との 問 に 差 が 生 じた.
一 方,Duzenliら はモ ニ タチ ェ ンバ に 入 射 す る後 方 散 乱 粒 子 が リニ ア ッ クの 出 力 に 与 え る 影 響 をテ レス コー プ 法 で 計 測 し,"relativechamberreading"と して 評 価 した13).ま たKwok
ら は,タ ー ゲ ッ トに 付 与 され る 電 荷 を 計 測 して モ ニ タ 後 方 散 乱 係 数 を算 出 しそ の 影 響 を 評 価 した14).し か し これ ら の報 告 は モ ニ タ チ ェ ンバ に 入 射 す る後 方 散 乱 粒 子 と い う現 象 に っ い て の み を 報 告 した も の で あ り,正 しいS,、を算 出す る た め の 定 量 的 な 要 素 して は 不 十 分 で
あ っ た.
そ の よ うな 中,Geogeら は モ ン テ カル ロ法 を用 い て モ ニ タ チ ェ ンバ に 入 射 す る 後 方 散 乱 粒 子 に よ る 出力 の 変 化 を 考 慮 したS。 を 算 出 し,計 測 値 と比 較 した15).こ の報 告 で は シ ミ ュ レ ー シ ョ ン値 と計 測 値 は 良 好 に 一 致 し,さ らに矩形照 射 野 につ い て も言及 してい る.し か し, 彼 らの 報 告 した シ ミ ュ レー シ ョ ン結 果 はS、 に 寄 与 す る散 乱 線 を 全 て 包 括 した も の で あ り, 散 乱 光 子 や 後 方 散 乱 粒 子 を個 々 に 解 析 した デ ー タ は な い.ま た,モ ン テ カル ロ法 でS。 を直 接 算 出す る の は 計 算 に 膨 大 な 時 間 を 消 費 し,臨 床 に は 不 向 き で あ る.
S、の 算 出 に はsMLCに よ る 不 整 形 照 射 野 を含 め 臨 床 で使 用 され る照 射 野 に 対 して 高 精 度 で 計 算 時 間 が 少 な くzか つCEEの 影 響 を考 慮 した 算 出 方 法 が 求 め られ て い る.
1.6本 研 究 の 目 的
が ん に対 す る羅 患 率,死 亡 率 が 一 貫 し て上 昇 を 続 け て い る近 年 ,照 射線 治療 は大 き く注 目 され て い る.ま た 高 精 度 放 射 線 治 療 を は じ め と した 複 雑 な 照 射 方 法 が 臨 床 で 行 わ れ る よ うに な り,今 ま で で は考 え られ な か った 形 状 の 照 射 野 が頻 繁 に 使 われ る よ うに な っ て い る.
本 研 究 の 目的 は 標 的 に 対 す る投 与 線 量 の 不 確 か さ を 減 らす た め,治 療 ヘ ッ ド内 で 起 こ っ て い る物 理 現 象 を モ デ ル 化 した 高 精 度 に コ リメ ー タ散 乱 係 数 を 算 出 で き る ア ル ゴ リズ ム を 開 発 す るた め に,治 療 ヘ ッ ド内 で 発 生 して い る散 乱 線 に つ い て 詳 細 に解 析 し,そ の 特 性 を 明 らか にす る こ とで あ る.
10
1.7本 論 文 の 構 成
本 論 文 の 第1章 で は,本 研 究 の背 景 と して 近 年 の 放 射 線 治 療 を 取 り巻 く環 境 と51の 定 義 ま たS。 算 出 に 関 す る過 去 の 論 文 を報 告 し現 状 の 問題 点 を述 べ た 。
第2章 で は,モ ンテ カ ル ロ法 を 用 い て シ ミ ュ レー シ ョン を行 うた め の リ フ ァ レ ン ス デ ー タ と して,実 際 の リニ ア ック を使 用 し実 測 デ ー タか ら&を 算 出 した.ま たCEEに よ るs。
の 変 化 を 明 らか に した.
第3章 で は,実 機 を 忠 実 に 再 現 した シ ミ ュ レー シ ョンモ デ ル を構 築 す る た め に ビー ム デ ー タ の シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 い ,実 機 の ビー ムデ ー タ とコ ミッシ ョニ ング をす る こ とで シ
ミ ュ レー シ ョン精 度 を評 価 した.
