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肝胆 道疾 患 にお け る グル タ ミン酸脱 水素 酵素 に関す る研 究

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Academic year: 2022

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(1)肝胆 道疾 患 にお け る グル タ ミン酸脱 水素 酵素 に関す る研 究 第. 二. 編. グ ル タ ミン 酸 脱 水 素 酵 素 の 血 中 上 昇 に 関 す る実 験 的 研 究 岡山大学医学部小坂 内科 北. 田. 信. 吾. 〔 昭和46年6月28日 受稿〕 1分 間 磨 砕 し た 後,. 緒. 50G,. 7分. 間遠 沈 して 得 られ た. 言 上 清 分 画 を 肝 ホ モ ジ ネ ー ト と し て 使 用 し た.. 肝 疾 患 時 に お け る肝 内諸 酵 素 の血 中へ の逸 脱 は, そ の病 態 に よ りか な り特 徴 的 な酵 素 パ タ ーンを示 し,. Ⅲ). 肝遊離細胞の分離法. 灌 流 後 の 肝 の 一 部 を あ らか じ め 鋏 で 細 片 と し,肝. 臨 床 診 断 に も広 く応 用 され て い る が,酵 素 活 性 の血. 湿 重 量 の5倍. 中 上昇 の 機 序 につ いて は今 日 な お十 分 明 らか に され. ゆ る い 磨 り合 わ せ の テ フ ロ ン ホ モ ジ ナ イ ザ ー を 用 い. て お らず,細 胞 の 損 傷 に よ る酵 素 の遊 出,細 胞 膜 透. て 用 手 法 に よ り10回 上 下 し て 磨 砕 し た 後,. 過 性 の亢 進,酵 素 の過 剰 形 成 な どが 考 え られ て い る.. テ ト ロ ン ガ ー ゼ で 濾 過 し,そ. 著 者 は これ らの 点 を実 験 的 に解 明す る 目的 で,ラ ッ トの肝 浮遊 細 胞 を用 い たin. vitroの. 実 験 を行 な. い,諸 種 条件 下 に お け る肝 細 胞 内酵 素 の 遊 出 態 度 を 検 討 し,さ らに ラ ッ ト肝 動 脈 結 紮 に よ る肝Hypoxia 時 に お け る肝 内 酵 素 の 遊 出 態 度 と,そ の 状 態 での 肝. 容 の0.25M蔗. 糖 液(pH. M蔗. 糖 液(pH. sphate. 7.4)で2回,. (KRP)緩. お肝. 灌 流 後 の 分 離 過 程 は す べ て 氷 水 中 で 行 な い,遠. 沈処. 浮 遊 実 験 に 用 い たIncubation. に 調 節 し た 冷 凍 遠 心 機 を 使 用 し た. 実験 方 法. 床 的 に観 察 され た肝 の 病態 に お け る酵 素 遊 出 の 意 義. 7.4に 調 整 し たKRP緩. づ け につ い て若 干 の 考 察 を加 えた.. 分 間 吸 引 後,窒 衝 液,. 添 加KRP緩. Dawley系. 後 のSprague‑. 雄 性 ラ ッ トを エ ー テ ル麻 酔 下 に 開腹 し,. 門 脈 よ り挿 入 した ポ リエ チ レン管 を通 して約60mlの Ca‑free. EDTA. Locke氏 溶 液(pH. 7.4に 調 整)を. 注 入 し,腹 部 大 動 脈 お よ び下 大 静 脈 を切 断 して肝 臓 を灌 流 し以 下 の 実 験 に供 した. Ⅱ) 肝 ホ モ ジ ネ ー トの 作 製. 糖 液(pH. て7. (DNP). か ら分 離 さ れ た 肝 遊 離. を2mlの. 上 記 溶 液 中 に37℃,. の 速 度 で 振 盪 孵 置 し た 後,. 7000G,. 1 10. 分 間 冷 凍 遠 沈 して 得 ら れ た 上 清 分 画 中 の 酵 素 活 性 を 測 定 し,こ. れ を 孵 置 前 の 肝 細 胞 内 酵 素 活 性 と比 較 し. てmedium中. へ の遊 出率 を 次式 に よ り算 出 し た.. 遊 出率=medium内酵素活性/孵置前肝細胞内酵素活 性 ×100% 2). 肝動脈結紮実験. Ⅰ) 材 料 お よ び 方 法. 