倍上達するソフトテニススクール特別講座3 10
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生かす左利きスペシャル
初版 発行:中学生ソフトテニス顧問の会 2012/1/18Ⅰ
左利きのメリットを考える
左利きを指導してきて、感じることが左利きには、左利きが持つ言葉には表現しきれな い独特なものがあります。これから説明する左利きのメリットはもちろんそうですが、そ れをも超えた、上達の早さというか、一般にはセンスなどというのでしょうか、そういっ たものが備わっている選手が多くいるように感じます。 ただ、残念なことに、左利き選手は、そのセンスを生かし切れていなかったり、メリッ トを生かし切れない場合が多く見られます。 自分は特別な存在なのだという自覚をソフトテニスのプラスの面に生かす必要がありま す。そんな思いで、このレポートと、VTRをまとめました。1
左利きの有利さとは
日本人は左利きが少ないようです。 少ないのではなく、矯正されて、左利きが右利きになってしまうという話もあります。 左利きが有利だとされるスポーツは、数々あります。 野球は典型的です。バッターボックスが左の方が一塁に近いので、明らかに有利です。 イチローは右利きですが、左ボックスに立って左打ちをします。 野球は物理的に有利な面もありますが、それ以外でもボクシングや柔道などの格闘系も左 が有利とされています。 右利きと対戦するのに慣れている右利きと、右利きと対戦するのに慣れている左利きで戦 うと、右利きが左利きと戦うのに慣れていないために、思わぬ方向からパンチが飛んでき て対応仕切れないということです。 、 、 ソフトテニスなどは直接相手と接するわけではないので ボクシングほどではないにしろ この慣れていないという点は、大きな問題です。初めて対戦する相手は、左利きのボールの回転や打つ方向の見極め、バックとフォアが逆 になる違和感などを感じると思います。 ソフトテニスでダブルスをするときは、右サイドにいるか、左サイドに多くいるかという 問題があって、それと左利きの特徴をあわせると、慣れていない相手には1.3倍は有利 になると思います。 その左利きの有利さを順次、紹介していきます。
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左利きのカットサーブ
左利きのカットサーブは打った方か ら見て、左に曲がります。 レシーブ側から見ると、右に曲がり ます。 右利きのカットサーブはこの逆にな ります。 右利きのレシーバーから見ると、フォア側に逃げていくボールになるので、取りやすいよ うに思えますが、 カットサーブは自分に近づいてくれるボールの方が対応ができます。思 っ て い る よ り も 曲 が っ て き た 場 合 、 体 に 近 づ く ボ ー ル は 、 右 足 に 体 重 が 乗 っ て い る 状 態 で も 、 対 応 で き る も の で す が 、 右 に 曲 が っ て 逃 げ て い く ボ ー ル は 右 足 に 体重が乗っている状態だと、 そ れ 以 上 足 が 出 な く て 、 追 い つ か な く て ミ ス を す る ケ ースが多数あります。 慣 れ て い な い 分 、 対 応 す る 左利きカットサーブ のに時間がかかります。 最初の1,2ゲーム目まではエースが取れたりしますが、慣れてくるとレシーブは返され るケースが多くなります。
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左利きのいるサイドは左右どっちが有利か?
