獣医学教育 病態獣医学
寄生虫学・寄生虫病学モデル・カリキュラム
Version2. 2012. 10.11 日本獣医寄生虫学会 教育委員会 (片倉 賢,野上貞雄,野中成晃,横山直明,佐藤 宏,岡本宗裕,猪熊 壽) わが国における理想的な獣医学教育のためには,学生に具体的な到達目標を明示した詳細な カリキュラムの内容と教育手法,すなわちモデル・カリキュラムを作成し明示することが不 可欠であります。そこで,日本獣医寄生虫学会では,教育委員会が中心となって獣医学教育 における寄生虫学および寄生虫病学に関するモデル・カリキュラムを作成・整備し,会員に 提供することにしました。 内容は以下の5部に分かれています。 1.寄生虫学・寄生虫病学総論 2.原虫学・原虫病学 3.蠕虫学・蠕虫病学 4.衛生動物学 5.獣医臨床寄生虫学 各到達目標の重要度に応じて○,△がつけられています。 キーワードを充実させるために,大項目,小項目および細項目について,以下の方法を用い て設定しました。 1.キーワード大項目は分類,形態,生活環,病態,疫学,診断,治療,対策の8つとする。 2.大項目のそれぞれについて,重要な情報であるキーワード小項目を( )内にまとめ て記載する。 3.必要に応じて,各小項目についての特徴的情報や別名等であるキーワード細項目を[ ] 内に記載する。 4.寄生虫種ごとにキーワード大項目,小項目および細項目を設定する。 5.各論の到達目標1)に掲げた「本項目に含まれる寄生虫に共通の生物学的特徴について 説明できる。」についても,キーワード大項目,小項目および細項目を設定する。2)以 降の寄生虫種別のキーワードについても大項目は必ず記載するが,1)ですでに掲げた 項目共通のキーワード小項目および細項目は省略し,対象寄生虫に特異的なキーワード がある場合のみ小項目および細項目を記載する。 記載例: キーワード大項目のそれぞれについて,下記内容の(小項目)および[細項目]を記載する。 選択肢のあるものは適宜選択するが,該当しないか該当が難しいものは省略してもよい。 1) 分類:寄生虫が属する目および科を記載する。 例:分類(円虫目・毛様線虫科) 2) 形態:主要な発育期と重要な形態を記載する。 例:形態(成虫[交接嚢,交接刺],虫卵[中型],第3期幼虫[被鞘])3)生活環:直接型か間接型を選択する。単宿主性か多宿主性を選択する。宿主,終宿主, 中間宿主,待機宿主,ベクター等については特定の動物種あるいは動物群を記載する(多種 あるものについては主要なものをあげ,・・・などと記載する)。感染経路については,経口, 経皮,接触,経胎盤,経乳,経気道,自家を 1 つあるいは複数選択する。体内移行について は,するもののみ記述し特徴的な移行場所や経路があれば記載する。寄生部位については, 終宿主における最終的な寄生場所を記載する。 例:生活環(直接型,単宿主性,宿主[反芻獣],感染経路[経口],寄生部位[第四胃]) 4)病態:寄生虫の病原性,特徴的症状や病態に関連する項目を記載する。 例:病態(寄生性胃腸炎,吸血,貧血,春期顕性化現象[spring rise],自家治癒[ self cure]) 5)疫学:世界的に見た分布域および日本での分布を示す。また,人獣共通感染症に該当す ればその旨を記載する。 例:疫学(分布域[全世界的,日本全土],人獣共通感染症) 6)診断:通常用いられる具体的な診断法を示す。 例:診断(ウイスコンシン変法,マックマスター法) 7)治療:通常用いられる具体的な治療法を示す。 例:治療(抗線虫薬の投与,薬剤耐性,薬剤のローテーション) 8)対策:通常用いられる具体的な対策法を示す。 例:対策(駆虫プログラム,輪牧) 具体例: (15)テニア科テニア属条虫類 一般目標: テニア属条虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学 および疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)本項目に含まれる寄生虫に共通の生物学的特徴について説明できる。 ○2)有鉤条虫(Taenia solium)について説明できる。 【キーワード】 2)分類(円葉目テニア科),形態(成虫[受胎片節の子宮分岐],幼虫[嚢胞,有鉤嚢虫], 虫卵[幼虫被殻,六鉤幼虫]),生活環(終宿主[人],中間宿主[豚,人],感染経路 [経口,人の自家感染],寄生部位[筋肉,脳]),病態(有鉤嚢虫症,運動障害,呼吸 障害,神経障害-人のてんかん),疫学(分布域[中南米,中南アフリカ,東欧,東南 アジア],人獣共通感染症[発展途上国:衛生環境との関連]),診断[食肉衛生検査, 豚の舌検査,人の血清抗体価検査],治療[プラジカンテル,メベンダゾール],対策 (食肉検査,と畜場法,衛生環境の改善[トイレの整備])
1.寄生虫学・寄生虫病学総論 全体目標: 獣医臨床および公衆衛生上重要な寄生虫学および寄生虫病学の総論を理解する。 (1)寄生虫学総論 一般目標: 寄生虫の生物学や寄生現象,および宿主−寄生体関係に関連する用語の意味を理解し,寄生虫 学に関する基本的知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)寄生現象について説明できる。 ○2)寄生虫の分類について説明できる。 ○3)寄生虫の生活環(生活史)について説明できる。 ○4)寄生虫の発育について説明できる。 ○5)寄生虫の生殖について説明できる。 【キーワード】 1)自由生活,寄生適応,寄生と共生,相利共生と片利共生,宿主特異性,寄生部位特異性 2)学名,二名法,和名,動物分類学(形態による系統分類と遺伝子による系統分類),原核 生物,真核生物,原生生物界,動物界,線形動物門,扁形動物門,鉤頭動物門,節足動 物門,原虫,蠕虫(線虫,吸虫,条虫,鉤頭虫),節足動物(ダニ,昆虫),内部寄生虫と 外部寄生虫 3)宿主,終宿主,中間宿主,待機宿主,保虫宿主(キャリア,リザーバー),媒介動物(ベ クター),生活環(直接型,間接型),感染経路(経口,経皮,接触,経胎盤,経乳,経 気道,自家),伝播(生物学的,機械的) 4)形態変化,変態,感染型幼虫,体内移行,発育停止(春期顕性化現象) 5)無性生殖,有性生殖,二分裂,多数分裂,融合,接合,世代交番,単為生殖,幼生生殖, 雌雄異体と雌雄同体,プレパテントピリオド(前寄生虫証明期)とパテントピリオド (2)寄生虫病学総論 一般目標: 寄生虫病の発症や重症化の機序(病態),診断,治療および予防についての基本的知識,技術 および考え方を習得する。 到達目標: ○1)寄生虫症の診断について概要を説明できる。 ○2)寄生虫症の治療について概要を説明できる。 ○3)寄生虫症の予防・対策について概要を説明できる。 ○4)寄生虫の病原性と寄生虫病の関連について説明できる。 ○5)寄生虫感染宿主の生体防御の特徴を説明できる。 ○6)幼虫移行症について説明できる。 ○7)人獣共通寄生虫症の概要について説明できる。 【キーワード】 1)寄生虫学的診断法,生化学的診断法,免疫学的診断法,遺伝子診断法,画像診断法
2)駆虫薬・殺虫薬と予防薬,駆虫効果と副作用,薬物使用禁止期間,薬剤耐性,ワクチン 3)単宿主性と複宿主性,消毒,感染源対策,殺寄生虫処理,検疫,感染動物の摘発隔離・ 淘汰,生活環の遮断,ベクター駆除 4)宿主−寄生虫相互作用,固有宿主,非固有宿主,相互適応,寄生部位,寄生態度,体内増 殖,体内移行,年齢抵抗性,日和見感染,アレルギー性反応,飼育環境 5)自家治癒(自然治癒),持続感染免疫(相関免疫,premunition),好酸球,IgE,Th1 反 応と Th2 反応 6)皮膚幼虫移行症,内臓幼虫移行症,眼幼虫移行症,異所寄生,迷入 7)好適宿主と非好適宿主,感染経路,偶発的感染,食品由来寄生虫症,水系感染症,旅行 者下痢症
