• 検索結果がありません。

旅客船に おける高齢者及び 障害者等 乗下船装置の 開発 報告書

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "旅客船に おける高齢者及び 障害者等 乗下船装置の 開発 報告書"

Copied!
84
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

旅客船における高齢者及び障害者等 乗下船装置の開発

報告書

平 成 23年 3月

交 通 エコロジー・モビリティ財 団

助成事業 

(2)

はじめに

本 書 は 、日 本 財 団 の 助 成 を 受 け て 実 施 し た「 旅 客 船 に お け る 高 齢 者 及 び 障 害 者 等 乗 下 船 装 置 の 開 発 」 事 業 を 取 り ま と め た も の で あ る 。

旅 客 船 等 の バ リ ア フ リ ー 化 は 、 平 成 12 年 に 制 定 さ れ た 「 高 齢 者 、 身 体 障 害 者 等 の 公 共 交 通 機 関 を 利 用 し た 移 動 の 円 滑 化 の 促 進 に 関 す る 法 律 」( 交 通 バ リ ア フ リ ー 法 ) 並 び に 平 成 18 年 に 制 定 さ れ た 「 高 齢 者 、 障 害 者 等 の 移 動 等 の 円 滑 化 の 促 進 に 関 す る 法 律 」( バ リ ア フ リ ー 新 法 ) に よ り 、ま た 旅 客 船 事 業 者 等 の 格 段 の 努 力 も あ っ て 着 実 に 進 展 し て い る 。

し か し な が ら 、旅 客 船 へ の 乗 降 は 、潮 の 干 満 等 の 海 象 条 件 や 船 舶 特 有 の 条 件 に よ り 段 差 や 揺 れ が 生 じ 、高 齢 者 及 び 障 害 者 等 の 乗 降 に 支 障 が あ る に も か か わ ら ず 、こ れ を 解 消 す る よ う な 乗 下 船 装 置 は 開 発 さ れ て い な い 。

こ の た め 、旅 客 船 へ の 乗 降 時 に 潮 位 差 等 の 影 響 を 受 け ず 、高 齢 者 及 び 障 害 者 等 が 安 心・安 全 に 乗 降 で き る モ デ ル と な る よ う な バ リ ア フ リ ー 化 さ れ た 乗 下 船 装 置( バ リ ア フ リ ー タ ラ ッ プ )を 検 討 し 、そ の 開 発 を 行 っ た 。

つ い て は 、こ の バ リ ア フ リ ー タ ラ ッ プ が 広 く 各 旅 客 船 タ ー ミ ナ ル に 設 置 さ れ る こ と を 望 み 、そ の 開 発 経 緯 及 び 仕 様 等 に つ い て 本 書 に と り ま と め た も の で あ る 。

こ れ に よ り 、港 湾 管 理 者 及 び 旅 客 船 事 業 者 等 に お い て 、バ リ ア フ リ ー タ ラ ッ プ 設 置 の 際 の 参 考 図 書 と な り 、離 島 等 に お け る 高 齢 者 及 び 障 害 者 等 の 移 動 の 円 滑 化 並 び に 旅 客 船 利 用 の 増 大 と な れ ば 望 外 の 喜 び で あ る 。

最 後 に 、乗 下 船 装 置 の 開 発 お よ び 本 書 の 作 成 に あ た り 、多 大 な ご 尽 力 を 頂 い た 東 京 大 学 高 齢 社 会 総 合 研 究 機 構 の 鎌 田 実 委 員 長 を は じ め 、各 委 員 、開 発 に あ た っ た 下 関 菱 重 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 株 式 会 社 の 皆 様 に 深 く 感 謝 を 申 し 上 げ る 次 第 で あ る 。

平 成 23 年 3 月 交 通 エ コ ロ ジ ー ・ モ ビ リ テ ィ 財 団 会 長 井 山 嗣 夫

(3)

旅 客 船 における高 齢 者 及 び障 害 者 等 乗 下 船 装 置 の開 発 委 員 会 委 員

( 敬 称 略 ・ 五 十 音 順 )

委 員 長

石 島 徹

鎌 田 実 北 川 博 巳

齋 藤 徳 篤

佐 藤 修

佐 藤 幹 夫 田 村 顕 洋 妻 屋 明 長 島 博 隆 松 田 茂 宮 崎 恵 子

国土交通省総合政策局安心生活政策課 交通バリアフリー政策室長

東 京 大 学 高 齢 社 会 総 合 研 究 機 構 機 構 長 兵 庫 県 立 福 祉 の ま ち づ く り 研 究 所

研 究 第 一 グ ル ー プ グ ル ー プ 長

独 立 行 政 法 人 鉄 道 建 設 ・ 運 輸 施 設 整 備 支 援 機 構 共 有 建 造 支 援 部 担 当 課 長

国 土 交 通 省 海 事 局 内 航 課 旅 客 航 路 活 性 化 推 進 室 課 長 補 佐

社 団 法 人 日 本 旅 客 船 協 会 工 務 相 談 室 室 長 国 土 交 通 省 海 事 局 安 全 ・ 環 境 政 策 課 課 長 補 佐 社 団 法 人 全 国 脊 髄 損 傷 者 連 合 会 理 事 長

