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がいしの汚損とそのフラッシオーバ電圧の基礎的研究(1): University of the Ryukyus Repository

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Academic year: 2021

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Title

がいしの汚損とそのフラッシオーバ電圧の基礎的研究(1)

Author(s)

東盛, 良夫

Citation

琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &

Engineering Division, University of the Ryukyus.

Engineering(11): 127-133

Issue Date

1976-03-01

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/26695

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がいしの汚損とそのフラッシオーバ電圧の基礎的研宛

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東 盛 良 夫 $

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1. まえがき 塩害事故は電力設備事故件数全体からみればきして 多い比率とはいえないが、一度宅れが起ると広範な供 情停止を伴い復旧IC.長い時間と労力および費用を要す るという困った性質を持っている。とくに台風窓害の 場合11:は、台風通過後数日から十数日たって一般の台 風被害もようやく復旧し電力需用もやっと平常に回復 してきたとき、小雨または濃霧により突如としてきわ めて広範囲の大停電を生じ復旧もなかなか時闘がかか るので電力供給者ならびに電力需用者が乙うu'る被害 は物質的にも精神的にもはなはだ大きいという厄介な 特徴をもっている。しかもわが闘は四面海に固まれた 小さい島国であり季節風、台風による塩の襲来はひど く、また国土の地勢上主な工業地域が海岸近く存在し、 したがってまた重要な電気設備も海岸に近い所IC.多い 受付:1975年10

31日 ・琉球大学理工学部電気工学科 という宿命をもっている。 送配変電機器の外部絶縁をになっているがいしの塩 害対策の必要性がいわれるようになってから 20年余り 経過している。しかし、まだ塩害によるがいしのフラ ッシオーバ事故が発生している現状である。 塩害事故は自然条件下で発生するので現象がきわめ て複雑であり、かっ完全な保守対策は実際上困難なた め事故を皆無にするととはむずかしい。そのため、電 力輸送技術が向上している今日においても塩害保守対 策は最重要課題となっている。 今回は汚損フラッシオーパ事故の原因となっている、 がいしの汚損実態や汚損フラッシオーパ電圧特性につ いて述べ、がいしの汚損の表示法にまでふれた。

(3)

128 [哩!cm'/h) 東~:がいしの汚損とそのフラッシオーパ電圧の基礎的研究(1) 32 試料:250mo懸垂がいし が L

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2

図 風 速 と 塩 分 付 着 密 度 と

の関係

100 200 300 500 汚損液の抵抗率(.Q一cm 25'C)

1

各種電解質のフラッシオーバ電圧

2.がいしの汚損実態 がいしに付着する各種の汚損物の中でとくにフラッ シオーバ電圧に関係あるものは導電性物質で、その中 (1) でも第1図に示すように海塩NaCIが最も低いフラッ シオーパ電圧値を示す。 ζの海塩は風が強いほど海上 や海岸で多く発生する。したがって、がいしに付着す 121 る塩分は第2図に示すように風速の増加に対し、二次 関数的ζl増加する傾向がある。また海岸からの距離と 131 がいし塩分付着密度は第3図に示すように、海岸から 15 20

(4)

琉球大学理工学部紀要(工学篇) 129 出 分

0.6 0.2 ¥fi 0.1 1宜 -、、 25蜘m睡 眠 がいし {下由'I) ーー一一-ー一一 台風時期 -・司・・ー・季節風時期 -、』 (地減) 、-、 (mg/cnf) 、‘・‘--.ー~ ~ _ _ - -1捌西 0.06 ーー竺2・、胸、. 、‘ 『、『 句 』 -ーーーーーー -・"-白、・ー・-旬 ー『‘一、一ー.・ー- ---._ ~・ .‘、 -・・・ -~司、、、.