第4章 で は,治 療 ヘ ッ ド内 の 光 子 の シ ミ ュ レー シ 藤ン を 行 い 治 療 ヘ ッ ドか ら発 生 した 散 乱 光 子 に よ る線 量 寄 与 と,後 方 散 乱 粒 子 に よ る モ ニ タチ ェ ン バ へ の 寄 与 を 照 射 野 ご とに 明 らか に した.ま た シ ミ ュ レー シ ョン結 果 か らs。を 算 出 し実 測 の 哉 と比 較 す る こ とで シ ミュ レー シ ョン 精 度 を 評 価 した.
第5章 で は,照 射 野 に よ るS。の 変 化 に 起 因す る治 療 ヘ ッ ド内 で 発 生 した 散 乱 光 子 や,モ ニ タ チ ェ ン バ に 入 射 し た 後 方 散 乱 粒 子 に つ い て,シ ミュ レー シ ョ ン で 得 られ た 情 報 を 基 に 発 生 源 とな る治 療 ヘ ッ ド構 造 物 ご とに 詳 細 な解 析 を 行 っ た.
第6章 で は,任 意 照 射 野 でs。 を算 出す る た め の研 究 と して,フ ラ ッ トニ ン グ フ ィル タ底 面 に お け る プ ラ イ マ リー コ リメ ー タ と,フ ラ ッ トニ ン グ フ ィル タ よ り発 生 した 散 乱 光 子 の 空 間 エ ネ ル ギ ー フル エ ン ス 分 布 を 算 出 した.ま た,S。 算 出 点 か ら フ ラ ッ トニ ン グ フ ィ ル タ 底 面 を見 上 げ た 面 積 で 積 分 し た散 乱 光 子 量 と,実 際 の シ ミ ュ レー シ ョン で 得 た 散 乱 光 子 量 を比 較 し,実 際 に任 意 照 射 野 の 光 子 線 量 を 算 出 す る際 に 照 射 野 ご と にs。 算 出 点 よ り ター ゲ ッ ト側 を 見 上 げ た 時 に決 定 され る フ ラ ッ トニ ン グ フ ィル タ底 面 の 面 積 で積 分 して 値 を 得 る こ とが 有 用 で あ る か を検 討 した.
第7章 で は,第2章 か ら第6章 で得 られ た研 究 成 果 を 要 約 し本 研 究 の 総 括 を 述 べ た.
2章 ヘ ッ ド散 乱 係 数 の 計 測
2.1目 的
実 際 の リニ ア ッ ク を反 映 させ た 乱 の シ ミ ュ レー シ ョン を 行 うた め に は,正 確 な 計 測 デ ー タ が 必 要 不 可 欠 で あ る.ゆ え に 本 章 で は,シ ミ ュ レー シ ョ ン に お い て リフ ァ レ ンス デ ー タ とな るs。 を実 測 よ り取 得 し,ま た 現 状 で 問題 とな っ て い るCEEに よ るS。 の 変 化 の割 合 を 明 らか に す る こ とを 目的 とす る.
2.2方 法 2.2.董51の 計 測
図1.3に 示 し た(a)Fa】 ㎜er形 電 離 箱 線 量 計(TN30013,Physikalisch‑TechnischeWerkstatten) と(b)電 位 計(RAMTECIoaoplusTOYOMEDIC)お よ び(c)ア ク リル 製mi難iPh磁omを 用 い てSAD100cmに お け る 任 意 正 方 形 照 射 野 の 電 離 量 の 計 測 を 行 っ た.MU設 定 値 は 全 て の 照 射 野 に お い て100MUに 統 一 し た.使 用 し たminiPhantomは 円 柱 型,半 径2cm,高 さ 20cm,測 定 深10cmで あ り,電 離 箱 長 軸 と ビ ー ム 軸 を 水 平 に 配 置 す る 構 造 で あ る.ま た5」
の 測 定 に お い て フ ァ ン トム 内 で 荷 電 粒 子 平 衡 を 成 立 さ せ,治 療 ヘ ッ ドや 空 気 中 で 発 生 し た 電 子 の 混 入 に よ る 線 量 寄 与 の 変 化 を 防 ぐ 役 目 を 持 っ.
図2.1に 測 定 ジ オ メ ト リ を 示 す.リ ニ ア ッ ク は 図2.2に 示 す(a)公 称4MVのX線 を 発 生 さ せ るClinac6◎OCと(b)6MVのX線 を 発 生 させ るClinac21EXを 使 用 し た.
ま たGlinac21EXに つ い て,CEEに よ る εcの 変 化 を 明 ら か に す る た め に 任 意 矩 形 照 射 野 に つ い て,上,下 段 照 射 野 コ リ メ ー タ の 開 度 を 反 転 さ せ 同 様 の 機 器 を 用 い,電 離 量 の 計 測 を 行 っ た.
