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The Infra-red Absorption Spectra of Organophosphorus Compounds. Jyuzo NAKAYAMA* * Deoartment of Chemistry, Faculty of Science, The University of Tokyo

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Academic year: 2022

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(1)有 機 リン化 合 物 の赤 外線 吸 収 スペ ク トル 中 The. Infra-red. Absorption. Spectra. of Organophosphorus. 山. 蔵*. Compounds.. Jyuzo. 有 機 リン化 合 物 の工 業 的 需 要 が 増 し,基 礎 研 究 へ の 関. 重. NAKAYAMA*. ぎ り,試 料 が 液 体 で あ る もの は 液 膜 法 に よ り,固 体 の も. 心 が高 ま る と とも に,数 多 くの 有 機 リン化 合 物 に つ い て. の は アル カ リハ ライ ド錠 剤 法 あ る い はNujol法. 赤 外 線 吸収 スペ ク トル が 測 定 され,化 合 物 の 同 定,構 造. され た も ので あ る。 表1に. 決 定,分 析 な どを行 な うに十 分 なデ ー タが 蓄 積 され つ つ. 表 示 した 。. あ る。 す で に1958年. まで の有 機 リン化 合 物 の赤 外 線 吸. 収 ス ペ ク トル に つい て はBellalnyの. 表1. で測 定. 各結 合別 に そ の 特 性 吸収 を. 有機 リン化合物 の特性吸収. 成 書1)に ま と め ら. れ て い る し,そ れ以 後 の も の に つい て も一 部 では あ るが, 新 し くBellamyの. 成 書2)に 解 説 され て い る 。 しか し,. リンの もつ31と. い う質 量 ゆ え に そ の特 性 吸 収 が 複 雑 な. 指 紋 領 域 に集 中 し,一 義 的 に帰 属 す る こ との 困難 な吸 収 も多 くあ る し,加 え て,強 度 に つい て は ま とま った 定 量 的 なデ ー タ を欠 き,本 稿 で はや む な くや や あい まい さの と も な う,強(stfong),中(medium),弱(weak)な. ど. の表 現 を用 い る こ と と した 。 ま た 理 論 的 な こ とよ り も, 実 際 に有 機 リン化 合 物 を扱 うもの が,化 合物 の 同定,構 造 決 定 な どの操 作 を行 な うに便 利 で あ る よ うに意 図 し, そ の特 性 吸収 を各 結 合 別 に次 の 順 に 論 じた 。 1.. P=O. 2.. P‑O‑X. 結合. 3.. P=S. 4.. P‑S‑X. 5.. P=Se. 6.. P=N. 7.. P‑N‑X. 8.. P=C. 9.. Phosphonium. 結合. (X=H,P,C). 結合 結 合(X=H,P,C) 結合 結合 結 合(X=H,C,P) 結合. 10.. P‑C. 結 合. 11.. P‑H. 結 合. 12.. P‑X. 結合. 13.. Phosphate類. 塩. (X=F,C1,Br,I). な お こ こ に記 載 され た デ ー タ は と くに こ とわ りの な い か. *東 京大 学理学部化学教室 *. Deoartment The. of. University. Chemistry,. Faculty. of. Science,. I.. P=0. 結 合. of Tokyo P=O 132. 伸 縮 振 動 は 強 く1150〜1362cm‑1の. 領域に あ ら.

(2) 133. 有 機 リン化 合物 の赤外線吸収 スペク トル. ( 41 ). わ れ るの が 普 通 で あ るが,分 子 間,あ るい は分 子 内水 素 結 合 を して い る もの で は,さ. 表2. π定数. らに 強 く1087〜1261cm‑1. に あ らわ れ る3,4)。とき に二 本 に わ れ て で る こ とが あ る が,こ れ には 回 転 異 性 に 起 因す る場 合5,6)と,Fermi共 鳴 に起 因す る場 合7)と が あ る。 前 者 に よ る場 合 は二 本 の 吸収 は分 離 も大 き くな く,強 度 に も さ して 差 が な い こ と が 多 い が,後 者 で は 〜50cm‑i程 P=0伸. 度 まで 分 離 す る。 ま た. 縮振 動 は相 変 化 に敏 感 で,固 体 と溶 液 に した もの. とで は 〜65cm‑1位. ま で の差 が生 ず る か ら注 意 を要 す る。. Be116)はP=O伸. 縮 振 動 の 吸 収 位 置 と置 換 基 の電 気 陰. 性 度 の 問 に直 線 関 係 が成 立 す る こ とを 報 告 し,Gnffln8) もTaftの. σ*と の 問 に も同 様 の 関 係 が成 立す る こ とを. 述 べ て い る。Thomas4)は. これ を数 多 くの化 合 物 につ い. て,再 度,検 討 し,置 換 基 の電 気 陰性 度 との 間 に よ りよ い 直 線 関 係 が 成 立 す る こ と を認 め て い る。phosphoric halide(X3P=O)に. tri‑. つ い て 次式 が成 立 す る。 〔1〕. こ こ でXxは. リ ン に 置 換 し た ハ ロ ゲ ン のpaulingの. 電. 気 陰性 度 の総 和 で あ る。 ハ ロゲ ン以 外 の 置 換 基 に つ い て は 実 測 さ れ た 波 数 が 〔1〕式 に あ う よ う にxの Thomasら uctive. 値 を 定 め,. は こ の 値 を リ ン誘 起 定 数(phosphorous constant)あ. ind‑. る い は 単 に π 定 数(π constant)と. ん で い る 。 こ れ ら の 値 を 表2に. 呼. 示 した。 し た が っ て. ま た,>P(=0)OH化 素 結 合(3)に. 合 物 で は カ ル ボ ン酸 同様 の強 い 水. よ り二 量 化 して存 在 す る か ら,こ の対 象 か. らは ず され る 。. 〔1〕式 は 〔2〕 とあ らた め られ,〔2〕 式 はP=0伸. 縮 振 動 がInductive (3). Effectに よ っ て支 配 さ れ る 数 多 く の 化 合 物 につ い て 士12cm‑1の. 範 囲 内 で よ く あ て は ま る。 こ の こ とか. ら,逆 に 〔2〕式 を用 い れ ば,P=0伸. 