ダ イ コ ー 株 式 会 社 常 務 取 締 役

国 土 交 通 省 港 湾 局 技 術 企 画 課 技 術 監 理 室 課 長 補 佐 独 立 行 政 法 人 海 上 技 術 安 全 研 究 所

運 航 ・ 物 流 系 運 航 支 援 技 術 研 究 グ ル ー プ 上 席 研 究 員

( 事 務 局 )

交 通 エ コ ロ ジ ー ・ モ ビ リ テ ィ 財 団

岩 佐 徳 太 郎 バ リ ア フ リ ー 推 進 部 部 長

髙 橋 徹 バ リ ア フ リ ー 推 進 部 企 画 調 査 課 係 員

( 開 発 協 力 )

下 関 菱 重 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 株 式 会 社 佐 藤 喜 久 雄 取 締 役

井 上 愼 一 船 舶 技 術 部 主 席 技 師

(4)

目 次

1 . 事 業 概 要 に つ い て

1 . 1 事 業 の 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 . 2 事 業 の 内 容 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 1 . 3 事 業 の ス ケ ジ ュ ー ル ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 2 . 既 存 文 献 調 査 に つ い て

2 . 1 既 存 文 献 調 査 の 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 2 . 2 既 存 文 献 調 査 の 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 2 . 3 既 存 文 献 調 査 の 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 2 . 4 設 置 港 湾 の 選 定 条 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 3 . ア ン ケ ー ト 調 査 に つ い て

3 . 1 ア ン ケ ー ト 調 査 の 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 3 . 2 ア ン ケ ー ト 調 査 の 概 要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 3 . 3 ア ン ケ ー ト 調 査 の 回 答 数 と 回 答 率 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 3 . 5 候 補 地 の 選 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 6 4 . 現 地 調 査 に つ い て

4 . 1 現 地 調 査 の 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0 4 . 2 現 地 調 査 を 実 施 し た 港 湾 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0 4 . 3 現 地 調 査 の 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 1 4 . 4 候 補 地 の 選 定 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 2 5 . バ リ ア フ リ ー タ ラ ッ プ の 設 計 ・ 製 作 に つ い て

5 . 1 バ リ ア フ リ ー タ ラ ッ プ の 仕 様 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4 5 . 1 . 1 背 景 お よ び 必 要 性

5 . 1 . 2 開 発 目 標 5 . 1 . 3 開 発 手 順 5 . 1 . 4 開 発 仕 様

5 . 2 バ リ ア フ リ ー タ ラ ッ プ の 図 面 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 7

6 . お わ り に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 9

参 考 資 料

参 考 資 料 1 ア ン ケ ー ト 調 査 票 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 4 参 考 資 料 2 現 地 調 査 の 画 像 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 7 参 考 資 料 3 現 地 調 査 の 結 果 ( 個 別 票 ) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 3 参 考 資 料 4 バ リ ア フ リ ー タ ラ ッ プ の 画 像 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 9 3 . 4 ア ン ケ ー ト 調 査 の 結 果 ( 集 計 )・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1

(5)

1

1.事業概要について

1.1 事業の目的

わが国は 6,852(うち本土 5、離島 6,847)1の島が点在し、離島の高齢者は 33%(「平成 17 年度国勢調査」による 65 歳以上)と高く、年々上昇している。また、障害者は 357.6 万人(厚生労働省「身体障害児・者実態調査」(平成 18 年)による在宅者数)で、同じく 年々上昇している。これらの高齢者や離島の障害者等の日常生活における旅客船は、通院、

通勤、通学、買い物などの移動に必要不可欠な交通手段である。

本事業は、高齢者及び障害者等が潮位差等に影響されず安心・安全に乗下船できる中小 型船舶用の陸上移動型乗下船装置(以下、「バリアフリータラップ」という)の開発を行い、

高齢者及び障害者等の移動の円滑化を図るものである。

図表 1-1-1 離島の高齢化の現状

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000

平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成21年 離島人口 高齢化率(全国) 高齢化率(離島)

注:「平成 2 年」~「平成 17 年」は「国勢調査」より。

「平成 21 年」は「平成 22 年版高齢社会白書」より。

1 国土交通省 都市・地域整備局 離島振興課ホームページ 離島とは(島の基礎知識)

http://www.mlit.go.jp/crd/chirit/ritoutoha.html

(6)

1.2 事業の内容

旅客船は、潮の干満等の海象条件の影響や水密等の船舶特有の構造により段差等が発生 し、高齢者及び障害者等の移動に支障をきたしている。現在、車いす使用者による旅客船 への乗降は、人的介助(抱きかかえ等)が多く、独力での乗下船が困難な状況となってい る。

一方、スロープ型のタラップも開発され使用されているが、潮位差が激しい港湾での利 用は、スロープの勾配が急になってしまうことがあるため使用できない等の問題も発生し ている。