13
miniphantom
層起
図2.1S測 C 定 の ジ オ メ ト リ
(a}Clinac6000 (b)Clinac21EX
図2.2使 用 し た リニ ア ッ ク の 外 観
2.2.251の 算 出
全 て の 計 測 結 果 か ら任 意 照 射 里預 に お け る コ リメ ー タ散 乱 係 数5冥 の を算 出 した.計 測 した 照射 野 範 囲 内 にお け る線 質 変 換 係 数kQの 変 化 は 無 視 す る こ とが き るた め,算 出 に は 次 式 を用 い た.
M(A)s
。(A)=M(4
。f)
(2.1)
こ の とき,M(A}は 任 意 照 射 野オにお け る 電 位 計 の 表 示 値 で あ る.
15
2.3結 果 お よ び 考 察
2.3.1任 意 正 方 形 照 射 野 の 計 測 に よ る 鼻 の 算 出 結 果
図2.3に 実 測 よ り 算 出 し た 任 意 正 方 形 照 射 野 に 対 す るs、 を そ れ ぞ れ 示 す.Clinac21EX のS、 の 値 は,測 定 を 行 っ た5cm×5cmか ら40cm×40cmの 範 囲 で0 .965か ら1.049 ま で,600Cは 同 様 の 範 囲 で0.971か ら1.031ま で 照 射 野 が 大 き く な る に 従 い 増 加 し,そ の 増 分 は ゆ る や か に 減 少 す る 変 化 を み せ た.同 じ大 き さ の 照 射 野 で あ っ て も 互 い の リニ ア ッ ク が 異 な るs、 の 値 を と っ た の は,治 療 ヘ ッ ド構 成 物 の 材 質 や 構 造,ま た 発 生 す るX線 の 線 質 の 違 い に よ る も の と 考 え られ た.
1.10
1.05
'r^U‑‑1.00
0.95
i・1
●●
●
・6000
●21EX
●●
●●
●●
●●
●●
●●
01020304050
Asideofsquarefield[cm]
図2.3計 測 に よ る 任 意 正 方 形 照 射 野 のSGの 変 化
2.3.2任 意 矩 形 照 射 野 の 計 測 に よ る 晶 の 算 出 結 果
図2.4にClinac21EXに お い て 上 下 い ず れ か の 照 射 野 コ リメ ー タ の 開 度 を5cmに 固 定 し, 他 方 の コ リ メ ー タ を 任 意 に 変 化 さ せ た と き のS,、 の 変 化 を 示 す.上 陵 照 射 野 コ リ メ ー タ を 固 定 し た 場 合 のs、 は15cm・5cmで 最 大 の0.973と な り,以 降 は 下 段 コ リメ ー タ の 開 度 を 大 き く し て も ほ ぼ 同 じ値 を 示 し た.一 方 で 下 毅 照 射 野 コ リ メ ー タ を 固 定 し た 場 合 の 乱 は, 照 射 野5cm×5cmで0.965,5cm×40cmで1.004と 測 定 し た 範 囲 で 一 様 に 値 が 増 加 し た.こ れ は,上 下 段 照 射 野 コ リ メ ー タ がs、 の 変 化 に 与 え る 影 響 が そ れ ぞ れ 異 な り,特 に 上 段 コ リ メ0タ が 大 き く 影 響 す る も の と 考 え ら れ る.両 者 の 差 は 照 射 野 の 縦 横 比 が 大 き く な る に つ れ て 大 き く な り,最 大 で3.1%み られ た.
表2.1に40cm×5cm照 射 野 に お け る 計 測 値 と,AIP法,fieldmapping法 で 計 算 し た 醜, お よ び 計 測 値 に 対 す る 各 法 で 算 出 し た 計 算 値 の 相 対 偏 差 を 示 す.A/P法 で 計 算 し たS。 は 計 測 値 に 対 し て1.82%の 差 が み ら れ た.一 方,fieldmapping法 で 計 算 し た 値 はAρ 法 で 計 算 し た 値 よ り も 計 測 値 に 近 づ い た が,そ れ で も 相 対 偏 差 が0.97%と 精 度 高 く 一 致 さ せ る こ と は で き な か っ た.