レシーブする側でいわゆる後衛サイドを右サイド、前衛サイドを左サイドとして説明をし ます。 レシーブサイドを、決めると、そち らでプレーするケースが試合全体の 4分の3になります。 レシーブの時は片方のサイド中心に なりますが、サーブの時は、右、左 、 、 サイドを交互に行うため 半分は右 半分は左サイドにいることになるの で、結果として4分の3どちらかサ イドにいることになります。 右サイドにいる左利き後衛はフォアの範囲が広い 右サイドにいる左利きの後衛のメリットはなんでしょうか? まとめてみます。 レシーブの時、順クロスから打たれたサーブを左利きの後衛がレシーブするケースを考え ます。前衛が前にいる時は、まずはアタックがあります。 こ れは ク ロ ス に 来た ボ ール を ス トレ ー ト に 打 つこ と にな る の です が 、 右 利 きの 場 合は 、 こ れは 流 し の ス トロ ー クに な り ます が 、 左 利 きの 場 合は 引 っ 張り の ス ト ロ ーク に なり ま す。 も ちろ ん 上 記 は フォ ア で打 っ た 場合 の 話 で す が、 左 利き の 場 合で 、 少 し 回 り込 み なが ら 打 つス ト レ ー ト は、 決 まり や アタックが.やサイド抜きはやりやすい すいコースです。 右利きの場合、左サイドから、回り込みながら前衛のサイドをねらって行くコースはとて もねらいやすく、狭いすき間でもコースを打てるものです。 そのパターンと同じことが左利きの左サイドではおこります。 2つめは、これもストレートに打ちますが、前衛オーバーの中ロブです。
相 手 の 後 衛 は そ れ を 追 い か け た と し て も 、 バ ッ ク に な り ま す し 、 左 利 き の 中 ロ ブ は 、 右 へ ( レ シ ー ブ し た 側 か ら 見 て ) 流 れ て い き ま す の で 、 追 い か け た 相 手 の 後 衛 は 逃 げ て い く ボ ー ル を バ ッ ク で 返 さ な け れ ば い け な いことになります。 上 が っ て き た ボ ー ル を 前 衛 が ス マ ッ シ ュ で 決 め る と い うパターンを簡単につくることが できます。 これは、右利きの場合でもできる のですが、走らされる側が左利き の場合は、これがバックにならず にフォアになるので、なかなかチ ャンスとはならないのです。 このことだけ見ても、左利きの後 衛は右側にいることの意味は大き いですし、有利さは大きいと思い 左利き(後衛)が振られた場面 ます。 では、もう1回振り回せばいいじゃないかということも言えますが、左利き後衛が右サイ ドにいる場合、4分の3左サイドにいますので、バック側に振るには、いったん、右サイ ドに振っておいて、左サイドに振り直すということをしないといけなくなります。 つまり2段階必要なわけで、これは試合展開を行う上では倍も不利ということになるので す。 短いボールが打ちやす 3つめは、 ということです。 い 短いボールの打ち方は大きく「順 回転をかける」か「スライス回転 (逆回転)をかける」かの2つが あります。 右利き後衛がショートクロスで打
つボールです。 左利きの場合、同じコースを打とうとする場合、スライス面の方が打ちやすくなります。 スライスのボールは順回転のように左に逃げてはいきませんが、弾まずにより短いボール を打つことができます。 右利きの左サイドレシーブでも同じスライス面で左サイドをねらっていくボールを打ちま すが、それと同じものです。 レシーブだけでもこれだけメリットがあるのですが、それもで左利きを左サイドでレシー ブさせる指導者や、選手がいます。 その理由はひっぱりを活かそうということだと思います。 、 、 。 ですが 左サイドに来ると フォアの範囲が減り左利きのメリットが減ることになります 右利きと左利きのペアの場合、センターに打たれたボールは、両方のバックになり、ウイ ークポイントが生まれることになります。 そもそも後衛はストロークの専門家であるべきで、引っ張りだけでなく、流しの方のスト ロークをマスターする必要があります。 戦略「ダブル後衛で左利きがいる場合のサービス位置」右サイドにこだわる
引っ張りが得意という理由で左サイドに来るのであれば、後衛としてはレベルが低いと言 わざるをえません。 左利きを右サイドにおいておくために、サーブを前ページの写真のようにし右利きプレーヤーを左にお いたままにして、左利きプレーヤーをセンターから打たせるようにします。 この後、左利きプレーヤーは右に戻ることになります。
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左利きは . 倍有利だ。
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ソフトテニスの試合に おいては総合的に考え ると、右利きに比べ左 利きは1.3倍程度、 有利だと思います。 . 倍の根拠は、レシ 1 3 ーブでの有利さや、ラ リ ー が 始 ま っ て か ら も、展開が有利になる 場面が多いからと相手 のやりにくさも加味し てのものです (ただし、右サイドに ↑左利きに短く返されそれを取りにいく場面 後衛を置いた場合です) 上の写真は左利き後衛(向こう側)が右サイドでレシーブして、正クロスにスライス面 で短いボールを返します。そのボールをサーブした前衛が必死に拾って、正面にいる前衛 の頭を越して良いロブで切り返ているという場面です。 相手が右利きの後衛でしたら、それで相手はバックになるので、攻守交代という感じで、 短いボールを拾った側が有利に働くような場面ですが、相手は左利きのため、フォアで簡 単に打ち込まれてしまいます。 では、左利き後衛のバックをねらえば良いじゃないかと思いますが、バックをねらえる展 開というのは右利きが右サイドにいる時ほど現れません。 左利きが右サイドにいると、いったん左サイドにボールを振って、その後、右に振らない といけませんので、2段階の手間がかかってしまいます。 右利き後衛の場合は、 回振れば、それでバックになるのとは大きな違いです。1なぜ 1.3 倍かというと、 細かく計算したわけではな いのですが、肌で感じる直 感です。 右写真は左利き相手(向こ う側)の 3 球目勝負の場面 が出てきます。 その時は左利き後衛のバッ クをねらって、返ってきた バックにサービスを入れて3球目攻撃 ボールを前衛が決めるというパターンのものです。 きれいに決まる場面なのですが、高度な技術で、中々難しいものと感じます。 裏返すと、それだけ左利き後衛の攻略は、戦略的に難しいということです。
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左利きと試合をするとやりにくいのはなぜか?