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第 3

海岸からの距離と塩分付着密度'

の距艇が大きくなるにつれしだいに減少する。そ乙で 電力会社では管内の数百個所での塩分付着密度測定結 果をもとに、河川や山などの地形や工場などの存在も 考慮しその地域の汚損区分図を作っている。このよう にして出来た地図は送電線や変電所などのがいしの保 守や、がいしの汚領設計に使用されている。 台風による塩分付着状況と季節風による塩分付着状 況はほとんど同ーの傾向がみられるので台風による塩 分付着状況についてのべる。 第2室戸台風時の標準懸垂がいし iζ対する等価極分 付着量を各電力会社.IlUI1:整理した結果台風時にがいし に付着する底分量については次のような傾向がみられ る。 (1) 海岸からの距般がある範囲内にあるがいしにつ いて観測された塩分量は、測定場所の地理的条件のほ か乙れを測定するまでの気象条件の相違(主として付 着後雨洗作用をうけたかどうか)の影響をうけ、広範 囲IL変化している。 (2) 電力会社別にみると、塩分付着量の最大値が記 録された地点は必ずじも海岸11:近い距離にないが、そ の大部分は3i<Jnt..J.内にある。 (3) 平均的特性でみると、担分付着量は海岸からの 距離が大となるにしたがって減少する。 (4) 塩分付着量のがいし

L

下函による相違は電力会 社により(地域的 IL)非常に異なっている。 かように、海岸からの距障壁がある範囲内にあるがい しの塩分付着量の分布特性は非常に大きな分散をもっ ている。 つぎに毎分付着量の距離特性については題分付着量 y(mg)と海岸からの距離X(km)との関係を第 2室戸台 風の塩分付着量から求めると y=AX-n (ただし X0.3) N :減衰率 であらわせばほぽ一致する乙とがわかった。 (5) 3.塩分付着の俊樹時 海面で発生した海塩粒子は、空気中にでて空気の流 れにのり、いろいろの運動をして蒸発や分裂などの変 形を受ける。 空気中 IL放出された海水滴は、海岸付近では初期の 粒度分布をもっているが、風によって内陸に運ばれる とき、粒子自身の変形とそれ

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伴う落下速度の違いに よって、海岸からの距離により粒度分布は変り、奥地 ほど大きい粒子は少なくなる。 とのようにして、種々の大きさ、形状、状態の海塩 粒子が、がいしに付着するときの機構について、球形 .粒子か湾体 K補集されたり、円筒体

κ

補集されるよう なときには空気力学的なとりあっかいによって、その 補集率を求めることは可能である。しかしがいしのよ

(5)

1

3

0

東盛:がいしの汚損とそのフラッシオーバ電圧の茶礎的研究

(

1

)

うに複雑な形をしている物体については理論的な取扱 いはきわめて困難である。したがって、実測によって、 乙れを求めざるを得ないが、たとえ同一形状のがいし を使用したとしても手のがいしの表面状態、実測地点 の地理的条件、実測するときの気象条件の相違により、 実測結果には相当のばらつきがでるし、さらに、がい しに付着するときの海塩粒子の状態となると観測はよ り困難と思われる。 一般に気中塩分粒子の観測法として気象関係者の間 では写真用フィルムの表面を薬品処理した僅化物反応 フィルム児よる方法が用いられている。一方電気関係 者の聞では電気伝導度を利用した方法が広く一般にと られ、補集物体としては、がいし、ガラス球、特殊陶 10 )1: がいし上面

がいし下面 器等が用いられている。 前者は気中塩分粒子をミクロ的に観測し、空気中に 浮遊する塩分量を求め、後者は或る気中塩水量のうち、 どのくらいがいしに付着するかをマクロ的に求めてい る。したがって、両者の測定値を直接比較する乙とは できないが、乙の両者の聞の相関係数が求められれば、 がいしの塩分補集率となる。 昭和38年4月に気象、電力両者が協力して観測を行 ったので、その結果をみてみると大略つぎのようにな る。すなわち、気象関係者は前記フィルム法を用い気 中陸軍分量を、電力関係者は25ωm懸事がいしにより、等 価塩分付着量を観測した。その結果は第 4図のようで ありその聞の風速の変化を第5図に示す。 2凹0

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時 間 と 風 速 、 粒 数 の 関 係

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一つのがいしでもその方向によって盗分付着量は相 違し、そのフラッシオーパ電圧はその最大盗分付着量 で決るのではないかとの予想のもとにとの実験をすす 琉球大学理工学部紀要(工学篇) 4.実験方法とその結果 めた。 まず、琉球大学理工学部第二工学ヒ'ル屋上に直径

1

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佃のピンがいしをたて割りに%をスカ ッチテープでお おい、他の%を東西南北の方向にむけておのおの4個 ずつ計