17
1.04
1.02
しっ。1.00
0.98
̀・
01020304050
Theopeningofthejawsoftheotherside[cm]
図2.4計 測 に よ る 任 意 矩 形 照 射 野 の&の 変 化
(上,下 段 照 射 野 コ リメ ー タ のい ず れ か の 開 度 を5cmに 固 定 し,他 方 を変 化 させ て計 測 を行 っ た)
表2.140cm×5cm照 射 野 の 計 測 に よ る5し,お よ び 各 方 法 で 算 出 し たS、 の 比 較
Relativedeviation(%)
Measured
A/Pmethod
fieldmappingmethod
0.975
a.992
0.984
一1 .82
‑0 .97
2.4小 括
S,。を 計 測 す る た め の 機 器 を 用 い て,基 準 照 射 野 に 対 す る そ れ ぞ れ の 任 意 照 射 野 の 線 量 比 か ら シ ミ ュ レ.̲̲.ショ ン に お い て リ フ ァ レ ン ス デ ー タ と な るScを 計 測 よ り取 得 し た.ま た
.・ 法 と丘eldmapping法 を 用 い て 計 測 値 とS
。が 等 価 と され る 照 射 野 を 求 め る こ と でS,。 を 算 出 し た 。 計 測 値 のs、 に 対 す る 各 法 のS,、 の 相 対 偏 差 を 算 出 す る こ と で,計 算 精 度 の 限 界
を 明 ら か に した.
19
3章 治 療 ヘ ッ ドの モ デ リ ン グ と ビー ム コ ミ ツ シ ョ.ニング
3.1目 的
モ ン テ カ ル ロ 法 を用 い て 治 療 ヘ ッ ドか ら発 生 す る散 乱 線 を解 析 す る 場 合,シ ミ ュ レー シ ョン で は リニ ア ッ ク の ジ オ メ トリだ け で は な く,発 生 す る 光 子 の 物 理 特 性 も詳 細 に 再 現 し な け れ ば な らな い.本 章 の 目的 は,実 際 の リニ ア ッ ク の ビ ー ム デ ー タ を も とに 発 生 す る光 子 の 物 理 特 性 が 一 致 した シ ミュ レー シ ョ ン体 系 を構 築 す る こ とで あ る.
3.2方 法
3.2.1治 療 ヘ ッ ドの モ デ リ ン グ と 光 子 の シ ミ ュ レー シ ョ ン
治 療 ヘ ッ ドか ら発 生 す る ビ ー ム を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン す る た め のECrSnrcMonteCarlocode
の ユ ー ザ コ ー ドで あ るBEAMnrccode(NationalResearchCouncilofCanada)16)を 使 用 し て Clulac644Cの 治 療 ヘ ッ ド内 部 を メ ー カ ー に よ る ジ オ メ ト リ デ ー タ を 基 に 忠 実 に 再 現 し た.
図3.1に シ ミ ュ レー シ ョ ン の ジ オ メ ト リ を 示 す 。 治 療 ヘ ッ ドは ビ ー ム の 進 行 方 向 に 従 っ て タ ー ゲ ッ ト,プ ラ イ マ リー コ リメ ー タ,フ ラ ッ トニ ン グ フ ィ ル タ,モ ニ タ チ ェ ン バ,照 射 野 ミ ラ ー,照 射 野 コ リ メ ー タ の 順 に 構 築 し た 。 ま た 線 源 一サ ン プ リ ン グ プ レー ン(s◎urce‑
samplingplanedistance;SSD)問 の 距 離 が100cmと な る 位 置 に ス コ ア リ ン グ プ レ0ン を 設 定 し た.
Bagheriら1'7,18),My(卵oyamaら19)に よ る と線 量 分 布 に 影 響 を 与 え る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン パ ラ メ ー タ は,タ ー ゲ ッ トへ 入 射 す る 電 子 の 平 均 エ ネ ル ギ ー,エ ネ ル ギ ー 分 布 お よ び タ ー ゲ ッ ト入 射 面 で の 空 間 分 布 で あ る.特 に 電 子 の 平 均 エ ネ ル ギ ー と 空 間 分 布 は そ れ ぞ れ 深 部 線 量 百 分 率(percentagedepthdose;PDD),軸 外 線 量 比(offaxisrati◎;OAR)に 与 え る 影 響 が 大 き い と報 告 さ れ て い る.そ の た め 電 子 の エ ネ ル ギ ー 分 布 の 広 が り は3.0%と 固 定 し,平 均 エ ネ ル ギ ー をBagheriら20)がChnac600Cの 公 称4MVX線 に 対 し て 推 奨 す る 値 を 基 準 に 変 化 さ せ,照 射 野14cm×10cmお よ び40cmx40cm,に 対 し て 光 子 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 っ た.サ ン プ リ ン グ プ レー ン に 入 射 し た 粒 子 は エ ネ ル ギ ー,入 射 位 置,入 射 角 度 な ど の 情 報 を も っ たphasespacefile16)と し て 記 録 さ れ た.タ0ゲ ッ トへ 入 射 す る 電 子 の 数 は,統 計 的 不 確 か さ が2.0%以 下 に な る よ う に1.2×10"個 と し た.
