別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 乙 第 2935 号 氏 名 竹中 慎
論文審査担当者
主査 板橋 家頭夫 副査 土岐 彰
副査 長塚 正晃
(論文審査の要旨)
母体血漿中 cell-free RNAを用いて抗血管増殖因子である Flt-1発現量を定量すること による胎児発育不全(FGR)の予知の可能性について検討した。妊婦健診を行った 1610 例 の妊婦の中で FGRを合併した 11 例(FGR群)と 1:8 でマッチさせた正常コントロール 88 例(CT群)を対象とした。母体血漿を妊娠初期、中期、後期に採取して mRNAを抽出し、
TaqMan RT-PCR法でFlt-1発現を定量して縦断的コホート解析を行った。ロジスティッ
クモデルを用いて ROC カーブを作成し、採血時期ごとの ROC カーブから検出率を算出 しFGR発症予知効率を検討した。
その結果、Flt-1 発現量は第 1 三半期以降、全期にわたり FGR 群で有意な高値を示し た(p<0.05)。10%偽陰性率水準での FGRの検出率は、妊娠初期 30%、中期 50%、後期 50%であり、妊娠の後期ほど発症予知精度は上昇した。妊娠初期と中期を組み合わせた場 合の検出率は 60%、AUCは0.79であった。
FGR発症前の妊娠初期、中期の母体血漿中Flt-1遺伝子発現量はFGR発症予知マーカ ーとなることを初めて示した。胎盤形成期の血管増殖関連因子が胎児発育不全の病態形成 においても重要な役割を果たしていることが示唆された。
以上のように、本研究は胎児発育不全患者の発症予知に関する新知見 を示しており、高 い学術的価値を有し、学位論文に値すると判断した。
論文題名:
Prediction of fetal growth restriction by analyzing the messenger RNAs of angiogenic factor in the plasma of pregnant women
(母体血漿中Flt-1遺伝子発現量を用いた FGR発症予知の検討) 掲載雑誌名:Reproductive Science Vol.22 No.6 2015年
論文題名:
掲載雑誌名:
(主査が記載、500字以内)