2.原虫学・原虫病学 全体目標: 獣医臨床および公衆衛生上重要な原虫の分類,形態,生活環,病原性,流行の現状・疫学, 病態,診断,治療,予防,および宿主の防御機構について理解し,原虫による病害発生の機 序やその対策についての考え方を身につける。 (1)総論 一般目標: 獣医臨床および公衆衛生上重要な原虫の分類,形態,発育・生殖,感染症,および駆虫薬に ついての基本的知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)原虫類の分類を説明できる。 ○2)原虫類の形態学的特徴を説明できる。 ○3)原虫類の発育(形態変化)および生殖の特徴を説明できる。 ○4)原虫病および宿主免疫応答の特徴を説明できる ○5)抗原虫薬の種類について説明できる。 【キーワード】 1)原生生物界,肉質鞭毛虫類,アピコンプレックス類(胞子虫類),繊毛虫類,微胞子虫類 2)細胞内小器官,偽足(仮足),鞭毛,繊毛,波動膜,食胞,収縮胞,頂器官(頂端複合構 造,apical complex),ミトコンドリア,アピコプラスト,グライコソーム,ハイドロゲ ノソーム 3)栄養型(トロフォゾイト),嚢子(シスト)と偽嚢子,無性生殖と有性生殖,二分裂,多 分裂,内部出芽,外部出芽,シゾゴニー,ガメトゴニー,スポロゴニー 4)寄生虫血症(parasitemia),Th1 反応,Th2 反応,免疫回避,抗原変異,免疫抑制,持続 感染免疫(premunition),不顕性感染症,細胞内寄生 5)サルファ剤,スルファモイルダプソン,ピリメタミン,ポリエーテル系抗コクシジウム 剤,アンプロリウム,アミノキノリン製剤,ジミナゼン製剤,メトロニダゾール製剤 (2)肉質鞭毛虫類Ⅰ(肉質虫類) 一般目標: 肉質虫類の重要種について,その生物学,疫学,病因・病理学および疾病制御に関連する知 識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)本項目に含まれる寄生虫に共通の生物学的特徴について説明できる。 ○2)赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)について説明できる。 △3)本項目に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】 1)分類(アメーバ目),形態(栄養型,嚢子[シスト],二分裂,類染色質体,嚢子の核数, カリオソーム,偽足),生活環(自由生活種と寄生種)
2)分類(アメーバ目エントアメーバ科),形態(栄養型,4核嚢子,棍棒状類染色質体),生 活環(直接型,多宿主性,終宿主[人,サル,犬,猫],感染経路[経口],寄生部位[大腸, 全身転移],二分裂,運搬宿主,食品由来),病態(腸アメーバ症,アメーバ性大腸炎,ア メーバ赤痢,組織侵入性,壺形潰瘍,転移,無菌性膿瘍,全身移行,腸管外アメーバ症, アメーバ性肝膿瘍),疫学(分布域[世界的],人獣共通感染症,性感染症),診断(ヨー ド染色,集シスト法),治療(メトロニダゾール,チニダゾール),対策(感染症法5類
感染症,Entamoeba coli[大腸アメーバ]およびEntamoeba disparとの鑑別)
3)Entamoeba dispar(病態[非病原性]),Entamoeba coli(大腸アメーバ,形態[8 核嚢子], 病態[非病原性]),Entamoeba invadens(病態[は虫類寄生性,病原性]),Naegleria fowleri
(病態[アメーバ性髄膜脳炎]),Acanthamoeba spp.(病態[アメーバ性角膜炎]) (3)肉質鞭毛虫類Ⅱ(腸管寄生性鞭毛虫類) 一般目標: 腸管寄生性鞭毛虫について,その生物学,疫学,病因・病理学および疾病制御に関連する知 識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)本項目に含まれる寄生虫に共通の生物学的特徴について説明できる。 ○2)ジアルジア(Giardia intestinalis)について説明できる。 ○3)牛生殖器トリコモナス(Tritrichomonas foetus)について説明できる。 ○4)ヒストモナス(Histomonas meleagridis)について説明できる。 △5)本項目に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】 1)形態(栄養型,嚢子[シスト],鞭毛)
2)分類(ジアルジア属,ランブル鞭毛虫,異名:Giardia lamblia,Giardia duodenalis,
宿主と遺伝子型[assemblage]),形態(栄養型,嚢子,前側鞭毛,側鞭毛,腹鞭毛,後鞭 毛,吸着円盤,カリオソーム,中央小体),生活環(直接型,多宿主性,宿主[人,犬,猫, 牛,豚など],感染経路[経口:シスト],寄生部位[小腸粘膜]),病態(不顕性感染,日和 見感染,脂肪吸収阻害,脂肪性下痢),疫学(分布域[世界的],水系感染症,性感染症, 人獣共通感染症),診断(ヨード染色,集シスト法),治療(メトロニダゾール),対策(感 染症法 5 類感染症,シストの塩素抵抗性) 3)分類(トリコモナス属),形態(栄養型,3 本の前鞭毛,後鞭毛,波動膜,[偽]嚢子な し),生活環(直接型,宿主[牛,猫],感染経路[交尾,経口?],寄生部位[牛:生殖器, 猫[小腸],縦二分裂),病態(膣炎,流産,包皮炎),疫学(分布域[世界的,日本ではま れ],生殖器感染症,自然交配と人工授精),診断(生殖器粘液・洗浄液検査),治療(膣・ 子宮洗浄,メトロニダゾール膣剤),対策(届出伝染病[牛,水牛],人工授精,感染雄牛 の治療・隔離), 4)分類(ヒストモナス属),形態(栄養型[有鞭毛期と無鞭毛期:内腔型と組織型:鞭毛運 動とアメーバ運動]),生活環(間接型,終宿主[クジャク,七面鳥,鶏,キジなど],鶏 盲腸虫を介した感染,鶏盲腸虫感染経路[経口:原虫感染の鶏盲腸虫虫卵の経口摂取,原 虫感染の鶏盲腸虫虫卵を摂取したシマミミズの経口摂取],寄生部位[盲腸,肝臓],病態 (黄色水溶性下痢,盲腸病変[点状潰瘍,壊死性盲腸炎],肝臓病変[菊花状・円形の陥凹 壊死],黒頭病),疫学(分布域[世界的]),診断(剖検,組織検査),治療(フェノチア ジン,テトラミゾール),対策(鶏盲腸虫駆除)
5)Pentatrichomonas hominis(腸トリコモナス,宿主[人,犬,猫など],病態[出血性下痢]), Trichomonas gallinae(ハトトリコモナス,宿主[ハト,七面鳥など],生活環[ハトミル クで伝播],病態[上部消化器の壊死性病変]),Tetratrichomonas gallinarum(ニワトリ トリコモナス,宿主[ニワトリなど],病態[盲腸炎と下痢]),Trichomonas vaginalis(膣 トリコモナス,宿主[人],病態[膣炎],疫学[性感染症]) (4)肉質鞭毛虫類Ⅲ(血液内寄生性鞭毛虫) 一般目標: 血液内寄生性鞭毛虫類の重要種について,その生物学,疫学,病因・病理学および疾病制御 に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)本項目に含まれる寄生虫に共通の生物学的特徴について説明できる。 ○2)クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)について説明できる。 ○3)ブルーストリパノソーマ(Trypanosoma brucei)について説明できる。 ○4)リーシュマニア(Leishmania spp.)について説明できる。 △/○5)本項目に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】 1)吸血昆虫媒介性,ステルコラリア(糞棲類)とサリバリア(唾棲類),トリポマスティゴ ート,エピマスティゴート,プロマスティゴート,アマスティゴート,キネトプラスト, 鞭毛,波動膜 2)分類(キネトプラスト目トリパノソーマ科トリパノソーマ属),形態(トリポマスティゴ ート,エピマスティゴート,アマスティゴート),生活環(間接型,ステルコラリア,多 宿主性,終宿主[人,犬,猫,サル,アルマジロなど],保虫宿主[アルマジロ,オポッサ ム,アライグマなど],ベクター[サシガメ],感染経路[サシガメの糞内の原虫が経皮ま たは経口感染],寄生部位[細胞内寄生性,細胞内でアマスティゴート,網内系,心筋, 骨格筋,平滑筋),病態(人:シャーガス病,アメリカトリパノソーマ症,心筋炎,巨大 結腸症,ロマーニャ徴候[眼瞼浮腫],シャゴーマ[手足の浮腫]),疫学(分布域[中南米, 米 国 南 部 ] , 人 獣 共 通 感 染 症 ), 診 断 ( 臨 床 症 状 , 急 性 期 の 血 液 検 査 , 体 外 診 断 法 [xenodiagnosis]),治療(ニフルティモックス,ベンジダゾール),対策(サシガメの 駆除) 3)分類(キネトプラスト目トリパノソーマ科トリパノソーマ属),形態(トリポマスティゴ ート,エピマスティゴート),生活環(間接型,サリバリア,多宿主性[Trypanosoma brucei
brucei:牛,豚,馬,ロバ,ラクダ,犬など],Trypanosoma brucei gambiense:人,豚 など, Trypanosoma brucei rhodesiense:人,牛,豚,アンティロープなど,血流型ト リポマスティゴート,ベクター[ツェツェバエ:プロサイクリック型エピマスティゴー
