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一般目標 聴覚と口頭との技術および構造形式の学習を最も重 視し 聞き方 話し方 読み方および書き方に熟達するのに役立ついろいろな学習経験を通じて ことば としての英語について 実際的な基礎的な知識を発達させるとともに その過程の中核として 英語を常用語としている人々 特にその生活様式 風俗および習慣

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英語教育法(9)日本の英語教育の方向性

―昭和  年度全国中学校学力調査『英語』より一考察―

The Future in Japanese English Teaching as a Second Language (9)

A Study from the English Achievement Test for Junior High School Students of all

Japan in 1962-

井手 裕美





Hiromi IDE

<要約> 昭和   年  月当時の文部省が全 国中学校学力調査を日本全国の国立公立私立の 中学校の第  学年の全生徒約  万人第  学年の 全生徒約  万人を対象に実施した。(全国実施率 はに近い。)学力調査は英語学習の習熟度を見 るものであることよりこの調査問題を検討するこ とからその背景と当時の英語教育が何に力を入れ ていたのかを調査した。当時の英語教育は過重な授 業内容とパターンプラクティスによる暗記と文法が 重視されたとして批判を浴び以降様々な改革がな され現在の英語教育へと移行してきている。  昭和   年度の調査問題を  その問題の構 成とねらい 学習指導上の留意点から検討し現 在の文部科学省が日本の外国語教育において目指し ているものを平成   年の中学校学習指導要 領外国語編目標と内容から比較平成   年  月の文部科学省による英語教育計画を検討した。  <キーワード> 第  次世界大戦後の英語教育全 国中学校学力調査目標現在の英語教育英語教 育計画



はじめに    第  次世界大戦の敗戦国となった日本はマッカー サー率いる米軍支配の下新しい日本国の再建を始 めた。当時の日本国民にとって英語を話せるとい う事は日本に来る外国人と接することにより外国 の生活文化を取り入れる手段のみならず外資系 企業や海外との取引を行う企業での就職が可能にな るなど豊かな生活を手に入れるための一手段ともな った。  このような状況下昭和   年の東京オリン ピック昭和   年の大阪万博((;32’)開 催を間近に控えた日本の英語教育は何に力を入れ 何を目標として行われていたのであろうか。 それから半世紀経った  年現在日本の英語教 育はどうなったのであろうか。 年当時の英語教 育との違いはどこにあるのであろうか。  当時の学習指導要領を基に実施された全国中学校 学力調査問題その調査報告書と平成   年 の指導要領を比較・検討した。  学習指導要領中学校英語教育課程の目標(昭和   年版) 㻌 㻌 昭和 㻞㻢㻔㻝㻥㻡㻝㻕年版文部省外国語指導要領には㻘㻌 外㻌 国語教育の一般目標として下記のように記されてる。㻌 㻌 㻌 太成学院大学紀要 論文 第19巻(通号36号)pp.7-18 1太成学院大学人間学部教授

