論文内容要旨
論文題名
‘Head invasion’ is not a metastasis-free condition in pedunculated T1 colorectal carcinomas based on the precise histopathological assessment.
(有茎性大腸T1癌の頭部浸潤におけるリンパ節転移のリスク評価)
掲載雑誌名
Digestion(Vol.94 No.3 P.166-175 2016年)
専攻名 内科系内科学(消化器内科学分野)(昭和大学横浜市北部病院)
木村ジェニファー由衣
内容要旨
有茎性T1癌のうち“head invasion”の病変は内視鏡治療のみで治療が完結する と報告されてきた。しかし臨床においては、“head invasion”であってもリンパ 節転移を来す病変を経験する。我々は“有茎性”と“無茎性”、さらには“head invasion” と“stalk invasion”を区別する必要性があるのかどうかについて検証 した。
リンパ節切除を含む初回手術または追加腸切除を行った76症例の有茎性T1癌 と594症例の無茎性T1癌を対象とした。有茎性の病変では正常粘膜と腫瘍粘膜 の境界を結んだ線(Haggitt’s level2)を基線とした。SM 浸潤度については、
基線より浸潤が浅ければ“head invasion”、基線を越えて浸潤すれば“stalk invasion”と分類した。臨床病理学的因子とリンパ節転移の関係性について分析 した。
有茎性病変76症例のうち 9症例(11.8%)に、無茎性病変594 症例のうち52 症例(8.8%)にリンパ節転移を認めた。(p=0.40)
“head invasion”(4/30, 13.3%)と“stalk invasion”(5/46, 10.9%)でリンパ節転 移率に優位差は認めなかった。
“head invasion”はリンパ節転移がない状態とは断言できなかった。有茎性 T1
癌であってもリスク因子が陽性の場合は追加腸切除を考慮すべきである。