このようなことから、離島に就航する中小型船舶の乗下船時に潮位差等の影響を受けず、

安心・安全に乗下船ができる装置の開発を行うことが重要である。

したがって、下図のフローによりバリアフリータラップの開発を実施する。

①既存文献調査の実施

国内の主な港湾の潮位差、利用者数等について既存文献等を収集し、バリアフリータラップを 必要とする港湾の諸条件を検討する。

③現地調査の実施

上記①および②で検討した事項に基づき、潮の干満等の海象条件および旅客船・旅客船ターミ ナルの乗降設備、乗降位置、その利用状況等について現地調査を行い、バリアフリータラップを設 置する港湾を選定する。

④バリアフリータラップの仕様の検討

上記③で選定した港湾に則したバリアフリータラップの仕様について検討する。

イ)乗降ステップやスロープの長さの検討 ロ)潮の干満に応じた乗降ステップの高さの検討 ハ)乗降装置の検討

ニ)陸上移動装置の検討 ホ)固定装置の検討

ヘ)安全装置の検討 等

⑤バリアフリータラップの設計・製作

上記④において検討した仕様に基づき、障害者等の意見を踏まえて、バリアフリータラップの設 計・製作を行う。なお、製作したバリアフリータラップは、安全試験を実施する。

⑥報告書の作成

上記①~⑤について、実施内容を報告書に取りまとめる。

⑦バリアフリータラップの評価分析(平成 23 年度に実施予定)

②アンケート調査の実施

国内の港湾における利用者数、乗降場所、乗降設備等について、アンケート調査を実施し、汎 用性のあるバリアフリータラップを開発するための諸条件を検討する。

(7)

3

1.3 事業のスケジュール

本事業は、下記のスケジュールで実施する。

図表 1-3-1 スケジュール

実施内容 1/4 2/4 3/4 4/4

①既存文献調査の実施

②アンケート調査の実施

③現地調査の実施

④バリアフリータラップの仕様の検討

⑤バリアフリータラップの設計・製作

⑥報告書の作成

検討委員会(3回) ○ ○ ○

(8)

2.既存文献調査について

2.1 既存文献調査の目的

国内の主な港湾の潮位差、利用者数等について既存文献等2を収集し、バリアフリータラ ップを必要とする港湾の諸条件を検討することを目的とする。

2.2 既存文献調査の方法

国内に就航している旅客船が寄港する任意の港湾 30 箇所程度を選定し、既存文献等によ り下記 1)~4)の項目について整理した。

1)「港湾(出発)の情報」

港湾名、潮汐(平均高潮、平均低潮、平均水面)、1 日あたりの利用者数

2)「離島の情報」

島名、人口、高齢化率 3)「港湾(寄港)の情報」

港湾名、潮汐(平均高潮、平均低潮、平均水面)、1 日あたりの利用者数

4)「旅客船の情報」

船名、船種、トン数、定員、航海時間、船主

2.3 既存文献調査の結果

既存文献調査の結果は、図表 2-3-1 のとおり。

(9)

図表2-3-1 既存文献調査の結果 潮汐(単位:m *印は推定) 潮汐(単位:m *印は推定) 就航船 平均 地域 港湾名(出発) 高潮 5

平均 低潮

平均 水面

1日 の利用人島名 人口 高齢化率 港湾名(寄港) 平均 高潮

平均 低潮

平均 水面

1日 の利用人船名 船種 GT (トン)

定員 (人)

航海時間 (分) 船主 利尻島 6,953 30% 沓形港 0.20 0.10 0.18 400 フィルイーズ宗谷 3,551 500 礼文島 3,856 26% 香深港 0.20 0.10 0.17 500 宗谷 3,554 500 ボレアース宗谷 3,578 500 1

北海道

稚内港 0.30 0.10 0.18 1,500 サイプリア宗谷

フェリー 3,555 472

120ハートランドフェ 大泊漁港 *1.30 *0.30 *0.88 5 マーメイド 122 212 田代島 130 70% 仁斗田漁*1.30 *0.30 *0.88 20 ーライナ101 200 網地漁港 *1.30 *0.30 *0.88 50 みゅ

フェリー 19 73

網地島 555 67% 長渡漁港 *1.30 *0.30 *0.88 20

2 石巻港 1.40 0.30 0.94 60 鮎川漁港 1.30 0.30 0.88 50

網地島ライン㈱ 海来 160 300 カメリキッス 109 250 海王 109 300 3

気仙沼漁 (エースポート 松岩港経

1.20 0.30 0.85 1,350 浦の浜港 *1.30 *0.30 *0.90 1,380 はやぶさ

旅客船 19 90

25大島汽船 フェリ大島 198 250 4 大島(浦の浜) *1.30 *0.30 *0.90 1,380

大島 3,928 29% 気仙沼(商港) 1.20 0.30 0.85 820 フェリー亀山 フェリー 306 250 20大島汽船 5

東北

酒田港 0.30 0.10 0.21 100 飛島 316 48% 勝浦港 *0.30 *0.10 *0.21 100 ニューとびし旅客船 223 300 90酒田市 大島 9,224 26% 岡田港 1.30 0.30 0.90 650 さるびあ4,965 816 利島 302 24% 利島港 *1.30 *0.30 *0.90 30 かめり3,837 638 新島 2,566 30% 新島港 *1.30 *0.30 *0.90 160 りあ丸(神新汽船)