灌 流 後 直 ちに肝 の 一 部 を と り,こ れ に肝 湿 重 量 の 9倍 容 の0.25M蔗. 1) pH. 2) 10‑7mmHgに. の2, 4‑Dinitrophenol. 衛 液 で あ る.肝. 時 間, 70回/分. mediumは,. 衛 液,. 素 ガ ス に て 充 填 し た 低 酸 素KRP緩. 3) 10‑4M度. 細 胞 の 約400×103個. 12時 間 絶 食 に し た 体 重200g前. 80G,. 3分 間 遠 沈 洗 滌 し て 肝 遊 離 細 胞 を 分 離 し た.な. Ⅳ). Ⅰ) 材 料 お よ び方 法. 間. pho. 7.4)で1回,. の血 中 お よ び肝 内 酵 素 の 変 動 に つ い て も検 討 し,臨. 肝遊離細胞浮遊実験. 3分. Krebs‑Ringer. 衝 液(pH. い て検 討 した.ま た 四 塩 化 炭 素 に よ る肝 硬 変 ラ ッ ト. 1). 4つ 折 り. 遠 沈 し て 沈 渣 を 分 離 し た.さ ら に こ の 細 胞 沈 渣 を0.25. 理 は0℃. 法. と もに. の 濾 液 を80G,. ミ トコ ン ド リアの 呼 吸 調 節 能 や 酸 化 的 燐 酸 化 能 につ. 方. 7.4)と. 200g前. 後 のSprague‑Dawley系. 雄 性 ラ ッ トを5. 7.4に 調 整)を 加 え て テ. 群 に 分 け,エ. ー テ ル麻 酔 下 に無 菌 的 に開 腹 して肝 動. フ ロン ホ モ ジ ナ イザ ー にて900回 転/分 の 回 転 速 度 で. 脈 を 結 紮 後,. 1日,. 2日,. 3日,. 5日. お よ び9日. 目.

(2) 176. 北. に 再 び 開 腹 し,腹. 田. 部 大 動 脈 よ り採 血 す る と と も に,. 脱 血 後 の 肝 の 一 部 を 採 取 し た.別 行 な っ て 対 照 と し た.な. の5群. は 開腹 の み. お 実 験 に 供 す る 前12時. 間は. 絶 食 と し た. 採 取 し た 肝 の 一 部 を 肝 湿 重 量 の9倍 糖 液(pH. 7.4)に. 入 れ,テ. て900回. 転/分 に て1分. 容 の0.25M蔗. 80G,. 10分 間 遠 沈. し て 上 清 分 画 を と り こ れ を 肝 ホ モ ジ ネ ー ト と し た. ミ トコ ン ド リ ア 分 画 は 肝 ホ モ ジ ネ ー ト を700G, 間 遠 沈 後 の 上 清 を さ ら に7000G,. 吾. 上 記 実 験 に お け る 酵 素 の 測 定 は, Reitman‑Frankel法1),. (ICD)はBowers2),. drogenase. (GLD)はOlson3),. 10分. 10分 間 遠 沈 分 離 し. 7分. dehy dehy. Glucose‑6‑Phos. (G‑6‑Pase)は. 小 出 ら4)の 方 法 に準 じ た. ホ モ ジ ネ ー ト,肝. ミ トコ. 浮 遊 細 胞 は す べ て 凍 結 融 解 後, 10KC,. 間 の 音 波 処 理 を 行 な っ た.蛋. CiocalteauのLowry変 は 蛋 白1mg当. GPTは. Glutamate. ま た 酵 素 測 定 に 際 し て,肝 ン ド リ ア,肝. GOT,. TPN系Isocitrate. drogenase. phatase. フロンホモジナイザーに. 間 磨 砕 し,. 信. 白 定 量 はFolin‑. 法5)を 用 い,肝. の酵 素 量. り の 酵 素 活 性 で 表 わ し た.. て 用 い た. Ⅱ). 呼 吸 調 節 能 とADP/O比. 成 の測 定. 肝 ミ トコ ン ド リア 呼 吸 調 節 能 とADP/O比 は,閉. の測定. よ っ た.反 液,. 応 液 は0.1M蔗. 10mM. Tris緩. HPO4溶. 液,. 液(3mg蛋. 糖 溶 液,. 衝 液(pH. 2mM. 液 か ら な り,本. 20mM. 7.4),. MgCl2溶. 液,. KCl溶 10mM. 0 .2mM. Glutamate,. K2 EDTA. 溶 液1.9mlに0.1mlの. ミ トコ ン ド リア. 白 量 に 相 当)を 加 え て25℃. で 反 応 さ せ た.. い,さ. α‑Ketoglutarate液. ら に100mM. の0.03mlず. ADP液0.02mlを. つ を用. を算. 