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「㻭㻚㻌 一般目標㻌 㻌 㻌 聴覚と口頭との技術および構造形式の学習を最も重㻌 視し㻘㻌 聞き方・話し方・読み方および書き方に熟達する のに役立ついろいろな学習経験を通じて㻘㻌 『ことば』と しての英語について㻘㻌 実際的な基礎的な知識を発達さ せるとともに㻘㻌 その過程の中核として㻘㻌 英語を常用語と している人々㻘㻌 特にその生活様式・風俗および習慣に ついて㻘㻌 理解・鑑賞および好ましい態度を発達させる こと。」㻌 㻌 㻌 また「機能上の目標」には㻘㻌 「『聞いてわかる技能』㻘㻌 『読んでわかる技能』㻘㻌 『書く技能』を発達させること」と ある。㻌 㻌 㻌 㻌 「機能上の目標」に「話す技能」の記載はない。すな わち㻘㻌 当時の英語教育は㻘㻌 “コミュニケーションを行う” という意識に基づくものではなく㻘㻌 各技能を習得し㻘㻌 そ れらを“コミュニケーションを行うための基礎”としようと していると考えられる。㻌 㻌 学習指導要領昭和   年度改訂版(中学校) 㻌 㻌 昭和 㻟㻟㻌㻔㻝㻥㻡㻤㻕年㻘㻌 学校教育法施行規則が改正され た。教育課程の基準は㻘㻌 文部大臣が別に公示する学 習指導要領によるものとされ、これにより初めて㻘㻌 学習 指導要領に法的拘束力が与えられた。㻌 㻌 その「目標」と「内容」と「学習活動」を小泉㻌 仁「学習 指導要領における英語教育観の変遷(特別寄稿) 㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㼣㼣㼣㻚㼏㼡㼏㻚㼍㼏㻚㼖㼜㻛㻙㼟㼔㼕㼑㼚㻛㼠㼑㼞㼓㻛㼗㼛㼕㼦㼡㼙㼕㻑㻡㻮㻝㻑㻡㻰㻚㼔㼠 㼙㼘」から見てみよう。㻌 「㻌 㼏㻕中学校(㻟㻟 年度版)各学年㻌 …中略…㻌 の目標㻌 〈中学校第 㻝 学年〉㻌 㻔㻝㻕英語の発音㻘㻌 アクセント㻘㻌 初歩的な抑揚などに親し ませ㻘㻌 聞くことや話すことに慣れさせる。㻌 㻔㻞㻕英語の初歩的な語㻘㻌 句㻘㻌 文に親しませ㻘㻌 読むことや 書くことに慣れさせる。㻌 㻔㻟㻕英語の初歩的な語㻘㻌 句㻘㻌 文に親しませ㻘㻌 読むことや 書くことに慣れさせる。㻌 〈中学校第 㻞 学年〉㻌 第1学年における学習経験の基礎の上に㻘㻌 英語を聞き㻘㻌 話し㻘㻌 読み㻘㻌 書くことに習熟させる。㻌 〈中学校第 㻟 学年〉㻌 第㻞学年における学習経験の基礎の上に㻘㻌 英語を聞き㻘㻌 話し㻘㻌 読み㻘㻌 書く能力の基礎を養うとともに㻘㻌 読む能力 の基礎を充実させる。㻌 㼐㻕内容の外観㻌 中学校では学年ごとに『内容』の項に『言語材料』㻘㻌 『教材』㻘㻌 『学習活動』が記述されている。『言語材料』は さらに㻘㻌 音声㻘㻌 文㻘㻌 語および連語㻘㻌 文法事項㻘㻌 文字㻘㻌 の 見出しのもとに記述されている。…中略…㻌 㻌 㻌 語彙については㻘㻌 この改訂で㻘㻌 中学に 㻡㻞㻜 の単語と 㻞㻢 の連語を指定した。また総数としては㻘㻌 中学はおよ そ 㻝㻘㻝㻜㻜 から 㻝㻘㻟㻜㻜 語㻌 …中略…㻌 程度を示した。また㻘㻌 音声の指導について㻘㻌 中学校では国際音標文字を使 用してもよく㻘㻌 高校では㻘㻌 見て発音できるようにさせる㻘㻌 と書かれたことも特記しておく。㻌 㻌 㻌 題材については㻘㻌 従来のものを踏襲し㻘㻌 『主として英 語国民の日常生活㻘㻌 風俗習慣㻘㻌 物語㻘㻌 地理㻘㻌 歴史など に関するもののうちから』選択するようにと母語話者の 文化を指向している。…中略…㻌 㼑㻕学習活動㻌 㻌 㻌 この指導要領から使われ始めた『学習指導』につい ては㻘㻌 教師が生徒にさせることとして記述していること が㻘㻌 特徴的である。中学校及び英語 㻮 では次のように 書かれている。㻌 中学1年㻌 㻌 㻌 ア㻌 聞くこと㻘㻌 話すこと㻌 (ア) 英語を聞き取らせる。㻌 (イ) 英語を聞かせ㻘㻌 これにならって言わせる。㻌 (ウ) 英語を聞かせ㻘㻌 これに動作で答えさせる。㻌 (エ) 英語を暗記し㻘㻌 暗唱させる。㻌 (オ) 実物㻘㻌 絵画㻘㻌 動作などについて英語で言わ せる。㻌 (カ) 文の一部を置き換えて言わせる。㻌 (キ) 文を転換して言わせる。㻌 (ク) 英語で問答させる。㻌 㻌 㻌 イ㻌 読むこと㻌 (ア) 範読に習って音読させる。㻌 (イ) ひとりで音読させたり集団で音読させ たりする。 (ウ) 対話の登場人物を分担して読ませる。 ウ書くこと  