トとメタサイクリック型トリポマスティゴート],感染経路[ツェツェバエ唾液腺内のメ
タサイクリック型が吸血時に注入],寄生部位[血流中,組織間隙,リンパ液中,脳脊髄 液中),病態(免疫回避[細胞外披,surface coat, VSG:variable surface glycoprotein,
ヒト血清抵抗性関連遺伝子],間欠熱,貧血,リンパ節腫脹,神経症状,アフリカトリパ
ノソーマ症,ナガナ病[家畜], 睡眠病[人]),疫学(分布域[熱帯アフリカ],人獣共通感
染症),診断(臨床症状,血液・リンパ液検査),治療(スラミン,ペンタミジン,ジミ ナゼンアセチュレートなど),対策(ツェツェバエの駆除,届出伝染病[牛,水牛,馬])
ノバンリーシュマニア], Leishmania infantum,Leishmania chagasi,Leishmania major,
Leishmania tropica[熱帯リーシュマニア], Leishmania mexicana[メキシコリーシュ マニア], Leishmania braziliensis[ブラジルリーシュマニア]),形態(プロマスティ ゴートとアマスティゴート),生活環(間接型,多宿主性,宿主[人,犬,狐,齧歯類な ど],保虫宿主[犬,狐,齧歯類など],ベクター[サシチョウバエ],感染経路[サシチ ョウバエ口腔内のプロマスティゴート型が吸血時に注入],寄生部位[内臓型:全身臓器 とくに肝臓,脾臓,骨髄のマクロファージ細胞,皮膚型:皮膚のマクロファージ細胞, 病態(細胞内寄生性,内臓リーシュマニア症[カラアザール],皮膚リーシュマニア症, 粘膜・皮膚リーシュマニア症,東洋瘤腫,皮膚潰瘍,チクレロ潰瘍,貧血,発熱,肝脾 腫,リンパ節腫脹,PKDL),疫学(分布域[中近東,アフリカ,地中海諸国,南アジア, 中南米],人獣共通感染症),診断(病変部生検材料塗抹,N.N.N.培地),治療(5価アン チモン剤,ミルテホシン,アロプリノール),対策(ベクター対策,忌避剤) 5)Trypanosoma congolense(宿主[牛,ラクダなど],ベクター[ツェツェバエ],分布域[ア フリカ],対策[届出伝染病:牛,水牛,馬]), Trypanosoma vivax(宿主[牛],ベクタ ー[ツェツェバエ, アブ],分布域[アフリカ,中南米],対策[届出伝染病]), Trypanosoma equiperdum(宿主[馬,ロバ],生活環(直接型[性交伝播]),病態[媾疫トリパノソーマ, ターラー斑],分布域[世界的分布],対策[届出伝染病:牛,水牛,馬]),Trypanosoma evansi (エバンストリパノソーマ,宿主[馬,ラクダ,水牛,犬],生活環 [ツェツェバエ非媒 介性,機械的伝播],ベクター[アブ,サシバエ],病態[スーラ],分布域[世界的],対策 [届出伝染病:牛,水牛,馬]),Trypanosoma theileri(分類[ステルコラリア],宿主[牛], ベクター[アブ,サシバエ],病態[非病原性],分布域[世界的,日本],対策[届出伝染病: 牛,水牛,馬]),Trypanosoma rangeli(分類[ステルコラリア],宿主[多種哺乳類],ベ クター[サシガメ],分布域[中南米]),Trypanosoma lewisi(分類[ステルコラリア],宿 主[ラット],ベクター[ネズミノミ],病態[非病原性],分布域[世界的]) (5)アピコンプレックス類Ⅰ(腸管限局寄生性胞子虫類およびイソスポラ) 一般目標: 腸管限局寄生性胞子虫類およびイソスポラの重要種について,その生物学,疫学,病因・病 理学および疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)本項目に含まれる寄生虫に共通の生物学的特徴について説明できる。 ○2)アイメリア(Eimeria spp.)について説明できる。 ○3)イソスポラ(Isospora spp.)について説明できる。 ○4)クリプトスポリジウム(Cryptosporidium spp.)について説明できる。 【キーワード】 1)頂器官(頂端複合構造,apical complex),無性生殖,有性生殖,スポロゴニー,シゾゴ ニー(メロゴニー),ガメトゴニー(ガモゴニー),オーシスト,スポロシスト,スポロ ゾイト,トロフォゾイト,シゾント(メロント),メロゾイト,マクロガメートサイト, ミクロガメートサイト,マクロガメート,ミクロガメート,チゴート(ザイゴート)
2)分類(コクシジウム類アイメリア属:鶏のコクシジウム[Eimeria tenella, Eimeria
necatrix, Eimeria acervulina, Eimeria maxima, Eimeria brunetti], 牛のコクシジウ ム[Eimeria zuernii, Eimeria bovisなど], めん羊・山羊のコクシジウム[Eimeria ahsata, Eimeria arloingiなど],豚のコクシジウム[Eimeria deblieckiなど],ウサギのコクシ
ジウム(Eimeria stiedai)]),形態(オーシスト,4つのスポロシスト,ミクロパイル), 生活環(単宿主性,感染経路[経口:オーシスト],寄生部位[宿主特異性:小腸,大腸, 盲腸など),病態(組織内寄生部位特異性,細胞内寄生部位特異性,組織内発育と病原性 の相関,下痢,血便,混合感染,パテントピリオド,プレパテントピリオド),疫学(分 布域[世界的,日本全土]),診断(糞便検査,剖検),治療(サルファ剤),対策(予防薬 の飼料添加,消毒[オーシスト対策],オーシスト生ワクチン[鶏])
3)分類(コクシジウム類イソスポラ属:犬のコクシジウム[Isospora canis, Isospora
ohioensis],猫のコクシジウム[Isospora felis, Isospora rivolta], 豚のコクシジウ ム[Isospora suis],形態(オーシスト,2つのスポロシスト),生活環(多宿主性,ユ ニゾイトシスト[待機宿主], 感染経路[経口:オーシスト],寄生部位[小腸]),病態(下 痢,血便,カタル性・出血性腸炎,パテントピリオド,プレパテントピリオド),疫学(分 布域[世界的]),診断(糞便検査),治療(サルファ剤),対策(消毒[オーシスト対策]) 4)分類(クリプトスポリジウム属,宿主と遺伝子型,Cryptosporidium parvum にヒト型, ウシ型,ブタ型,サル型,マウス型など,人のクリプトスポリジウム[Cryptosporidium
hominis],犬のクリプトスポリジウム[Cryptosporidium canis],猫のクリプトスポリジ ウム[Cryptosporidium felis],牛のクリプトスポリジウム[Cryptosporidium andersoni],
マウスのクリプトスポリジウム[Cryptosporidium muris], 鳥類のクリプトスポリジウ ム[Cryptosporidium baileyiなど],は虫類寄生のクリプトスポリジウム,魚類寄生のク リプトスポリジウム),形態(成熟オーシスト,スポロゾイト),生活環(感染経路[経口: オーシスト],寄生部位[腸上皮細胞の微絨毛,胃上皮],宿主特異性[低い]),病態(水 溶性下痢,自然治癒,自家感染[スポロゾイト]),疫学(分布域[世界的,日本全土],水 系感染症,塩素抵抗性,人獣共通感染症,AIDS との合併症[人]),診断(集オーシスト法, ショ糖浮遊法,キニヨン抗酸染色),治療(対症療法),対策(感染症法5類感染症) (6)アピコンプレックス類Ⅱ(組織シスト形成胞子虫類) 一般目標: 組織シスト形成胞子虫類の重要種について,その生物学,疫学,病因・病理学および疾病制 御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)本項目に含まれる寄生虫に共通の生物学的特徴について説明できる。 ○2)トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)について説明できる。 ○3)ネオスポラ(Neospora caninum)について説明できる。 ○4)サルコシスティス(Sarcocystis spp.)について説明できる。 △5)本項目に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】 1)間接型生活環,終宿主,中間宿主,頂器官,無性生殖,有性生殖,スポロゴニー,シゾ ゴニー(メロゴニー),ガメトゴニー(ガモゴニー),イソスポラ型オーシスト,スポロ シスト,スポロゾイト,シゾント(メロント),メロゾイト,マクロガメートサイト,ミ クロガメートサイト,マクロガメート,ミクロガメート,チゴート(ザイゴート)シス ト(組織内シスト形成),オーシスト 2)分類(1属1種),形態(シスト,オーシスト,タキゾイト[急増虫体],ブラディゾイ ト[緩増虫体]),生活環(終宿主[ネコ科動物],中間宿主[人,豚,牛,羊,山羊,ネ ズミ,ウサギなど多種哺乳類と鶏,ハトなどの鳥類],タキゾイトとブラディゾイト,シ