出 し た. 肝 の 組 織 学 的 検 索 に は,結. 紮 群 お よ び非 結 紮 群 の. マ トキ シ リ ン,エ. オ ジ ン染 色 を. 行 な っ た.. 図1. 100g〜150gのSprague‑ 雄性 ラ ッ トに オ リー. ブ油 で溶 解 した 四 塩 化炭 素 の20 %液 を1週 間 に2回,. 4ヶ 月 間. に わ た っ て皮 下 注射 し,最 後 の 注 射 か ら1週 間 後 に実 験 的肝 硬 変 の 成 立 を組 織 学 的 に確 認 して 実 験 に供 した(写 真1).す. な. わ ち12時 間 絶 食 後 エ ー テ ル麻 酔 下 に開 腹 し,腹 部 大動 脈 よ り採 血 した後 肝 の一 部 を と り,肝 湿 重 量 の9倍. 容 の0.25M蔗. 7.4)を 入 れ,テ. 糖 液. フ ロ ンホ. モ ジ ナ イ ザ ー に て1分 間磨 砕 し た後, 80G,. 10分 間 冷 凍遠 沈後. 上 清 分 画 を と り肝 ホ モ ジネ ー ト と した.. に 示 す よ う に 各 酵 素 に よ り異 な っ た 遊 離 態 度 を示 す. す な わ ち肝 細 胞 を単 離 し た 後 の 酵 素 活 性 の 低 下 は GPT,. ICDが. も の で, %で. 最 も 強 く,次. い でGOTで. あ っ た.. 肝 細 胞 単 離 後 の 細 胞 内酵 素 の 残 存 率 を示 した GPT,. ICDは. 各 々10.0±7.0, 13.7±6.7. あ っ た の に 対 し て,. .2%で. あ っ た.他 方,. Ⅱ) dium内. GOTの. GLD,. 残 存 率 は69.7±12 G‑6‑Paseは. まった く. 肝 浮 遊 細 胞 内 酵 素 の 各 種 条 件 下 に お け るme への遊出. 対 照KRP緩. 肝硬変 ラッ ト. Dawley系. 活 性 と 肝 ホ モ ジ ネ ー ト酵 素 活 性 を 比 較 す る と,図1. 漏 出 を 示 さ な か っ た.. 肝 の 一 部 を と り,ヘ. 3). Ⅰ) 肝 細 胞 遊 離 に 伴 う細 胞 内 酵 素 の 遊 出. 図2は. 添 加 して消 費. さ れ た 酸 素 量 よ り呼 吸 調 節 率 お よ びADP/O比. 肝浮遊細胞実験. 正 常 ラ ッ トの 肝 臓 を 用 い て 単 離 し た 肝 細 胞 内 酵 素. 添 加 基 質 と し て は い ず れ も0.2MのSuccinate,. (pH. 1). 鎖 式 回転 白 金電 極 を用 い た オ キ シ グ ラフ法 に. 績. 衝 液 中 に37℃,. 1時. 間孵 置 し た後 の.

(3) 肝 胆 道 疾 患 に お け る グ ル タ ミン酸 脱 水 素 酵 素 に 関す る研 究. 177. %よ り26.2%に 増 加 した.Hyp 図2. oxiaとDNP添. 加実 験 の 間 に. は遊 出 率 の 差 は あ ま り認 め られ な か った. 2). ラ ッ ト肝 動 脈 結 紮 実 験. Ⅰ) 肝 動 脈 結 紮 後 の血 清 お よ び肝 組織 内 酵 素 活 性 の 変 動 肝 動 脈 結 紮 後 の 血 清 中の 各 酵 素 の 経 時 的 変 動 は図4に 示 した. 血 清GOTは 紮 群,対. 術 後 第1日. 目 は結. 照 群 と もに正 常 ラ ッ ト. の平 均GOT活. 性, 115±37単 位. に比 して 上 昇 の 傾 向 を示 した が, 両 群 の 間 に は 明 らか な 差 は なか った.第2日. 目 で両 群 共 に 活 性. は 正 常 値 域 まで 下 った が,第3. 図3. 日 目で 結 紮 群 で は171±34単. 位. と再 び活 性 上 昇 が み られ た.他 方,対 照 群 で は89±24単 位 と正 常 値 域 に と ゞま り, 2群 のGOT 活 性 の 間 に は有 意 の 差 が認 め ら れ た.第5日 GOT活. 目に は結 紮群 の. 性 は 正 常 値 域 ま で低 下. し,以 後 第9日. 目 も対 照 群,結. 紮 群 と もに正 常 範 囲 内 に と ゞま り差 は認 め な か った. GPTもGOTと. 