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日から同年 4月

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日まで)曝露し、その付着した塩分を

5

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の 蒸留水で洗い流し、その電導率を測定してがいしの塩 分付着密度を求めたのが第6図であり、方向によって かなりの相違がある乙とがわかった。 観測中の風速

10m/sec-7m

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の間で変化し 粒数は

18-

4の間で変化している。そ乙で、フィルフ に付着した海塩粒子の粒径を平均6μとすると、累積 粒数

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相当する。し たがって標準懸黍がいしの上面と同じ面積

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、下両外と同じ面積

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crn'では4伽

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となる。一方 がいしに付着した等価燭分付着量は、上面で

5mg

、下 面外で

2mg

を示し、フィルムで測った塩分量と対比す ると、がいし上面では気中塩分量の約%が付着し、下 面外では約泌が付着した乙とになる。また、乙の時間 的変化についてみると気中塩分量ゃがいし下面外の付 着塩分量は時間とともに増加しているが、上面の付着 量は時間とともに飽和する傾向を示している。 これらの結果からがいしの気中塩分補集率は気中塩 分量の泌 活となる乙とがわかる。 試料:I直径15cmのピンがいし の上部と側面のみ 曝露期間:昭和

5

0

年 4月9日から 昭和

5

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年4月

3

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日まで 曝露場所:琉球大学理工学部 第二工学ピノレ屋上

0

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5

底分付着密度 (mg/cげ〕 西 j

東 南 方向

自然汚損がいしの周方向

汚損分布

第 6

(7)

1

3

2

東盛:がいしの汚損とそのフラッシオーバ電圧の基礎的研究

(

1

)

つぎにがいしの局方向の汚損によるフラッシオーパ 割りに塩分付着の巾を3聞 から50mmの数種の巾Ir.塩分 電圧を測定するのに、がいしが高価なためとりあえず を付着し、そのフラッシオーバ電圧の変化を見たのが 等価なものとしてたて川畑、よ乙5伽mのガラスをたて 第7図、第8図である。フラッシオーバ電圧の求め方 181 .6

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フラッシオーバ電圧と塩分付着

の関係

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8図

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塩分

の関係

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Aと り E -必 会 長 を 一 段 τ 雲 ι t & e 島 事 貯 宮 、 言 自 E K R f J 5 琉球大学理工学部紀要(工学篇) は、j7JIへば巾30mmの汚損だと汚損の等いガラスを5、 6枚準備しその1、2枚は300ccの蒸留水に洗い流しそ の濃度を測定し、 のζり4、5枚ではそのフラッシオ ーパ電圧を測定した。その電圧の決定は、一つのガラ スに対しては、ある一定の印加電圧を設定し、ノスソレ から霧をかけてフラッシオーパ電圧の限界をさがしだ 参考文献 したが、大略のととがその第7岡、 軍18図からもうか (,)1 (2)

)

1

1

口敏幸、臨害の進展とその防ぎ方、電気計 133 (3) がし、しの汚損の表示は従来平均汚損表示法だが、 フラッシオーバ電圧が最大塩分汚損で決められる傾向 にあるので、 平均汚損表示法より最大塩分汚損量で示 すのが妥当ではなかろうか。

5

.

あとがき がえた。 算、

V

0 ,142,

N

0 . 14 (1) 海面で発生した海塩粒二

F

は祭気中へでて、がい しに補集される率は気中塩分量の約

M

から泌となるζ とカ丸、える。 (2) 第7図、第8図からわかるように、巾50mmのヵー ラスにrlJ20mmの庖分汚損した時のフラッシオーバ電圧 は巾がそれ以上汚損されたフラッシオーバ電圧もほと んど変化していないことがわかり、がいしのフラッシ オーパ電圧も局方向ζ一様に汚損されているのではなl く、そのフラッシオーパ電圧を決定するのはその最大 塩分付着量によって決るものであることが予測される。 (3) 内藤克彦他一人、送電線路用碍子の直流汚損特 性、日本碍子株式会社、碍子レビュー NO.31別冊 (4X5)塩害対策専門委員会編 送 変 電 設 備 の 塩害対 策 (6) 岡田享他一人、送電技術の革新とがいしプッシ ングの諸問題、電気雑誌

OHM

昭和42年2月号(第54 巻第2号)

参照

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