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雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学

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(1)

本学保育・児童学科における体育関連科目の果たす 役割 (3) : 「リズムなわとび」 に着目して

著者 梁川 悦美

雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学

巻 48

ページ 109‑115

発行年 2008

出版者 東京家政大学

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009244/

(2)

〔東京家政大学研究紀要 第48集(ユ),2008,pp.109〜115〕

本学保育・児童学科における体育関連科目の果たす役割(3)

一「リズムなわとび」に着目して一

   梁川悦美

(平成19年9月4日受理)

   Role Playedly Physical Education−Related Subjects    in the Departments of Early Childhood Education in the Junior College and University of Tokyo Kasei(3)

一Focus on Rythmic Rope−Skipping一

 YANAGAwA, Etsumi

(Received on October 4,2007)

キーワード:養成校,体育関連科目,リズムなわとび

Key words:acollege of education, physical relatlon subject, rhythrn rope sklpping

      1.はじめに

 本学における資格必修(保育士・幼稚園教諭・小学校 教諭)の体育関連科目の教授内容にっいては,受講する 学生達の実態に合わせて常に考えていかねばならない.

これらの科目のねらいの一っは,資格取得者としての資 質を高めること,一っは学生達誰もが受講する過程で自 分自身の健康や体力に関心を深めっっ,体を動かして遊 ぶことの「楽しさ」や「必要性」を再認識することであ

る.

 これまで,学生の実態を把握するために様々な試みを 行ってきた.体力測定の実施を通して,学生の体力・健 康状況の把握,またその結果を学生自身にフィードバッ クし,自分自身の状況を理解させる.また,学生自身の 経験を通した運動への意識も一っの要素と考え,幼児期 から児童期にかけての印象に残っているあそびの類を調 査し,資料として検討に加えている.

 前回1)の紀要で報告したが,学生が現在でも好意的 に捉えているあそびの類としては,「鬼あそび」が一番 多く,次いで複数回答ではあったが,「短なわとび」「長 なわとび」が多く挙げられていた.

 そこで,今回は「なわとび」に視点をおき,その発展

系であり本学で創作している「リズムなわとび」にっい ての具体的な操作方法や手順と,その課題に対する身体 的・教育的効果について,学生からの感想を含めて報告

する。

         II.研究の目的

 「なわを活用した遊び」の中の1っとして「まわして 跳ぶ」という「なわとび」動作があるが,このような協 応的な動作は4歳児後半から可能であり,学校教育の中 でも活用されている.しかしながら,展開の仕方はどう であろうか.一般的に「跳び技」や「回数」に挑戦してい くことが多く,またこれも/っの身体的・教育的効果が 期待できるものであるが,自分の跳ぶリズムを曲のリズ ムに合わせ,「誰でも跳べる技で,楽しみながらなわと びをし,体力を高める」ことのできる「リズムなわとび」

は,対象年齢によって構成を考えられるならば,活用範

囲は広いと考える.

 児童学科・保育科の学生に対して,20数年来「なわ とび」を「リズムなわとび」として独自に創作し実践し てきたが,これまでの創作,展開手順と身体的・教育的 効果についての報告と併せて,体育関連科目の内容とし

ての再考としたい.

初等体育研究室

(109)

(3)

梁川 悦美

         皿.研究方法

 「リズムなわとび」の身体的・教育的効果について 実施El:平成18年12月

対 象:保育科ユ年240名

調査内容:「リズムなわとび」に関する意識の変容      (感想文から)

        IV.結果及び考察 1.「なわとび」の特性について

「なわとび」の特性2 3)を挙げてみると,

 ①誰もが,どこでもできる  ②いっでもできる

 ③1人でも,集団でもできる  ④用具がなわのみで,安価である  ⑤技術性,創造性に富み,興味がもてる  ⑥他のスポーツの基礎体力を養うのに最適である

といったものを持ち合わせている.また特に,身体的側

 2)

  から見てみると,

 ①跳躍力の増大  ②手足の調整力の発達  ③持続力の発達

 ④機敏性,運動感覚の育成

など,この他に健康の増進と共にリズム感覚の補強も付

加価値として捉えられる.