縮 振 動 の位 置 か ら. リン に つ い た 置 換 基 の種 類 をあ る程 度 ま で推 定 す る こ とが可 能 で あ る。 しか し,〔2〕式 を用 い るに あ た っ て, P‑H結. 合 を含 む 化 合 物 や,あ. 分 が独 立 に 対 称 のpyrophosphateを 作 った 時 に 出現 す るP=O伸. は(2)式. 級 の ア ミ ノ基. に示 す よ うな 構 造. は共 役 に よ る 効 果(フ. ェニル 基 と リン の. 空 位 のd軌 道 とのp。 ―d.型 の共 役 を も含 め た)が わ れ て く るた め と考 え られ る。. あ ら. 相 互 作 用 はみ られ ない 。 これ は二 つ の P=0結. 合 が 同 一 平 面 内 に な く,二. i類10)やあ る種 のsulphoxideg)で phosphoramldl 次 の ご と く,ア ら,P=0伸. (2). つ の振 動 間 の相 互 作. 用 が 起 ら な い た め で あ る 。 同 様 の こ と は β一diketone. cacid. や. も観 察 され て い る 。 phosphonamidic. acidで. は. ミ ノ酸 同 様 に 分 子 内塩 を形 成 してい る か. 縮 振 動 に か わ っ て 後 述 の>PO、eに. る吸 収 が あ らわ れ る。. (1). 縮振 動 の. 位 置 に二 本 の吸 収 が あ らわ れ るの み で. (4). 合を. の 寄 与 が あ る た め で あ り,芳 香 核 を置 換 基 とす るphos‑ phineoxideで. か あ らわれ ない 。 ま た非 対 称 の もの で も,そ れ ぞ れ の 成. ど 低 波 数 にず れ る こ とが. 持 つ 化 合物 で は分 子 問 水 素 結 合(1)が,二 を 持 つphesphoamidateで. 化 合 物 で も二 本 の吸 収 が期 待 され るが,実 際 に は一 本 し. oxldeで は 〔2〕式 で. 多 い か ら注 意 を要 す る。 こ のず れ の原 因 はP‑H結. よ うに 〔4〕式 で示 さ れ る構 造 を 持 つ. 化 合 物 は カル ボ ン酸 無 水 物 に対 応 す るか ら,左 右対 称 の. る種 のphosphoamidate,. 芳 呑 核 を置 換 基 とす るphosphine 求 ま る値 よ り40〜50cm'一'ほ. pyrophosphateの. 由来 す.

(3) 134. 有機合成化学 第28巻 第2号(1970). 各 構 造 別 に み たP=0伸. 4). 縮 振 動 の値 は次 の通 りで あ る4). 1)P=0. 伸 縮 振 動(P‑OH結. cm‑1). cm-1). P=O 伸 縮 振 動(P‑O‑P結 1206〜1307 cm‑1). 合 を 持 つ化 合 物;. 5). P=0. 伸 縮 振 動(C,H,0の. 化 合 物;1097〜1314. 3). P=0. 伸 縮 振 動(P‑X結. 合 を 持 つ 化 合 物). (12154362. 6). 合 を 持 つ 化 合 物;. 合 を持 つ 化 合 物). (1080•`1261. 2). 伸縮 振 動(P‑S‑R結. 1189〜1269. (表3)。 表3. ( 42 ). P=0. P=0. cm-1). 伸 縮振 動(P‑NR2結. 合 を持 つ化 合 物;1156〜1287. cm‑1). cm‑1). み を置 換 基 とす る.

(4) 7). 135. 有機 リン化合物の赤外線吸収スペク トル. ( 43 ). P=0. 伸 縮 振 動(同. 一 リ ン 原 子 に‑NR2,. な ど が 置 換 し た 化 合 物;. 1209〜1299. ‑X,. こみ の 浅 い 幅 広 い 吸収 で あ る 。水 酸 基 と して は非 常 に低. ‑SR. cm‑1. い 位 置 に で て い る が,こ れ は こ の型 の酸 が前 述 した よ う に,カ ル ボ ン酸 同様 に,強 い水 素 結 合 に よ り二 量 化 して い るた め で あ る 。〔2〕の 吸収 はP‑0‑H結. 合 を持 つ化 合. 物 に 特 徴 的 で,か つ希 薄溶 液 に して 測 定 す る と低 波数 に 移 動 す る 。 この こ とか ら σH変 とみ られ,P‑0伸 る0‑H変. 角振 動 が 関 与 して い る. 縮 振 動 と1280cm一1付. 近 に 予想 され. 角 振 動 と の結 合 音 と推 定 され て い る。〔3〕の. 吸 収 はP‑0‑H化. 合 物 に 特 徴 的 で,か つOHをODに. か えて も吸 収 位 置 は 変 わ らな い 。 した が って の骨 格 が 関 与 す る と考 え られ,P=0伸. 縮 振 動 と 〔5〕の. 吸 収 の結 合 音 と され て い る。 以 上,三 種 の吸 収 は,酸 の型 に よ って 相 対 強 度 が 変 化 し,phosphoricacidで. 〔1〕が 最 も 強 く,phosphinic. acidで は 〔3〕が 強 く,phosphonicacidで. は 三 種の吸. 収 の強 度 は あ ま り変 らない 。 した が って,こ の 三 種 の 吸 収 の強 度 を 比 較 す る こ とに よ りあ る程 度,酸. の型 を推 定. す る こ とが で き る。 〔5〕の 吸 収 は,二 本 にわ れ て で る こ と もあ り,P=O変 角振 動 が水 素 結 合 の た め に高 波 数 に シ フ トした も の と考 え られ て い る。 強 度 は弱 〜 中程 度 で あ るが,実 用 的 に は あ ま り用 い られ ない 。 II. 1.. P‑0‑X. P‑0‑H. 酸 は 次 の5種. 結 合. 結 合(5)の. (X=H, 型 の. の特 性 吸収 を持 っ てい. cm一1. 〔2〕2220〜2360. cm‑1. cm‑1. (νoH). 〔2〕2080〜2350. cm7. (νp‑oと. 〔3〕1600〜1740. cm‑1. (νP=oと(5)の. cm一1. δoHの. cm‑1. 〔1〕の 吸 収 はOH伸. 結 合 音?). (νp‑o. と. δoH. (νp‑o) 縮 振 動 で あ るが,イ オ ウが 酸 素. も高 波数 に で てい る。 〔2〕の 吸収 は(5)の. (νp̲o). し,P‑O伸 縮 振 動 に 由 来 し,き. (6). に 比 較 して水 素 結 合 能 力 に乏 しい た め に(5)の 場 合 よ り. 結 合 音?). cm‑1. こ の うち 〔1〕の 吸 収 は0‑H伸. (νoH). の 結 合 音?). 〔3〕909〜932. 〔1〕2525〜2725. 〔4〕917〜1040. 〔1〕3000〜3100. (5). .る11)。. 〔5〕450〜540. (6)の 型 の酸 は次 の特 性 吸 収 を示 す11)。. P,C). り. る。. 縮振 動 とOH変. 〔2〕に対 応. 角振 動 の結 合 音 と推 定 され.