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 (ア)習字をさせる。  (イ)英語を見て書き写させる。  (ウ)語のつづりを言わせたり書かせたりす     る。  (エ)英語を書き取らせる。  (オ)暗記した文を書かせる。  (カ)文の一部を書き換えて書かせる。  (キ)文を転換して書かせる。 中学  年 ア 聞くこと・話すことイ 読むこと     ―どちらも 学年と同じ―  ウ 書くこと    ―(ア)から(キ)までは  学年と同じ―  (ク)既習の文型を用いて日本語の意味を英語で 書き表わさせる。 中学  年  ア 聞くこと・話すこと     ―第  学年と同じ―  イ 読むこと   ―(ア)から(ウ)は第  学年と同じ―  (エ)文と文の関係やパラグラフの大意をつかま せる。  ウ 書くこと    ―「習字をさせる」が抜け他は(イ)から   (キ)まで第  学年と同じ―  (ク)日記や手記を書かせる。」   以上が 昭和   年版の文部省外国語指 導要領の一般目標と 昭和   年度改訂版 (中学校)の目標内容学習活動である。   においては「ことば」としての英語を重視する とともに英語を常用語としている人々の生活様 式・風俗・習慣についての理解を目標としている。   においては中学校  学年を通して英語 の発音アクセント抑揚に親しませ聞くこと話 すこと読むこと書くことをその目標に置いてい る。また学習活動においてもこの英語の  技能の習 得を目的に行われていた。  それでは以下この外国語指導の目標と内容学 習活動の成果を見るべく実際に実施された調査問 題とその構成とねらいこの調査を行った文部省調 査局調査課の調査結果の報告を見てみよう。一番右 端の数字は各問題の正答率である。  全国中学校学力調査問題「昭和   年度」 問題の分野・領域とそのねらい 第  学年  出題の範囲は聞くこと話すこと読むことお よび書くことの各領域にわたっている。  この範囲の中で聞くこと話すことの領域では 基本的な語の発音アクセントおよび基本的な文の くぎりについての習熟読むことの領域では基本的 な語および文の意味の理解書くことの領域では基 本的な語形の変化基本的な文の転換および基本的 な型の文を書く能力の習熟度を調査している。  以下第  学年の調査問題の分野・領域とそのね らいである。  図1 (図 )のねらい: 聞くこと話すこと発音の分野・領域である。 [V]>]@などの発音についての習熟。

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図2 (図 )のねらい: 聞くこと話すこと文のくぎりの分野・領域であ る。簡単な文のくぎりについての習熟。 図3 (図 )のねらい: 聞くこと話すことアクセントの分野・領域であ る。初歩的な語のアクセントについての習熟。   図 は聞くこと話すことの分野・領域 である。この調査の結果を当時の文部省調査局調 査課は以下のように検討分析し報告している。(以 下「 」内) 「『聞くこと話すこと』の領域に関する調査に 実際に英語を聞かせたり話させたりすることを含め ていないのでその平均正答率 からただちに 英語の音声についての習熟を推定することはできな いが, 調査の結果は, アクセントについては確実に 習熟していないといえる。  平均正答率は, 文のくぎり, 発音, アクセントの 順になっており, 発音については,日本語の中で用 いない音があることにもよるが, 基本的な語の発音 練習がまだふじゅうぶんであり, アクセントについ ても基本的な語のアクセントの習熟が確実ではない。  文のくぎりについては, be 動詞で始まり, or を含 む疑問文のくぎりには習熟しているが, There are ~in the ~. の文のくぎりについて, 語数が少しで も多くなると文のくぎりにとまどっている。基本的 な文例につぃての練習がふじゅうぶんである。」 図4 (図4)のねらい: 読むこと, 文の意味の分野・領域である。 数個の単 文のまとまりについての意味の理解と, 文および文 のまとまりに関する問いに対する答え方の習熟。  「文の意味については⑳のWhat time で始まる