ストとオーシスト,細胞内寄生性,寄生胞,内部出芽二分裂,無性生殖,有性生殖,感 染経路[経口:シスト;オーシスト,経胎盤:タキゾイト,臓器移植:シスト]寄生部位[小 腸,リンパ節,全身臓器,筋肉,中枢神経系),病態(腸管感染と全身感染,豚のトキソ プラズマ症[チアノーゼ,発熱,全身症状,流産,死産],人の先天性トキソプラズマ症[網 脈絡膜炎,水頭症,脳内石灰化,精神運動障害,流産,死産]と後天性トキソプラズマ症 [発熱,リンパ節炎]),疫学(分布域[世界的],人の先天性トキソプラズマ症,人獣共通 感染症),診断(ラテックス凝集反応),治療(サルファ剤,ミリメタミン,クリンダマ イシン),対策(感染源対策[感染肉,オーシスト],オーシストは外界抵抗性,届出伝 染病[豚,イノシシ,山羊,めん羊]) 3)分類(現時点では1属1種),形態(シスト[シスト壁は厚い],オーシスト,タキゾイト [急増虫体],ブラディゾイト[緩増虫体]),生活環(終宿主[犬],中間宿主[牛,羊, 山羊,水牛,馬,ラクダなど],タキゾイトとブラディゾイト,シストとオーシスト,細 胞内寄生性,寄生胞,内部出芽二分裂,有性生殖,感染経路[経口:シスト;オーシスト, 経胎盤:タキゾイト],寄生部位[小腸,全身臓器,筋肉,中枢神経系),病態(腸管感染 と全身感染,牛のネオスポラ症[先天感染,流産,死産,非化膿性脳脊髄炎,心筋炎], 犬のネオスポラ症[先天感染,流産,死産, 神経症状,上行性麻痺,多発性筋炎,後肢硬 直)],疫学(分布域[世界的,日本]),診断(間接蛍光抗体法),治療(サルファ剤),対 策(感染源不明,届出伝染病[牛,水牛]) 4)分類(Sarcocystis 属),形態(シスト,スポロシスト,タキゾイト[急増虫体],ブラ ディゾイト[緩増虫体],肉胞子虫),生活環(終宿主[肉食獣],中間宿主[草食獣], サルコシスト,感染経路[経口:シスト],寄生部位[小腸粘膜固有層,血管内皮細胞,全 身移行,骨格筋,心筋,中枢神経系]),病態(Sarcocystis cruziは病原性[血管破綻, 点状出血,発熱,衰弱,ダルメニー病]),疫学(分布域[世界的],人を終宿主とする種 [Sarcocystis hominis, Sarcocystis suihominis]),診断(糞便検査[スポロシスト検 出]),治療(不明),対策(スポロシストは外界抵抗性) 5)Besnoitiabesnoiti(終宿主[猫],中間宿主[牛,山羊,レイヨウ類],病態:牛のベスノ イチア症[皮下・結合組織寄生,発熱,全身症状] ,Hammondia hammondi(形態[オーシ ストはトキソプラズマと区別困難],終宿主[猫],中間宿主[マウス,ラットなど]) (7)アピコンプレックス類Ⅲ(血液内寄生性胞子虫類) 一般目標: 血液内寄生性胞子虫類の重要種について,その生物学,疫学,病因・病理学および疾病制御 に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)タイレリアに共通の生物学的特徴を説明できる。 ○2)Theileria orientalisについて説明できる。
○3)Theileria parvaおよびTheileria annulataについて説明できる。 ○4)バベシアに共通の生物学的特徴を説明できる。 ○5)牛のバベシアについて説明できる。 ○5)馬のバベシアについて説明できる。 ○7)犬のバベシアについて説明できる。 ○8)鶏ロイコチトゾーン(Leucocytozoon caulleryi)について説明できる。 △9)マラリア原虫に共通の生物学的特徴を説明できる。 ○10)鶏マラリアの重要な病原虫種について説明できる。
○11)ヘパトゾーンの重要種について説明できる。
△12)本項目に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】
1)分類(ピロプラズマ目タイレリア科),形態(オーシストは形成しない),生活環(間接 型,宿主[牛,水牛などの反芻類],ベクター[マダニ:2宿主性と3宿主性],経発育期伝 播,スポロゾイト,リンパ球内寄生,transforming Theileria spp.と non-transforming
Theileria spp.,シゾゴニー,シゾント[マクロシゾントとミクロシゾント],メロゾイ ト,赤血球内寄生[小型ピロプラズム],無性生殖,ガメトゴニー,マクロガメートサイ ト,ミクロガメートサイト,マクロガメート,ミクロガメート,有性生殖,ザイゴート, キネート,スポロブラスト,スポロゴニー) 2)分類(ピロプラズマ目タイレリア科, T. sergenti/buffeli/orientalis 群原虫),形態 (巨大シゾント,柳葉状,コンマ状,桿菌状,卵円形状,赤血球内に bar や veil 構造), 生活環(終宿主[牛],ベクター[3宿主性マダニ,フタトゲチマダニ],幼・若ダニ雄雌 が媒介,non-transforming Theileria),寄生部位[リンパ節,肝臓,脾臓,赤血球]), 病態(小型ピロプラズマ病,放牧病,発熱,リンパ節腫脹,非溶血性貧血[血管外溶血], ストレス, 他の住血微生物との混合感染),疫学(分布域[日本,韓国,中国,ロシア, 東南アジア,オーストラリア],診断(血液塗抹),治療(アミノキノリン製剤[パマキン, プリマキン], 対症療法,,対策(マダニ対策,フルメトリン, 休牧)
3)Theileria parva: 分類(ピロプラズマ目タイレリア科),形態(コンマ状,卵円形状,Y 字状),生活環(終宿主[牛,アフリカ水牛],ベクター[3宿主性マダニ,コイタマダニ], transforming Theileria),寄生部位[リンパ節,肝臓,脾臓,リンパ球,赤血球]),病 態(東アフリカ海岸熱[ECF],発熱,リンパ節腫脹,貧血,白血球減少,流涙,横臥,肺 水腫,呼吸困難, 他の住血微生物との混合感染),疫学(分布域[東・南アフリカ]),診 断(リンパ節生検材料塗抹),治療(対症療法,感染治療法[スポロゾイト、テトラサイ クリン]),対策(マダニ対策,休牧,家畜伝染病[牛,水牛]), Theileria annulata: 宿主[牛,水牛],ベクター[イボマダニ],病態[熱帯タイレリア病],分布域[北アフリカ, 南欧,中東,インド,ロシア東部],対策(マダニ対策、生ワクチン[弱毒シゾント感染 リンパ球]、家畜伝染病[牛,水牛]) 4)分類(ピロプラズマ目バベシア科),形態(オーシストは形成しない),生活環(間接型, 宿主[牛・水牛などの反芻類,馬・ロバ・ラバなどの奇蹄類,犬,齧歯類,人],ベクタ ー[マダニ:1宿主性(オウシマダニ),2宿主性,3宿主性],経卵伝播(経卵巣伝播[介 卵伝播]),スポロゾイト,赤血球寄生[大型ピロプラズム],メロゾイト,二分裂,ガメ トゴニー,マクロガメートサイト,ミクロガメートサイト,マクロガメート,ミクロガ メート,有性生殖,ザイゴート,キネート,スポロブラスト, スポロゴニー),病態(放 牧病,発熱,溶血性貧血[血管内溶血],黄疸, 血色素尿),診断(血液塗抹),治療(イ ミドカルブ,ジミナゼン,フェナミジン,対症療法),対策(マダニ対策[プアオン法]) 5)Babesia ovata(宿主[牛],ベクター[フタトゲチマダニ],病態[大型ピロプラズマ病], 分布域[日本,韓国]),Babesia bigemina(宿主[牛,水牛],ベクター[オウシマダニ, コイタマダニ,幼・若・成ダニが媒介],病態[ダニ熱,テキサス熱],分布域[世界的, 現在日本にはない],対策[家畜伝染病:牛,水牛,シカ]), Babesia bovis(宿主[牛, シカ],ベクター[オウシマダニ,コイタマダニ],中型ピロプラズム, 病態[脳バベシア 症:感染赤血球、脳内毛細血管、うっ滞],分布域[世界的,現在日本にはない],対策[弱 毒生ワクチン, 家畜伝染病:牛,水牛,シカ])