旅客船 480 316 式根島 581 33% 野伏漁 1.40 0.30 0.97 140 ットフォイル 280 260

6

関東

東京港 1.70 0.40 1.20 4,140 神津島 2,144 24% 神津島港 1.40 0.30 0.97 90 ットフォイル ・紅 ジェットフ 281 260

220東海汽船 おけさ丸 5,862 1,705 おおさどフェリー 5,862 1,705 150 すいせい 169 260 ぎんが 277 260

7 新潟港 (西港) 0.30 0.00 0.17 4,250 両津港 0.30 0.10 0.18 4,250 つばさ

ジェットフ 164 260

60

佐渡汽船 8

北陸

直江津港 0.30 0.10 0.19 570

佐渡島 72,173 32% 小木港 0.30 0.10 0.19 570 こがね丸 フェリー 4,258 1,133 160佐渡汽船

(10)

潮汐(単位:m *印は推定) 潮汐(単位:m *印は推定) 就航船 港名(出発) 平均 高潮

平均 低潮

平均 水面

1日 の利用人島名 人口 高齢化率 港名(寄港) 平均 高潮

平均 低潮

平均 水面

1日 の利用人船名 船種 GT (トン)

定員 (人)

航海時間 (分) 船主 篠島 2,040 23% 篠島港 1.900.501.30はまつばき170 126 日間賀島 2,221 23% 日間賀島*1.90*0.50*1.30フラワライン 971 450 しまゆり

フェリー 276 93

15~40 大鵇5 37 97 イーグ35 80 イーグ46 96 イーグ45 94 海燕22 19 80 海燕23 19 80 海鴎1 19 86 海鴎11 19 92

1.90 0.50 1.30 2,790 伊良湖港 1.800.401.201,620 海鴎12

高速船 19 93

15~20

名鉄海上観光船 19 87 高速いえしま146 200 新造船

旅客船 115 142

27高速いえしま㈱ 高福丸 19 86 高福丸 17 58

*1.40 *0.30 *0.90 340 家島 5,458 18% 真浦港 1.400.300.90310 高福ライナー

旅客船 19 81

30㈲髙福ライナー えーす 387 300 すたー 388 230 フレンド 312 350

37芸備商船 第五きり373 300 第八きり375 300

3.40 0.60 2.00 8,070 江田島 32,271 29% 切串港 3.400.602.00 第十二き

フェリー 490 300

30上村汽船 新大津島 フェリー 144 200 44 鼓海Ⅱ 59 150 3.10 0.50 1.80 350 大津島 536 59% 馬島港 *3.10*0.50*1.80370 回天 旅客船 19 65 34大津島巡航㈱ 屋代島 22,384 42% 伊保田港 *3.10*0.50*1.8030 *3.10 *0.50 *1.80 800 松山(三津浜) 3.300.501.90

しらきさん フェリー 441 150 150周防大島松山フェー㈱ 相島 237 32% 相島港 *0.80*0.30*0.48つばき2旅客船 113 150 40 0.80 0.30 0.48 500 大島 955 29% 大島漁港 *0.80*0.30*0.48たちばな2 旅客船 134 150 25萩海運㈲

(11)

7

潮汐(単位:m *印は推定) 潮汐(単位:m *印は推定) 就航船 地域 港名(出発) 平均 高潮

平均 低潮

平均 水面

1日 の利用人島名 人口 高齢化率 港名(寄港) 平均 高潮

平均 低潮

平均 水面

1日 の利用人船名 船種 GT (トン)

定員 (人)

航海時間 (分) 船主 第81玉高丸 965 300 第82玉高丸 855 300 第85玉高丸 852 300 宇野港 2.300.401.451,190 第87玉高

フェリー 853 300

60四国フェリー なおしま998 450 993 450 せと

フェリー 559 93

50 ーバード 19 79 サンダーバード 19 79

15 直島 3,636 25% 宇野港 2.300.401.451,230 ラブバード

高速船 19 65

25

四国汽船 第一しょうどま丸 999 490 第二しょうどま丸 994 430 第七しょうどしま丸

フェリー 998 490

60 スーパーマリン1 171 152 スーパーマリ161 152

土庄港 *1.90*0.40*1.201,120 ひかり

高速船 38 98

30

小豆島急行フェリー㈱ 第1こくさい696 500 池田港 1.900.401.20470 第32こくさい丸 フェリー 699 500 60国際フェリー ーライン ェリ999 550 60

16小豆島 34,572 29% 草壁 *1.90*0.40*1.20450 サンオリーシー高速船 52 68 45内海フェリー 女木島 244 49% 女木港 *2.20*0.50*1.40290 198 250 17