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問いに答えることの正答率72.3%を除く4 小問の正 答率が60%台であることより, 基本的な文の意味の 理解や基本的な問答の形式についての習熟がややふ じゅうぶんであるといえる。」 図5 (図5)のねらい: 読むこと, 語の意味の分野・領域である。 語の意味 の理解。  「平均正答率は48.7%と低い。語の意味について は, ㉓の after や㉔の larger など基本的な語の意味 の正答率が30%台であることより, 確実に身につい ていないと思われる。基本的な語を話したり書いた りする練習がふじゅうぶんなためである。」 図6 (図6)のねらい: 書くこと, 語形の変化の分野・領域である。 代名詞 などの語形の変化についての習熟。  「㉗のYour mother に対する be 動詞の選択の正 答率は30.9%, ㉚の助動詞の後の動詞選択の正答率 は34.4%。基本的な語形変化の反復練習が不足して いる。」 図7 (図7)のねらい: 書くこと, 文の転換の分野・領域である。 人称, 数, 時制および文の種類を転換して書く能力。  「文の転換については, 65.1%と, いくぶん高いが, ㉜のHe is で始まる文をThey で始まる文に転換す ることの正答率は52.4%であることからも, この面 の力はまだ充実していない。」

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図8 (図 8)のねらい: 書くこと, 文型の運用の分野・領域である。 命令文 など基本的な型の文を書く能力。  「文型の運用については, ㊲の Don’t で始まる命 令文の正答率が42.2%, ㊳の What + be 動詞 + 人 称代名詞 + 名詞の疑問文の正答率が 59.3%である ことから, 基本的な文型の暗唱および書き取りがふ じゅうぶんであることがわかる。」  以上が第2学年の調査結果のまとめであるが, 何 パーセントの正答率をもって“習熟”, “ふじゅう ぶん”としているのかが不明である。  また, “暗唱”, “反復練習”, “書き取り”とい う言葉が繰り返し出てくることより, 当時の教育方 法が, この 3 点を重視して行われていたことがわか る。 第  学年  出題の範囲は, 聞くこと, 話すこと, 読むことお よび書くことの各領域にわたっている。  この範囲の中で, 聞くこと, 話すことの領域では 基本的な語の発音, アクセントおよび基本的な文の くぎりについての習熟, 読むことの領域では基本的 な語, 句および文の意味の理解, 書くことの領域で は基本的な語形の変化, 基本的な文の転換および基 本的な型の文を書く能力をみている。  第2 学年については 各設問の各々に, 文部省調 査局調査課による報告の要約を記載したが, 第 3 学 年については“ねらい”のみを記載し, “4. 3”で 第 2 学年の結果との総合的な報告を取り上げることと する。 図Ⅰ (図Ⅰ)のねらい: 聞くこと, 話すこと, 発音の分野・領域である。 [-t], [-d]などの発音についての習熟。 図Ⅱ (図Ⅱ)のねらい: 聞くこと, 話すこと, 文のくぎりの分野・領域であ る。 やや進んだ文のくぎりについての習熟。

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図Ⅲ (図Ⅲ)のねらい: 聞くこと, 話すこと, アクセントの分野・領域であ る。 やや進んだ語のアクセントについての習熟。 図Ⅳ (図Ⅳ)のねらい: 読むこと, 文の意味の分野・領域である。 数個の単 文と複文のまとまりについての意味の理解と, 文お よび文のまとまりに関する問いに対する答え方の習 熟。 図Ⅴ