(5) 136. 有 機合成化 学 第28巻 第2号(1970). 残 る(5)の. 型 の 〔4〕と(6)の. ( 44 ). 型 の 〔3〕の 吸 収 はP‑0 926 cm-1. 伸 縮 振 動 に 由来 す る。 い ず れ も強 い 吸 収 で,若 干,(6)型 の化 合 物 で低 波 数 に あ らわ れ る。P=0伸 に,P‑0伸. 縮振動 と 同 様. 縮 振 動 と π定 数 との 間 に は 〔3〕式 が成 立 す. る11)が,P=0伸. 縮 振 動 の場 合 ほ ど実 測 値 と の一 致 は よ. くない か ら運 用 に あた っ て は慎 重 を要 す る。. 場 合 に はP=0伸. 肪 肪 族C‑0‑(P)普. 縮振動の項 で 述 べ. た よ うに分 子 内 塩 と して 存 在 す るか らOHに. 合P‑O―P結. 合 とほ ぼ 同 様. 程 度 の吸 収 で あ る。 一 一般 のエ ス テル 同 様 に アル キ ル 基 が. 由来 す る. い 。 た とえ ば イ ソプ ロ ヒ。 ル エ ス テ ル で は1098〜1114, 1136〜1147,1170〜1190cm‑1に3本. の 吸 収 を 示 す。 構. 造 別 に は 次 の よ うに な る。. 吸収はない。 2。 P‑0‑]P結. 通 のC‑0結. プ ロ ピル よ りも高 級 に な る と吸 収 が わ れ て で る こ と も多 て3〕. またamidateの. b.. の位 置 に あ らわれ るが 強 度 はそ れ ほ ど強 くない 。 弱 〜 中. 合 を持 つ 化 合 物 は900. CH3-0-(P). 1168-1200. cm-1. -CH2-O-(P). 1105-1170. cm-1. >CH-O-(P). 1087-1190. 〜980c二m‑1に 特 性 吸収 を持 ってい る11)。しか し 大 半 の 化 合 物 は も っ と狭 い925〜945cm‑1に これ らの 化 合 物 のP‑0振. 強 い 吸 収 を示 す8. 動 に はP‑0‑H化. 合物 の よ う. な,π 定数 との 問 の 直線 関 係 は 認 め られ な い が,次 の規 則 性 が み られ る 。 (1). pmの. P‑0―C(芳. diteの. 置 換 して い く と 少 し つ. か しaryl. 合P‑0‑C結. 合 を持 つ 化 合物 は1000. P=S結. 合. 合 は8C2〜658cm‑1,BandIと730〜550cm‑1,. Bandllに. 通 常 中 程 度 の 強 さ で あ る が,Band皿. a.. 合に特徴的な吸収を持 っ. 近 の 吸 収 は,や や 疑 問 が 持 た れ. 縮 振 動 に 由来 す る もの とみ られ る。. は 化 合 物 に よ って. 一NR2,‑SR,‑CH3,‑C1な. cm-1}. 950-1018 cm-' cm-1. この他 に3価 の リ ンの エ チ ル エ ス テ ル で は908〜926 の リン の エ チル 以 上 の直 鎖 の エ ス テ ル で 程 度 の強 さ のC‑C振. 動 があ. らわ れ る11)から注 意 を要 す る。 ま た α,β一不 飽 和 結 合 を もつ エ ス テ ル の 場 合 に は次 の 領 域 に あ らわ れ る。 た だ しこ の揚 合 に は強 度 は一 定 せ ず 他 吸 収 の シ ョル ダ ー程 度 の こ と もあ る。 920•`950. 980 cm-1. cm-1. れ る が,BandIの. 合 の力 の定 数 の. を比. 両 者 と もほ ぼ 同様 の位 置 に あ らわ 方 は 分 子 間 水 素 結 合 を して い る後 者 表4. 1008-1042 em-1). 950-978. どが 置. 縮 振 動 に よ く一 致 す. か し(RO)2P(SR)=Sと(RO)2P(SH)=Sと. 較 す る と,BandIIは. {1)111-0-(CH3) 1015.1034 987-1042'cm-1. は938〜982cm}1に,中. ンに. 計 算 か ら は,BandI[がP=S伸 る8し. 1015-1060 cm-1. (P-O-C21-15. cm‑1に,5価. ま ち ま ち で,リ. 収 の 起 因 に 関 す る 定 説 は な い が,P=S結. 強 い吸収があ ら わ. れ る。 構 造 別 に み る と次 の よ うに な る。. P-0- (CHO-. 二 つ の 特 性 吸 収 を 持 っ て い る14)。Bandlは. 換 した 場 合 に は 強 〜 中 程 度 の 強 さ とな る。 この二 本 の 吸. (肪肪 族). P‑0‑(C)950〜1060cm‑1に. P-0-(CH3). 動 は1100〜1242. 無 水 物 よ り も低 波 数 に あ. 性 格 に よ り,そ れ ぞ れC‑0結. i. P‑O‑c. あ ら わ れ る11,12)。. 一 本 以上 の 強 い 吸 収 が あ らわれ る。. cm―1付 近 に強 い 吸 収 を示 す ほ か,酸 素 に つ い た 炭 素 の. るがP‑0伸. 高 い)に,リ. の 場 合 に は905〜996cm‑1に. m.P=S結. てV・る11)。1000cm‑1付. の. phosphorodichlori‑. い ず れ も 強 い 吸 収 と な る 。C‑0‑(P)振. らわれ る。 3。 P‑0‑C結. 動 は リ ン が3価. よ うな も の で は919〜935cm‑113)と. cm皿1に. 無水 物 はpvの. cm-1. 香 族)P‑0‑(C)振. 場 合,850〜860cm―1(し. ン が5価. P=0をP=S,P=Seで. つ低 波 数 に 移動 す る。 (2). ii.. P=S. 伸 縮 振 動14).