高松港 2.30 0.40 1.40 3,150 男木島 248 39% 男木港 2.200.501.40140 ん2 フェリー 264 250 40雌雄島海運㈱ 大島 友浦漁港 *3.50*0.60*2.0020 第一ちどり49 97 伯方島 8,031 26% 木浦港 *3.50*0.60*2.00第二ちどり 快速船 49 97 70芸予汽船 岩城島 2,289 30% 岩城漁港 *3.50*0.60*2.00130 佐島 667 31% 佐島漁港 *3.50*0.60*2.0090 弓削島 3,189 29% 弓削港 *3.50*0.60*2.00500 生名島 2,124 32% 生名港 *3.50*0.60*2.00100

18 今治港 3.40 0.60 2.00 450 因島 26,459 28% 土庄港(因島) 3.500.602.00

因島 26,459 28% 第二きり86 86 19家老渡港 (因島) *3.50 *0.60 *2.00 弓削島 3,189 29% 上弓削漁*3.50*0.60*2.00 第三きりしま フェリー 80 68 5㈲家老渡フェリー汽船 第三青島 159.64200 20

四国

明神港 (弓削島) *3.50 *0.60 *2.00 土庄港(因島) 3.500.602.00 第五青島 フェリー 130 180 15弓削汽船

(12)

潮汐(単位:m *印は推定) 潮汐(単位:m *印は推定) 就航船 港名(出発) 平均 高潮

平均 低潮

平均 水面

1日 の利用人島名 人口 高齢化率 港名(寄港) 平均 高潮

平均 低潮

平均 水面

1日 の利用人船名 船種 GT (トン)

定員 (人)

航海時間 (分) 船主 110 小川島 575 32% 小川島漁*2.10*0.30*1.23100 そよかぜ 85 95 20川口汽船 80 加唐島 217 32% 加唐島観光休息*2.10*0.30*1.2380 かから丸 45 86 17㈲加唐島汽船 2.10 0.30 1.18 25 馬渡島 601 25% 馬渡島漁2.100.301.23しょう

旅客船 57 80 40㈲郵正丸 フェリ長崎 1867.8 630 中通島 (奈良尾町) 24,992 25% フェリー福江 フェリー 1867.2 630 240 ぺがさす 163 264 2.80 0.50 1.64 3,500 福江島 (福江市) 43,331 26%

福江港 2.700.501.592,230 ぺがさす2 ジェットフ 163 233 110

九州商船 上五島 有川港 2.800.401.59390 フェリなみじ 1,150 432 155 宇久島 3,976 33% 宇久平港 2.800.401.59フェリなるしお645 400 195九州商船 2.80 0.50 1.65 830 友住港 2.800.401.59第三十八フェリー美咲

フェリー 441 140 205美咲海送 2.90 0.50 1.67 740 長島 5,555 28% 蔵之元港 2.90 0.50 1.67 470 第二天長フェリー 577 350 30三和商船 渡名喜島 523 33% 渡名喜港 2.00 0.40 1.20 フェリなは 697.6 337 久米島 9,332 22% 兼城港 2.00 0.30 1.17 170 フェリくめしまフェリー 679 337 240久米商船 阿嘉島 349 28% 阿嘉漁港 *2.00*0.30*1.16250 フェリフェリ446 380 180 座間味島 597 20% 座間味港 2.00 0.30 1.16 520 クイーンざまみ3高速船 168 200 70座間味村 フェリけらまフェリ496 438 70

2.00 0.40 1.18 780 渡嘉敷島 730 24% 渡嘉敷港 2.00 0.40 1.20 540 マリンライナーとかしき 高速船 123 200 35渡嘉敷村

(13)

9

2.4 設置港湾の選定条件

既存文献調査の結果を踏まえて、バリアフリータラップを必要とする港湾の諸条件は下 記のとおりとする。

1)離島の生活航路であること(主に中小型旅客船を対象)

2)乗降場所が固定岸壁であること

3)乗降設備が階段式等のタラップである(バリアが存在している)こと 4)(固定)岸壁から舷門(客室甲板)までの高さが 4m 以下であること 5)高齢者及び障害者等の利用が多いこと

6)旅客船自体がバリアフリー化されていること

(14)

3.アンケート調査について

3.1 アンケート調査の目的

国内の港湾における利用者数、乗降場所、乗降設備等について、全国の旅客船ターミナ ル(乗り場)のある港湾管理者にアンケート調査を実施し、汎用性のあるバリアフリータ ラップを開発するための諸条件を検討することを目的とする。

3.2 アンケート調査の概要

アンケート調査を下記のとおり実施した。

1)調査期間 : 2010 年 7 月 20 日(火)~2010 年 8 月 20 日(金)

2)調査対象 : 全国の旅客船ターミナル(乗り場)のある港湾管理者 3)調査総数 : 385 箇所

4)調査協力 : 国土交通省港湾局技術企画課 北海道開発局港湾担当者 各地方整備局港湾担当者 沖縄総合事務局港湾担当者

5)調査方法 : 電子メール(あるいは FAX)による回答方式

3.3 アンケート調査の回答数と回答率

アンケート調査の回答数と回答率は、下記のとおり。

1)回答数 : 147/385 箇所 2)回答率 : 38.18%

(15)

11

3.4 アンケート調査の結果(集計)

アンケート調査の結果(集計)は、下記のとおり。

1)乗降場所について(n=147)