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(図Ⅴ)のねらい: 読むことと, 語, 句の意味の分野・領域である。 語, 句の意味の理解。 図Ⅵ (図Ⅵ)のねらい: 書くこと, 語形の変化の分野・領域である。 助動詞 などの語形の変化についての習熟。 図Ⅶ (図Ⅶ)のねらい: 書くこと, 文の転換の分野・領域である。 時制およ び文の種類を転換して書く能力。 図Ⅷ (図Ⅷ)のねらい: 書くこと, 文型の運用の分野・領域である。 二重目 的語を含む文など基本的な型の文を書く能力。   以上, 第 2 学年と第 3 学年の調査問題を, その問 題の“分野・領域等”と, “ねらい”から見てきた が, その分野・領域等別の成績, 平均正答率はどう だったであろうか。 分野・領域等別の成績平均正答率  (学力 調査報告書より) 第  学年 聞くこと話すこと  発音:    アクセント:  文のくぎり:  ( 分野平均正答率 ) 読むこと  語の意味:  文の意味:   ( 分野平均正答率 )

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書くこと  語形の変化:  文の転換:  文型の運用:  ( 分野平均正答率 )  第  学年 聞くこと話すこと  発音:    アクセント:  文のくぎり:  ( 分野平均正答率 ) 読むこと  語句の意味:  文の意味:   ( 分野平均正答率 ) 書くこと  語形の変化:  文の転換:  文型の運用:  ( 分野平均正答率 )  “”の結果 学力調査報告書より) 「聞くこと話すこと   発音   第  学年 %第  学年 の正答率より   約半数が正しい発音を習熟していない。   アクセント   第  学年 第  学年 より約半数が正   しいアクセントを習熟していない。   文のくぎり   第  学年 第  学年    英語を話し理解する上で欠くことのできない   “文を塊として認識する”ことはかなりの確   率で習熟できている。 読むこと   語の意味   第  学年 第  学年  単語や句の意味を約半数の生徒が覚えていない。   文の意味   第  学年 第  学年  文全体の意味の理解度は約 であるが学年 が上がると理解度は下がっている。 書くこと   語形の変化   第  学年 第  学年  文法の理解度は低い。   文の転換   第  学年 第  学年    第  学年から第  学年になるとあがる難易度に   ついて来ることのできない生徒が増えている。   文型の運用   第  学年 第  学年  文型が理解できているかを問う問題であるが 第  学年の㊲の 'RQ’Wで始まる命令文の正答 率は と低い。第  学年の他動詞+目的語 +補語に関する正答率も ㊵の二重目的 語のある文の正答率も と低いことから 文型など基本的な文の理解が定着していな い。」   以上の学力調査問題を見てみると当時の英語教 育では中学  年生ですでに 文型の学習が終了 していることがわかる。   それでは平成   年の文部科学省外国語指 導要領に基づく英語教育は何を目標に行われその内 容はどうなっているであろうか。 昭和   年度の教育課程の内容を規定した 最初の学習指導要領英語の目標と内容に比してどの ような変化があるのであろうか。  平成   年文部科学省中学校学習指導要領 外国語編第  章 各言語の目標及び内容等 「目標  初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理 解できるようにする。 ()初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話す ことができるようにする。 () 英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語 を読んで書き手の意向などを理解できるよう にする。 ()英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語 を用いて自分の考えなどを書くことができる