高い打点でしっかりと打つ左利き後衛のボールは、以下の理由で見ているだけで打ちにく そうです。理由は以下のとおりです。 1 回転が逆で、バウンドした後も打ちにくい 2 高い打点で打たれたり、オープンスタンスで打たれると、ボールの打つコースが読み にくい。これは前衛にとってはとてもやりづらいことです。 3 いつも見ている右利きの選手とフォアとバックが逆になるので、前衛はポジション取 りが難しい。 いずれも慣れると対応はで きると思いますが、慣れて いない選手は、1.3倍ど ころではなく、そのさらに 倍も不利になるのではない かと思います。 左利きは後衛向きか前衛向 きなのかという話を最後に したいと思います。結論を最初に言うと、後衛の方がメリットは多いけれども、左利き前衛もありです。 左利き前衛を左サイドにおいて おくのはどうかなと思いますが、 本来バックボレーになる側がフ ォアになり、相手を惑わすには 良いですし、飛び出しなども、 フォアボレーが右利きのバック ボレーのコースになるために、 後衛はわりと安心しているとこ ろに手がひょっと伸びてくるの で、びっくりします。 という理由で「あり」ですが、一般的には左利きは後衛の方をお勧めします。
Ⅱ
左利きの技術
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カットサーブ
変化させるアンダーカットサーブや肩の高さで打つショルダーカットサーブ、腰の高さ で打つカットサーブや頭の上で打つカットサーブなどなどありますが、ここではアンダー カットサーブの打ち方の種類として、縦面を使うアンダーカットサーブをとりあげます。(1)縦面を使うカットサーブ
グリップは自由でかまいません。 体を写真のように開くのが一般的でが, 足の向きはあまりこだわりません。 つまり、カットサーブは、グリップや 体の向きでのきまりはなく、自由で良い ということです。『打つポイント』
「ラケットの先端1/3に当てる」 写真2の白い部分が先端1/3です。 先に当てる方が回転力が増して変化が大きくなります。「打点はできるだけ低く」 インパクトの瞬間ですが、打点は地面すれすれです。 低いほど回転が増します。その分、 着 い て か ら の 変 化 が 大 き く な り ま す。 「打つ瞬間に力を抜く」 微妙な感覚なのですが、打つ瞬間 は力を抜きます。その瞬間の抜き具 合は、それぞのれ人の感覚の問題な ので、表現するのが難しいのです。 抜くタイミングは右写真の瞬間
(2)カットサーブのメリット、デメリット
カットサーブというのはメリットデメリットがあります。 弾まず曲がるカットサーブは、相手からのレシーブでの攻撃を防ぐだけでなく、やっと取 った相手のレシーブをボレーで決めたり、ロブで返ってきたりしたボールがチャンスボー ルになったりします。 デメリットはレシーブの返球が短く返されることが多くなることです。 短いボールを後衛が、がんばって取りにいくことで、前衛後衛のフォーメーションが崩れ たりします。短いボールを取るのが不得意な人には困りものです。 男子に比べて女子の方がカットサーブを使う率が高いようです。女子の方により効果があ るということもあるのかもしれませんが、女子が手首なども柔らかくカットサーブを打ち やすいという点もあると思います。 カットサーブの基本の形として、縦面をとりあげましたが、打ち方、面の使い方、グリッ プなどは人それぞれで、いろいろな方法があります。 「これだ」ということよりも、自分なりのカットサーブを生み出していくくらいのつもり で開発して行く意気込みと、根気よく感覚を磨いて自分のものにしていくことが必要なの です。 良いカットサーブが出来ればメリットが大きいのですが 中途半端なカットサーブなら や、 「 らない方がまし」ということも多くあります。2
フォアストローク
(1)下半身(外旋から内旋へ)
