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グラニュラー合成法に基づく可変速再生表現による

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Academic year: 2021

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グラニュラー合成法に基づく可変速再生表現による

DJ

ソフトウェアの作製と評価

Development and Evaluation of DJ Software using Granular Synthesis for Variable-Speed performance 電子・光システム工学コース 山本研究室1165058 岑地 健吾 1. 背景と目的

近年、電子音楽はコンピュータ制御による様々な技術を 用いた音表現ができるようになった一方、音の表現技術に 競争が行われ、ユーザの感性を基に優位づけが行われてい る[1]。電子音楽の一形態であるDJソフトウェアにおける スクラッチ操作は通常、現在の再生位置から任意のフレー ズ範囲を山彦のようにくり返し出力するタップ・ディレイ とよばれるディレイ処理[2]で表現されている。本研究で は可変速再生技術のひとつであるグラニュラー合成に基 づく新たな表現技術を備えたオリジナルDJソフトウェア の開発とその評価を目的とする。

2. 概要

本研究のソフトウェア開発には Cycling’74が開発・保 守している音響合成プログラミング言語「Max」を用いた。

まずは可変速再生のモジュールをグラニュラー合成の理 論に基づいて作製した。グラニュラー合成は、音を極小の サンプル断面「グレイン(音の粒)」の集合と考え、それ らを任意に抽出することによって、ピッチ変化を可能とす る技術である[3]。しかし、単純な合成ではグレイン抽出 窓の移動による波形の不連続によってクリック・ノイズが 発生するため、窓関数のエンベロープを掛け合わせグレイ ン両端の振幅を抑える必要がある。極力クリック・ノイズ を抑えるため今回のモジュール作製では窓関数のエンベ ロープをcos波形で代用し、16個のグレインを100[ms]

程度の時間差(グレイン・サイズ)を付けて重ねるオーバ ーラッピング処理を行った。作製したモジュールをスクラ ッチ部のベースとし、Max 言語によるソフトウェア開発 に取り組んだ。

1. グラニュラー合成の理論[3], 2. 可変速再生モジュール

3. 構成

ソフトウェア内の各ツールの構成および計器類の配置 は、公開されているDJソフトウェア「Mixxx」[4]を参考 に決定した。左右の各デッキにWAVEもしくはAIFファ イルを読み込むと、命名されたバッファ上に波形データが マウントされる。合成された波形データは音声信号として

マスターアウトを通してDACに伝送され、DSPにより設 定されたサウンドカードを通して外部出力される。その際 にイコライザやモジュールより個別に作製したピッチス ライダーおよびBPMスライダーでリアルタイムの可変速 再生を可能にした。動作状況は当日の発表にて披露する。

3. 開発したオリジナルDJソフトウェア 4. 評価

ユーザビリティ評価はプロトコル分析法を用いて、認知 プロセスを定性評価した。被験者はDJ未経験者とDJ経 験者の2つのグループ5名ずつ計10名とし、タスク提示 による実験手順で行った。実験後、各グループにて被験時 の自身の映像を見てもらい、本オリジナルDJソフトウェ アについての議論を行った。分析の結果、DJ未経験者は ほぼ初めての体験であったため、ソフトウェアの構成が分 かりにくい、動作や音感は非常に面白いが、操作が多少複 雑で慣れるのに時間がかかるといった意見が多かった。そ れに対しDJ経験者は市販ソフトより計器類が少なく、全 体的に明るい構成で見やすい反面、スクラッチ操作方法が 独立していて、実際に使用するのは困難といった意見が見 られた。

5. 結論

本研究ではグラニュラー合成を初めてDJソフトウェア に適用し独自の音楽表現技術を開発した。ユーザビリティ 評価におけるDJ経験者の意見のように、市販ソフトウェ アのような円盤GUI(タイムコードレコード)にはGUI 自体の独自コーディングが必要で今回の開発における解 決すべき点となった。今後、このGUIによる操作を考慮 するのであれば、マウスカーソルに頼らない入力方式の検 討が必要である。

参考文献

[1] 松本昭彦, Akihiko Matsumoto Blog,

http://akihikomatsumoto.com/blog/ 20134月参照 [2] リットーミュージック, PCで始めるDJ 初版, P 10-22, 2011.

[3] ノイマンピアノ(赤松正行 + 佐近田展康), 2061:Max オデッセイ 第3版, P 934-937, 2012.

[4]OSCILLICIOUS Audio Labs, Mixxx, http://www.mixxx.org 201212waveform内をドラッグ

x軸:再生スピード変化 y軸:再生ピッチ変化

マウントされた波形データ

ピッチおよびBPMスライダー

参照

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