同様,第1. 日 目 は両 群 共 に軽 度 活 性上 昇 を 示 した が第2日 medium内. へ の 各 酵 素 の 遊 出 率 は,図3に. にGOT,. GPTは. 次 い でICD,. 各 々38.7%,. 44.2%と. G‑6‑Paseの25.2%お. GOTは40.1%と. 照 に 比 し て あ ま り 差 は な か っ た が, 各 々50.1%,. 増 加 を 認 め,特 2.6倍. 39.6%,. にGLDは23.5%と. 度 でKRP緩. GPTは. 30.7%と. 位)の 約4.8倍. ICD,. 不 した.. で あ るDNP. 衝 液 に 添 加 した 場 合 の 各 酵 時 とほ ゞ同 じ傾 向 が み ら. 各 々43.6%,. して ほ と ん ど差 は な か っ た が, 43.5%,. 目に は結 紮 群 は657±254単 位. と さ らに増 加 し,対 照 群(138±37単. ICD,. G‑6‑Paseの. 血 中 の 活 性 変 動 は2群 の 間 で. 明 らか な 差 を示 さな か った.. 素 の 遊 出 率 はHypoxiaの GOT,. の 上昇 が あ り,第2日. 目に す で に. 位)に 比 して 活 性. 軽度の. の 増 加 を み た.. を10‑4M濃. 対 照 群 で は全 経 過 を通 じて著 明 な変 動 は. に達 し,以 後 活 性 は減 少 して対 照 群 と同 様 の 経 過 を. 対 照 に比 して 約. 次 に 酸 化 的 燐 酸 化 のuncouplerの1つ. れ,. 対. GPT,. 35.1%と. GLDは. 270±131単 位 と対 照 群(107±29単. あ っ た.. へ の 遊 出 は,. 目に は正常化 し,. 以後 両 群 と もほ とん ど変 動 を示 さな か った.. み られ な か っ た が,結 紮 群 で は,第1日. 衝 液 を 用 い た場 合 の肝 浮遊 細 胞 内. 酵 素 のmedium内. G‑6‑Paseは. 最 も高 く,. よ び21.3%で,. 最 も低 か っ た の はGLDの9.0%で 低 酸 素KRP緩. 示 すよ う. 42.2%と ICD,. 軽 度 増 加 を 認 め,特. 対 照 に比. G‑6‑Paseは にGLDは9.0. 肝 動 脈 結紮 後 の肝 ホ モ ジ ネ ー トお よ び ミ トコ ン ド リア分 画 内 に お け る各 酵 素 活 性 は対 照 群,結 紮 群 と も差 を認 めず 同 様 の 経 時 的 変 化 を示 し た. Ⅱ) 肝 ミ トコ ン ド リアの 呼 吸 調 節 と酸 化 的燐 酸 化 肝 動 脈 結 紮 後 最 も高 い血 清GLD活. 性 を示 した 第. 2日 目 に お け る肝 ミ トコ ン ドリア の, 3基 質 に対 す.

(4) 178. 北. 田. 信. 吾. る呼 吸 調 節 お よ びADP/O比 図4‑1. は,対 照 群 に比 して ほ. とん ど差 を認 め な か った(表1). 表1. ラ ッ ト肝 ミ トコ ン ド リア の 呼吸 調 節 率 とADP/O比. Ⅲ) 肝 組織 像 結紮 後 第2日. 目の 光 学顕 微 鏡 的 肝 組 織 像 は,肝 実. 質細 胞 の 混濁 腫 張 を主 と した 軽 度 の 変 性 所 見 を認 め るに す ぎな か った(写 真2). 3). 肝 硬 変 ラ ッ トの血 清 お よ び肝 内酵 素 の変 動. 正 常 お よ び実 験 的 肝 硬 変 ラ ッ トの 血 清 の 酵 素 活 性 は,図5に. 示 す よ うに肝 硬 変 群 のGLD,. G‑6‑Pase. 活 性 は 対 照 群 に 比 し て 明 らか に上 昇 して い た が, GOT,. GPT,. ICD活. 性 は対 照 群 との 間 に有 意 の 差. を認 め なか っ た.他 方,肝. 内酵 素 の 変 動 は 図6に 示. す よ うに,肝 硬 変 群 で は正 常 群 に比 してGLD, 6‑Pase活. G‑. 性 の 減 少 が 著 明 で あ っ た.す な わ ち肝 硬. 変 群 で は,細 胞質 分 画 の 酵 素 の 減 少 に比 して ミ トコ ン ド リア,ミ ク ロ ゾー ム局 在 の 酵 素 の減 少 が顕 著 で 図4‑2. あ った. 