2.「リズムなわとび」について

(1)実施に至るまでの経緯

 体育関連科目の実践内容の1つに「なわを活用した遊 び」を取り入れている,「なわ」を]本のひもとして,

地面に置いて綱渡りと称して渡ったり,また2本に置い て川とびやグーパー跳び,体に付けての鬼あそび,ひっ ぱりっこにくぐり抜け,動いているなわをタイミングよ く跳び越えたり跳び続けたり,まわして跳んだりという ように「長いなわ」「短いなわ」それぞれに活用する範 囲も広いが,学生にとっては「なわ=なわとび」であり,

短いなわを手に持った瞬間から何を言わずとも跳び始め

ている.

 筆者らが以前に運動経験を調査Dしたが,好意感を 持っている運動として「鬼あそび」に次いで「なわとび」

が挙げられていた.学生は今でも「なわとび」が好きで ある.「長いなわ」では「8の字」を仲間と,また「短

いなわ」では「二重跳び」,「はやぶさ」というような,

児童期に経験し出来た「跳び技」に再び挑戦したり,友 達と確認し合いながら嬉々として遊んでいる.このよう な状況の中で,学生の今までの経験を生かした「学生の ための教材」として,「なわとび」を「リズムなわとび」

として発展させ,曲を楽しみ,リズムを楽しみ,動きを 楽しみ,そして最後まで動き続けることへの身体的・精 神的効果を学生に期待して創作した作品を実践してきた.

(2)創作にあたっての留意点及び手順

 受講する学生を対象とした「リズムなわとび」は個人 でも,集団を対象としても構成が可能であるが,本学の 児童学科・保育科の学生個人を対象とした作品を創作す る過程においての留意点及び手順等について次に述べる.

A.学生の観察

 前期の授業における体力テストやリズムダンス等の実 践状況から,学生の実態を観察し把握する.

B.選曲

 選曲が一番時間のかかるところであるが,アニメ系,

フォークダンス系,ダンス系など市販されている曲を使

用し,次のことを考慮する.

 ①3分前後の曲  ②誰でも知っている曲

 ③ユ分間130〜140位のテンポの曲  ④明るく動きたくなるような躍動的な曲 C.全体構成にっいて

 ①曲全体を聴きながら拍子の数を確認し,リズムやテ

  ンポの変化をっかむ.

 「回旋,跳躍の動作」「振りの動作」のアウトライン を決めていくが,跳躍部分は身体への負担を考慮し,64

(8×8)〜96(8×12)呼間程度で「振りの動作」に移行 するような構成とする.これは,心拍数がおおよそ安静

時で平均60 一 70/分の場合,「回旋,跳躍の動作」後で

平均120−130/分になるように構成する.これは,一 般的に言われている運動効果4 5)が現れる時間及び強 度になることを考慮したものである.

 ②「振りの動作」構成は曲想を考慮しながら,ステッ   プを中心に体操的・ダンス的に動きとリズムが楽し

  めるような構成とする.

D.具体的内容

 ①「回旋,跳躍の動作」

 新しい跳び技への挑戦ではなく,一回旋一跳躍,もし

くは一回旋二跳躍での基本的な跳び方をもとに,足の動

(4)

本学保育・児童学科における体育関連科目の果たす役割(3)

きに変化を加えた程度の内容とする.

「回旋,跳躍の動作」の具体例を表1に示す.