Eヨ̲̲̲̲
麗 畷 綴翻 麗 幽 漉 翻 畷 認 職 隠顯 襯 糟 働 鱒 騨 鱗
̲一 一Target
Primarycollimator
Flatteningfilter Mo煎orch徽ber
FieldlightmiryOr
Upperandlowercollimatorjaws
i1!
Samplingplane
・匙
図3.1Clinac6000シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の ジ オ メ ト リ
22
3.2.2PDD,OARの シ ミ ュ レー シ ョ ン
BEA魏 ㎞cに よ る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り得 られ たphasespacefileを,DOSXYZnrcc◎de2D
の 入 射 ビ ー ム と し て コ ー ド化 した 水 フ ァ ン トム に 入 射 さ せ てPDD,OARの 計 算 を 行 っ た 。 DOSXYZ難rcコ ー ドは,任 意 に 作 成 した フ ァ ン トム に つ い て ボ ク セ ル 毎 の 吸 収 線 量 を 計 算 す るEGSnrcの ユ ー ザ コ ー ドで あ る.
図3.2にPDD,図3.3にOARの 計 算 用 に コ ー ド化 し た 水 フ ァ ン トム を 示 す.日 本 医 学 物 理 学 会 編 の 「外 部 放 射 線 治 療 に お け る 水 吸 収 線 量 の 標 準 計 測 法(標 準 計 測 法12)22),お よ びr外 部 放 射 線 治 療 に お け る 吸 収 線 量 の 標 準 測 定 法(標 準 測 定 法 ◎1)23)によ る と,4MVX線 の 最 大 深 は 便 宜 的 に1.Ocmと な っ て い る た め,PDDの シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に お い て 水 中 の 深 さ1.O cm近 傍 は 水 フ ァ ン トム を0.4c搬 と 細 か く 設 定 し,そ れ 以 降 は1.Ocmに 設 定 し た.
一 方OARの シ ミ ュ レー シ ョ ン に お い て は
,水 中 の 深 さ を10cmに 設 定 し た.ま た,ス キ ャ ン 方 向 の フ ァ ン トム は,計 測 時 に お け る 計 測 間 隔 と 同 様 の0.5cmに 設 定 し た.
実 測 で 得 た ビ ー ム デ ー タ に 対 す る シ ミ ュ レ,..̲..ショ ン 精 度 の 評 価 に は,客 観 的 な 評 価 を 行 うた め にVenselaarら24),AAPMTG‑532s)が 提 唱 す る 方 法 を 参 考 に した.こ の 方 法 は,図3.4 に 示 す よ う に 線 量 分 布 を 線 量 の 大 小,勾 配 の 大 小 で 領 域 分 け し て そ れ ぞ れ を 評 価 す る も の で あ る.シ ミ ュ レー シ ョ ン で 得 た ビ ー ム デ ー タ か ら,各 領 域 のConfidencelimit24)お よ び Distancetoagreement(DTA)の 値 を 算 出 し,Venselaarら が 同 条 件 で 許 容 す る 値 と比 較 す る こ
と で ビ ー ム モ デ リ ン グ の 評 価 を 行 っ た.
・i
60.5cm
箔 '騨
⁝⁝
門 ⁝/舶
ン㎜}}
⁝
⁝一蝋〜./ノノ︑♂ノ
ノα ㎜
0.2cm
G.4c磁 × フ
0.5cm
1.◎cm× 玉7
6Q.5cm
60.5cm
2.Ocm
㎝
̲.̲..一 一..∠
〆〆
♂/ '/ bf ノ♂.「
ノ ノ/
0.5cmx121
図32PDD取 得 用 水 フ ァ ン トム の ジ オ メ ト リ 図3.30AR取 得 用 水 フ ァ ン トム の ジ オ メ ト リ
夢
晦ー妻ー婁
ゾ ㌧
ρV繰峯肇燐 毒
.