(6) 137. 有 機 リン化合 物の赤外 線吸収 スペク トル. ( 45 ) が 低 くで る か らBandIがP‑S伸. 縮 振 動 に 関 係 して い. 表6. P=Se. 伸 縮 振 動14). る とみ られ る。 回 転 異 性 と も考 え られ るが,そ れ に して は 分 離 が 大 きす ぎ る し15),温 度 変 化 を行 な って も二 本 の 吸 収 の相 対 強 度 は か わ らな い14)か ら この 可 能 性 は 少 な い 。Bandl,皿. 共 に,π 定 数 との 問 に,P=O伸. 縮振動. の よ うな単 純 な直 線 関係 は 認 め られ な い が,Band皿 は 一C1 ,‑SR,‑NR2な ど の置 換 基 の 数 が 増 加 す る と規 則 的 に 高 波 数 に 移 動 す る こ とや,P‑Me化 るP‑Et化. VI.. 合物は常に対応す. 合 物 よ り,高 波 数 に で る こ とな どが 知 られ て. い る。. phosphonitrileポ. P=N. 結合. リマ ー の よ うな環 状化 合 物 や そ の他. (7)式 に 示 され る よ うな共 鳴 が 可 能 な系 で は,P=N伸 振 動 は1170〜1438cm‑1に IV .P‑S‑(X). P‑S‑(X)振. 結合. (X=H,. 動 は400〜613cm‑1の. わ た るが,さ. P,. C). 縮. 強 くあ らわ れ る17)。そ の 吸. 収 位 置 は環 の大 き さ,置 換 基 の電 気 陰性 度,置 換 基 の大. か な り広 い 範 囲 に. き さな どに 支配 され る。. らに こ の範 囲 にBandl(500〜613cm‑1). とBand皿(460〜574cm‑1)と. (7). で あ る。 しか しP=S伸. を持 って い る14)の が 普通 縮振 動 の場 合 同様,二 本 の 吸 収. (1). 環 の 大 き さ の影 響(7)型. の共 鳴 の度 合 は環 の. の成 因 は,は っ き りし てい な い 。 一般 的 に 次 の 規 則 性 が. 大 き さ(環 のflexbility)に. み られ る。(1)P=S化. 伸 縮 振 動 は環 の大 き さ に よ って 変 化 す る18,19)。した が っ. 合 物 は対 応 す るP=0化. も低 波 数 にで る。(2)BandI,BandI[共. 合物 よ り. に 中 程 度 の強. さ の吸 収 で あ り,そ の振 動 位 置 の差 は30〜40cm―1で. あ. て,そ. よ って 支 配 され るか ら,P=N. の吸 収 位 置 か ら あ る程 度 ま で環 の 大 き さ を予測 す. る こ とが で き る。 た とえ ば(NPF2)nはn=3,4,5で. は. るが,ア ル コ キ シ基 を アル キ ル 基 で 置 換 し てい くと,そ. nと 共 に高 波 数 に 移 動 す るが,そ れ 以後 は少 しつ つ低 波. の 差 は次 第 に大 き くな る。(3)P‑CH、. 数 にシ フ トす る。. 化合物では 一 本. の 吸収 しか あ らわれ ない 。. 表5. P‑S‑(X). 表7. (NPF2)nの. P=N伸. 縮 振 動18). 振 動14). (2). 電 気 陰 性 度 の影 響. 表8に み られ るよ うに リン. に つ い た 置 換 基 の 電気 陰 性度 に 顕 著 に 支配 され る。. 表8. V. P=Se (BandI). P=Se. (NPX2)nの. P=N伸. 縮 振 動17,20,21). 結 合. 結 合 に 関 す る デ ー タ は 少 な い が,517〜567cm‑1 と 473〜1535cmー1. (BandII). の二 本 の 特 性. 吸 収 を 持 つ14'16)こ と が わ か っ て い る 。 吸 収 位 置 に 関 し て はP=S結. 合 同 様,π. 定 数 と の 間 の 簡 単 な 直線 関 係 は 認. め ら れ な い 。 ま たP‑Se‑X結 報 告 は み あた らな い 。. 合 の特 性 吸 収 に つ い て の. (3). 置換基の大 きさ. 〔NP(OR)、 〕 で は ア ル キ ル基. の 大 き を変 え て み て も,P=N伸. 縮 振 動 に は あ ま り大 き.

(7) 138. 有 機合成化 学 第28巻 第2号(1970). な 変化 が み られ ない22)か ら,質 量 に よ る効 果 よ りも電 気 陰性 度 が 大 き な 支配 力 を持 って い る と考 え られ る。 しか し,〔NP(NHR)、. 〕 の よ うな も ので は アル キル 基 が 大 き. 表9 1.. PNH2化. 2.. PNHR化. 3.. PNHAr化. ( 46 ) PNH2, PNHR 特 性 吸 収17). お よ び PNHAr化. 合物 の. 合物. くな る に つれ て高 波 数 に移 動 す る23)。これ は,か さ高 い アル キル 基 の立 体 障 害 に よ り平 面 性 が 妨 げ られ,ア. ミノ. 基 の窒 素 の不 対 電 子 とフ ォス フ ァゼ ン環 との共 役 が 十 分 行 な え な くな る た め と考 え られ てい る。 上 述 した よ うな共 役 が な く,P‑N間 に近 い 系 で はP二N伸. が よ り二 重 結 合. 縮 振 動 は1325〜1400cm‑1に. あら. わ れ る17)。置 換 基 が 同 じ よ うな場 合 に は 上 述 の系 よ りも 50〜150cm‑1高. い とこ ろ に 出 る の が 普 通 で あ る。 た と. えばPh3P=N‑C6H4‑X(P)で (RO)、PH;N‑Ph. 合物. は1330〜1370cm‑124)に,. で は 1325〜1385cm‑125)に. 強い吸収 を. 持 って い る。 VII. P‑N結. P‑N‑X. 結合. 合 に つ い て は,そ. (X=H,. C,. P). の 伸 縮 振 動 を680〜750. cm"126'27)とす る説 と,950〜1000cm‑1と. す る説17'28'29)と. が あ るが 後者 の 方 が よ り確 か ら しい 。 しか し,い ず れ に して も,そ の 吸 収位 置 を一 義 的 に識 別 す る こ とは で き な. 合物. い か ら,こ の グル ー プ に特 徴 的 な 他 の 吸 収 を考 慮 す る こ とに よ り構 造 を検 討 して い くこ とが 賢 明 で あ る 。 1.. P‑NH2お. よ び P‑NHR結. 物 の特 性 吸 収 は 表9に. 合. これ らの 化 合. 示 した通 りで あ る。N‑H伸. 縮. 振 動 に対 す る リ ン原 子 の大 き な影 響 はみ られ ず,通 常 の ア ミ ン とほ ぼ 同 位 置 に あ らわれ るが,N‑H変. 