      表1 「回旋,跳躍の動作」

   両足跳び     横だし跳び   かけ足跳び     横振り跳び

  2拍子跳び     前かけ跳び   前だし跳ぴ     あや跳び

 前振り出し跳ぴ   あやサイクル跳び 前振り出しもも上げ跳びi  交差跳び  後ろ蹴り上げ跳び  交差サイクル跳び   左右開閉跳び     あや開閉跳び 前後左右開閉跳び 等i しゃがみ跳び 等

両足跳び あや跳び 交差跳び

②「振りの動作」

 なわを休め,「ステップ」で,また「なわの操作」に ステップを組み合わせ,跳躍における呼吸を整え,身体

表2 「振りの動作」

かえし跳び 体前八の字回旋 体側回旋 頭上回旋 足抜き回旋 等

ウォーキング・ステップ ランニング・ステップ バランス・ステップ グレイプバイン・ステップ サイド・ステップ マンボ ツー・ステップ ポニー・ステップ

シャッセ

ギヤロツプ 等

表3 現在までに創作した曲名等一覧

曲 名 時間 テンポ

1 ミッキーマウス・マーチ

3分00秒 ♪=136

2

テキサスの黄色いバラ

3分17秒 ♪=120

3

ちびっこカウボーイ

3分00秒 ♪壽144

4

ビアだるポルカ

2分51秒 ♪=124

5 レッツゴーUGM 2分40秒 ♪=136

6

ザ・ウルトラマン

2分55秒 ♪=128

7 ガラガラヘビ

2分50秒 ♪=144

8

チキチキバンバン

2分35秒 ♪=124

9

口笛ふいて〜星にねがいを〜

3分20秒 ♪=126

10

11 鉄腕アトム

2分17秒 ♪=136

オブラディ・オブラダ

2分19秒 ♪=138

12

森のくまさん

2分55秒 ♪=122

13

宇宙戦艦ヤマト

2分10秒 ♪=136

14

マーチング・マーチ

3分35秒 ♪=130

15

ディズニー・メドレー

3分10秒 ♪=132

16

明日があるさ

3分08秒 ♪ニ128

17

DISCOFINE二人だけのデート

2分43秒 ♪=132

18

かわいいあの娘

3分00秒 ♪ニ128

19

手のひらを太陽に

3分26秒 ♪=134

20

Help Me 3分16秒 ♪=128

21

サタデー・ナイト

2分50秒 ♪=132

22 はぴねす特急

2分53秒 ♪=128

23 タッチ

3分00秒 ♪=148

※:テンポを調整

の緊張をほぐすと共に,動きとリズムが楽しめる内容と

する.

「振りの動作」の具体例を表2に示す.

以上の手川頁で現在まで創作した作品の一覧を表3に示す.

(3)学生への導入及び展開の手順

 学生への「リズムなわとび」の導入・展開の具体的手 順にっいては次のとおりである.

 ①曲を聴く

 ②曲を聴きながら歩いたり,跳躍しリズムに慣れる  ③なわをまわして曲に合わせて自由な跳び方で跳ん   でみる

 ④指導者が曲に合わせて一曲全習し,学生に全体の   動きのイメージをもたせる

 ⑤具体的な内容プリント配布(各人1枚)(資料参照)

  ダビング用テープ配布(クラスユ本)

  個々の動作確認

 ⑥内容・分習(グループに分かれて動作確認)

 ⑦内容・分習,全習(指導者コール:次の動きを指   導者が先取りして学生に声かけする)

 ⑧内容・全習不明な動作の確認

以上のように,①〜⑧の順で進めていくが,後期授業

(15回)開始から3回分(90分×3回)を「リズムなわ とび」の導入・展開時間としてあて,後は他の内容と併 行させながら毎回1回の全習・動作確認で進めていく.

6回目より個人確認を毎回1回実施していくが,リズム に合わせて最後まで動き続けられた時が完成である.

なお,使用する「なわ」にっいては,「なわとび」用の

「とびなわ」(グリップが付いたもの)とし,身長・体格 に合ったものを個人で準備する.

3.学生の意識の変容

 「リズムなわとび」が「完成」した学生に対し,その 開始時から完成までの過程を感想文として課し提出させ ているが,その一部を紹介する.