考按 並びに総括 肝 障害 時 に お け る血 清 諸 酵 素 活 性 は,酵 素 の 肝 組 織 か ら血 中へ の逸 脱,血 変 性,阻 害 等),血. 中 で の 酵 素 の 変 化(活 性 化,. 液 か ら胆 汁,尿. に よ っ て変 動 す る が,最. 中への排泄 な ど. も重 要 な 因 子 は 肝 内 酵 素 の. 血 中へ の 遊 出で あ り,そ の要 因 と して は,肝 細 胞 の 破 壊 や 細 胞 膜 透 過 性 の 亢 進 な どが あ げ られ る.前 者 につ いて は, Wroblewskiら6)が. 血 清GOT,. GPT. 上 昇 度 と組 織学 的 に検 索 し た肝 細 胞 壊 死 率 との 間 に 密 接 な関 係 が あ る こ と を認 め, Haussら7),8)は. 肝. 細 胞 の広 範 な 脱 落破 壊 が 肝 内 酵 素 の減 少 と対 応 して, 血 中 の 酵 素 活性 が 上昇 して い る こ とを指 摘 して い る. また川 口9)に よ れ ば,肝 疾 患 患 者 につ い て肝 生 検 直 前 に 測定 した血 清GPTと と, GPTの. 生 検 所 見 との関 係 を み る. 上 昇 と肝 細 胞壊 死 と は明 瞭 な相 関 が あ. る こ とを認 め て い る.し か し細 胞 膜 透 過 性 の亢 進 に よ る酵 素 の遊 出 に関 して は直 接 的 な 証 明 はまだ な く, そ の本 態 に関 し て は不 明 な点 が 多 い..

(5) 肝 胆 道 疾 患 にお け る グ ル タ ミン酸 脱 水 素 酵 素 に関 す る研 究. 179. 遊 細 胞 を 用 い て,酵 素 の遊 出 に 図5. 関 す る実 験 を 行 な った 結 果,肝 細 胞 単 離 過 程 に伴 う細 胞 内 酵 素 の遊 出 は,上 清 分 画 酵 素 で あ る GPT,. ICDが. 最 も強 く,逆 に 細. 胞 顆粒分 画 局在 のGLD, aseは. G‑6‑P. ほ とん ど完 全 に肝 細 胞 内. に残 存 す る こ とを認 め た.こ の 成 績 は,細 胞 内 酵 素 の 局 在 部 位 が 酵 素 遊 出 の 態 度 と密 接 に関 係 して い る こ と を示 唆 して い る. GOTの. 残 存 率 が上清 分画 に ある. 酵 素 と細 胞 質 分 画 に あ る酵 素 の 中 間 的 な 値 を示 した の は,ラ ト肝 細 胞 内GOTが. ッ. 細胞質お よ. び ミ トコ ン ド リアの 両 分 画 に 局 在 して い るた め13)と 考 え られ る.そ して これ らの 上 清 分 画 酵. 図6. 素 は,肝 細 胞 の 形 態学 的 変 化 の 殆 ん ど認 め られ な い に もか ゝわ らず遊 出 され て い る事 実 は,肝 細 胞 の破 壊 に よ る細 胞 内 酵 素 の 逸 脱 とい うよ りは む しろ,肝 細 胞 分 離 の過 程 で 生 じた細 胞 膜 透 過 性 の亢 進 に よ る もの と解 釈 さ れ よ う. 川 口 ら16)は 四塩 化 炭素肝障 書 ラ ットを用い て, GLDの. 血中上. 昇 の 時期 と肝 の 形態 学 的 変 化 と の 関連 に つ い て 検討 した 結果, 最 も早期 に血 中上 昇 を み る の は G‑6‑Pase,つ. い で上 清 分画 に. あ るGOT, Henleyら10),11)は. 形 態 学 的 に変 化 の な い ラ ッ. ト肝 細 胞 を分 離 す る と,その分離 過 程 でGPT, グル コ ー ス6燐 酸 脱 水 素 酵 素(G6PDH),乳 水 素酵 素(LDH)が. ICD, 酸脱. 特 異 的 に細 胞 外 に 漏出す ること. GPTで. あ り,光 学. 顕 微 鏡 的 に明 らか な細 胞 壊 死 の 出現 を み る極 期 に な り初 め て,. GLDお. よ び ミ トコ ン ド リア 局 在GOT. の 血 中 出 現 を認 め て い る.ま たNeumayr17), idtら18)に. よれ ば, GLDが. Schm. 血 中 に上 昇 す るの は 重. を認 め て い る.