角振 動 の. 方 は通 常 の ア ミ ンの それ(1650〜1550cm‑1)よ. り も60. crr1程. 度 低 い と こ ろに で て い る。一 級 のamidateで. N‑H伸. 縮振 動 は3150〜3300cm‑1に. は. 二 本 ない し三 本 の. 吸収 が あ らわれ る17)8二級 のamidateで. もほ ぼ 同位 置 で. あ る。 しか しこれ らの 吸収 は分 子 間 水 素 結 合 の ない 希 薄 溶 液 に して測 定 す る と100cm‑1ほ る30),元来,水 素 結 合 の ない3価. ど高 波 数 に シ フ ト す の リン の化 合 物 で もこ の. 位 置 に あ らわれ る。 またP=0結 N‑Hの. 2.P‑NR2化. 合 物17)P‑NR2化. 合 物 はC‑N伸. 振 動 に 由来 す る 吸 収 を1060〜1200cm‑1(Rが. 縮. ア リーノ レ. 基 の場 合 に は さ らに高 波 数 に 移動 す る)に,P‑N伸. 縮. 合 はP=S結. 合 よ りも. 振 動 と考 え られ るか な り強 い 吸 収 を975〜1053cm‑1に. 水 素 と強 く水 素 結 合 す るか ら,P=0化. 合物は対. 持 つ ほか,ア ル キル 基 に 由来 す る吸 収 を示 す が,こ れ は. 応 す るP=S化 逆 にN‑H変. 合 物 よ りもN―H伸. 縮 振 動 は 低 波 数 に,. 角振 動 は 高 波 数 に で る こ とに な る 。また 二. 級 の ア ミ ンのC‑N伸. 縮 振 動 も他 の ア ミン とほ ぼ 同様 で,. Rが ア ル キル 基 の場 合 に は1076〜1144cm―117,31)に,ア ール 基 の場 合 に は1266〜1316cm‑117)に. 度 はい ず れ の揚 合 に も 中 程 度 で あ る。960cm‑1付 で てい る吸 収 はP‑N伸. 近に. 縮振 動 と考 え られ る が,他 の 吸. 収 に ま じ っ て識 別 が 困難 で あ り,か つP‑NH2化 は750cm‑1付. リ. あ らわ れ る。 強. 近 に も吸 収 が あ って,こ. 振 動 とす る に はや や 疑 問 が あ る。. 合物で. れ をP‑N伸. 縮. アル キル 基 の性 質 に よ り変 化 す るか ら個 々 の場 合 に つ い て検 討 す る必 要 が あ る。 た とえ ばP‑NMe2化 1300cm‑1付. 近 にCH、. にそ れ ぞ れ,逆 対 称 お よび 対 称NMe2伸 らにP‑N伸. 縮 振 動 が,さ. 縮 振 動 に も とつ く と思 わ れ る吸 収 を975. cm‑1付 近 に持 って い る。1300cm‑1付. 近 の吸 収 はP‑Me. 化 合 物 に も あ らわ れ るが これ はP‑NMe2化 らにN‑CH、. 合 物 で は,. 変 角 振 動 が,1180と1065cm‑1. 合 物 が,さ. 結 合 の 特 性 吸収 を2750〜2850cm―1に. 持. つ こ とで 区 別 され る。 また ほ か にP‑N‑Ar結. 合 を持 つ 化 合 物 には1370〜.

(8) 表 10. 1429cm‑1に. 芳 香 環 の 面 内C‑C骨. 化 合 物 の 特 性 吸 収17). 格振 動 に 由来 す る 中. P‑N‑P. 結合. 伸 縮 振 動 よ り100cm‑1以. 上 低 い こ と か ら も理 解 で き る 。. そ の ほ か に こ れ ら の 化 合 物 は1260〜1380cm‑1に. 程 度 の 強 さ の 吸 収 が あ る17)。 3.. 139. 有機 リン化合物 の赤外線吸収 スペ ク トル. ( 47 ). Shagidullin32)は(8a)の. 帰 属. P‑N‑P. 結 合 の 逆 対 称 お よ び 対 称 伸 縮 振 動 は そ れ ぞ れ920〜995 cM一1と600〜690cm‑1に. あ る と し て い る 。 し か し(8a). に は 互 変 異 性 体(8b)が. あ り,こ. れ ら の 吸 収 はP‑0‑P. 結 合 に も とず く も の と し て も 説 明 で き る か ら 疑 問 が 持 た れ て い る 。 そ の 後,Gutmannら33)はP‑N‑P振. 動は. の つ か ない 吸収 を持 っ てい る。 これ らの吸 収 は,さ カ ル ボ ニ ウム イ オ ン が安 定 化 され,P‑C間 に 近 い と考 え られ る 。表11に. 示 し た化 合 物 のP=C伸. 振 動 が やや 低 波 数 の1180〜1230cm‑1に か ら,こ れ らをP=C伸. mine. RN. 縮. あ らわれ る37). 縮振 動 と考 え る こ と もで き る が. (8b). (8a). 915〜935cm―1に. らに. が よ り単 結 合. 明 白で は ない 。 また これ ら の 化 合 物 は い ず れ も1060〜 あ る と し,Burgら34)も. 〔P(CF3)2〕2. 〔R=H,CH3,. 態 で の 測 定 結 果 か ら,逆. phosphinoa‑. P(CF3)2〕. 表11. Ph3P=R. の P=C伸. 縮振動. の気体状. 対 称 伸 縮 は859〜925cm‑1に,. 対 称 伸 縮 振 動 は647〜808cm‑1に VIII.. あ る と して い る。. P=C. 結 合. alkylidenephosphorane(8a)は. イ リ ド構 造(8b)の. 与 の た め にphosphonium塩. 寄. と 類 似 し た ス ペ ク トル を 与. え る 。 ま た 測 定 さ れ た 例 も,Rが. 電 子 吸 引性 の 基 で あ っ. て カル ボ ア ニオ ン を安 定 化 し てい る系 が 主 で あ る。. (8a) Spezialeら35)お. (8b). よ びAksnes36)は. 定 し,い ず れ も後 述 のphosphonium塩 〜1137cm‑1に. 次 の化 合 物 に つ き測 の 特 性 吸 収 を1105. 示 す こ と を 報 告 し て い る 。こ の 場 合 に も カ. ル ボ ニ ル 基 との 共 役 に よ る イ リ ド構 造 の 寄 与 が 大 き い こ と は,C=O伸. 縮 振 動 がR. で1620〜1656,NPh2. が CH3,Ph で. で 1470〜1530,. 1545〜1570cm‑iと,そ. れ 対 応 す る 普 通 の ケ ト ン,エ. ス テ ル,酸. 0Et れ ぞ. ア ミ ドのC=0. 1120cm‑1にphosphonium塩. に よ る吸 収 を持 って い る。. こ の ほ か 次 の よ う な カ ル ボ ジ フ ォ ス フ ォ ラ ン は1316と.