最近、体重移動で打つよりも体の「ひねり」で打つというのが一般的になってきました 、 「 」 、 、 。 が この ひねり というのは 股関節 つまりは腰よりも下の動きで生まれるものです 上半身は胸のラインをひねることによって生まれます。胸のラインは肩の入りというか、 いわゆる肩のラインとも同じです。 それらの、第一歩は、この選手の左足の 動きから始まるのです。これがキーポイ ントです。 外旋から内旋になるのがストロークの打 ち方になるのですが、これが中々 中学生、特に女子には難しいことのよう です。 何も言わないと、右写真のように「内旋」から「内旋」のような動きになります。 内股から内股ということです。 そうなると、体のひねりがあまり使えずに、手打 ちになってしまったり、強いボールを打つ手段と しては、前後の大きな体重移動でボールを打つ 必要が出てきます。 外旋(がいせん) 外旋から内旋を下半身で使い、上半身は肩のラインでひねりを入れると、体の軸をずらさ ないで、駒のようにくるりと回転することができます。 それが、ひねりの打ち方の一つの「ものさし」です。(2)上半身
ひねりを生み出すもう一つが、胸のラインの「ひねり」です。 それはいわゆる左肩を入れることによって生み出されます。 下の左の写真と右の写真ではずいぶん違うことがわかります。このひねり戻しの力が、ボールに伝わることになるのです。 左は体重移動でしか打てない、右は回転で打つ典型的な選手とも言えます。 いわゆる体が開いている 体は開いていない ひねり戻しを、もう少し詳しくみていきます。 話はすべて左利きで進めます。 下半身が先にまずひねり戻され、その後、 上半身がひねり戻され その後左肩から左腕, という流れになります。 つまり、ボールに行き着くために、順番に 動作が行われるわけで、それは地面から、 まるで、エネルギーが徐々に伝わるように 移動していきます。 これが大事なことで、初心者はこの順番が うまくいかなくて、見た目、不器用な打ち方になることが多いのです。 ひねりもどしは その前にひねることから始まるのでですが、それは軸足である左足の動, きから始まるのですが、文字通り、地面から第一歩がはじまるのです。 下半身の動きがないと、次の股関節の動きである外旋、内旋もうまくできないので、ひね りもうまくできないことになるのです。 ひねり戻しの最後は右腕の動きになります。 まずは右肩が戻されます。これも股関節と同じで外旋と内旋になるのですが、肩は、意識
しなくても外旋から内旋にだれでもなるので、ここでの説明は必要ないので省きます。 手首よりも肩が先に出ていくのですが、初心者はこれがうまくいかずに、手首の方が先に 出ていって、いわゆる「手打ち」になって、ボールをラケットに当てるような感じの打ち 方になってしまいます。 結果として、打球点にどう力を伝えていくかがフォームの本質です。 初心者はラケットにボールを当てることだけに集中しているので、不器用な フォームになってしまいます。 足から始まる力の伝導をしっかり と理解していることがフォーム作 りの第一歩になります。 右肩が先に回転します。肩も股関 節と同じように、外旋と内旋が使 われますが、テイクバックした時 点で外旋となり、自然に打つとき は内旋になりますので、意識しな くても、肩の動きは外旋から内旋 になります。 次いで、前腕(ひじと手首の間) が前にいきます。 この 前腕の動き が大事です。 前 腕が 手首よりも 先にいくよう な イメ ージで振り ます。実際に は 手首 と前腕は同 じ位置にある の で、 手の甲は遅 れますが、手 首 は同じ位置にあります。 前腕 は前に出な がら、左回転 方 向に ひねられま す。この動き を 回内(かいない)と呼んでいますが、回内とは本来、手首の動きなのですが、前腕で考え ると、回内の時の前腕の筋肉の動きが回内と同じですので、そう呼んでいます。 前腕のひねりが入っても面は一定でかぶったりしないで同じ面であることが大事です。 これがひねり(回内)の大事なところです。
手首が最後に前に出て、手首は ずっとコック(手首を返したま まの状態)したまま後はラケッ トがついていきます。 トップ打ちや平行スイングでは、この動きが入りますが、ショートクロスや回転を多くか けるロブなどの場合は、この前腕の動きと回内はあまり入りません。 きれいなスイングは、上記の動きが入る ことになります。 この動きは、ボールを押す動きとなり、 ボールに安定感とパワーを生み出します。 発行元 ─10倍上達するソフトテニススクール ─ 管理・運営 中学生ソフトテニス顧問の会