6)Babesia equi (Theileria equi との意見もある[リンパ球でのシゾゴニー], 形態[小 型ピロプラズム, マルタクロス:4 分裂],宿主[馬],ベクター[カクマダニ,イボマダニ,
コイタマダニ,オウシマダニ],生活環[経発育期伝播および経卵伝播],病態[発熱,流 涙,貧血,血色素尿],分布域[世界的, 日本にはない],対策[家畜伝染病:馬]), Babesia caballi(宿主[馬],ベクター[カクマダニ,イボマダニ,コイタマダニ,オウシマダニ], 発育環[経卵伝播],病態[発熱,貧血,黄疸,胃腸炎,後躯麻痺],対策[家畜伝染病:馬]) 7)Babesia gibsoni(形態[小型ピロプラズム,多型性],ベクター[コイタマダニ,チマダ ニ,カクマダニ],生活環[経発育期伝播および経卵伝播,胎盤感染, 直接伝播],病態[発 熱,溶血性貧血, 黄疸、脾腫],分布域[アジア,日本], 治療[ジミナゼン]), Babesia
canis(分類[3亜種:canis, rossi, vogeli],形態[大型ピロプラズム,洋梨状],ベク ター[コイタマダニ,チマダニ,カクマダニ],生活環[経発育期伝播および経卵伝播,胎 盤感染],病態[発熱,溶血性貧血,黄疸,血色素尿, 低血圧性ショック(B. canis rossi)], 分布域[世界的, 沖縄(B. canis rossi)]、対策[マダニ対策、ワクチン]) 8)分類(ロイコチトゾーン科),形態(巨大なシゾント),生活環(宿主[鶏],ベクター[ヌ カカ],スポロゾイト,シゾゴニー,第1代シゾント,第1代メロゾイト,第2代シゾン ト,第2代メロゾイト,マクロガメートサイト,ミクロガメートサイト,ガメトゴニー, マクロガメート,ミクロガメート,ザイゴート,オーキネート,スポロゴニー,寄生部 位[血管内皮系細胞,赤血球]),病態(血管栓塞,血管破綻,出血,喀血,溶血性貧血, 緑便,耐過鶏で免疫),疫学(分布域[アジア,日本]),診断(剖検),対策(ヌカカ対策, 届出伝染病[鶏]) 9)分類(Plasmodium 属,遺伝子型:サル型,齧歯類型,鳥型),形態(頂器官[コノイドを欠 く],スポロゾイト,シゾント,トロフォゾイト,メロゾイト,マクロガメートサイト, ミクロガメートサイト,マクロガメート,ミクロガメート,ザイゴート,オーキネート, オーシスト,生活環(間接型,宿主[霊長類,齧歯類,鳥類],ベクター[ハマダラカ:サル 型,齧歯類型原虫,イエカ・ヤブカ:鳥型原虫]),感染経路[蚊の吸血],無性生殖と有性 生殖,赤血球内寄生[マラリア色素],病態(発熱,貧血,肝脾腫) 10)Plasmodium gallinaceum(宿主[鶏,キジ,ウズラなど],ベクター[ヤブカ,イエカ], 寄生部位[肝の細網細胞,赤血球],病態[貧血,肝脾腫,耐過で免疫],診断[血液塗抹], 治療[サルファ剤,アミノキノリンなど],疫学[東南アジア],対策[蚊の駆除]), Plasmodium juxtanucleare(宿主[鶏,アヒル,ホロホロチョウなど],ベクター[ヤブカ, イエカ],寄生部位[血管内皮細胞,赤血球],病態[貧血,黄疸,緑便,耐過で免疫], 診断[血液塗抹],分布域[東南アジア,日本,メキシコ,南米]) 11)Hepatozoon canis(分類[ヘパトゾーン属],形態[ガメトサイト],宿主[犬,猫,キツ ネなど肉食獣],ベクター[クリイロコイタマダニなど],感染経路[ダニの経口摂取],非 吸血性伝播,寄生部位[好中球,単球],病態[発熱,貧血,高グロブリン血症,高アルブ ミン血症,好中球血症],分布域[アフリカ,インド,中東,東南アジア,日本]),診断[血 液塗抹],治療[イミドカルブ,ドキシサイクリン],対策[マダニ駆除]) 12)Theileria mutans(宿主[牛,水牛],ベクター[イボマダニ],病態[良性アフリカタイ レリア病],分布域[アフリカ,中東,ロシア]), Babesia divergens(宿主[牛],ベク ター[マダニ属],疫学[人獣共通感染症]), Babesia microti(宿主[野生げっ歯類],疫
学[人獣共通感染症]),猿マラリア原虫(Plasmodium knowlesi, Plasmodium cynomolgi), 人体マラリア原虫(Plasmodium vivax[三日熱マラリア原虫], Plasmodium falciparum[熱 帯熱マラリア原虫], Plasmodium malariae[四日熱マラリア原虫], Plasmodium ovale[卵 形マラリア原虫])
(8)繊毛虫類 一般目標:
繊毛虫類の重要種について,その生物学,疫学,病因・病理学および疾病制御に関連する知 識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)大腸バランチジウム(Balantidium coli)について説明できる。 △2)バクストネラ(Buxtonella sulcata)について説明できる。 【キーワード】 1)分類(繊毛虫類バランチジウム科),形態(栄養型,シスト,繊毛,大核,小核,細胞口, 収縮胞),生活環(単宿主性,宿主[豚,イノシシ,サル,人, 犬],二分裂,接合,感染 経路[経口:シスト],寄生部位[大腸]),病態(豚のバランチジウム症:組織侵入性,潰 瘍,下痢,赤痢),疫学(分布域[世界的],人獣共通感染症),診断(糞便検査:シスト の検出),治療(メトロニダゾール),対策(シストの殺滅) 2)分類(繊毛虫類バクストネラ属),形態(栄養型,シスト,繊毛,大核,小核,収縮胞, 無繊毛の縦溝),生活環(単宿主性,宿主[牛,ラクダ],感染経路[経口:シスト],寄生 部位[盲腸]),病態(通常は非病原性),疫学(分布域[世界的]),診断(糞便検査:シス トの検出,大腸バランチジウムとの鑑別) (9)微胞子虫類 一般目標: 微胞子虫類の重要種について,その生物学,疫学,病因・病理学および疾病制御に関連する 知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: △1)Encephalitozoon cuniculiについて説明できる。 △2)Nosema apisについて説明できる。 【キーワード】 1)分類(微胞子虫類,旧分類名:Nosema cuniculi),形態(栄養型,胞子,極嚢,極糸), 生活環(宿主[ウサギ,モルモット,ハムスター,ラット,マウスなどの齧歯類],発育 [細胞内寄生性,栄養体,スポロント,スポロブラスト,胞子],感染経路[経口:胞子 の摂取],寄生部位[脳,腎臓,マクロファージ],尿中に胞子),病態(通常は不顕性, 肉芽腫性脳炎・腎炎[ウサギ,犬]),診断(剖検) 2)分類(微胞子虫類ノゼマ科),生活環(宿主[ミツバチ],発育[細胞内寄生性,胞子], 感染経路[経口:胞子の摂取],寄生部位[中腸上皮]),病態(飛翔不能,産卵低下),疫 学(分布域[日本,台湾,欧州),診断(剖検:中腸内胞子の検出),対策(届出伝染病[ミ ツバチ])
3.蠕虫学・蠕虫病学 全体目標: 獣医臨床および公衆衛生上重要な蠕虫の分類,形態,生活環,病原性,流行の現状・疫学, 病態,診断,治療,予防,および宿主の防御機構について理解し,蠕虫による病害発生の機 序やその対策についての考え方を身につける。 (1)総論 一般目標: 獣医臨床および公衆衛生上重要な蠕虫の分類についての基本的知識を習得する。 到達目標: ○1)蠕虫類の分類を説明できる。 【キーワード】 1)扁形動物,吸虫,条虫,線形動物,線虫,鉤頭動物,鉤頭虫 (2)吸虫総論 獣医臨床および公衆衛生上重要な吸虫の分類,形態,発育・生殖および駆虫薬についての基 本的知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)吸虫類の分類について説明できる。 ○2)吸虫類の形態学的特徴について説明できる。 ○3)吸虫類の発育(形態変化)および生殖の特徴について説明できる。 △4)抗吸虫薬について説明できる。 【キーワード】 1)扁形動物門,単生綱,吸虫綱,楯吸虫亜綱,二生亜綱 2)成虫:外被(棘),基底層,筋層,柔組織,口吸盤,腹吸盤,消化器系(口,咽頭,食道, 腸[盲管]),雌雄同体(住血吸虫類は雌雄異体),雄性生殖器(精巣,輸精管,貯精嚢, 陰茎,陰茎嚢),雌性生殖器(卵巣,輸卵管,卵黄腺,卵黄管,ラウレル管,受精嚢,メ ーリス腺,卵形成腔,子宮),生殖孔,排泄系(炎[焰]細胞[排泄細胞],排泄管,排 泄嚢,排泄孔),神経系 虫卵:卵蓋(小蓋)(住血吸虫を除く),排泄時の虫卵内容(卵細胞+卵黄細胞,ミラシジ ウム) ミラシジウム:繊毛 スポロシスト:嚢状,胚細胞 レジア:口,咽頭,腸,胚細胞 セルカリア:体部と尾部,口吸盤,腹吸盤,消化管,排泄系,生殖原基,腺細胞系,眼 点 メタセルカリア:被嚢 3)間接型生活環,多宿主性,終宿主,(第一・第二)中間宿主,虫卵,ミラシジウム,(母・ 娘)スポロシスト,(母・娘)レジア,セルカリア,メタセルカリア,成虫,幼生生殖,