旅客船に乗降する場所については、「①固定岸壁」と回答した管理者は有効回答 147 のうち 88(60%)であり、「②浮き桟橋」と回答した管理者は 53(36%)であった。

なお、「③その他」と回答した 4(3%)のほとんどが可動橋であった(図表 3-4-1、

図表 3-4-2)。

図表 3-4-1

種類 回答数

①固定岸壁 88

②浮き桟橋 53

③その他 4

④無回答 2

合 計 147

図表 3-4-2

(16)

2)乗降設備について(n=147)

旅客船に乗降するための設備については、「②スロープ式タラップ」が最も多く 71

(48%)、「③階段式タラップ」が 34(23%)、「①ボーディングブリッジ」が 22(15%)

であった。

なお、「④その他」と回答した 18(12%)は車両ランプウェイであった(図表 3-4-3、

図表 3-4-4)。

図表 3-4-3

種類 回答数

①ボーディングブリッジ 22

②スロープ式タラップ 71

③階段式タラップ 34

④その他 18

⑤無回答 2

合 計 147

図表 3-4-4

(17)

13

3)管理している港湾(旅客船ターミナル)の 1 日の利用者数(n=147)

管理している港湾(旅客船ターミナル)の 1 日の利用者数については、「①100 人以下」

と回答した管理者は有効回答 147 のうち 42(29%)、「②101~500 人」が最も多く 62(42%)、

「③501~1000 人」が 22(15%)、「④1001 人以上」が 17(11%)であった(図表 3-4-5、

図表 3-4-6)。

図表 3-4-5

利用者数 回答数

①100 人以下 42

②101~500 人 62

③501~1000 人 22

④1001 人以上 17

⑤無回答 4

合 計 147

図表 3-4-6

(18)

4)乗降時支障の有無について(n=147)

乗降時支障の有無については、「①支障がある」と回答した事業者は有効回答 147 のう ち 87(59%)、「②支障がない」が 55(40%)であった(図表 3-4-7、図表 3-4-8)。 図表 3-4-7

内容 回答数

①支障がある 87

②支障がない 55

③無回答 4

合 計 147

図表 3-4-8

(19)

15

5)乗降設備の要望について(n=56)

現状の乗降設備について利用者から要望の有無については、「①要望がある」と回答し た事業者は有効回答 56 のうち 25(45%)、「②要望がない」が 30(53%)であった(図 表 3-4-9、図表 3-4-10)。

図表 3-4-9

内容 回答数

①要望がある 25

②要望がない 30

③無回答 1

合 計 56

図表 3-4-10

(20)

3.5 候補地の選定

以下、本事業で開発するバリアフリータラップを設置する候補港湾を下図のフローに より選定する(図表 3-5-1)。

図表 3-5-1 選定のフロー

前述5)で「①要望がある」と回答した港湾

「①固定岸壁」 「②浮き桟橋」

「①ボーディング ブリッジ」

「②スロープ式 タラップ」

「③階段式 タラップ」

「④その他」

その他の詳細な情報 を電話にての確認。

バリアフリータラップを設置することができる岸壁として、「①固定岸壁」と回答した港湾。

現状、車いす使用者が利用できない「③階段式タラップ」と回答した港湾。

(21)

17

1)前述 5)のうち、「①要望がある」と回答した港湾の乗降場所について

前述 5)のうち、「①要望がある」と回答した港湾の旅客船に乗降する場所については、

「①固定岸壁」と回答している管理者は有効回答 25 のうち 17(68%)であり、「②浮き 桟橋」と回答としている管理者は 6(24%)であった(図表 3-5-2、図表 3-5-3)。 よって、「①固定岸壁」と回答した 17(68%)を対象とする。

図表 3-5-2

種類 回答数

①固定岸壁 17

②浮き桟橋 6

③その他 2

合 計 25

図表 3-5-3

(22)

2)上記 1)のうち、「①固定岸壁」と回答した港湾で使用している乗降設備について 上記 1)のうち、「①固定岸壁」と回答した港湾で使用している乗降設備は、「①ボー

ディングブリッジ」と回答している管理者は有効回答 17 のうち 1(6%)、「②スロープ 式タラップ」が 3(18%)、「③階段式タラップ」が 12(70%)であった(図表 3-5-4、

図表 3-5-5)。

よって「③階段式タラップ」と回答した 12(70%)を対象とする。

図表 3-5-4

種類 回答数

①ボーディングブリッジ 1

②スロープ式タラップ 3

③階段式タラップ 12

④その他 1

合 計 17

図表 3-5-5

(23)

