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犬の扁平上皮癌細胞における 増殖機構とその抑制に関する研究

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Academic year: 2021

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犬の扁平上皮癌細胞における 増殖機構とその抑制に関する研究

(Studies on growth mechanisms and their suppression in canine squamous cell carcinoma cells)

学位論文の内容の要旨

日本獣医生命科学大学大学院獣医生命科学研究科 獣医学専攻博士課程平成28年入学

宮 本 良

(指導教授:盆子原 誠)

(2)

切除不能の犬の扁平上皮癌 (SCC) に対する有効な治療法は未だ確立してお

らず、新たな内科的治療戦略の開発が必要である。これまでの研究から、犬の

SCCではsurvivinEGFRが過剰発現していることが示されており、これらは

SCCの増殖と密接に関連していると考えられる。そこで本研究では、犬のSCC

に対する分子標的薬を用いた新たな治療戦略を確立するため、まずsurvivin

害剤YM155EGFR阻害剤afatinibおよびosimertinibに対する7種類の犬の

SCC株化細胞の感受性を評価した。次いでYM155afatinibに注目して、犬の

SCC株化細胞における作用機序を解析した。さらに犬のSCC株化細胞に対す

afatinibの抗腫瘍効果をin vivoで評価した。YM155HAPPYおよびSQ4

胞に対して、afatinibPOCOおよびCSCC-R1細胞に対して著しい増殖抑制効

果を示した。一方osimertinibでは増殖抑制効果はみられなかった。YM155感受

性のHAPPYおよびSQ4細胞ではsurvivinの発現レベルが高く、YM155

HAPPY細胞ではsurvivinの転写抑制により、SQ4細胞では転写後の過程を抑制

することによりsurvivinの発現を抑制した。これらの細胞ではYM155によりオ

ートファジーとそれに続いてPARP依存性アポトーシスが誘導されたが、

(3)

HAPPY細胞ではPARP依存性アポトーシスが細胞死の主な経路であるのに対

してSQ4細胞ではこれに加えてオートファジー細胞死も生じることが示唆さ

れた。Afatinib感受性のPOCOおよびCSCC-R1細胞では、既知のafatinib標的

分子の異常は認められなかった。一方、POCO細胞を用いたリン酸化蛋白質の

網羅的解析から、afatinibは主にMAPK経路の活性化を抑制することが示され

た。さらにPOCO細胞移植マウスモデルを用いてafatinibの効果を解析したと

ころ、afatinibは著しい抗腫瘍効果を示した。以上のことから、特定の犬のSCC

ではsurvivinの発現あるいはMAPK経路のリン酸化が増殖に重要な役割を果た

していることが示唆された。YM155あるいはafatinibはこのような犬のSCC

新たな治療戦略として有望である可能性が考えられた。

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