無性生殖と有性生殖 4)ビチオノール製剤,ブロムフェノホス,ニトロキシニル,トリクラベンダゾール,プラ ジカンテル (3)蛭状吸虫科(肝蛭類) 肝蛭類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学および疾 病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)肝蛭類について説明できる。 ○2)日本産肝蛭の特徴について説明できる。 △3)肝蛭科に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】
1)肝蛭(Fasciola hepatica),巨大肝蛭(Fasciola gigantica),分類(棘口吸虫目,肝蛭
科),形態(成虫[扁平・木の葉状,頭円錐,複雑な腸管の分岐,分葉精巣],虫卵[黄 褐色,大型,小蓋,排泄時ミラシジウムの形成なし〈虫卵内容は卵細胞+卵黄細胞〉,卵 細胞の位置]),生活環(間接型,多宿主性,終宿主[主に反芻動物,その他豚,馬,人 など],中間宿主[Lymnaea属巻貝,幼生生殖],第二中間宿主を欠く[メタセルカリアが 水草に被嚢],感染経路[経口],体内移行[腸管→腹腔→肝表面→肝実質→胆管],寄生 部位[胆管]),病態(急性肝蛭症[肝内移行期,創傷性肝炎],慢性肝蛭症[胆管内寄生 期,胆管炎,胆管周囲炎,胆管の肥厚,石灰結石による閉塞,左葉の萎縮と右葉の代償 性肥大,寄生虫性肝炎,肝硬変],異所寄生[気管支,脊髄,子宮,胎児への迷入→気管 支炎,腰麻痺,繁殖障害],好酸球増多),疫学(分布域[肝蛭:全世界的;巨大肝蛭: アジア,アフリカ],人獣共通感染症),診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈渡辺法,時計皿 法,昭和式法,ビーズ法〉,双口吸虫卵との鑑別],皮内反応,ゲル内二重拡散法,ELISA), 治療(トリクラベンダゾール,ブロムフェノホス,ニトロキシニル,ビチオノール:虫 齢特異性,残留規制),予防・対策(虫卵の殺滅,中間宿主の撲滅,メタセルカリアの撲 滅) 2)Fasciola sp.,分類,形態(肝蛭と巨大肝蛭の中間体,2倍体,3倍体,モザイク体,精 子形成異常,単為生殖),生活環(第一中間宿主[ヒメモノアラガイ,コシダカモノアラ ガイ(北海道)]),病態,疫学(分布域[日本全土],稲作,放牧と保虫動物),診断,治 療,予防・対策 3)肥大吸虫(Fasciolopsis buski)分類(棘口吸虫目,肝蛭科),形態(成虫[肝蛭に似る が管状腸管]虫卵[黄褐色,大型,小蓋,排泄時ミラシジウムの形成なし〈虫卵内容は 卵細胞+卵黄細胞〉]),生活環(間接型,多宿主性,終宿主[豚,人など],中間宿主[ヒ ラマキガイ],第二中間宿主を欠く[メタセルカリアが水草に被嚢,ヒシの実],感染経 路[経口],寄生部位[小腸]),病態(小腸の糜爛,潰瘍),疫学(分布域[中国,台湾, タイ,ベトナム,インドなど,日本に分布せず]),診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈渡辺 法,時計皿法,昭和式法,ビーズ法〉]),治療[プラジカンテル],予防・対策 (4)双口吸虫科(双口吸虫類) 一般目標: 双口吸虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学およ
び疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標:
○1)双口吸虫類について説明できる。 【キーワード】
1)分類(棘口吸虫目,双口吸虫科,腹嚢双口吸虫科,腹盤双口吸虫科,前胃寄生種 [Calicophoron属, Orthocoelium属, Paramphistomum属, Fischoederius属〈長形双口 吸虫:F. elongatus〉],盲腸寄生種[平腹双口吸虫: Homalogaster paloniae]),形態(成
虫[前吸盤と後吸盤],虫卵[無色透明,大型,小蓋,排泄時ミラシジウムの形成なし〈虫 卵内容は卵細胞+卵黄細胞〉,卵細胞の位置]),生活環(間接型,多宿主性,終宿主[反 芻動物など],中間宿主[水棲巻貝[種によって異なる],第二中間宿主を欠く[メタセ ルカリアが水草に被嚢],感染経路[経口],体内移行[前胃寄生種:小腸→胃],寄生部 位[前胃,盲腸]),病態(腸双口吸虫症),疫学(分布域[全世界的,日本全土],稲作, 放牧と保虫動物,肝蛭との混合感染),診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈渡辺法,時計皿法, 昭和式法,ビーズ法〉],肝蛭との鑑別診断),治療(プランカンテル,ニクロサミド,ニ クロフォラン,ブロチアニド,レゾランテル,オキシクロザニド),予防・対策(虫卵の 殺滅,中間宿主の撲滅,メタセルカリアの撲滅) (5)二腔(槍形)吸虫科(膵姪類,槍形吸虫類) 一般目標: 二腔吸虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学およ び疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)二腔(槍形)吸虫類に共通の生物学的特徴について説明できる。 ○2)膵蛭類について説明できる。 ○3)槍形吸虫類について説明できる。 【キーワード】 1)分類(斜睾吸虫目,二腔[槍形]吸虫科),形態(成虫[小形],虫卵[小形,小蓋,2 個の顆粒塊,排泄時にミラシジウム形成]),生活環(間接型,多宿主性,第1中間宿主 [ミラシジウムの孵化],レジア期を欠く,母スポロシスト,娘スポロシスト),病態, 疫学,診断,治療,予防・対策
2)膵蛭(膵吸虫,Eurytrema pancreaticum),小形膵蛭(小形膵吸虫,Eurytrema coelomaticum),
分類,形態(成虫[葉状,赤色,薄く内部臓器が見える],虫卵[左右対称]),生活環(終 宿主[反芻動物,豚,ウサギ,人など], 第一中間宿主[オナジマイマイ,ウスカワマ イマイなど陸生巻貝〈カタツムリ類〉],娘スポロシストの遊出,第二中間宿主[ササキ リ類],保虫宿主[野ウサギ],感染経路[経口],体内移行[小腸→膵管],寄生部位[膵 管]),病態[膵管炎,膵炎,膵硬変],疫学(分布域[アジア,南米,日本〈西日本〉], 人獣共通感染症),診断(虫卵検査[沈殿集卵法]),治療(プラジカンテル,ニトロキシ ニル),予防・対策(定法なし,保虫宿主対策)
3)Dicrocoelium chinensis, Dicrocoelium dendriticum, 分類,形態(成虫[柳葉状,淡
紅色],虫卵[左右不対象]),生活環(終宿主[反芻動物,豚,馬,犬,猫,サル,ウサ
アの遊出[粘球],第二中間宿主[アリ類],保虫宿主[野ウサギ,シカ],感染経路[経 口],体内移行[小腸→胆管],寄生部位[胆管]),病態(胆管炎など),疫学(分布域[全 世界的,日本〈とくに東北〉],人獣共通感染症),診断(虫卵検査[沈殿集卵法]),治療 (アルベンダゾール,プラジカンテル,チアベンダゾール,フェンベンダゾール),予防・ 対策(保虫宿主対策) (6)腸管の吸虫類(重口吸虫類,棘口吸虫類,異形吸虫類) 一般目標: 腸管の吸虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学お よび疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)壺形吸虫のような重口吸虫類について説明できる。 ○2)浅田棘口吸虫のような棘口吸虫類について説明できる。 ○3)横川吸虫や高橋吸虫のような異形吸虫類について説明できる。 