19

3)上記 2)のうち、「③階段式タラップ」と回答した港湾の現状について

上記 2)のうち、「③階段式タラップ」と回答した港湾管理者に電話で確認を行った。

図表 3-5-6

ターミナル名 所在地

①熱海港旅客待合所 静岡県

②郷ノ浦港フェリーターミナルビル 長崎県

③みなとさかい交流館 鳥取県

④宮崎カーフェリーターミナル 宮崎県

⑤三池港船客待合所 東京都

⑥阿古漁港船客待合所 東京都

⑦二見港船客待合所 東京都

⑧徳山ポートビル 山口県

⑨与論港待合所 沖縄県

⑩和泊港ターミナル 鹿児島県

⑪別府 2 号上屋 大分県

⑫伊東港船客待合所 静岡県

4)その他の港湾について

前述のほか、地方運輸局より案内のあった港湾管理者にも電話で確認を行った。

図表 3-4-7

ターミナル名 所在地

大島港(萩市) 山口県

5)確認結果について

3)および 4)の港湾管理者に電話で確認を行った結果、「旅客船のバリアフリー化が 必要」等の回答を得たため、本装置を設置する港湾候補から除くこととした。

(24)

4.現地調査について

4.1 現地調査の目的

2章および3章で検討した事項に基づき、潮の干満等の海象条件および旅客船・旅客船 ターミナル(港湾)の乗降設備、乗降位置、その利用状況等について現地調査を行い、バ リアフリータラップを設置する港湾を選定する。

4.2 現地調査を実施した港湾

2章および3章により整理した港湾のうち地域性等を考慮し、下記の 8 港湾を選定し、

現地調査を実施した。

1)那覇泊港 (所在地)沖縄県那覇市

2)岩船港・新潟西港 (所在地)新潟県村上市/新潟市 3)気仙沼港 (所在地)宮城県気仙沼市

4)広島宇品港 (所在地)広島県広島市

5)弓削港 (所在地)愛媛県越智郡上島町 6)牛深港 (所在地)熊本県天草市

7)佐世保港 (所在地)長崎県佐世保市 8)奈留港 (所在地)長崎県五島市

(25)

4.3 現地調査の結果 現地調査の結果は、図表4-3-1のとおり。 就航船 寄港する離岸壁から舷客室甲板)までの段図表4-3-1 現地調査の結果 調査 地域 日時 21 港湾名 (乗降場所)乗降設備

最高 潮位 (cm)

最低 潮位 (cm)

1日 の利用人 (人)

船名 総トン数 船主 定員 (人) 航海時間 島名 人口 (人) 高齢化率 満潮時 (cm)

干潮時 (cm) ニューくめしま (679t) 337渡名喜島 531 31.1% 1 沖縄 6/10 -6/11

那覇泊港 (固定岸壁)タラップ 178 27 780 フェリーなは (697t)

久米商船 337

3時間 45 久米島 9,177 24.0%

450 240 岩船港 (固定岸壁)タラップ 30 10 50 フェリーあわしま (626t粟島汽船3141時間 30粟島 408 44.1% 200

潮位差があまりな 計測し ない。 2 北陸 6/22 新潟西港 ボーデ ブリッジ 30 7 4,250 おけさ丸 (5,862t) 佐渡汽船㈱ 1,7052時間 30佐渡島 63,328 36.7% ディングブリッからの船のため 計測していない。 3 東北 6/23 -6/24

気仙沼商 (固定岸壁)

車両ランプ ウェイ 120 30 820 フェリー亀山 (306t) 大島汽船㈱ 25420大島 3,527 34.6% 50 25 四万十川 (699t) 3242時間 40 4 7/12 -7/13

広島宇品 (固定岸壁)タラップ 340 60 8,070 石手川 (669t)

瀬戸内海 汽船㈱ 3422時間 40

(松山) (515,413) 21.4% 473 205 弓削島 8,098 34.3% 5

中国 7/13 -7/14

弓削港 (可動橋)

車両ランプ ウェイ 347 6 546 第五青丸 (130t) 弓削汽船㈱ 18015 因島 26,677 31.4%

車両ランプウェイからの下船のため計 測していない 6 7/20 -7/21

牛深港 (固定岸壁)

車両ランプ ウェイ 290 50 740 第二天長 (577t) 三和商船㈱ 35030天草下島 16,609 33.3% 345 281 小値賀島 3,268 39.1% 7

九州 7/21 -7/22

佐世保港 (固定岸壁)タラップ 280 50 830 フェリーなるしお (645t) 九州商船4005時間 20宇久島 3,976 33.0% 335 210 中通島 25,039 29.7% 福江島 26,311 30.5% 8 九州 9/9 奈留港 (固定岸壁)タラップ 280 40 210 フェリー福江 (577t九州商船6308時間 20 奈留島 3,366 35.7%

268 98

(26)

4.4 候補地の選定結果

2章、3章および本章で検討した結果を当委員会に諮り、審議を得てバリアフリータラ ップを必要とする港湾の諸条件を満たす奈留港(所在地:長崎県五島市)に設置すること とした(図表 4-4-1)。

なお、諸条件は「2.4 設置港湾の選定条件」とする。

また、奈留港を選定した理由は、就航する新旅客船(長崎-福江間 2011.4 就航予定)の 寄港地(長崎港、福江港、奈留港、奈良尾港)として、奈留港のみが車いす使用者など障 害のある方、移動に困難な高齢者の円滑に乗下船できる乗降装置がなく、その設置が喫緊 な課題であった。

(27)