【学生Aの感想文】

最初,先生が跳ぶのを見た時,「絶対覚えられない」

「体力続かない」と思っていた.実際初めは最初の方 ですぐに息切れしていたし,最後まで続けて跳ぶこと など出来なかった.1回目2回目では,まだ2〜3人 しか完成していなかったし,「授業は15回もあるから 平気だろう」と心のどこかで考えていた.でも,次第

に周りの友達が上手くなっていくのが分かって,完成

(111)

(5)

︵一富︶

(資 料)リズムなわとび(曲 サタデー・ナイト 」=132  2分30秒)

8888

右手に両グリップ  左手肩幅程度になわを持ちリズムを聞いて待っ

左足からその場足踏み両腕を上に(1・2呼間)胸に(3・4呼間)を2回繰り返す

足踏みのまま 左から体前八の字回旋左かえし跳び

足踏みを続けて右から体前八の字回旋右かえし跳び

8888888

かけ足跳び(左足から)

ポニーステップ跳び かけ足跳び 両足跳び あや跳び 交差跳び 両足跳び

     (一回旋スリーステップ)

     (左足から・一回旋一跳躍)

(一回旋二跳躍)

(一回旋一跳躍)

(一回旋一跳躍)

(一回旋一跳躍)

8

8

8

足・ランニングステップで前進

なわ・右手に両グリップを持ち 左手は2本のなわを肩幅に持って

   上(1・2)胸(3・4)の動作を2回繰り返す

足・パーグー一・グーパーグーパーパーグー

なわ・両手に持ち 上一胸一前一胸の動作を2回繰り返す 後進して同じ動作をする

8  足・左足よりその場足踏み

  なわ・左かえし跳び〜右かえし跳び

8888888

前両足跳び(3回・一回旋二跳躍)から後跳びへ移行

後あや跳び(一回旋二跳躍)

後交差跳び(一回旋二跳躍)

後両足跳び(1回)から前両足跳びハ移行 両足跳び  (一回旋二男麗)

両足跳びから(一回旋二跳躍・2回)から しゃがみ跳びX2 両足跳び(一回旋二跳躍)

 終わりに右手に両グリップ・左手も2本のなわを肩幅より広めに持っ

 4  足・右ヘグレイプバイン・ステップ

   なわ・両手に持ったなわを前に出す・胸に引く動作を2回繰り返す  4  足・左足は後に軽く上げて右足で右回りに4回跳ぶ

・  なわ・両グリップを持った右手を上に伸ばし、左手は腹に置く  4  足・スリーステップターンでもどる

   なわ・両手胸の前に置く

 4 足・左足からその場足踏み

   なわ・上に(レ2)上げ胸に下ろす(3・4)

8

8

4

8

8

888

8

8

4

足・左足を1歩前に出しバランス・ステップ(4回)

なわ・左手放し両グリップ右手持ち 体前八の字回旋(2回)

足・左足からバランス・ステップで左回りに4回 なわ・頭上回旋(4回)

足・右足からその場足踏み

なわ・右体側回旋(1回)〜左手に両グリップ持ち替え 足・右足を1歩前に出しバランス・ステップ(4回)

なわ・両グリップ左手持ち 体前八の字回旋(2回)

足・右足からバランス・ステップで右回り

なわ・頭上回旋(4回)  終わりに両グリップ右手持ちに 頭上回旋から足抜き回旋

    〃

足・左足からその場足踏み

なわ・右体側回旋  7・8呼問目で両グリップ左手に持ち替え 足・左足からそのまま足踏み

なわ・左体側回旋  7・8呼問目で両グリップ右手に持ち替え 足・左足からそのまま足踏み

なわ・左方向へ体前八の字回旋〜左かえし跳び 足・左足からそのまま足踏み

なわ・右かえし跳び

888888 88888

かけ足跳び(左足から)(一回旋一跳躍)

前振り跳び   (一回旋一跳躍)

前振り足かけ跳び(一回旋一跳躍)

かけ足跳び    (一回旋一跳躍}

あやサイクル跳び(一回旋一跳躍)

足・両足開閉跳び(一回旋一跳躍)

なわ・あや跳び

両足跳び    (一回旋二跳躍)

かけ足跳び   (一回旋一跳躍)

交差サイクル跳び(一回旋一跳躍)