(9) 140. 有機合成化学. 1282cm‑1と. に 特 性 吸 収 を 持 つ こ と が 知 られ て い る38)。. IX.. ボ ス ホ ニ ウム 塩. 第28巻 第2号(1970) に 由 来 す る 前 者 は,P‑N‑CH3化 が,半. 値 幅(P‑CH3で. Meで. は 最 高30cm‑1)で. P‑N‑CH、. Griffin39)は 次 の6種 の ホ ス ホ ニ ウ ム 塩 のス ペ ク トル を ク ロ ロ ホル ムお よび アセ トニ ト リル を溶 媒 と して 測 定 し てい る。Dの テ トラ アル キ ル ポ ス ホ ニ ウム塩 に つ い て. ( 48 ) 合物で も あ ら わ れ る. は 最 低30cm‑1で. あ る が,P‑N‑. も 区 別 で き る し452) ,ま. 化 合 物 は842〜954cm‑1の. ら も区別 で き る。 P‑Et化. 合 物 は1250cm―1付. 近 に 弱 い2本. CPURD+X-. か し,こ. B.. CP112P(n-C4H9)RD+X-. れ ば こ れ と カ ッ プ リ ン グ(Fermi共. C.. CPhP(n-C41-19)2RD+X-. 振 動 が2本. D.. C(n-C4H9)3PRD+X-. の 範 囲 内 で わ れ て で て い る 揚 合 に はP‑Et結. E.. CPII3P-R-PPhj2+2X-. F.. Ph3P=R. の 吸 収 と ご く近 い と こ ろ にP=0伸. P‑Ph化. 合 物 は1425〜1450cm‑1に. を 持 つ39・45)。し か し,前. (リ ン)に P‑Ar結. 原 子. つ い た フ ェ ニ ル 基 の 変 角 振 動40,41)に 由 来 し,. 合 の 同 定 に 重 要 で あ る 。1110〜1120cm‑1の. 収 の 起 源 は,Horner. 吸. ら 37,42)は リ ン に つ い た 四 つ の 置 換. 基 の 骨 格 振 動 と考 え,Kross43)やNoltes44)た. ちは 重 い. 置 換 基 の 影 響 を うけ た ベ ン ゼ ン環 のC‑H面. 内 変 角振 動. どの 吸. 収 も あ る か ら注 意 し て み る 必 要 が あ る 。 P‑C≡N結. 合 のC≡. …N伸. 縮 振 動 は2183〜2217cm‑1. に あ ら わ れ る45)。 こ れ は 脂 肪 族 あ る い は 芳 香 族 ニ ト リル の2215〜2260cm‑1よ. り も低 波 数 で あ る か ら,こ. P=0と る。. α一不 飽 和 結 合 と の 共 役 は な い と 考 え られ て い. し か し,α. 一不 飽 和 結 合 のC=C伸. つ い た 化 合 物 で み ら れ,そ. 1645cm‑1に. あ らわ れ る45)。 こ れ は 二 重 結 合 の π電 子 が. リ ン の 空 位 の3d軌. 道 へ 移 動 す る こ と(P。‑d.共. 原 因 す る と 考 え ら れ る 。 し か し,ま. フ ェニ ル基 を含 む ホ ス ホ ニ ウム塩 の 同定 に は か か せ な. 合 物 で も,リ. い 。905〜1005と710〜730cm―1の. え ば,vinyldiphenylphosphine. ス ホ ニ ウ ム 塩 に 特 徴 的 で あ る が,強. 度 は 強 い も の か ら弱. い も の ま で 化 合 物 に よ っ て ま ち ま ち で あ る か ら,む 1110〜1120cm―1の. しろ. oxideで. 動 は1590cm‑1で. あ る がvinyldiethylphosphine. で は1610cm‑iと. 高 い53,54)。 XI.. P‑H 合. P‑H.. 縮振 oxide. 結 合. 結 合 は2270〜2470cm‑1. と 900〜1150cm‑1. 特 性 吸 収 を 持 つ55)。 前 者 はP‑H伸 簡 単 な 対 称 分 子 に 対 す る 計 算 の 結 果 か ら,P‑C伸 振 動 は700cm‑1付. 近 に あ る46,47)と さ れ,事. て い る45'48'49'50'51)。し か し,こ 複 雑 で あ る た め,あ. 吸 収 を持 っ. の領 域 で の ス ペ ク トル は. る 特 定 の 吸 収 をP‑C伸. 属 す る こ と は 困 難 で,実. 縮. 実,P‑C結. 合 を 含 む 大 部 分 の 化 合 物 が650〜770cm‑1に. 縮 振 動 に帰. 用 的価 値 は期 待 で き ない 。 む し. 合 に 特 徴 的 な 吸 収 を 個 々 の場 合 に つい て検 討. す る こ とが 大切 で あ る。. 〜 強)に. 振 動 に 由 来 す る も の で,多. 特 性 吸 収 を 持 つ 。CH、. く のP‑H化. 1015cm‑1と1031〜1150cm‑iに. 角. 合 物 が900〜. 二 本 の 吸収 を持 っ てい. る55'56)が 帰 属 は 簡 単 で な く実 用 的 価 値 は 少 な い 。P‑H伸 縮 振 動 は2270〜2470cm‑1と,同. 一 周 期 に属 す る他 元 素. のXH振. 動(νsiH. cm‑157))よ. り も広 範 囲 に わ た り,有. 2097〜2258. し て い る 。 一 方,吸. (結 合 の 極 性)を 変角 振 動. に. 縮 振 動 に 由 来 し,中. 程 度 の 鋭 い 吸 収 で 容 易 に 識 別 で き る 。 後 者 はP‑H変. 性 を示. 結 合 を 持 つ 化 合 物 は1277〜1333(中)と842. 〜954cm―1(中. はC=C伸. 吸 収 の補 助手 段 と して 用 い られ るべ. X.P‑C結. P―CH、. 鳴)に. た 同 じ α一不 飽 和 化. ン に つ い た 置 換 基 の 影 響 を も うけ る 。 た と. き も の だ ろ う。. ろP‑R結. 縮 振 動 は β‑不 り も低 い1590〜. る 。 い ず れ に し て も こ の 吸 収 は 強 く特 徴 的 で あ る か ら,. 