/ 蜘曳瞬ー〜〜,気〜
蛎〜
蝋 職騨 廊双o野 鼻柵無
襯 唖轍 輩楴糖一 棚 謡
♂ 〜
蓋 §
〜
}
曳
ギ
忍
雀 葦
2:porntsin
響 警
4:points」
量 覇 1 ヨ
2:po1簸 重si貧thebu銀d‑UPreg三 ◎熱
1:pointsanthecentralbeamaxis beyo薮d重hedepth◎f4』ax
2:pointsinthepenumbra
4:pointsoffthegeometricalbeamedgesandbelowshieldingblocks
3:P◎intsbeyond4h蓑 …x,withinthebeambutoutsidethecentralb¢a鶉 臓axis
図3.4ビ ー ム コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ の た め の 各 領 域 区 分 の 模 式 図
24
3.3結 果 お よ び 考 察
3.3、1PDDの 計 測 値 と シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 計 算 値 の 比 較 結 果
図3.4に 計 測 結 果 か ら算 出 し たPDDと,各 平 均 入 射 電 子 エ ネ ル ギ ー で シ ミ ュ レ ー シ ョ ン し たPDDを 示 す.実 際 の リ ニ ア ッ ク に よ る 計 測 の 結 果,PDDの 最 大 深 は1.2CR1と 標 準 計 測 法12,標 準 測 定 法 ◎1に 記 載 さ れ て い る 値 と0.2cm異 な っ て い た.ま た 計 測 に よ るPDD
と最 も 一 致 し た の は,平 均 エ ネ ル ギ ー が4.OMeVのPDDで あ っ た.
図35に 計 測 値 に 対 す る 各 エ ネ ル ギ ー に よ る 計 算 値 の,水 中 に お け る 深 さ ご と の 相 対 偏 差 の 変 化 を 示 す.実 測 に よ るPDDと 一 致 し た4.OMeVの 場 合 で は,ビ ル ドア ッ プ 領 域 以 降 の 各 深 さ に お い て+3.0%以 内 で 一 致 し た.sら の 報 告2◎)で推 奨 さ れ て い る エ ネ ル ギ ー が3.7MeVのPDDに お い て は,相 対 偏 差 は 全 体 的 に マ イ ナ ス 方 向 へ 分 布 し た.分 布 は 水 中
に お け る 深 さ が 大 き く な る に つ れ て 増 大 し,最 大 で14.5%だ っ た 。 こ れ は 実 際 の リ ニ ア ッ ク に 対 し て 平 均 入 射 電 子 エ ネ ル ギ ー が 小 さ い こ と を あ ら わ し て い る.反 対 に エ ネ ル ギ ー が 4.OMeVよ り大 き い4.3,4.5MeVの 場 合 に は 相 対 偏 差 が プ ラ ス 方 向 へ 大 き く偏 移 し た.偏 移 は 水 中 に お け る 深 さ が 大 き く な る に つ れ て 増 大 し,4.3MeVの 場 合 で 最 大5.2%,4.5MeV
の 場 合 で 最 大9.5%で あ っ た.
(ま)O(︻ 120
100
80
60
40
20
噌
へ 、、 .\
L㌔、
、L㌧
a
Measured 3.7MeV 4.OMeV 4.3Mel
0
0510152025
Depthinwater{cm)
図3.410cm×10cmに お け る 各 入 射 電 子 エ ネ ル ギ ー の 水 中 の 深 さ ご と のPDD曲 線 の 比 較
(ま冒o慧唱﹀︒℃︒﹀慧可
15
10
5
0
一5
一10
一15
3.7MeV ロ4 .OMeV
4,3MeV
」
口。 口口 口 凹 口凹%口 唱
][〕 口 口
略 這 」]ロ ロ
OS101520ZS
Depthinwater{cm}
図3.5シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ るPDDの 計 測 値 に 対 す る 水 の 深 さ ご と の 相 対 偏 差
26
3.3.20ARの 計 測 値 と シ ミ ュ レー シ ョン に よ る 計 算 値 の 比 較 結 果
図3.6に 計 測 よ り算 出 した 水 中10cm深 に お け るOARと,入 射 電 子 の 空 間 分布 の 半 値 幅 を0.3cmに 設 定 して シ ミ ュ レー シ ョン を 行 っ たOARを 示 す.ビ ー ム 中心 軸 の 線 量 に対 し て80%以 上 とな る 照 射 野 領 域 内 で は 良 好 に 一 致 した が,照 射 野 外 で は 計 測 値 に対 して 計 算 値 は低 い 値 を 示 した.照 射 野 外 のOARを 完 全 に 一 致 させ る こ と は,線 量 の 少 な い 領 域 で あ る こ とか ら非 常 に 困難 で あ り,加 え て 本 研 究 で は ビー ム 中心 軸 上 の ポ イ ン ト線 量 に っ い て 考 察 す る こ とが ほ とん どで あ る こ とか ら,照 射 野 外 の 線 量 の 不 一 致 にっ い て研 究 の進 行 に は 問 題 に は な らな い と考 え,シ ミュ レー シ ョ ン上 特 に補 正 等 を 加 え る こ と は行 わ な か っ た.