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ようにする。 2 内容  言語活動 英語を理解し,英語で表現できる実践的な運 用能力を養うため,次の言語活動を  学年間 を通して行わせる。 ア聞くこと  主として次の事項について指導する。 (ア)強勢,イントネーション,区切りなど 基本的な英語の音声の特徴をとらえ, 正しく聞き取ること。 (イ)自然な口調で話されたり読まれたりする 英語を聞いて,情報を正確に聞き取るこ と。 (ウ)質問や依頼などを聞いて適切に応じるこ と。 (エ)話し手に聞き返すなどして内容を確認し ながら理解すること。 (オ)まとまりのある英語を聞いて,概要や 要点を適切に聞き取ること。 イ 話すこと      主として次の事項について指導する。 (ア)強勢,イントネーション,区切りなど 基本的な英語の音声の特徴をとらえ, 正しく発音すること。 (イ)自分の考えや気持ち,事実などを聞き 相手に正しく伝えること。 (ウ)聞いたり読んだりしたことなどについ て,問答したり意見を述べ合ったりなど すること。 (エ)つなぎ言葉を用いるなどのいろいろな 工夫をして話を続けること。 (オ)与えられたテーマについて簡単なスピー チをすること。 ウ 読むこと  主として次の事項について指導する。 (ア)文字や符号を識別し,正しく読むこと。 (イ)書かれた内容を考えながら黙読したり,    その内容が表現されるように音読する    こと。   (ウ)物語のあらすじや説明文の大切な部分な どを正確に読み取ること。 (エ)伝言や手紙などの文章から書き手の意向 を理解し適切に応じること。   (オ)話の内容や書き手の意見などに対して感 想を述べたり賛否やその理由を示したり などすることができるよう書かれた内 容や考え方などをとらえること。   エ 書くこと    主として次の事項について指導する。 ア 文字や符号を識別し,語と語の区切り    などに注意して正しく書くこと。 イ 語と語のつながりなどに注意して正し    く文を書くこと。 ウ 聞いたり読んだりしたことについてメ    モをとったり,感想,賛否やその理由を    書いたりなどすること。 エ 身近な場面における出来事や体験した    ことなどについて,自分の考えや気持ち    などを書くこと。 オ 自分の考えや気持ちなどが読み手に正 しく伝わるように,文と文のつながりな どに注意して文章を書くこと。  教材は,聞くこと,話すこと,読むこと,書 くことなどのコミュニケーション能力を総 合的に育成するため,実際の言語の使用場面 や言語の働きに十分配慮したものを取り上 げるものとする。その際,英語を使用してい る人々を中心とする世界の人々及び日本人 の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史, 伝統文化や自然科学などに関するものの中 から,生徒の発達の段階及び興味・関心に即 して適切な題材を変化をもたせて取り上げ るものとし,次の観点に配慮する必要がある。 ア 多様なものの見方や考え方を理解し,公正 な判断力を養い豊かな心情を育てるのに 役立つこと。 イ 外国や我が国の生活や文化についての理 解を深めるとともに,言語や文化に対する 関心を高め,これらを尊重する態度を育て

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るのに役立つこと。 ウ 広い視野から国際理解を深め,国際社会に 生きる日本人としての自覚を高めるとと もに,国際協調の精神を養うのに役立つこ と。」  以上, 平成 20 (2008)年度の英語指導要領からは, 「外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め, 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の 育成を図り,聞くこと,話すこと,読むこと,書く ことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う。」 ことをその教育目標としていることがわかる。 授業時数の比較 1) 昭和 33 (1958)年度 「学習指導要領, 第9 節 外国語, 2 内容, (3) 学習活動」より 第1 学年    「* 印をつけた学習内容は授業時数を 140 単    位時間以上(週当たり4 単位時間以上)実施    する場合に深めるものとする。   第2 学年    「第1 学年に同じ。」   第3 学年    「* 印をつけた文型は, 授業時数を 175 単位    時間以上(週当たり5 単位時間以上)とする 場合に取り扱うものとし, 授業時数を 105 単 位時間(週当たり3 単位時間)とする場合に は軽く触れる程度にとどめるものとする。」 2) 平成 20 (2008)年度    「中学校学習指導要領外国語編」より    「コミュニケーション能力の一層の育成を計    るため, 授業時数は各学年とも従来の年間 105 時間から 140 時間に増加。」 指導語数の比較 1) 昭和 33 (1958)年度 「学習指導要領, d) 内容の外観」より 「語彙につては, 中学に 520 の単語と 26 の 連語を指定した。また総語としては, 中学は およそ1,100 から 1,300 語…程度を示した。」 2) 平成 20 (2008)年度 「中学校学習指導要領外国語編」より 「指導する語数は(従来の『900 語程度まで』 から『1200 語程度へ増加』)。」  上記, 6.と 7.から, 授業時数においては, 昭和 33 (1958)年度は地域によってかなりの幅をもたせて対 処し, 平成 20 (2008)年度においては一律 140 時間 と定めている。  指導語数では, 昭和 33 (1958)年度においては指 定単語と指定連語が定められており, 特定の単語と 連語の重要性が見て取れる。総語数においても, 平 成 20 (2008)年度でそれまでの語数より大幅に増加 したとはいえ, まだ昭和 33 (1958)年度より 100 語 程度少ない。  昭和37 (1962)年度の学力調査が実施されたころ, その授業内容では“単語習熟”の重要性, “暗記” にその基礎が置かれていたことがわかる。 おわりに 昭和37 (1962)年ころの英語教育は, “基本的な問 答の形式についての習熟”, “基本的な語を話した り書いたりする練習”, そして“基本的な語形変化 の反復練習”により, “聞くこと, 話すこと, 読むこ と, 書くこと”の 4 技能の習得を目標に行われてい た。その内容は, 学力調査の結果を見ても当時の授 業で確実に実行され, どの分野の教育が不足であり, どの程度の習熟度であったかがわかる。 一方, 平成 20 (2008)年度の指導要領に見られる “1. 目標”と, “2. 内容”のいずれからもその目標 は, “積極的にコミュニケーションを図ろうとする 態度の育成”と“聞くこと, 話すこと, 読むこと, 書 くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養 う”ことにあるとわかる。しかしながら, この方針 が実際の現場でどのような運営の下に行われている か, また, 結果としての習熟度・成果がどの程度で あるか, 全国中学校学力調査, 英語の行われていな い現在, 調査することはできない。 文部科学省「グローバル化に対応した英語教育改