ま た 市 原 ら12)も ラ ッ ト肝 浮 遊 細 胞 実. 症 の 肝 細 胞 壊死 をお こ した時 で あ る との べ て お り,. 験 を行 な い.各 細 胞 分 画 に あ る種 々の 酵 素 につ いて. 肝 細 胞 壊 死 とGLD活. 肝 細 胞 分 離 前 と分 離 後 に お け る酵 素 活 性 を比 較 した. 視 して い る.著 者 の肝 浮遊 細 胞 を低 酸 素medium,. 結 果.可 容 分 画 に分 布 す るLDH,. あ るい はDNP添. GPTな. ど は細 胞. 性 の上 昇 との密 接 な 関連 を 重. 加mediumに. 入 れ て孵 置 した実 験. 外 に 漏 出 し易 く,ミ トコ ン ド リアや ミク ロゾ ー ム に. で は,各 分 画 の 酵 素 の 漏 出率 はGOT,. 分 布 す るGOT,ウ. 照 に比 して殆ん ど変化 な く, ICD,. リカ ー ゼ,. G‑6‑Paseな. どは ほ. とん ど細 胞 内 に残 存 して い る こ と を報 告 して い る.. で は増 加 が 認 め られ,特 にGLDの. 著 者 は位 相 差 顕 微 鏡 で形 態 学 的 変 化 を認 め な い肝 浮. 照 の 約2.5〜3倍. GPTで. G‑6‑Pase,. は対 GLD. 漏出が著明で対. で あ っ た.こ の 成 績 は,低 酸 素 状 態.

(6) 180. 北. あ るい はuncouplerと. して のDNPが,ミ. 田. トコ ン. 信. 吾. ッ トと比 較 す ると, ICD,. GOT,. GPTで. は肝 および. ド リア内 にお け る電 子 伝 達 系 や 酸 化 的 燐 酸 化 な どへ. 血 清 の い ず れ に お い て も酵 素 活 性 に さほ ど著 明 な差. の 影 響 を介 して,. が な か った の に対 して,ミ. 2次 的 に ミ トコ ン ド リア膜 の 透 過. 血 清GLDは. cetate, Dinitrophenolな. 同様 の成 續 はG‑6‑Paseに. どの 代 謝 阻 害 物 質 を動 物. の 腹 腔 内 に注 射 後,血 中 のLDH, Malate. dehydrogenase,. Aldolase,. GOT,. 逆 に正 常 群 に比 して 上 昇 を示 してい る.. Phosphoglucomutase活. び ミク ロゾ ー ム に対 して 強 く影 響 を お よ ぼ して い る こ とを示 して い る.. な い し減 弱 が細 胞膜 の透 過 性 に重 要 な影 響 を お よ ぼ. 結. す もの と考 え られ る. 先 に肝 遊 離 細 胞 を用 い た低 酸 素medium孵. dium内. 置実験. よ ってか な り特 異 的 にGLDがme. 脈 結 紮 後2日. vivoの. 論. ラ ッ トの肝 浮 遊 細 胞 孵 置 実 験,肝. 実 験 で は,肝 動. 目に ミ トコ ン ド リア局 在 のGLDが. 他. 実験 的肝 硬 変 を用 い て肝,血. 1). ラ ッ ト肝 浮 遊 細 胞 か らの 酵 素 の 遊 出 は,上 清. 分画 に局 在 す るGPT,. 第3日. ア局 在 の酵 素 で あ るGLDが. 目に 血 清GOTの. 6‑Paseは. ミ ク ロゾ ー ム局 在 のG‑. 2). ほ とん ど変 化 を示 さ な か っ た.す な わ ち. 肝 のHypoxiaに. お け る肝 内 酵 素 の 血 中遊 出 は,肝. 高 く,ミ. 用 い た孵 置 実 験 で は,肝 浮 遊 出 が 最 も顕 著 で あ り, DNP. 血 中 上 昇 が 特 徴 的 で あ っ た.肝 動 脈 結 紮. GLDが. ラ ッ ト肝 動 脈 結 紮 後 の 血 中 測 定 酵 素 の う ち, 最 も早 期 に かつ 著 明 に増 加 し,つ い でGOT. 実験 に お け る肝 の 組 織 学 的 変 化 は軽 度 の変 性 所 見 を. の上 昇 が み られ た が, GPT,. 認 め た の み で,肝. 中 上 昇 は ほ とん ど認 め られ な か っ た.. ミ トコ ン ド リ ア のin. vitroの. 呼. 吸 調節 率 と酸 化 的 燐 酸 化 能 は対 照 群 と差 を認 め な か っ た.