図3.7に 中 心 軸 外 の 各位 置 に お け る 計 測 値 に 対 す る 計 算 値 の 相 対 偏 差 を示 す.実 測 に 対 し て シ ミュ レー シ ョン のOARは,ビ ー ム 中心 軸 の線 量 に 対 して80%以 上 と な る 照 射 野 領 域 内 に お い て土2フ%以 内 で 一 致 した.一 方 で 照 射 野 外 に お い て は,相 対 偏 差 を計 算 した 多 く の 点 で 土10%以 上 の 大 き な 偏 差 を認 め た.
120
100
80
06
函くO
40
20
0
一.一 ■画」.
一7!「脚医・ Klピ
亀事〜︑
Measured Simulated
\
覧乱
0.05.010.015.020.025.030.035.O Offaxisdistance(cm}
図3.640cm×40cmに お け る 入 射 電 子 の 空 間 半 値 幅 が0.3cmの 場 合 のOAR曲 線 40
30
∩VOOO(∠111一
(ま)口o器冨℃Φ﹀鷺寄
一20
一30
一40
0 5 10152025
0ffaxisdistance(cm)
30 35
図3.7シ ミ ュ レー シ ョ ン に よ るOARの 計 測 値 に対 す る 中心 軸 外 ご と の相 対 偏 差
28
3.3.3客 観 的 評 価 を 用 い た ビ ー ム コ ミ ッ シ ョニ ン グ 結 果
表3.2にVenselaarら24)の 方 法 を 用 い て 領 域 ご と に 算 出 し たConfidencelimitお よ びDTAを 示 す.表 の 上 段 に あ る の はVenselaarに よ っ て 示 さ れ た,均 質 な フ ァ ン トム 内 に お い て 単 純 な 照 射 野 条 件 で 光 子 線 を 用 い て 線 量 計 算 を 行 う際,ビ ー ム コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ 時 に 領 域 ご と に 許 容 さ れ る 上 限 の 値 で あ る.同 様 の 方 法 で 行 っ た 本 報 告 の 各 領 域 に お け るConfidencelimit お よ びDTAは,PDDに お い て ビ ー ム 中 心 軸 に お け る 最 大 深 以 降 の 領 域 で あ る1で1.1%, 最 大 深 以 前 の ビ ル ドア ッ プ 領 域 で あ る2で0.6mmとVenselaarら が 示 し た 値 を 下 回 っ た.
OARに っ い て も 同 様 に,照 射 野 の 半 影 で あ る2で1.3㎜,最 大 深 以 降 の 照 射 野 領 域 で あ る3 で1.9%,照 射 野 外 領 域 で あ る4で25%と 全 て の 領 域 に お い てVenselaarら が 示 し た 値 を 下 回 っ た.
以 上 の ビ ー ム コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ 結 果 か ら,本 研 究 で はClinac600Cの シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 う際 に タ ー ゲ ッ トへ 入 射 す る 電 子 の パ ラ メ ー タ を 表3.3の よ う に 決 定 し た.平 均 入 射 電 子 エ ネ ル ギ ー は 最 も 線 量 分 布 や 線 量 計 算 へ の 影 響 が 大 き い パ ラ メ ー タ で あ る た め,計 測 値
と の コ ミ ッ シ ョ ニ ン グ を 入 念 に 行 い,値 を 慎 重 に 決 定 す る こ と が 必 要 不 可 欠 で あ る 。
表3.2Venselaarら と 本 報 告 のConfidencelimitとDTAの 比 較
'It OAR
領域 1 z 2 3 4
Venselaaretal.2.0%2.Omm
本報告 1.1%0.6mm
2.Omm3.0%30%
1.3mm1.9%25%
表3.3光 子 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン用 の 項 目 と設 定 値
項 目 設定値
入 射 電 子 の 平 均 エ ネ ル ギ ー[MeVl エ ネ ル ギ ー 分 布 の 広 が り 【FWHM(%)]
空 間 分 布 の 広 が り[FWHM(cm)]
入射電子数
4.0 3.0 0.3 2.Oxloll
3.4小 括
モ ン テ カ ル ロ 法 を 用 い て 治 療 ヘ ッ ドか ら発 生 す る散 乱 線 を解 析 す る た め,メ ー カ ー よ り 得 た デ ー タ を も と に 実 際 の リニ ア ッ クの ジ オ メ トリを 詳 細 に 再 現 した.ま た ビー ム デ ー タ の シ ミュ レー シ ョン を 行 い,実 際 の リニ ア ッ ク の デ ー タ と コ ミ ッシ ョニ ン グ を 行 うこ とで 光 子 の 物 理 特 性 を高 精 度 に 一 致 させ た シ ミ ュ レ.̲̲.ショ ン体 系 を構 築 す る こ とが で き た.