2拍子跳び    (一回旋一跳躍)

かけ足跳び   (一回旋一跳躍)

8 足・軽くその場足踏み

  なわ・跳ばずに呼吸を整えながら体側下から上へ(4呼間)上から下(4呼問)へ

8      i

(6)

本学保育・児童学科における体育関連科目の果たす役割(3)

する人が増えてきて焦った.そして,家で曲をかけな がら,イメージトレーニングをした.1曲通して跳ぶ ことができるようになり,段々と息があがらなくなっ てきた.それでもまだ確認日の時には,ひっかかって しまっていた.11回目の確認日の時,友達が完成し て,とても焦って一週間毎晩家の前で曲をかけながら なわとびの練習をした.(おかげで体重&体脂肪が減っ た!)そして,12回目の確認日でやっと完成できた.

本当に嬉しかった.そして,クラスの人も共に喜んで

くれたのが嬉しかった.

周りの仲間に支えられながら,一つの目標に向かって 努力すること,その目標が達成されたときの喜びを体 育の授業を通して学ぶことができました.

【学生Bの感想】

最初,リズムなわとびをやると聞いて,「二重跳び」

や「はやぶさ」などの少し難しいものをやるのかと思っ ていました.しかし,先生が配ったリズムなわとびの 内容のプリントを見て驚きました.「前跳び」や「か け足跳び」に「かえし跳び」がついていたり,結構基 本的なもので構成されていて,出来そうだけど覚える のが大変そうだと感じました.かえし跳びから練習が 始まって,先生に出来ていると言われている人が数人 しかいなくて焦りました.プリントを見ながらやり始 め,交差サイクル跳びが難点だと感じました.一週間 に一度の練習では上達が遅く,段々と焦りを感じ始め,

完成できた人に見てもらったり,自分なりに試行錯誤 しながら練習しました.やっと10回目の確認日の時,

完成できた時は,大変だった思いと楽しかった思いが

頭をよぎりました.

の欄に「リズムなわとび」を書こうかなと思っていま1 す.本当に充実感でいっぱいになりました.やった一!

【学生Cの感想】

初あてリズムなわとびを見たとき,「こんなの出来る の?無理だよ,絶対.」と友達と話していました.な わを跳ぶ動作だけでなく,かえし跳びもして,動きの 振りも加えられ…なんてその時の私には考えられま せんでした.何度もなわとびのことを考え,不安でし た.でも完成した時は,そんな不安な思いも,友達と 構内で練習した事,家で一人で跳んでいたのも良い思 い出です.「絶対無理」なんて言葉は,そう簡単に使っ てはいけないなと反省しています.これからは,特技

 初めての「リズムなわとび」の経験から,その過程で おきる気持ちの変容が読み取れるが,以下に全体をまと

めてみる.

【最初】

「私は絶対にできないと思った」

「これをやるには時間がかかりそうだ」

「なわとびが苦手だから,無理だ」

と捉える学生が多かった。また,

「なわとびは苦手ではないので,積極的に取り組んでい  ける気がした.しかし,やっていくうちに,音楽にき  ちんと動作を合わせることが難しいと思うようになっ

 た」

「部活で筋トレなどになわとびを使う事が多かったので,

 なわとびは元々好きだった.けれども技術は別だった」

など,これまで経験してきたなわとびの概念と少し違う 所に戸惑いを感じている事が伺える.

【練習過程】

「友達同士で練習をした.なわとびが出来ない自分が悔  しくて,何としてでも乗り越えたいという気持ちになっ

 た」

「通学の途中で何度も曲を聴きながら,プリントを見て

 イメージした」

「頑張って練習している友達をみて刺激を受け,一緒に  練習して出来る様になった所も多くあった」

「跳んでいると必ず失敗するところがあり,鏡を見なが  らやってみて,自分の悪いところを探した.そして,

 手がきちんと回せていないことに気づき,意識してやっ

 てみた」

と,様々な気持ちの葛藤と変化が読み取れる.