【キーワード】 1)壺形吸虫(Pharyngostomum cordatum),分類(壺形吸虫目,重口吸虫科),形態(成虫[小 形,付着器官,葉状体],虫卵[黄褐色,大型,小蓋,卵殻表面に亀甲状紋理,排泄時ミ ラシジウムの形成なし]),生活環(間接型,多宿主性,終宿主[猫など],第一中間宿主 [ヒラマキガイモドキ],第二中間宿主[カエル],待機宿主[ヘビ,タヌキ],感染経路 [経口感染],寄生部位[小腸]),病態(腸絨毛の機械的損傷),疫学(分布域[ヨーロ ッパ,アフリカ,アジア,日本〈とくに南日本,西日本〉],マンソン裂頭条虫との混合 感染),診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈ホルマリン・エーテル法など〉],棘口吸虫卵との 鑑別),治療(プラジカンテル),予防・対策(第 2 中間宿主および待機宿主の捕食防止) 2)浅田棘口吸虫(Echinostoma hortense), 分類(棘口吸虫目,棘口吸虫科),形態(成虫 [柳葉状,淡桃色,頭冠,頭冠棘],虫卵[淡黄褐色,小蓋,大型,排泄時ミラシジウム の形成なし),生活環(間接型,多宿主性,終宿主[犬,人,ドブネズミなど],第一中 間宿主[モノアラガイ],第二中間宿主[カエル,サンショウウオ,ドジョウなど],感 染経路[経口],寄生部位[小腸]),病態(腸炎),疫学(分布域[日本,他?],人獣共 通感染症[ドジョウのおどり食い〈注:顎口虫〉]),診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈ホル マリン・エーテル法など〉),治療(プラジカンテル,ビチオノール),予防・対策(第 2 中間宿主の捕食防止)
3)横川吸虫(Metagominus yokogawai),高橋吸虫(Metagonimus takahashii),分類(後睾
吸虫目,異形吸虫科),形態(成虫[生殖腹吸盤装置],虫卵[黄褐色,小型,小蓋,排泄 時にミラシジウム形成]),生活環(間接型,多宿主性,終宿主[犬,猫,人など],第一 中間宿主[カワニナ],第二中間宿主[アユ,ウグイ,シラウオなど],感染経路[経口], 寄生部位[小腸]),病態[カタル性腸炎],疫学(分布域[極東アジア,日本],人獣共 通感染症[アユやシラウオの生食]),診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈ホルマリン・エー テル法など〉]),治療(プラジカンテル),予防・対策(第 2 中間宿主の捕食防止) (7)住胞吸虫科(肺吸虫類) 一般目標: 住胞吸虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学およ
び疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標:
○1)住胞吸虫類に共通の生物学的特徴について説明できる。
○2)ウエステルマン肺吸虫(Paragonimus westermani)について説明できる。
○3)宮崎肺吸虫(Paragonimus skrjabini miyazakii)について説明できる。 △4)本項目に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】 1)分類(斜睾吸虫目,住胞吸虫科),形態(成虫[淡紅色,豆状],虫卵[中型,小蓋,左 右不対象,排泄時ミラシジウムの形成なし]),生活環(間接型,多宿主性,終宿主,第 一中間宿主,第二中間宿主,感染経路[経口],体内移行[小腸→腹腔→胸腔→肺],寄 生部位[肺〈虫嚢〉]),病態[創傷性肝炎,腹膜炎,胸膜炎,気胸,喘息様発咳,好酸球 増多など],疫学,診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈ホルマリン・エーテル法など〉],ゲル 内沈降反応,ELISA,X 線撮影[結節状陰影像,虫道の陰影像]),治療(ビチオノール, プラジカンテル),予防・対策(第 2 中間宿主の捕食防止) 2)分類,形態(成虫[2倍体〈両性生殖〉と3倍体〈単為生殖〉],虫卵[黄金色,大きさ は 3 倍体>2倍体,卵殻厚く一様でない,逆卵円形]),生活環(終宿主[人,犬,猫, タヌキ,キツネ,イタチ,テンなど],第一中間宿主[カワニナ],第二中間宿主[2倍 体:サワガニ;3倍体:モクズガニ],待機宿主[イノシシ,ネズミ]),病態,疫学(分 布域[アジア,日本〈北海道を除く〉],人獣共通感染症[時に迷入と関連]),診断,治 療,予防・対策(待機宿主の捕食,給餌防止) 3)分類,形態(成虫[ウエステルマン肺吸虫より細長,楕円形],虫卵[卵殻は厚く一様]), 生活環(終宿主[イタチ,テン,タヌキ,イノシシ,犬,猫,人など],第一中間宿主[ホ ラアナミジンニナ,ミジンツボなど],第二中間宿主[サワガニ]),病態,疫学(分布域 [日本のみ全土],人獣共通感染症),診断,治療,予防・対策 4)大平肺吸虫(Paragonimus ohirai) (8)後睾吸虫科(肝吸虫類) 一般目標: 後睾吸虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学およ び疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)肝吸虫(Clonorchis sinensis)について説明できる。 【キーワード】 1)分類(後睾吸虫目,後睾吸虫科),形態(成虫[暗赤色,柳葉状,樹枝状の精巣,陰茎と 陰茎嚢なし],虫卵[黄褐色,小型,陣笠様小蓋,表面に亀甲様模様,排泄時ミラシジウ ム形成]),生活環(間接型,多宿主性,終宿主[人,犬,猫,豚,イタチなど],第一中 間宿主[マメタニシ],第二中間宿主[コイ科魚類など],感染経路[経口],体内移行[小 腸→胆管,胆嚢],寄生部位[胆管]),病態(慢性胆管炎,間質性肝炎,肝硬変,胆石), 疫学(分布域[東南アジア,日本〈北海道,青森,岩手を除く〉],人獣共通感染症[鯉 のあらい]),診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈ホルマリン・エーテル法など〉]),治療(ト リクロロメチルベンゾール,プラジカンテル),予防・対策(第2中間宿主の生食防止,
加熱処理) (9)住血吸虫科(住血吸虫類) 一般目標: 住血吸虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学およ び疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)住血吸虫類に共通の生物学的特徴について説明できる。 ○2)日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)について説明できる。 △3)本項目に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】 1)分類(壺型吸虫目,住血吸虫科),形態(成虫[雌雄異体,抱雌管],虫卵[小蓋なし]), 生活環(間接型,多宿主性,レジア期を欠く,母スポロシスト,娘スポロシスト,岐尾 セルカリア,第二中間宿主を欠く,メタセルカリアを欠く,感染経路[経皮],寄生部位 [血管内]),病態,疫学,診断,治療,予防・対策 2)分類,形態(成虫,虫卵[黄褐色,長円形,中型,産卵時ミラシジウムの形成なし,排 泄時ミラシジウム形成],シストソミューラ),生活環(間接型,多宿主性,終宿主[哺 乳類全般],中間宿主[ミヤイリガイなど],感染経路[経皮],体内移行[皮膚→血管, リンパ管→心臓→肺→心臓→大循環→門脈系,胎盤感染],寄生部位[門脈・腸間膜静脈]), 病態(体内移行期および産卵と病原性の関係[セルカリア性皮膚炎,住血吸虫性肝硬変], 虫卵性肉芽腫,分子擬態),疫学(分布域[東南アジア,日本〈撲滅〉],人獣共通感染症 [片山病]),診断(虫卵検査[沈殿集卵法〈ホルマリン・エーテル法など〉],腸粘膜バ イオプシー,ミラシジウム孵化法,循環抗体・抗原検出,卵周囲沈降反応),治療(プラ ジカンテル),予防・対策(セルカリアの経皮感染阻止,中間宿主の撲滅)
3 ) マ ン ソ ン 住 血 吸 虫 (Schistosoma mansoni) , ビ ル ハ ル ツ 住 血 吸 虫 (Schistosoma haematobium) , イ ン ド 住 血 吸 虫 (Schistosoma indicum) , ム ク ド リ 住 血 吸 虫 (Trichobiruharzia stumiae):水田性皮膚炎