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革実施計画」平成25(2013)年 12 月によると, 「中 学校英語教育では, 原則英語で授業を行い, 英検 3 級~準2 級程度を目標とする」とし, さらに高校に おいては, 「英語で授業し, 英語での発表や討論を 重視, 英検 2 級~準 1 級程度を目標とする。」という 方針を定め,平成 32 (2020)年の全国実施を目指して いる。 英語の文法や語彙の習得という知識中心の教育方 法から, 英語を聞き, 話すというコミュニケーショ ン中心の教育方法への移行は明らかである。 しかしながら現在の教育方法での英語学習者の 現状は明らかでなく生徒間の学力格差が不明のま まさらには現場で教育に当たられる英語教員の状 態も不明確なまま文部科学省英語教育改革実施計 画により実行される中学校高等学校英語教育に問 題はないのであろうか。  中学校に“コミュニケーション授業  単位”を新 設したうえで“知識中心の英語教育”を実施し高 等学校での“コミュニケーション育成授業”の展開 はできないのであろうか。英語を話すうえでしっか りした英語の知識は不必要なのであろうか。                     砂上の楼閣を造るのではなく様々な問題がある にせよ全国学力調査のような方法で現在の状況を 把握することは英語を聞き取り相手を理解し会 話するというこれからの英語教育を行う上で必要不 可欠なことではないだろうか。 㻌 㻌 参考・引用文献㻌 小泉 仁 ():『学習指導要領における英語教 育観の変遷(特別寄稿)』 KWWSZZZFXFDFMSVKLHQWHUJNRL]XPL% 'KWPO㻌 文部省( 年  月  日実施):『全国中学校 学力調査問題英語』 文部省調査局調査課():『全国中学校学力調 査報告書英語( 年  月  日実施)』 文部省():『外国語指導要領』 文部省():『外国語指導要領改訂版』 文部科学省():『中学校学習指導要領解説外 国語編』開隆堂出版株式会社

図 8  (図 8)のねらい:  書くこと , 文型の運用の分野・領域である。  命令文 など基本的な型の文を書く能力。  「文型の運用については , ㊲の Don’t で始まる命 令文の正答率が 42.2%,  ㊳の What + be 動詞  + 人 称代名詞   + 名詞の疑問文の正答率が 59.3%である ことから , 基本的な文型の暗唱および書き取りがふ じゅうぶんであることがわかる。 」  以上が第2学年の調査結果のまとめであるが , 何 パーセントの正答率をもって“習熟” , “ふじゅう

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