【完成時】

「やり遂げた達成感でもの凄く嬉しかった」

「初めてリズムにのってなわとびを跳ぶ楽しさを学んだ」

「なわとびでここまで感動を味わえるとは思っていなかっ

 た.辛い事に突き当たった時はなわとびの事を思い出

 して頑張る」

「良い運動になったし,これからも健康のためにやって

 いきたい」

「一つのことに向かって自分なりに努力をして頑張れた  過程が凄く大切だった.一っの事にがむしゃらになる

(113)

(7)

梁lll悦美

 機会が無かったからとてもいい経験になった」

「自分の色々な面が見えてきて,性格や物事に取り組む  姿勢など,自分自身の発見・再確認する事が多くあっ

 た」

「何度かひっかかりそうになったが,乗り越えることが

 できた」

「完成!の一言を言われたとき,本当に嬉しかった」

「この先の人生,どんなにっらいことがあっても笑って  生きていける気になった」

「リズムなわとびの完成は嬉しいことだった.そして,

 何か強くなれた気がする」

「今回のリズムなわとびを通して,プレッシャーに打ち  勝っこと,努力すれば何でも出来るという事,そして  自分自身に自信がっいた」

「悔しい思いも沢山したけど,そういった思いがあった  からこそ,出来た嬉しさは倍になったし,悔しいと思  えた自分がいたから最後まで諦めずに頑張ることがで

 きた」

「リズムなわとびを授業でやって本当に良かった.心の

 底からそう思う」

「頑張って練習して本当に良かった」

と,やり終えた学生達の気持ちが前向きに変化している

様子が伺える.

「リズムなわとび」の効用6)については,

 ①リズム感覚を養う  ②運動神経をよくする  ③健康・体力づくりによい  ④ふれあいの喜びがある  ⑤遊びの要素がある  ⑥完成の喜びがある  ⑦創作する喜びが味わえる

と挙げられているが,学生の感想文からも「リズムなわ とび」は筆者らの授業科目のねらいとしての効果をあげ

る内容の]っと確信する.

      V.まとめ

 学生にとって「なわとび」は「あそび」である.その

「あそびの心」が残る「なわとび」を発展させた「リズ ムなわとび」を授業内容として取り入れ実践してきたが,

本来「なわ」を使ったあそびというのは,引っ張ったり,

回したり,回して跳んだり等,色々と活用できるもので ある.しかし,著者らの目的の一つである,学生の体力

向上・維持増進を考え,また学生に自分自身を知ること のできる課題の1っとした「リズムなわとび」の身体的・

教育的効果にっいて、学生からの感想文の中から読み取

ることができた.

 「リズムなわとび」は,運動不足の学生にとって,ま た「やれば出来る」というような,何事にも一生懸命努 力し結果を得る喜びが経験できる有意義な内容の1つで

ある.

 これらを総合的に考えた場合,心身に対して有意的な 刺激をもたらす効果のある教材であり,体育関連科目の 実践の中で「自分」や「1中問」を知ることのできるもの と確信する.実技科目である利点を生かしての実践経験 は,学生自身が身体面においても精神面においても,自 分自身を成長させ,理解させる機会になると考える.

 「リズムなわとび」は個々のねらいにおいて,広範囲 に活用できるものである.授業では時間的な制約があり,

創作に対する楽しさは伝えられなかったが,機会があれ ば「なわとび」の楽しさを創作の中でも広げ子どもたち へもっなげてくれることを期待したい.

 学生が楽しく,いかに学生自身のために有効に頭と体 で運動に対する理解を深めてくれるか.そのためにも日々 継続した検討が必要と考える.

 なお,本研究は日本保育学会第60回大会(2007年度)

において,具体的な実践状況にっいてビデオを通して一

部発表済みである.