(10)条虫総論 一般目標: 獣医臨床および公衆衛生上重要な条虫の分類,形態,発育・生殖および駆虫薬についての基 本的知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1)条虫類の分類について説明できる。 ○2)条虫類の形態学的特徴について説明できる。 ○3)条虫類の発育(形態変化)および生殖の特徴について説明できる。 △4)条虫感染に対する宿主免疫応答の特徴を説明できる。 △5)抗条虫薬について説明できる。 【キーワード】 1)扁形動物門,条虫綱,擬葉目(裂頭条虫類),円葉目 2)成虫:外被,頭節,未熟片節,成熟片節,受胎(老熟)片節,吸溝,吸盤,額嘴(吻),鉤, 雌雄同体,精巣,卵巣,卵黄腺,子宮,副子宮(有線条虫),生殖孔,産卵孔(子宮孔), メーリス腺,膣,排泄系(炎[焰]細胞[排泄細胞],排泄管) 虫卵:六鉤幼虫(コラシジウムを含む),卵殻,幼虫被殻,幼虫被膜,小蓋(卵蓋)(裂頭 条虫類),排泄時の虫卵内容(卵細胞+卵黄細胞,六鉤幼虫) プロセルコイド:ソーセージ様,尾胞,3 対の鉤 プレロセルコイド:頭部,尾胞・鉤はなし テトラチリジウム:反転陥入した頭部,4 つの鉤 嚢虫:擬嚢尾虫,嚢尾虫,単尾虫,片節嚢尾虫,共尾虫,包虫,反転した頭部 3)間接型生活環,中間宿主,第一中間宿主,第二中間宿主,待機宿主,六鉤幼虫,コラキ ジウム,プロセルコイド(前擬尾虫,前擬充尾虫),プレロセルコイド(擬尾虫,擬充尾 虫),嚢虫,擬嚢尾虫(システィセルコイド),テトラチリジウム,嚢尾虫(システィセ ルクス),単尾虫(システィセルクス),片節嚢尾虫,共尾虫,包虫(エキノコックス) 4)再感染防御,随伴免疫 5)ビチオノール製剤,プラジクァンテル,アルベンダゾール,ニクロサミド (11)裂頭条虫類 一般目標: 裂頭条虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学およ び疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1.日本海裂頭条虫(Diphyllobothrium nihonkaiense)について説明できる。 ○2.マンソン裂頭条虫(Spirometra erinaceieuropaei)について説明できる。 △3.本項目に含まれるその他の重要種について説明できる。 【キーワード】 1)分類(擬葉目),形態(成虫 [大型:数m~十数m],虫卵[小蓋,1個の卵細胞,多数の 卵黄細胞],幼虫[六鉤幼虫,コラシジウム]),生活環(終宿主[ヒト,クマ,イヌ],間 接型,第一中間宿主[ケンミジンコ],プロセルコイド[前擬尾虫,前擬充尾虫],第二中 間宿主[小魚?サケ,マス類],プレロセルコイド[擬尾虫,擬充尾虫],待機宿主[サケ,
マス類],感染経路[経口],寄生部位[小腸]),疫学(分布域[日本],人獣共通感染症), 診断(虫卵検査[沈殿集卵法]),治療(プラジカンテル),予防・対策(第 2 中間宿主の 捕食防止) 2)分類(擬葉目),形態(成虫 [大型],虫卵[小蓋,1個の卵細胞,多数の卵黄細胞,左右 非対称],幼虫[六鉤幼虫,コラシジウム]),生活環(終宿主[イヌ,ネコ],間接型,第 一中間宿主[ケンミジンコ],プロセルコイド[前擬尾虫,前擬充尾虫],第二中間宿主[オ タマジャクシ,両生類,爬虫類,鳥類,哺乳類],プレロセルコイド[擬尾虫,擬充尾虫], 待機宿主[カエル,ヘビ],感染経路[経口],寄生部位[小腸]),疫学(分布域[日本]), 診断(虫卵検査[沈殿集卵法]),治療(プラジカンテル),予防・対策(第 2 中間宿主の 捕食防止),人獣共通感染症(幼虫移行症[マンソン弧虫症])
3)広節裂頭条虫(Diphyllobothrium latum),大複殖門条虫(Diplogonoporus grandis), 芽殖弧虫(Sparganum proliferum) (12)裸頭条虫科 一般目標: 裸頭条虫科の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学およ び疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1.ベネデン条虫(Moniezia benedeni)について説明できる。 ○2.拡張条虫(Moniezia expansa)について説明できる。 ○3.葉状条虫(Anoplocephala perfoliata)の生物学的特長を説明できる。 △5.本項目に含まれるその他の種について説明できる。 【キーワード】 1)分類(円葉目,裸頭条虫科),形態(成虫 [大型:4m,頭節,額嘴なし,吸盤,線状の 片節間腺,2対の生殖器,受胎片節],虫卵[洋梨状装置,卵殻,幼虫被殻,四角形],幼 虫[六鉤幼虫]),生活環(終宿主[ウシ,ヒツジ],間接型,中間宿主[ササラダニ],シス ティセルコイド[擬嚢尾虫],感染経路[経口],寄生部位[小腸]),疫学(分布域[世界 的]),診断(虫卵検査),治療(プラジカンテル,ニクロサミド),予防・対策(有効な 方法無し) 2)分類(円葉目,裸頭条虫科),形態(成虫 [大型:ベネデン条虫に較べ体幅が狭い,頭節, 額嘴なし,吸盤,線状の片節間腺,2対の生殖器,受胎片節],虫卵[洋梨状装置,卵殻, 幼虫被殻,三角形],幼虫[六鉤幼虫]),生活環(終宿主[ヒツジ,ウシ],間接型,中間 宿主[ササラダニ],システィセルコイド[擬嚢尾虫],感染経路[経口],寄生部位[小腸]), 疫学(分布域[世界的]),診断(虫卵検査),治療(プラジカンテル,ニクロサミド), 予防・対策(有効な方法無し) 3)分類(円葉目,裸頭条虫科),形態(成虫 [小型:5cm,ラペット,頭節,額嘴なし,吸 盤,1対の生殖器,受胎片節],虫卵[洋梨状装置,卵殻,幼虫被殻,不整型],幼虫[六 鉤幼虫]),生活環(終宿主[ウマ,ロバ],間接型,中間宿主[ササラダニ],システィセ ルコイド[擬嚢尾虫],感染経路[経口],寄生部位[回盲口]),疫学(分布域[世界的]), 診断(虫卵検査),治療(プラジカンテル,ニクロサミド),予防・対策(有効な方法無 し)
4)大条虫(Anoplocephala magna),乳頭条虫(Paranoplocephala mamillana),Thysanietia giardi,Stilesia globipunctata
(13)二孔条虫科 一般目標: 二孔条虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学およ び疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1.瓜実条虫(Dipylidium caninum)について説明できる。 【キーワード】 1)分類(円葉目,二孔条虫科),形態(成虫[頭節,額嘴,吸盤,鉤,2対の生殖器,受胎 片節],虫卵[卵囊],幼虫[六鉤幼虫]),生活環(終宿主[イヌ,ネコ],間接型,中間宿 主[イヌノミ,ネコノミ,イヌハジラミ],システィセルコイド[擬嚢尾虫],感染経路[経 口],寄生部位[小腸]),疫学(分布域[世界的]),診断(運動性のある受胎片節,虫卵 検査),治療(プラジカンテル,ニクロサミド),有線条虫との鑑別,予防・対策(外部 寄生虫の駆除),人獣共通感染症 (14)中擬条虫科 一般目標: 中擬虫類の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学および 疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1.有線条虫(Mesocestoides lineatus)について説明できる。 △2.本項目に含まれるその他の種について説明できる。 【キーワード】 1) 分類(円葉目,中擬条虫科),形態(成虫[頭節,額嘴,吸盤,鉤なし,副子宮,受胎片 節],虫卵[卵殻無し,薄い幼虫被殻],幼虫[六鉤幼虫]),生活環(終宿主[イヌ,ネコ],間 接型,第一中間宿主[ササラダニ],システィセルコイド[擬嚢尾虫],第二中間宿主[ヘビ, 両生類,爬虫類,鳥類,哺乳類],テトラチリジウム[腹腔,肝臓,肺,無性増殖],感染経 路[経口],寄生部位[小腸]),疫学(分布域[世界的]),診断(運動性のある受胎片節, 虫卵検査),治療(プラジカンテル,ニクロサミド),瓜実条虫との鑑別,予防・対策(第 2 中間宿主の捕食防止),人獣共通感染症 2)Mesocestoides paucitesticulus (14)テニア属条虫 一般目標: テニア属条虫の重要種について,その生物学(分類,形態,生活環),疫学,病因・病理学お よび疾病制御に関連する知識,技術および考え方を習得する。 到達目標: ○1.有鉤条虫(Taenia solium)について説明できる。 ○2.無鉤条虫(Taeniarhynchus saginatus)について説明できる。