吸 収 は どちらもホ. れ と. の 区別 は 比較 的容 易 で あ る。. 飽 和 結 合 の そ れ(1631〜1661cmHi)よ. の 吸 収 位 置 と重 原 子 の 電 気 陰. ェ. 近 に も 吸 収. 者 の 吸 収 の 付 近 に は,1405〜. と 考 え て い る 。 こ の 吸 収 はKrossら43)に よ れ ば,な お 一 般 的 に4b ,5b,6b,7b族 な どの 重 原 子 に フ ェニ ル基 が. 性 度 の 自 乗 と の 間 に は 直 線 関 係 が 認 め られ る と し て い. 合 の存 在 を. リン につ い た フ. 1425(P‑N‑Ph),1445〜1458cm―1(P‑0‑Ph)な. 強 い 吸 収 は,重. 縮. く に1200〜1300cm‑1. ニ ル 基 の 変 角 振 動 を 示 す ほ か1000cm‑1付. (Strong),995〜1005,710〜730cm‑1に 持 っ て い る 。1430〜1440cm‑1の. てP=0伸. 。. 化 合 物 は い ず れ も1430〜1440(Stron9),1100〜1120 特 徴 的 な吸 収 を. 縮振 動があ. 鳴)し. に わ れ る こ と が あ り,と. 一 応 考 慮 す る必 要 が あ る. の. の吸 収 を持. っ て い る が45),こ れ を 直 接 同 定 す る こ と は 困 難 で あ る 。し. A.. は 一 義 的 に 決 定 し う る 特 性 振 動 は 認 め ら れ な い が,他. た. 吸収 を欠 くこ とか. cm‑1,. 収 強 度 は リン の電 気 陰 性 度. 反 映 し てSiHとSHと. で あ る 。 構 造 別 に み たP―H伸. νsH 2550〜2600. 機 リン化 合 物 の 多 様. の中間の強 さ. 縮 振 動55)は 次 の 通 りで あ.

(10) 141. 有機 リン化合物の赤外綜吸収 スペ ク トル. ( 49 ). 表12. P‑H. 伸 縮 振 動 (cm‑1). るい はそ れ 以 上 に わ れ て で る こ と もあ る 。. る 。. phosphonic も,ま. acidの. モ ノ エ ス テ ル は ジェ ス テル よ り. たphosphinic. 伸 縮振 動 が 高. acidは. モ ノ エ ス テ ル やphosphinic く)H問. acidの. の も の で あ っ てP‑H結. る の に 対 し て,phosphinic honica. cidの. 縮 振 動 は740〜940cm‑1に. な く,P=0化. acidの. 合 物 とP=S化. acidの. で. (865•`940. cm-1). (815•`916. 期 待 され る が,多. 移 動 す る58)こ と や,P=0が. あ らわれ な い。. 二 個 の 水 酸 基 で ブ ロ ック さ はP‑H伸. たP‑H伸. 縮. 振 動 が 水 素 結 合 の た め に 幅 広 く な る こ とが あ る が,さ. で は2本. ら. モ ノ エ ス テ ル な どで は 回 転 異 性 の. の 吸 収 に わ れ る こ と が あ る 。 た と え ば,Ar. (RO)P(=0)Hで. は,回. 転 異1生 に 起 因 し て 固 体 と溶 液 と. の 吸 収 の 相 対 強 度 が 変 化 し た り,置. 換 基 が大 き. くな り立 体 障 害 が 増 す に つ れ て 一 方 の 吸 収 の 強 度 が 強 く な る こ と な ど が 観 察 さ れ て い る59)。 P‑D伸. 縮 振 動 は も と のP‑H化. 〜1793cm‑1に. P‑C1伸. 合 物 に 対 応 し て1650. 出 現 す る22,60,61)。. XII.. P‑X. 結 合. (X=F,. 縮 振 動 は420〜587cm‑1に. か な り強 い3,55,62)。 し か し,こ. Cl,. Br,. 1). あ ら わ れ,強. 度 も. の 吸 収 の前 後 に弱 い 別 の. 吸 収 を と もな うこ と もあ る。 リン の原 子 価 や 置 換 基 に対 して敏 感 で一 般 に 次 の順 に低 波 数 にず れ る。. (513-565. cm-1). (442-518. cm-1). (450-508. cm-). 二 塩 化 物 で は 逆 対 称 お よ び 対 称 伸 縮 振 動 が それ ぞれ 488〜587cm‑1と420〜544cm‑1に. cm-1). (740•`800. cm-1). くの場 合,740〜940cm‑1に1本. しか. リンの臭 化物 や ヨ ウ化 物 に対 す る デ ー タ は これ らの伸. 縮 振 動 が2457cm‑1. と高 波 数 に 出 る こ と か ら も支 持 さ れ るOま. た め に2本. 低 くで る。. ニ フ ッ化 物 で は逆 対 称 と対 称 伸 縮 振 動 の2本 の吸 収 が. acidの. ジ エ ス テル の吸 収 は希 釈 溶 液 に して 測 定 す る と高 波 数 に. acidの. 化. ジ エ ス テ ル やphosp‑. 起 っ て い る た め で あ る 。 こ の こ と はphosphonic. にphOsphinic. 合 ほ どで は. 合 物 で も大 差 ない がP皿. 合 物 では そ れ よ り100c∬1程. 水 素 結 合 がP=0と. 度 は. 合 の水 素 が 遊 離 してい. エ ス テ ル の 水 素 結 合 はP;OとP‑H問. Lれた(HO)2P(=0)Hで. あ らわ れ,強. 中 以 上 で あ る3,55)。置 換 基 の影 響 はP‑C1結. そ の エ ス テ ル よ り もP‑H. くで て い る 。 こ れ はphosphonic. P‑F伸. あ らわれ る。 一般 的. に 前 者 が よ り強 い 吸 収 で あ る が,各 吸収 が さ らに2本 あ. 縮 振 動 が 非 常 に低 波数 で あ るた め 少 ない 。 表13. P‑C1. お よ びP‑F伸. 縮 振 動55) (cm‑1).