23 図表4-4-1 候補地の選定結果比較表 港湾名 航路 乗降場所 乗降設備 岸壁から舷(客室甲板)までの段差離島の高化率 のバリアリー化 総合評価 1 那覇泊港

離島航路 (那覇⇔渡名喜島⇔ 久米島 他)

固定岸壁 タラップ ×450cm-240cm 久米島 24.0% × × 段差が大きいため、安全 面から設が困難。 岩船港 離島航路 (粟島⇔岩船固定岸壁 タラップ 200cm ※ただし、舷門(客室甲板)はない。粟島 44.1% × のバリアリー化が 必要。 2 新潟西港 離島航路 (新潟⇔両津固定岸壁 × ボーデ ブリッジ ボーデブリッジかの乗下船 段差が佐渡島 36.7% × ボーデブリッジか の乗下船。 3 気仙沼商離島航路 (大島⇔気仙沼) 固定岸壁 × 車両ランプウェイ 車両ランプウェイからの下船のた め段差大島 34.6% 車両ランプウェイからの 下船。 4 広島宇品港 × 広島⇔呉⇔松山 固定岸壁 タラップ ×473cm-205cm × (松山) 21.4% × × 段差が大きいため、安全 面から設が困難。 5 弓削港 離島航路 (弓削島⇔因島) × 浮き桟× 車両ランプウェイ 車両ランプウェイからの下船のた め段差弓削島 34.3% 車両ランプウェイからの 下船。 6 牛深港 × 蔵之元⇔固定岸壁 × 車両ランプウェイ 車両ランプウェイからの下船のた め段差ない。なお、車す使用者 が通行できる幅が確れてい い。

天草下島 33.3% × 車両ランプウェイからの 下船。 7 佐世保港 離島航路 (佐世保⇔上五島) 固定岸壁 タラップ 335cm-210cm 宇久島 33.0% × のバリアリー化が 必要。 8 奈留港 離島航路 (長崎⇔五島固定岸壁 タラップ 268cm-98cm 奈留島 35.7% 2011.4 新旅客船乗下船装の設置が 務。

(28)

5.バリアフリータラップの設計・製作について

5.1 バリアフリータラップの仕様 5.1.1 背景および必要性

移動に困難な高齢者や車いす使用者等の障害者にとって岸壁と船舶との移動は、その段 差に加え、船舶特有の揺れ等があるため極めて困難な状況である。

現在、旅客船ターミナル等で使用されている乗下船装置は、次のようなものがある。

1)ボーディングブリッジ

大型の旅客船やフェリー向けの設備であり、岸壁に大きな施設の建設が必要である。

その建設は膨大な費用を要し、大型の旅客船やフェリーが就航する旅客船ターミナル に限られる。また、固定されているため移動しての利用ができない。

図表 5-1-1 函館港

2)陸置き型の乗下船装置

中型の旅客船やフェリー向けの設備であり、スロープの傾斜と階段を使って昇降す るのが一般的であり、高齢者及び障害者等には不向きである。特に車いす使用者は、

階段があるため独力での利用は不可能である。

(29)

25

3)小型船舶用(船舶搭載型)の乗下船装置

小型の旅客船向けの設備である。一般的にスロープの急傾斜と大きな動揺を伴うた め、高齢者及び障害者等が独力で移動することは困難である。主に浮き桟橋(ポン・

ツーン)で使用されている。

図表 5-1-3 旅客船 19 トン

4)小型旅客船用(船舶搭載型)の昇降式乗下船装置

小型の旅客船向けの設備である。船舶搭載型であるため船舶ごとに搭載する必要が あるが、高齢者及び障害者等が容易に乗降することは可能である。

図表 5-1-4 旅客船 87 トン

以上のことから、国内に就航している旅客船の大半を占める中型の旅客船およびフェ リーは、高齢者及び障害者等の移動の円滑化を行うことができる乗下船装置が少なく、

特に固定岸壁での乗降においては、困難を窮していたことからバリアフリー化された乗 下船装置の開発が必要であった。

参照

関連したドキュメント

これらの実証試験等の結果を踏まえて改良を重ね、安全性評価の結果も考慮し、図 4.13 に示すプロ トタイプ タイプ B

機器表に以下の追加必要事項を記載している。 ・性能値(機器効率) ・試験方法等に関する規格 ・型番 ・製造者名

⑥ 実施結果 (2021 年) ( )内は 2020 年結果 区分 採用予定 申込者 第1次試験.

原子力事業者防災業務計画に基づく復旧計画書に係る実施状況報告における「福 島第二原子力発電所に係る今後の適切な管理等について」の対応方針【施設への影 響】健全性評価報告書(平成 25

3.3 液状化試験結果の分類に対する基本的考え方 3.4 試験結果の分類.. 3.5 液状化パラメータの設定方針

実効性 評価 方法. ○全社員を対象としたアンケート において,下記設問に関する回答

表4.2-15 漂流物調査結果(まとめ)(1/4) 調査範囲 評価 番号場所分類・種類内容,名称,構造等数量重量(総トン数)結果(参考)衝突影響

内 容 受講対象者 受講者数 研修月日 アンケートに基づく成果の検証