30
4章 シ ミ ュ レー シ ョ ン に よ る £の 算 出
4.1目 的
前 章 の 結 果 に よ り実 際 の リニ ア ッ ク と一 致 した シ ミ ュ レー シ ョ ン体 系 を構 築 す る こ とが で き た.本 章 で は これ を用 い て 治 療 ヘ ッ ド内 の 光 子 の シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 い,得 られ た 結 果 か らs。 を算 出 し,計 測 に よ り算 出 したS。 と比 較 す る こ とで そ の 計 算 精 度 を評 価 す る こ と を 目的 とす る 。
4.2方 法
4.2.i治 療 ヘ ッ ドよ り発 生 す る光 子 の シ ミ ュ レー シ ョン
前 章 で構 築 した シ ミュ レー シ ョ ン体 系 を用 い て ビー ム 中 心 軸 上SSD100cmの 位 置 に 半 径LOcmの サ ン プ リン グ プ レー ン を設 置 し,任 意 正 方 形 照 射 野 に お け る光 子 の シ ミ ュ レ0 シ ョン を 行 っ た 。 ター ゲ ッ トへ 入 射 す る電 子 の パ ラ メ ー タ は,前 章 で 行 っ た ビー ム コ ミ ッ シ ョニ ン グ の 結 果 で 最 も評 価 の 良 か っ た 表3.3の 設 定 値 を使 用 した.
4.2.2モ ニ タ チ エ ンバ に 入 射 す る粒 子 の シ ミュ レー シ ョ ン
前 章 で 構 築 した シ ミ ュ レー シ ョ ン 体 系 を用 い て,モ ニ タ チ ェ ン バ に 入 射 す る粒 子 の シ ミ ュ レ,̲̲.ショ ン を行 っ た.図4 .1に照 射 野 コ リメ ー タ の 開 度 と発 生 す る散 乱 線 の 関係 を示 す.
モ ニ タ チ ェ ンバ と照 射 野 コ リメ ー タ は 照 射 野 ミラ ー を 介 し て近 い位 置 関係 に あ る た め,コ リメ ー タ の 開度 が 小 さ く な る に っ れ て モ ニ タ チ ェ ンバ に到 達 す る後 方 散 乱 粒 子 は 増 加 す る.
リニ ア ッ ク はモ ニ タチ ェ ン バ か ら の 信 号 に よ り出 力 が 制 御 され て い る た め,後 方 散 乱 粒 子 の 増 加 に よ り制 御 系 へ の信 号 が 増 加 し,そ れ に 伴 い リニ ア ッ クの 出力 は 低 下 す る.
モ ニ タ チ ェ ン バ の 構 造 を 図4 .2に示す.モ ニ タチ ェ ンバ は 円柱 状 で,2つ の空気層 と上下 か らそ れ を挟 む3っ の 薄 い 金 属 窓 よ り構 成 され る 。ま た 外 壁 は,内 側 か らChamberwall,Chaynber gap,C◎ntainerwallで 構 成 され て い る.上,下 毅 の 空 気 層 は そ れ ぞれ リニ ア ッ ク の"MU1", 4̀MU2"を 管 理 して い る
.今 回 は モ ニ タ チ ェ ンバ 上 段 の 空 気 層 を,入 射 して き た粒 子 に よ る 吸 収 線 量 を 計 算 す る領 域 に 設 定 し,照 射 野 の 変 化 に お け るモ ニ タ チ ェ ンバ に入 射 す る粒 子 の 線 量 寄 与 の変 化 を シ ミ ュ レー シ ョ ン した.
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