(11) 142. 有 機 合成 化 学. XIII.. Phosphate. 第26巻. 類. 第2号(1970). 18). (9) お よび それ に類 した 化 合 物 に は,逆 対 称 お よび 対 称 伸 縮 振 動 が次 の領 域 に あ らわ れ る. 19). (表14)3)。 (9). 20) 表14. Phosphate. 類 の 伸縮 振 動. 21) 22) 23) 24). 25) 26) 27) S : strong,. M : medium. (昭 和44年10月27日. 文 1). L.J.. Bellamy,. Complex. L.J.. The. 1958,. 117,. 4). 5). Spectra. of. London,. 2 nd. in. Infrared. London,. 31) 32). Group. 1968,. pp.. 116•`. 212 R.A.. Chittenden,. Chem.. &. Ind.. 33). 1961. 1913. L.C.. Thomas,. Acta. 20. R.A.. 467. Chittenclen,. Spectrochim.. 34). (1964). Mortimer,. Spectrochim.. Acta. 9. 270. 35). (1957) 6). J.V.. Bell,. denson, 7). L.J.. 8). C.E.. 9). T.. J. J.. Heisler,. H.. Amer.. Bellamy,. Tannenbaum,. Chem.. L.. Soc.. Beecher,. J.. 76. J.. 5185. Chem.. Gol-. 36) 37) 38). (1954). Soc.. 1952. 1701 Griffin,. Chem.. Cairns,. G.. chim.. Acta. 10). 2). pp.. 11). L.C.. Thomas,. Acta. 20. &. 20. Eglinton, 31. Ind.. 1960. D.T.. 1058. Gibson,. 39). Spectro-. (1964). 40). 128•`131 R.A.. 489. Chittenden,. Spectrochim.. 41). (1964). 12). R.A.. Nyquist,. App.. 13). L.C.. Thomas,. K.P.. 14). R.A.. Chittenden,. Acta. 20. L.S.. Mayants,. Spectrosc.. 11. Clark,. 161. Nature. (1957) 198. 42). 855. 43). (1963). 15). Optics. 30). 311•`327. Advances. Thomas,. F.S.. Infra-red. Methuen,. 201•`. L.C.. 29). Methuen,. pp.. Bellamy,. Frequences,. 3). 献. Molecule,. Edition, 2). 28). 受 理). 1679. and. R.C.. Thomas,. Spectrochim.. 44). (1964) E.M.. Popov,. Spectroscopy. 16). R.A.. Zingaro,. 17). R.A.. Chittenden,. Inorg.. M.I. 7. 108. Chem. L.C.. Thomas,. 2. Kabachnik. ,. (1959) 192. (1963) Spectrochim.. 45). ( 50 ). Acta 22 1449 (1966) A.C. Chapman, N.L. Paddock, D.H. Paine, H. T. Searle, D.R. Smith, J. Chem. Soc. 1960 3608 L.G. Lund, N.L. Paddock, J.E. Proctor, H.T. Searle, J. Chem. Soc. 1960 2542 R.A. Shaw, B.W. Fitzsimmons, B.C. Smith, Chem. Rev. 62 247 (1962) N.L. Paddock, Quart. Rev. 18 168 (1964) L.W. Daasch, D.C. Smith, Anal. Chem. 23 853 (1951) S.G. Kokalis, K. John, T. Moeller, L.F. Audrieth, J. inorg. nucl. Chem. 19 191 (1961) I.N. Zhmurova, A.A. Kisilenko, A.A. Kirsanov, J. Gen. Chem. 32 2544 (1962) ; C.A. 58 10877 (1963) M.I. Kabachnik, V.A. Gilyarov, E.M. Popov, J. Gen. Chem. 32 1581 (1962) D.E. Corbridge, J. Appl. Chem. 6 456 (1956) B. Holmstedt, L. Larsson, Acta Chem. Scand. 5 1179 (1951) R.A. McIvor, C.E. Hubley, Can. J. Chem. 37 869 (1959) G.I. Derkach, E.S. Gubnitskaya, V.A. Shokol, A.A. Kisilenko, J. Gen. Chem. 34 80 (164) R.A. Nyquist, Spectrochim. Acta 19 713 (1963) N.R. Colthup, J. Opt. Soc. Am. 40 397 (1950) R.R. Shaglidullin, Izv. Akad. Nauk SSSR 22 1079 (1958) ; Bull. Acad. Sci. USSR 22 1069 (1958) V. Gutmann, O.F. Hagen, K. Utvary, Monatsh. Chem. 93 627 (1962) A.B. Burg, J. Heners, J. Amer. Chem. Soc. 87 3092 (1965) A.J. Speziale, K.W. Ratts, J. Org. Chem. 28 465 (1963) G. Aksnes, Acta Chem. Scad. 15 692 (1961) L. Horner, H. Oediger, Ann. 627 142 (1959) F. Ramirez, N.B. Desai, B. Hansen, N. McKelvie, J. Amer. Chem. Soc. 83 3539 (1961) G. Witschard, C.E. Griffin, Spectrochim. Acta 19 1905 (1963) A.E. Senear, W. Valient, J. Wirth, J. Org. Chem. 25 2001 (1960) L.A. Harrah, M.I. Ryan, C.T. Tamborski, Spectrochem. Acta 18 21 (1962) J.C. Sheldon, S.Y. Tyree, Jr., J. Amer. Chem. Soc. 80 2117 (1958) R.D. Kross, V.A. Fassel, J. Amer. Chem. Soc. 77 5858 (1955) J.G. Noltes, M.C. Henry, M.S. Janssen , Chem. & Md. (London) 1959 298; M.C. Henry, J.G. Noltes, J. Amer. Chem. Soc. 82 555 (1960) L.C. Thomas, R.A. Chittenden , Spectrochim..

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