こ れ らの 実 験 成 績 は, GLDの. 遊 出は必 ず し. も ミ トコ ン ド リアの 非 可 逆 的 機 能 障 害 を意 味 す る も. 4). 5). GLDは. G‑6‑Paseの. GPT,. ICD,. 血. G‑. 全 経 過 を通 じて正 常 に維 持 され た.. 肝 動 脈 結 紮 後,血. した に もか か わ らず,肝. び ミ トコ ン ド リアのGLD活. 能, ADP/O比. 上. ICD,. 肝 動 脈 結 紮 後 の肝 内GOT,. 6‑Pase,. の で な い こ と を示 唆 して い る.肝 ホ モ ジ ネー トお よ 性 が,血 清GLDの. トコ ン ド リ. 最 も低 か った.. 添 加 孵 置 実 験 で も同様 の結 果 を えた. 3). vitroの. ICDで. 低 酸 素mediumを. 遊 細 胞 か らのGLDの. 実 験 結 果 と同様 で,特. 遊 離細 胞 を用 い たin にGLDの. 上 昇 を認 め た が,上 清 分画. ICDや. 清 酵 素 の 変 動 を検 討 し. 以下 の結 論 を え た.. の 酵素 に比 して 著 明 に血 中 に増 加 し,つ い で結 紮 後. に 局在 す るGPT,. 動脈結紮実験 を. 行 な い.肝 細 胞 内酵 素 の遊 出 を検 討 す る と と もに,. に 漏 出 す る成 績 を報 告 したが,さ らに ラ ッ ト. 肝 動 脈 の結 紮 を行 な ったin. つ いて も観 察 され,肝. 硬 変 に お け る肝 細 胞 障 害 が特 に ミ トコン ド リアお よ. 性 の 上 昇 を認 め て お り,エ ネル ギ ー産 生 反 応 の 阻害. で, Hypoxiaに. トコ ン ド リ ア 局 在GLD. は肝 硬 変 群 の肝 で は正 常 群 に 比 して 明 らか に減 少 し,. 性 に変 化 を お こ させ た結 果 と 解 さ れ る.Brunsら 14),15)もM onoiodoacetate,水 銀 化 合 物, Fluoa. 清GLD活. 性 は著 明 に上 昇. ミ トコ ン ド リアの 呼吸 調 節. は正 常 に 維 持 され て お り, GLDの. 昇 と関 係 な くほ とん ど変 化 を示 さな か った 原 因 に 関. 増 加 は必 ず し も肝 ミ トコ ン ド リアの 非 可 逆 的 な 障害. して は,血 清GLDに. を意 味 しな い と思 わ れ る.. 比 して肝 内GLDの. 濃度 が 非. 常 に高 い た め に直 接 細 胞 内酵 素 レベ ル に 反 映 しな か った こ と,肝 動 脈 結 紮 後 のin. vivoに. お け る ミ トコ. ン ド リアの 機 能 障 害 が可 逆 的 で あ ったた め に, GLD. 日 目の 血 清GOT,. GPTの. 変 動 は, GOT活. 昇 に対 してGPT活. 性 は ほ とん ど増 加 せ ず,明. 肝硬 変 ラ ッ トで は,ミ. トコ ン ドリア局 在 の. ク ロ ゾー ム局 在 のG‑6‑Paseが. それぞれ. 肝 内 で 著 明 に減 少 し,逆 に血 清 中 で は有 意 の増 加 を. 自体 の 合 成 能 の 抑 制 や変 性,失 活 が起 らな か った こ とな どが 考 え られ る.ま た,肝 動 脈 結 紮 後3日,. 6) GLD,ミ. 示 した.. 5. 性 の上 らか. 稿 を終 るに あ た り,ご 指導,ご. 校 閲 を賜 わ っ た小. 坂 淳 夫 教 授,林 慎 一郎 博 士 に 深 く感 謝 い た しま す.. に 両 酵 素 の 遊 出態 度 に差 が認 め られ た.一 般 に ラ ッ. また 協 力 い た だ きま した 西 崎 哲 一 医 学 士 に感 謝 い た. ト肝 のGPTは. し ます.. 肝GOTの. 約85%が. 約80%は. 上 清 分 画 に あ るの に対 しで,. ミ トコ ン ドリア に分 布 す る とい. わ れ て お り13).両酵 素 の 局 在 性 の 相 違 が 両 酵 素 の 解 離 と関 連 して い る と考 え られ る. 次 に 実 験 的 肝 硬 変 ラ ッ トの各 酵 素 の変 動 を 正 常 ラ.

