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数理生物学演習

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Academic year: 2021

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(1)数理生物学演習 第8回. 疫学モデル 岩波翔也(Iwanami, Shoya) 🏠 https://shoyaiwanami.com システム生命科学府 数理生物学研究室 資料は https://koji.noshita.net.

(2) 第8回:疫学モデル 本日の目標. • SIRモデルの解析 • 基本再生産数 • ウイルス感染動態のモデルを知る.

(3) Kermack-McKendricのSIRモデル 仮定 • 人々を感受性(susceptible, S),感染性(infectious, I),回復・隔離 (recovered/removed, R)の3状態のいずれかにある • 感染症は感染している人と未感染の人が接触したとき,ある確率でうつる. • 感染から回復すると免疫をもち,再び感染することはない • 移入・移出,出生・死亡などによる“人口の増減”はない 感受性 S 今後 感染しうる人. 感染 感染性 I 現在感染しており, 他者を感染させうる人. β: 伝達係数 γ: 回復率・隔離率. 回復・隔離 回復・隔離 R 一度感染し,その後回復/隔離 され,今後感染せず,また他者 を感染させることもない人. “人口の増減なし” とすると.

(4) 基本再生産数 • 1人の感染者が,感染期間中に再生産する2次感染者の期待値のこと • 基本再生産数を r0 とすれば,もし r0>1 ならば感染症の流行が起こる SIRモデルを仮定して,感染初期について基本再生産数を考えてみる 初期条件を I(0)=I0, S(0)=S0, R(0)=R0 とする. 感染症が出現したごく初期において全人口のほ とんどは感受性Sで占められているとすれば, 感染性Iのダイナミクスは. 整理すると つまり,この左辺が基本再生産数 r0 . 別の表現もできる.例えば,γは回 復・隔離率なので逆数T=1/γは回復・隔 離までの期間の期待値になる.これを 使って書き直すと. となる. これを解くと. ただし, よって,λ0 > 0 の場合に感染症の流行が起こる.. となる. λ0とTは実際のデータから推定しやす いケースが多いので,便利かも知れな い..

(5) 最終規模方程式(final size equation) 感染症の流行が起きた場合でも全ての人 が罹患するるわけではなく、流行は自然 に収束する. (S(0), I(0), R(0)) = (S0,0,0) として z=. R(∞) S0. 最終規模 関係を考える dS(t) dt dI(t) dt dR(t) dt. と基本再生産数 r0 の. = − βS(t)I(t) = βS(t)I(t) − γI(t) = γI(t). 代入して 基本再生産数の関数として、累積罹患者 数R(∞)を計算すると以下のようになる。. 1 dR(t) I(t) = γ dt. dS(t) 1 d R(t) = − βS(t) dt γ dt 1 dS(t) β d R(t) =− S(t) dt γ dt. 累積罹患者数. 両辺を0から まで積分して β ln(S(∞)) − ln(S(0)) = − (R(∞) − R(0)) γ S(0) = S0, R(0) = 0,S(∞) = (1 − z)S0, R(∞) = zS0,. 最終規模方程式 基本再生産数. βS0 = r0 γ. とすると. 1 − z = exp(−zr0).

(6) 実際にプログラムを組んでみよう!.

(7) 感受性 S 今後 感染しうる人. 感染 感染性 I 現在感染しており, 他者を感染させうる人. 回復・隔離. β: 伝達係数 γ: 回復率・隔離率. 回復・隔離 R 一度感染し,その後回復/隔離 され,今後感染せず,また他者 を感染させることもない人. 初期値 I(0)=I0 S(0)=S0 R(0)=R0. 第3回・第4回の資料をもとに オイラー法で離散化して, プログラムを組んでみよう. 完成したら,パラメータを様々に変化させて モデルの挙動を見てみましょう..

(8) # SIRモデル beta = 0.002 gamma = 1 x0 = 1000 y0 = 1 z0 = 0 r0 = beta*x0/gamma print("基本再生産数は",r0,"です") dt = 0.01 t= 0 x = x0 y = y0 z = z0 xList = [x] yList = [y] zList = [z] tList = [t] for i in range(5000): t = dt*(i+1) xx = x + dt*(-beta*x*y) yy = y + dt*(beta*x*ygamma*y) zz = z + dt*(gamma*y) x = xx. y=yy z=zz tList.append(t) xList.append(x) yList.append(y) zList.append(z) plt.plot(tList, xList, color="#0000ff") plt.plot(tList, yList, color="#ff0000") plt.plot(tList, zList, color="#00ff00").

(9) # 流行を抑えるための介入 beta = 0.002 gamma = 1 x0 = 1000 y0 = 1 z0 = 0 r0 = beta*x0/gamma print("基本再生産数は",r0,"です") dt = 0.01 t= 0 x = x0 y = y0 z = z0 xList = [x] yList = [y] zList = [z] tList = [t] for i in range(5000): t = dt*(i+1) if t > 4: beta = 0.002*0.5 xx = x + dt*(-beta*x*y) yy = y + dt*(beta*x*ygamma*y). zz = z + dt*(gamma*y) x = xx y=yy z=zz tList.append(t) xList.append(x) yList.append(y) zList.append(z) plt.plot(tList, xList, color="#0000ff") plt.plot(tList, yList, color="#ff0000") plt.plot(tList, zList, color="#00ff00").

(10) 休憩.

(11) 研究の話.

(12) ウイルス感染の数理モデル dT(t) 感染. 未感染細胞. 感染細胞. dt dI(t) dt dV(t) dt. ウイルス. = λ − βT(t)V(t) − dT(t) = βT(t)V(t) − δI(t) = ρI(t) − rV(t). T(t): 未感染細胞数 I(t): 感染細胞数 V(t): ウイルス量.

(13) 別スライドへ.

(14) 本日の課題 1. 資料中のパラメータの値で、t > 4でβを半分に減らした時 と減らさないときのSIRモデルを重ねてプロットし、総罹患 者数の減少率を計算せよ。 2. 【緩め】介入の方法を変更し、総罹患者数の減少率を計算 し、その介入の実際の意味を考察せよ。 ハード. 3. R0>1の場合に解析的に導出される基本再生産数と,SIRモ デルの数値計算から十分に時間が経った時の総罹患者数か ら導出される基本再生産数を比較する図を作成し、最終規 模方程式が(ほぼ)正しいことを確かめよ. 4. 質問,意見,要望等をどうぞ. 課題をノートブック(.ipynbファイル)にまとめて,Moodleにて提出すること ファイル名は[回数,01~15]̲[難易度,ノーマル nかハード h].ipynb.例.07̲n.ipynb.

(15) 本日の課題のヒント. 1.. 資料中の図を重ねてプロットします。十分時間が経った時のR( )を 比較して、減少率を計算します。. 2.. 資料中ではβを半分にしていますが、他のパラメータを変えるよう な介入や、介入する時間を変えて計算してみてください。. 3.. 最終規模方程式をR0について解くと、十分な時間が経った時のR(t) (=z)からR0が計算できます。.

(16) 次回予告 第9回 7月6日.

(17)

参照

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