        参考及び引用文献

1)梁川悦美・渡邉敏子:本学保育・児童学科における  体育関連科目の果たす役割(2)一鬼あそびに着目し  て一  東京家政大学研究紀要第47集(1),2007,

 pp.97−103

2)山市孟編著:たのしいリズムなわとび,不昧堂出  版,1981

3)太田昌秀・長澤靖夫:楽しい長なわとび,日本体育  社,1981

4)猪飼道夫・山地啓司:心拍数からみた運動強度,体  育の科学第21巻,1971,pp.589−593

5)榎木繁男ら:心拍数による各種スポーツの運動強度   となわとびの運動強度との比較,麻布大学教養部研

  究紀要第27号,1982,pp.37−52

6)埼玉県なわとび協会:みんなでたのしくリズムなわ

  とび,遊戯社,1983,pp.9−10

(8)

本学保育・児童学科における体育関連科目の果たす役割(3)

7)石井美晴編:保育の中の運動あそび,萌文書林,

  1994

8)石河利寛監修:なわとび教室,大修館,1981 9)井上勝子編著:運動遊び,建用社,2006 10)岩崎洋子:たのしい運動あそび,チャイルド本社,

  1986

11)榎木繁男:誰でもできる楽しいなわとび,大修館,

  2005

12)太田昌秀:INFなわとびハンドブック,アシック   ス,1986

13)小川清実:子どもに伝えたい伝承あそび,萌文書林,

  2001

14)桐生良夫編著:幼児の動きづくり,杏林書院,1997 15)西田俊夫:幼児期の運動あそび,不昧堂出版,1991 16)日本なわとび協会:リズムなわとび,成美堂,1986 17)日本レクリエーション協会編:遊びの大辞典,東京   書籍1986

ユ8)松延博:子どもの遊び・スポーッ百科,大修館書店,

  1970

19)村田芳子編著:楽しいリズムダンス・現代のリズム   のダンス,小学館,2002

20)文部省:学校体育実技指導資料第7集体っくり運動,

  東洋館出版社,2000

21)梁川悦美:保育士養成校における体育関連科目のあ   り方について(1),日本保育学会第58回大会研究論

  文集,2005,pp.688−689

22)梁川悦美:本学保育・児童学科における体育関連科   目の果たす役割,東京家政大学研究紀要第46集(1),

  2006, pp.143−150

23)梁川悦美:保育士養成校における体育関連科目のあ   り方について(2)一授業内容にっいての一考察一,

  日本保育学会第59回大会研究論文集,2006,

  pp.390−391

24)梁川悦美・渡邉敏子:保育士養成校における体育関   連科目のあり方について(3)一「なわとび」に着目   して一,Er本保育学会第60回大会研究論文集,200

  7, pp.1436−1437

25)山内日吉:リズム縄跳び,体育の科学社,1953 26)山本 悟:写真で見る「運動と指導」のポイント   7なわとび,日本書籍,1998

27)輪嶋直幸・甲斐田根馬共著:満点運動あそび,チャ   イルド本社,1993

Summary

 Concluding results are as follows:Jumping rope is considered a form of play for students.

We tried to develop a rhythmic form of jump rope. The jump rope can be used in various ways,

but its original use is turnlng it and jumping over it. However, factors such as the improvement

of physical strength and physical maintenance fbr the students ought to be considered. Through enj oyment of rhythmic jump rope routines, even the under−exercised student can see positive

physical results after putting effbrt into the activity.

 Overal1, it is the teaching materials which are effective in bringing stimulation to the body and

mind. I am convinced that one can know oneself or a fhend by engaging in physical−related

study. It is through P.E that students can develop not only physically but also mentaUy. Jumping

rope can be done individually any time and place, but because classroom time is hmited, there was no tlme to explain the various creative ways of using the jump rope.

 Iexpect my students will be able to teach the pleasures of jump rope to their fUture students.

Therefbre, we must daily re−examine how to understand that physical education is important fbr the body and the mind.

(115)

(9)

       正 誤 表

研究紀要第48集(1)の109ページの和文タイトル下の受理日に誤りがあり ましたので訂正いたします。

     誤

 (平成19年9月4日受理) 一

        正

絹〉 (平成19年10月4日受理)

    東京家政大学研究紀要

       編集委員長

参照

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