(7) 肝 胆 道 疾 患 に お け る グル タ ミン酸 脱 水 素 酵 素 に関 す る研 究 文. 1) Reitman, S. & Frankel,. S.:. Amer. J. Clin.. 献. 12) Takeda, Y., Ichihara,. Path. 28: 56, 1957. 13) Bengmark,. 3) Olson, J. A. & Anfinsen, C. B.: J. Biol. Che 1952. Ekholm, R.,. Acta Hepatosplen. mposium. 1959 H., Rosebrough,. Chem. 193: 265, 6) Wroblewski,. Europaisches. fur medizische. 83: 1310, 1958. 397,. 1961. 1966. H. M.: Gastroente. rology. 36: 1, 1959 11) Henley, K. S.,:. Nature. (Academic. 15) Bruns, F. H., Brosswitz,. U. & Schuermeyer,. U.: Med. Welt. 16: 880,. 10) Henley, K. S., Pollard,. Sy. Enzymologie" ed.), p. 71 Ka Press,. New. E.,. Dannemann,. H., Horn, H. D. &Noltmann, E.: Klin. Wschr.. E.: Deut. Med. Wochschr. 床 症 理14:. 1961. R.:. York). 1955. 7) Hauss. W. H., Gerlach,. 川 口 正 光:臨. rger Basel,. 1951. F. & La Due, J. S.: Ann. Int.. 43: 345,. 8) Gerlach,. N. J.: J. Biol.. 1964. & Olsson,. 14: 80, 1967 (Stuttgart). Milano, 1960 (N. Dioguardi,. 5) Lowry, O.. 9). S.,. 14) Bruns, F. H.: in "Erstes. 4) Koide, H. & Oda, T.: Clin. Chim. Acta 4: 554,. Med.. A., Tanioka, H., In. oue, H.: J. Biol. Chem., 239: 3590,. 2) Bowers, G. N. Clin. Chem. 75: 260, 1958 m. 197: 67,. 181. 39: 342, 16). 1961. 川 口 正 光,武 : 70,. 田 和 久,林. 慎 一 郎 他:日. 内 会 誌57. 1968. 17) Neumayr, A.: Wien Med. Wschr. 114: 157, 1964 18) Schmidt, E. & Schmidt, F. W.: Hippokrates.. 184: 1400, 1959. 31: 1, 1960.

(8) 182. 北. Glutamate Part. 2.. 田. 信. Dehydrogenase. Experimental. 吾. in Hepatobiliary. Study. on an Increase. Diseases of Serum. Glutamate. Dehydrogenase Shingo. Kitada. First Department of Internal Medicine, School of Medicine, Okayama University (Director: The isolated serve. the behavior. artery. of rat was. rat liver. ined using rats. with liver. (GLD),. cirrhosis. 2. leakage 3.. 4.. by hypoxia. The ligation. of hepatic. in serum and liver. (GOT. and GPT),. the hepatic. leakages. tissue. assayed. Isocitrate. dispersed. in the medium,. from liver. were. also. exam. were Glutamate de. dehydrogenase. (ICD). were. artery. essentially. of other obtained. and. was not effected. of the serum. retained. enzymes. compared. leakage. within the cells. an extremely. measured,. of. increased. however,. was. little. with dinitrophenol.. of rat caused. elevation. was a marked. in the medium under hypoxia,. The leakage results. there. GLD almost completely. cells. the earliest. the rise of GOT was moderate.. of the marked. cells. that the increase atic. Similar. did not changed. of the hepatic. were. the isolated. GLD, whereas. Despite. Furthermore,. induced by CCl4. The enzymes. as GOT and ICD, whereas. of GLD was observed.. G-6-Pase. of the enzymes. cells.. on the enzyme. to ob. were obtained. cells. After incubating. of the serum. from liver. of hypoxia. conditions. (G-6-Pase).. When the liver. influenced. the effect. Transaminases. The following results such activities. in the medium under various. of the enzymes. to examine. The alterations. Glucose-6-phosphatase 1.. were dispersed. of the leakage ligated. into the circulation. hydrogenase. cells. Prof. Kiyowo Kosaka). and most remarkable. The serum. levels. increase. of GPT,. ICD and. with control.. of the serum. by the ligation. GLD does not always. GLD, ADP/O ratio. of the hepatic. of the mitochondria. artery.. imply the irreversible. This result. suggests. damages. of the hep. mitochondria. 5.. The activities. rat showed. a remarkable. of GLD and G-6-Pase diminution,. whereas. within the experimentally these activities. in serum. induced cirrhotic increased. liver of. markedly..

(9) 肝 胆 道 疾 患 に お け る グル タ ミン酸 脱 水 素 酵 素 に関 す る研 究. 北 田論 文 附図 写 真1. 写真2. 183.

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参照

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